徒然好きなもの

ドラマの感想など

【ネタバレ】木下惠介アワー 兄弟(全26話)#24-26(終)

1970/3/31~1970/4/14 TBS

 

あらすじ

志沢家の長男・静男(津坂匡章)と二男・順二(あおい輝彦)兄弟の恋愛を通して〝愛〟のさまざまな姿が語られてゆく。いなかから集団就職で出てきた栗山京子(沢田雅美)は、ある雨の日、雨の中でころんだ順二にかさをさしかけてやった。順二は名もいわずに去った京子捜しに懸命。一方、静男はエリート商社マンで、職場の女性には目もくれない男。だが静男の心の中には社長秘書の森山紀子(秋山ゆり)のおもかげだけが、深く焼きついていた。

 

一挙6話放送だったのですが、一気に最終回まで見るのがもったいなく感じました。

 

紀子は信吾と話がしたくて会社に電話して遅刻した。そこに信吾が出勤。紀子は社長が今日と明日出張だから休んでもいいと話していた。信吾は箱根を紀子とドライブしたいと言い出した。「センチかねえ。キザかねえ」と言うが、いつドライブに行こうか待っている時間が紀子にはよくないと紀子が休んでもいいなら今からでも行ってこいと辰造は送り出した。

 

初めてで最後のドライブに努めて楽しそうにした。会話は当たり障りなく。

 

会社にいる静男に厚子から電話があり、修太郎がいい背広を着て出掛けて行ったのがなんだか変だと話した。会社を辞めるつもりなのでは?と厚子は思っていた。

 

一人工場?を歩く修太郎。

 

辰造は一人タバコを吸っていると、澄子が駅の前までお使いに来たついでに訪ねてきた。信吾に休みをやったと言うと「大変ね、人を使うのも」。信吾は隣のキクさんや澄子さんにすぐ仕事をサボるやつだと思われてないか!?

 

「玄関でお返しするわけにはいかない」と澄子を家にあげる辰造。「お嬢さんならいつでも歓迎」といそいそと部屋を片付けながら迎え入れた。いよいよ紀子の結婚が決まりそうだという話から辰造の再婚の話へ。

 

男盛りだと澄子が言うと、お嬢さんこそ女盛りじゃないですかと話を振るが「女はねこの歳になったらおしまい」だと言い、「40過ぎて大事にしてくれるのは若い頃を知ってる人だけ」とも言った。澄子の家も一人娘でまだだけど、いずれどっかの家にあげちゃうと一人になる。持参した茶巾寿司を置いて帰ろうとしたが昼だけでも付き合ってくださいと辰造が引き止めた。

 

昔のドラマを見ていると伴侶を亡くして泣き暮らすというより、すぐ再婚の話になるんだよね。辰造は5年。澄子は3年前に夫を亡くして、その後姑を看取って、義弟夫婦が住むことになるので出戻ってきた。辰つぁんは全然下心が見えない感じが良い。

 

芦ノ湖のほとり昼食をとった紀子と信吾。紀子はいけないドライブだったと後悔していた。どうしても信吾への哀れみがあった。信吾も情けない気持ちになったが、このドライブはやはり大事だったと思った。「どうもありがとう。楽しかったわ」と紀子はお礼を言い、「俺と紀ちゃんじゃ合わない」と信吾は笑った。

 

夜7時になっても帰らない修太郎。静男と厚子が待っていた。順二は京子の誕生会に行っていた。女子寮で3月生まれの人たちでまとめて誕生会をやっていて、ちゃっかり参加している順二。

 

修太郎が帰ってきて酒屋の裏にマンションが建つと話した。そんな贅沢なものと修太郎は言うが、静男はみんなお金あるんだねって、志沢家もかなりのお金持ちだよ〜。

 

修太郎は「辞めたよ会社」と切り出し、戦友の安藤の会社で働くことになったと言った。ベルトを作る会社。厚子も息子たちも屈辱を受けた会社にへばりついてることはない、お父さんならいずれ辞めるだろうと思っていたから明るい。修太郎も終始明るく振る舞った。ここまで24話。

 

4月になり、静男が新人教育をしていた。新入社員って男しかいないの? 社内を案内し、秘書課のある11階へ。ちょうど秘書課から紀子が出てきた。どよめく新入社員達。志沢と共に新人教育している同僚がミス11階だと紹介した。軽く挨拶をし、男達の間を歩いていく紀子。「美人がいますね」と新入社員に話しかけられ「そうか?」と返す静男。

 

屋上に案内した同僚は「スモッグでも吸い込んでくれ」と休憩。静男は不安と緊張と意気込みを持った新人達もいずれ結婚し、子供を持ち、平凡な人生を歩むのだろうと思っていた。

 

志沢家では修太郎が本をたくさん広げて、調べものをしていた。安藤は修太郎がたくさん注文を取れば、仕事を広げて新工場を建てるつもりでいる。

「とにかくやらんか」

「やろう」

と決めた修太郎。そんなやり取りで決める者は若い者には一人もいない。男度胸の心意気。仕事が乗ってくると厚子が不満がるから少し失敗して心配させるなんて言っていると、着物を着たトシ子という女性が訪ねてきた。

 

女子寮の千代は電話を前にヤキモキしている。

 

トシ子は山梨から出てきた京子の母だった。

 

千代が職場の京子と電話していた。智恵子が「大学生のお友達もできて元気だ」という余計な手紙を出したために、トシ子が心配して上京し、千代から順二の家を聞き出して向かってしまった。

 

テレビでよく見るようなお家だとか映画スターの家みたいと志沢家を見渡すトシ子。何もかもきれいだと言い、こんなお家のお嫁さんになるのか…と言い出したので、修太郎も厚子もビックリ。順二は大学生だと言うと、「結婚も考えないで男女交際を許していたんですか?」と聞いてきた。傷モノを嫌がるのは男の方だとか大学生の遊び相手にされたなどと言い出す。

 

修太郎は「することに責任を持たせている」と言っても「やっぱり男の子の親だから…」。無遠慮なトシ子だけど、トシ子の心配もなんか分かるな。仕事を抜け出してきた京子は順二と駅で鉢合わせ。

 

昼休み、紀子が静男に内線をかけたが静男は新人達とお昼に行っていた。「秘書課の森本さんですね?」と同僚がすかさず指摘。順二の友達は三崎という役名もあったけど、静男の同僚は隣の席で多少会話もしてたけど役名はなかった。さりげなく面白い人だった。

 

静男は新人に「生きがいは?」と聞かれ「それぞれ自分で見つける」と答えた。静男自身の生きがいを問われたが何となくごまかした。

 

京子達が到着したがトシ子はダンマリ。若いと自分じゃ抑えが効かないと京子の心配をしていた。親ほど弱いものはないと修太郎もフォロー。お昼はお寿司。トシ子は京子の腕時計を「きれいな時計」と、めざとくチェック。時計をもらう仲だが「何でもないのよ」と京子は否定。トシ子は「育ててきたのがバカみたいで」と突然泣き出した。

 

静男と紀子の会社帰り。昼間の紀子を「堂々と通過して貫禄あった」と褒める静男。そして、かわいかったとも言った。隣の席の同僚に「式はいつ?」とからかわれたという話から紀子にも同じ質問をされ、両家で会って挨拶をしようという話になった。

 

平凡に人生の扉を開きかけてることにまだ迷いがある静男。もうね、一流大学→一流会社→社長秘書と結婚って平凡じゃないぞー!

 

トシ子は一人だと旅館は断られると千代の部屋に泊まることになった。「たい焼き買ってきた」と千代の部屋を訪れた京子を知らん顔するトシ子だったが、千代に言われて笑顔を見せた。ほんとに菅井きんさんいいな!

 

志沢家。「親なんていろいろ考えてるもんだろう」と修太郎はいい、いつになく順二は素直。しかし、巣立とうとしている息子達に修太郎は寂しさを感じていた。ここまで25話。

 

今日は修太郎と厚子が森本家へ来る日。割烹着姿の紀子に「そういうの着ると人妻みたいだね」と信吾は笑顔を見せた。信吾は一人で現場に行く。いつも日曜日も働いてるよね。お膳に傷がついてるから新しく買おうと紀子が言うが、新しくお膳を買っても一人になるんだからいらないと辰造が怒った。

 

志沢家。厚子は美容院に出かけて行った。静男は庭に咲いた花を眺め、厚子が内職したっていいじゃない?と修太郎に言った。会社にいた頃はつまらん噂がやけに気になっていたという修太郎。

 

静男は結婚してアパートに住むと言っていた。家を出るんだね。長男だし、そのまま同居かと思ってしまうのは私が地方者だからかな。狭いとも言ってたし、順二もいるしな。

 

「結婚するときただ嬉しかった?」と修太郎に聞く静男。結婚に迷ってるんじゃないが…という静男に「平凡なのが不満か?」と聞く。結婚して何となく幸せになんかならないという修太郎の言葉。信じ合える家庭があれば世間から真っ向立ち向かえる。独身を通して世間に尽くすことには反対だという修太郎。うっ頭が!!

 

12時。森本家でささやかな昼食をとっていた。静男達が来るのは3時だから新しいお膳を買おうと辰造が言い出した。紀子はさっきはいらないと言ったのに、最近すぐ機嫌が悪くなるから、結婚が決まってお父さん嬉しそうな顔してくれない、お嫁になんか行かないと泣き出した。お父さんが悪かったよ、お前の縁談喜んでんだよ、でも寂しい気持ちもあり、別れる時つらくなるから突き放すような態度を取っていたと辰造も涙を見せた。

 

千代に電話をかけた順二。京子は仕事で「日曜にデートできないのは悲劇だ」と千代に遊びに来るようにいうが、千代は留守番で出られない。順二が女子寮に遊びに行くことになった。電話を切った後「ばあさんとトランプか…」って最後まで失礼な奴だ。

 

京子に電話するつもりで受話器を持って横浜の山下公園でデートしようなどと一人芝居する順二。妄想電話でした。あおい輝彦さんファンがキャーキャーいうやつか!?

 

辰造と紀子はふたりして濡れタオルを目に当てて腫れを引かせている。お互い服はそれでいいのか?という話になり、お父さんは和服が似合うと着替えることになった。辰造役の菅原謙次さんは「阿修羅のごとく」では長女・綱子の不倫相手で料亭の旦那さんだったかな。いつも和服だったような。

 

静男達が森本家に最寄駅から歩いていると春雷が鳴り、雨が降り始めた。辰造は「縁談に雨はいい」と言い、挨拶もスムーズに進む。辰造は「一人の人間が二人になり、三人になり、一つの家族を作るってことは誰もがやっているようで一つ一つ尊いもんです。女房を亡くしていると、いなくなってやっぱり私に取ってかけがえのない女房だったとわかった」と、修太郎も辰造も家庭についてあらゆるバリエーションで語れてすごいなと思う。

 

帰る頃になっても雨は止まず、3つの傘に2つの家族が入って駅まで歩く。静男と紀子、修太郎と厚子、辰造。

 

千代とトランプに夢中の順二や仕事を頑張る信吾や京子も映り、町中を3つの傘が進んでいくところで終わり。

 

いや〜面白かった。不倫や殺人のない平凡な家族の話でキテレツな人間が出てくるわけでもないのに、ちっとも退屈せずに見ることができました。余韻のあるいい最終回でした。

 

澪つくし」的にナレーションで内面を語ったりするタイプのドラマだったので、朝ドラみたいだなと思ってたけど、1972年から1年朝ドラもやってたんだね。 

www.nhk.or.jp

www.shochiku.co.jp

1973年にはヒロインを松坂慶子さんにして映画化もしている。1973年2月公開でドラマの最終回より早い。キャストはところどころ違う。朝ドラの舞台は1943(昭和18)年~66(昭和41)年。ヒロインは網元の長男と結婚。網元のおかみさんは赤木春恵さん。「おしん」以前の朝ドラが見たいけど、このドラマは初回と最終回くらいしか残ってないらしい…見たかったなあ。戦争を直に体験した世代の描く戦争時代を見たいんです。