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【ネタバレ】木下惠介アワー 3人家族(全26話)#3-#4

1968/10/15~1969/04/15 TBS

 

あらすじ

TBS『木下恵介アワー』で歴代最高視聴率を記録した人気ホームドラマ。偶然の出会いから始まる大人の恋と3人家族の心あたたまる交流を描く。男ばかりの柴田家と、女ばかりの稲葉家の二つの3人家族の交流を軸に、ロマンスやユーモアあふれるエピソードを盛り込んで話は展開する。山田太一が手掛けた連続ドラマ初脚本作。1960年代、大家族ドラマものが流行る中で、シングルファザー、シングルマザーの世界がリアルに描かれたのも話題となった。

三人家族

三人家族

  • あおい 輝彦
  • 謡曲
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

3話

 

1つの生まれようとしている愛があった。2人は街で行きずりに幾度か相手を見た。そして2人の心にお互いが不思議なほど強く刻まれたのであった。しかし、相手がどこの誰かも知らない。もう一度会うことがあるかどうかも分からない。2人は別々の生活の中にいた。

 

敬子は霞ヶ関インフォメーションセンターで働いている。客で写真家の沢野(中谷一郎さん)が一方的に敬子の母・キクがマネージャーとして雇われている横浜のレストラン・ボルガに食事に誘った。夕方、レストランに行くと恋人を見せに来たと思っているキクに呼ばれて初めて会った人だと説明した。

 

沢野は40男。キクは妹の明子に敬子がレストランに食事に来たことを連絡する。

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中谷一郎さんは↑のドラマでは刑事役だし割と硬派なイメージだったので、40男のナンパカメラマンという役が意外な感じ。

 

お祭りの夜。以前、雄一に怒られた手前、健は勉強中。耕作は祭りに行くように言う。優しいお父さんだなあ。太鼓を叩く健を洋子も見に来ている。

 

雄一帰宅。耕作は健が勉強しているとごまかす。しかし、健の声がしないので雄一にバレた。しかし、度々アップになる雄一がかっこいいなあ。好きな顔。健にとって雄一が父親役、耕作が母親役だと耕作がいう。健は仲間に連れられて帰ってきた。日本酒コップ2杯でベロベロに酔っ払ってしまっていた。

 

翌朝。健が二日酔いで寝ていると柴田家にひっつめ髪にメガネの女性(菅井きんさん)がやってきた。今日からやってきた家政婦の春日ハルで二日酔いの健の世話を焼いた。洋子が見舞いに来て、二日酔いに効く薬と花束を持ってきた。恋人なんでしょとハルが聞くと、洋子は花束はお花の稽古の帰りで恋人ではないと笑って否定した。フラれてしょぼくれる健。

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菅井きんさんは同じく山田太一脚本の「兄弟」では、京子(沢田雅美さん)の住んでる女子寮の管理人。順二(あおい輝彦さん)と仲良し。

 

雄一の会社では11月17日 一次試験がある。同僚の佐藤は最近、恋人ができたという。勉強に1年、支社に1年、彼女を2年も待たせられないとこぼす。雄一は女なんていらないと強がりを言う。お前は強いよと佐藤が言う。

 

そう、強くならなければいけないと雄一は思った。しかし、もう一度あの人に会ったら、そしてもし話をするほどに知り合ったとしたら果たして愛さずにいられるだろうか。予感のようなものが雄一にささやいた。もう一度会ったら愛してしまうと。だから会わなければいい。偶然よ、どうかあの人に会わせないでくれ。

 

雄一よ、めちゃくちゃ敬子に会いたいのがダダ漏れです。

 

沢野と食事する敬子。月に10回は会いたいと言う沢野に敬子は3回にしてほしいと言う。いろんな人とお付き合いしてみたいという敬子。40男と聞くと20近く若い女に積極的すぎて怖い。

 

恋人はいない。そう、敬子に恋人はいない。しかし、なぜあの人が心に残っているのだろう。あの人…今別れた沢野ではない。まだひと言の言葉を交わしたこともない行きずりのあの人だ。どこの誰とも知らない見知らぬ人。

 

夕方の横須賀線新橋駅。乗ろうとしていた電車に乗り込めなかった雄一はドア側に立っていた敬子と目が合ったが、雄一を残して電車は発車してしまった。

 

4話

 

何者かにからかわれているような偶然であった。あの人はどこの誰なのだ。雄一の心に彼女の姿が更に深く刻まれたのであった。

 

健は耕作の頭を庭先で散髪。子供たちがたくさん垣根から覗き込んでからかう。「兄さんも早く」と言われたが、子供たちが騒ぐのでやらないと言う。しかし、健が子供たちを追い払った。

 

雄一は彼女とまた会うときのことを考えていた。おかしいことだが、また彼女と会うとき健の下手な床屋の頭では会いたくなかったのである。

 

いよいよ散髪というとき、雄一の親友・中山(東野孝彦=東野英心さん)が訪ねてきて、2人で出かけた。

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「二人の世界」でも竹脇無我さんの親友役として登場。

 

健は今年も落ちたら、床屋か料理人になるという。そして、これから床屋に行って髪を切りに行くという。健はセルフカットじゃないのね。ていうか、雄一は一流会社で働いてるんだから散髪代くらいあるだろう。

 

中山は雄一に彼女を紹介した。

 

健は床屋に行って、理容師の光子とおしゃべり。みんな町内で仲良いのかな。光子は洋子が男と出かけていたのを見かけたと健に言い、ドギマギするが、洋子の父だった。周りにもバレバレなのね。

 

ハルが突然、耕作しかいない柴田家を訪ねてきて世話をし始めた。今日、行く予定の家で女房が帰ってきたと突然断られたからだった。

 

中山と彼女は職場結婚で親から反対されているなど、いくつか障害がある。雄一は彼女のいる前で愛だけで結婚していいのか?と聞いた。しかし、中山には人を愛したことがないからだと言われた。

 

人を愛すること。なるほど、それは美しいには相違ない。しかし、今の自分にはそんな暇はないではないか。今月の中旬には海外留学生を決める一次試験がある。今はそれに全力を注ぐ。合格すれば最低2年の海外生活である。人を愛することは3年あとだ。忙しいのだ。

 

中山たちと別れて、健と会った。いい歳した兄弟が2人でかけっこしてたら(雄一は下駄!)、玄関先でハルにぶつかった。雄一は下駄で下り坂を全力疾走しててヒヤヒヤする〜。履きなれた人は大丈夫なのかな。

 

敬子の家ではキクと明子と沢野のことを話していた。キクは別れた夫の愚痴を話す。敬子と明子の父親は悪い男だったらしい。キクはレストランに敬子と明子は一緒に買い物に出かけた。ロケ地は横浜の山下公園かな。

 

敬子と明子は恋バナをする。敬子は23歳。明子は浪人生だから19歳か。突然、男が話しかけてきた。富山から川崎に出てきて働いている男で日曜日に一人でいるのがつまらないといろんな人に話しかけている。こうなるまで相当努力したので、あんまりそっけなくしないでくださいとあいさつ程度でいなくなったからいいけど、完全に不審者。敬子と明子は楽しそうに笑ってたけどね。

 

会社へ通う毎日と女だけの3人家族の生活とたしかにその2つでは敬子にも満たされないものがあった。昼間のあのとっぴな男のように見知らぬ誰かに話しかけたいと思うときもあった。いや、誰かではない。やはり、あの青年が心に残っていた。あの行きずりのしかし幾たびか出会ったあの青年が。

 

横浜駅の朝の通勤ラッシュ。

 

そしてあの朝が来た。敬子と雄一が初めて言葉を交わしたあの朝が来たのだった。

 

満員電車で敬子の後ろに立ったのが雄一。敬子が振り向いて見た。雄一も「あっ」と驚く。

雄一「混みますね、毎日」

敬子「ほんとに」

 

奇妙な出会いであった。行きずりに幾度か遠く目にした相手といきなり抱き合うようにして向き合っていることがおかしかった。

 

4話にしてようやく会話を交わしたー! 少女漫画の世界みたいで好きなのかもしれない。美男美女だし。