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ドラマの感想など

【ネタバレ】松本清張 帝銀事件(主演・仲谷昇)

1980年1月26日 テレ朝

 

あらすじ

戦後最大の犯行と言われた「帝銀殺人事件」の真相に迫る実録ドラマ。画家平沢貞通は占領下、日本の軍政の犠牲となったドラマと訴える。昭和23年、敗戦国日本はまだ混迷の最中、1月26日午後3時ころ、帝国銀行椎名町支店で日本中を揺るがす殺人事件がおこった。都の防疫班に腕章をつけた男がGHQの命令で予防薬を飲むようにいってきた。やがて断末魔の惨劇の場に。

2021.10.25 日本映画専門チャンネル録画。何度も再放送してたので気になってました。松本清張作品はあんまり好きじゃないけど実録犯罪史みたいなのが好きなんです。

 

あ、字幕がない。

 

原爆、戦後の浮浪児などは実際の映像。ナレーションは「澪つくし」で画家の沖田役の福田豊土さん。

 

昭和23(1948)年1月26日(月)午後3時過ぎ 閉店直後の帝国銀行椎名町支店に白い腕章をつけた中年男性が訪ねてきて、「近くの家で集団赤痢が発生したので予防薬を飲んでもらいたい」と自ら飲み方を指導して飲ませた。住み込みの用務員家族や行員16人が飲み、女性行員の一人が外に這い出て事件が発覚した。

 

6人が病院に運ばれ、10人は既に死んでいた。当時は現場保全が徹底されておらず、現場はめちゃくちゃ。病院に運ばれた6人のうち、2人が亡くなった。青酸中毒死。現金約16万円と小切手が盗まれていた。

 

事件前にも別の銀行でも同じような事件があった。

 

人体実験を行っていた731部隊の中山中佐(戸浦六宏さん)から薬の飲ませ方は軍のやり方と同じだと聞き出した。明石警部補(中谷一郎さん)は731部隊を調べていたが、ある時、捜査が上層部の命令で打ち切られた。中谷一郎さんどっかで見たなと思ったら、「水戸黄門」の風車の弥七か。

 

平沢犯人説を唱える古志田警部補(田中邦衛さん)は平沢が犯人でなければ腹を切ります!などと精神論っぽいことを言うのはいただけませんね。

 

昭和23年8月21日 画家の平沢貞通(仲谷昇さん)を丁重に扱うふりをして手錠をかけ、逮捕し、直後、服を脱がせようとした。青酸カリを持って自殺する恐れがあったため…ってそれにしても酷すぎる。

 

事件のあった銀行員を前に「お前を殴り殺してもいいんだぞ」となじる古志田。しかし、面通しをした人で似ていると言う人はいても「この人だ」と断定する人は一人もいなかった。

 

古志田は拷問をして吐かせようとした。事件直後に被害金額と同じくらいの預金をしていたが、平沢は何も言わなかった。当時も犯人だと断定するような古志田の発言は国会でも問題になっていた。そうだよねええ。

 

平沢は逮捕3日後に自殺を図るが失敗。平沢が過去に銀行で詐欺事件を起こしていることが分かった。3回目の面通しになると平沢が犯人に似ていると言う人が増えてきた。

 

やつれた平沢はそれでも無罪を訴える。腕章も薬も手に入らないのにどうして人殺しができるのか…と言って稲佐検事(橋本功さん)はイライラ。平沢は辻褄の合わない自供を始める。

 

昭和23年9月23日 平沢はついに自供を始めた。イートン中佐は古志田と握手し、祝辞を述べた。古志田には警視総監賞が与えられた。えー!

 

昭和23年12月10日 平沢は国民服で裁判に出廷し、稲佐検事に催眠術をかけられたと話し出した。事情調書は稲佐検事との合作作文だと言った。

 

最後の方は当時の足取りを今の街で実際に仲谷昇さんが歩いて再現。急に車や電話ボックスが普通に出てきてビックリ。斬新な演出! 当時56歳の平沢がかなり早足で歩かないと行けない。いろいろおかしなところや矛盾点があるのに死刑の判決が下された。

 

死刑確定から25年。平沢88歳。未だに執行されていない。(終)

 

1987年 平沢貞通は95歳で獄中死した。まだ幼い頃だけどスポーツ紙にデカデカと死に顔が載ってた記憶があるんだよな〜。

 

ナレーションで淡々と語るが平沢の心情を明かすものではない。ドラマをざっと見るとどう見ても731部隊怪しいよね?ってなる。かと言って平沢も詐欺事件を起こしていたり1ミリも怪しくないって程でもない。だけどまあグレーなのに黒にしちゃダメよね。

 

仲谷昇さん 1929~2006

戸浦六宏さん 1930~1993

中谷一郎さん 1930~2004

橋本功さん 1941~2000

田中邦衛さん 1932~2021

 

田中邦衛さんを除くと50代〜70代で亡くなっている方が多くて驚いた。最近見ないな…どころじゃないよ。