1969/10/21~1970/4/14 TBS
あらすじ
志沢家の長男・静男(津坂匡章)と二男・順二(あおい輝彦)兄弟の恋愛を通して〝愛〟のさまざまな姿が語られてゆく。いなかから集団就職で出てきた栗山京子(沢田雅美)は、ある雨の日、雨の中でころんだ順二にかさをさしかけてやった。順二は名もいわずに去った京子捜しに懸命。一方、静男はエリート商社マンで、職場の女性には目もくれない男。だが静男の心の中には社長秘書の森山紀子(秋山ゆり)のおもかげだけが、深く焼きついていた。
「兄弟」→「二人の世界」→「3人家族」とCS日本映画専門チャンネルで再放送を見て木下恵介アワーにハマり、BS松竹東急での「おやじ太鼓」第1部/第2部の再放送でさらに深くハマりました。
リアルタイムの順番は「おやじ太鼓」第1部→「3人家族」→「おやじ太鼓」第2部→「兄弟」→「あしたからの恋」→「二人の世界」となっております。次は「あしたからの恋」の再放送がいいなと思っていたら、本当に「あしたからの恋」が始まる。
「兄弟」は1度全話見て感想も残してるけど、ほんとにサラッとしか残してないので、各話のキャストクレジットをチェックして、他の3作品と共通した出演者はいないか探してみました。
久々にしかも「おやじ太鼓」のあとに見ると最初はものすごく暗く感じた。前に見たときは暗いドラマなんてこれっぽっちも思わなかったのにな。お父さんがいい味出してたなんて思ってたら、最初のころはめちゃくちゃ怖いし亭主関白だし。歌まで暗く聞こえてきた。
主題歌
「どうして声がとどかない」
作詩 みおた・みずほ
作曲 木下忠司
唄 ジャン・グラーズ(フィリップス・レコード)
ジャン・グラーズは男性数人のコーラスグループ?みたいだけど、劇中では時折、女性が歌ってるバージョンが流れる。その歌声は紀子役の秋山ゆりさんの歌声らしい。客室乗務員から女優って華やかな経歴だけど20代のうちに辞めたのかな?
最初のシーンが重要なきっかけなのに雨だったのをすっかり忘れていて、おぉ~と唸る。最終回の最後のシーンにつながってる。
キャストクレジットの一番最初は志沢家の両親だった。年功序列? 木下恵介アワーは役名が付いてないんだよね~。役名と役者名がセットで表記されてるとありがたいんだけどね。しかし、セリフに字幕がついてるのは大変ありがたかった。
北村和夫:志沢修太郎…静男・順二の父/1~5、7~13、16~22、24~26話
何といってもおしんの義父役が印象的。
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津島恵子:志沢厚子…静男・順二の母/1~5、7~13、16~26話
あぐりの店を訪れた妃殿下のお付きの者だった。
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津坂匡章(現・秋野太作):志沢静男…商社総務部勤務/1~26話
「おやじ太鼓」鶴三郎
同時期に寅さんの舎弟・昇もやっていた。
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あおい輝彦:志沢順二…静男の弟。大学生/1~26話
「おやじ太鼓」鶴敬四郎/「3人家族」柴田健/「二人の世界」榊原恒雄
青沼静馬~もあおい輝彦さんなんだよね~。
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秋山ゆり:森本紀子…静男と同じ会社の秘書課勤務/1~26話
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沢田雅美:栗山京子…デパートの食堂のウェイトレス/1~19、21、23~26話
「おやじ太鼓」鶴かおる/「3人家族」稲葉明子
橋田ドラマの常連っぽいイメージだったけど山田太一ドラマの常連でもあった。
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池田二三夫:三崎…順二の大学の友人/1~3、7、10~12、15、23話
「おやじ太鼓」杉本/「二人の世界」二郎のスナックの客
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京子の同僚
東郷真智子/1~3話
菅本列子(現:菅本烈子):智恵子…京子と同郷/1~7、9、10、12~19、23話
伊原静江(旧・大和撫子、元・大和なでしこ):美佐子/3~7、9、10、12、13、15、17、19、25話
高野えり子/1~7、12話
茅淳子/1~7、17、19話
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多川容子(蓉子):雅子/1、3、6、11、13話←当初は静男の同僚として、11、13話は紀子と同じ秘書課になってた。14話もクレジットされてないけど顔は映っていた。
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静男の同僚
渡辺政子/1、3、6話
田辺さつき/1、3、6話
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島津元(現・畑嶺明/脚本家):浅川信吾…辰造の部下の大工/2、4、5、8~17、20、23、24、26話
脚本家の畑嶺明(はた・みねあき)さんが亡くなりました。80歳でした。テレビドラマを主に執筆し、代表作「キッズ・ウォー」シリーズのほか、「毎度おさわがせします」「太陽にほえろ!」「俺たちの旅」など、多数のヒット作を手掛けました。https://t.co/hFbfyz51kr
— 時事ドットコム(時事通信ニュース) (@jijicom) October 17, 2023
ドラマ再放送中に訃報を耳にするとは驚いた。
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菅野忠彦(現・菅野菜保之):井沢係長/2、3、6、11話
竜岡晋:静男と紀子の会社の社長/2、7話
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高橋弘信:滝口…静男の隣の席の同僚/2、3、6~8、10、15、18、25話
稲川善一/2、6、7話
片山滉/2話
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成瀬昌彦:大学教授/3話
井上千枝子:順二にパネル討論に行こうと誘った女子大生/3話
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寄山弘:静男と紀子が知り合った洋食屋のコック/3、5~7、10話
「二人の世界」17話…スナックの客(おしぼりパーンの人かな?)
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松尾文人/3話
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市山達巳:洋食店の店員/3、5~7、10、13、16話
「おやじ太鼓」大亀建設の社員
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デパートの食堂の客
渡辺よしみ/3話
野島ひろみ/3話
田所洋子/3話
加藤真智子/3話
神保共子/3話
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川上夏代:キク…紀子の隣の家の畳屋のおかみさん/5、10、14、22話
浅茅しのぶ:デパートの食堂の主任/5、19話
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星清子:デパートの食堂の客/5話
天海朝男の母・タマの頃よりずいぶんふくよかで声で何となく分かる程度。
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明智五郎:小野…秘書課の課長/6話
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坂田多恵子:ウェイトレス/6話
「おやじ太鼓」仲居さん
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小池栄:スナックのマスター/8話
「おやじ太鼓」堀部長
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京子と同じ寮の女の子たち
五条真紀/9話
柳田真理/9話
山田悦子/9話
津村まり/9話
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山田浩策:配達員/10話
「二人の世界」1話に出演してたということは劇場の事務員か二郎の同僚?
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中村美代子:順二と三崎に道を教えた女性/11話
女学校の賄いのイネさん。
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南風洋子:村山澄子…辰造の得意先の娘、未亡人/12、14、15、18、24話
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市川寿美礼:栗山トシ子…京子の母/12、25話
浜田寅彦:栗山幸吉…京子の父/12話
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長浜藤夫:村山…澄子の父/12話
「おやじ太鼓」六さん/「二人の世界」二郎の父
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高畑喜三:修太郎の部下/12、16話
「3人家族」1~3話ということは雄一の同僚?
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川崎巌:修太郎の部下/12、16話
「おやじ太鼓」大亀建設の社員
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木下八重子:村山英子…澄子の娘/12話
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本橋和子:厚子にミシンを勧められる女性/13話
「おやじ太鼓」洋二の働くバーの客/「3人家族」7話にも出演。
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谷よしの:厚子にミシンを勧められる女性/13話
寅さんシリーズの常連。
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高杉和宏:修太郎の部下?/13話
「3人家族」4話
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土田桂司:静男と紀子が出会った店のコック/13、16話
「おやじ太鼓」大亀建設の社員
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泉真喜:純喫茶「菰(まこも)」のウェイトレス/14話
「3人家族」1話/「二人の世界」20話
「おやじ太鼓」62話の浜松回で和泉真喜という名前がクレジットされてるけど同一人物かな? こちらでは恐らくバーの店員。
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脇山邦子:静男と紀子の会社の受付/15話
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山村圭二:修太郎の部下/16話
「二人の世界」1、7、22話…この話数の感じだとレストランの店員かな。
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谷川正人:修太郎の部下/16話
「二人の世界」20話。スナックトムのお客さんかな。
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梅田文彦:修太郎の部下/16話
「二人の世界」10話…二郎の同僚、スナックフジの店主のどっちか?
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山内明:安藤/18話
「二人の世界」榊原遼一…麗子の父
木下恵介アワー的には麗子の父だけど、私にとっては「はね駒」のおじいちゃんなんだよな。ス ノタマワグ…
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戸張正男:修太郎の部下?/18話
「二人の世界」3話…二郎の同僚かなあ?
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中島元:デパートの客?/19話
「ほんとうに」では呉服屋さん。同じ人かな?
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大塚君代:タバコ屋のおばちゃん/20話
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長谷川英敏:新聞の集金の人かな?/20話
「二人の世界」10話…二郎の同僚かスナックフジの店主か?
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加島潤:係長/25話
「二人の世界」21話…近所の商店街の若い衆のひとりかな?
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花井緑太郎:新入社員or係長/25話
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沢渓:新入社員/25話
「おやじ太鼓」15話/「3人家族」13、24話…キクの店の従業員かも。
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高倉大輔:新入社員or係長/25話
「二人の世界」12話
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みづの浩作/26話…最終回に出てた!?
「おやじ太鼓」の魚一の孝行息子・水野皓作さんと同一人物だと思う。
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菅原謙次(旧・菅原謙二):森本辰造…紀子の父/2、4、7~9、11~18、20~24、26話
「七人の刑事」では杉山刑事。「阿修羅のごとく」では綱子の不倫相手。
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菅井きん:千代…京子の女子寮の管理人/4~6、8~11、13、14、19、21、24~26話
「おやじ太鼓」お敏/「3人家族」春日ハル
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ナレーター:矢島正明/1~8、10~26話
たまにナレーションのない回もあったんだな~。
26話皆勤賞は静男、順二、紀子でした。字幕は黄色/静男、緑/順二でした。大体、相手役が緑(NHKだと水色)なんだけど、「兄弟」というドラマだからかな?
以前見たときの感想
序盤はデパート、会社が出てくるせいか登場人物は多い。ただ、誰が誰か分からない人もいる。役名の出てくる人もいるんだけど、wikiにない人は顔と名前が一致しない。京子の同僚は顔と名前が一致したのは智恵子、美佐子だけど、ほかに時子、雪子と役名が付いている。
ちょい役でも思った以上に木下恵介アワー出演者が多い。それと、秘書課の雅子みたいに最初は静男の同僚として登場してたのにいつの間にか変わってるパターンもあるのが面白いな。静男と紀子が出会った洋食屋のコックさんも途中で変わったし。この時代、顔が映りこんでいてもセリフがないとクレジットされない模様。
「3人家族」「二人の世界」も同じようにナレーションがついている山田太一脚本ドラマなのに、静男は無口な青年なので心情をナレーションで表すことが多く、面白さ倍増。心の中ではかなり饒舌。
秋野太作さんはほとんど「おやじ太鼓」の三郎みたいな明るいお調子者の役が多く、静男の役は異例だったみたいだけど、こういう役もいいと思った。順二とのシーンはちょっとだけ三郎と敬四郎っぽくなってる気もする。時々、根の明るさが出てしまうときがあるね。
BS松竹東急での4話の放送中、紀子の父の名前が修太郎と表記されていた。
「兄弟」→「おやじ太鼓」の順で見たから、「おやじ太鼓」初回で三郎、敬四郎、かおるが揃ったシーンを見て、絶対次は「兄弟」の再放送が見たいと思ってました。21話で京子と静男が顔を合わせて(初対面はもっと前だけど)「いらっしゃい」なんて静男が話しかけるシーンを見てると、なんだかやっぱり「おやじ太鼓」を思い出す。
当時、あの枠をずっと見てたら「おやじ太鼓」で兄妹だった2人が「3人家族」では同じ歳の浪人生でまた「おやじ太鼓」2部で兄妹に戻って、次の「兄弟」では恋人同士でって混乱しちゃうね。
ただ、「おやじ太鼓」で兄妹役だったせいか「3人家族」でも「兄弟」でも兄や姉は結婚するけど、結局はふわっとした関係で終わってるような気がする。
改めて見ると、あおい輝彦さんはいつもは気のいい弟ポジションだけど、このドラマだと割と店員に横柄な態度をとることも多かったり、京子にかなり強引に迫ったり、母親が仕事を持つことを批判したり…「おやじ太鼓」の山田太一脚本回も三郎が幸子に家事を押しつけたり男尊女卑っぽいシーンが他の回より多く感じた。
かと言って、山田太一さんが男尊女卑な人だと思わないけど、このドラマのこの兄弟は割とそんな感じ。両親と息子2人だと母親の味方になる人いないね。
男尊女卑な人が出てきてもドラマの中で反論する人が出てくれば別にいい。男尊女卑っぽい人がヒーローみたいに出てきて、みんなが肯定するようなドラマだといくら昭和のドラマでも見る気がなくなるってだけ。木下恵介アワーはそのバランスがとてもいい。
「おやじ太鼓」のおやじは怒鳴るけど旅先で女按摩も呼ばない愛妻家だし、服を脱ぎ散らかすことがあっても自分から率先してお茶を入れたりもするし、掃除もするから憎めない。そこが修太郎とは違うところ。そうは言っても修太郎も浮気の心配はなさそう。
23話、信吾が辰造と飲んでいて「おれ…」と無音になってたけど、以前再放送で見た日本映画専門チャンネルだと「ちょっと狂ってた」とはっきり言ってた。BSとCSでも基準が違うのかな? 日本映画専門チャンネルで「おやじ太鼓」をやってくれたら無音の部分はなくなるんだろうか?
26話、前に見ていた時は3~4話まとめて見ていたせいか、最終回の京子はセリフもなくて順二と話すシーンもないなんてすっかり忘れてた。傘さすシーンもすごい勘違いしてたし。でもやっぱり私には好きなドラマだった。改めて見ることができてよかった。
「男はつらいよ」の1作目と「おやじ太鼓」や「兄弟」はほぼ同時期。映画は1969(昭和44)年8月公開で、「おやじ太鼓」第2部は昭和44年4月~10月放送、「兄弟」は昭和44年10月~昭和45年4月放送。
秋野太作さん演じる舎弟の登はもっと茶髪のイメージだったんだけど、見た目は三郎そのままだった。もっとのあとの作品だったのか、そもそも勘違いだったのか。
次は「あしたからの恋」です。こちらは「おやじ太鼓」同様初めて見るので楽しみ!