1974年 日本
本日リピート放送✴️
— 日本映画専門チャンネル (@nihoneiga) January 21, 2021
「#砂の器」<デジタルリマスター版>
◆1/21(木)よる11時30分~#山田洋次 監督がゲストで登場✨
貴重な制作秘話や
共同脚本の #橋本忍 さんとのエピソードなど
たくさん語っていただきました📽️
本編をより深く楽しめるインタビューを
お見逃しなく😉https://t.co/pLyV9mm8gq pic.twitter.com/lS9OitxKb6
あらすじ
国鉄の蒲田操車場で起きた殺人事件は、発見された扼殺死体の被害者の身元が不明で捜査は難航するが、警視庁のベテラン刑事の今西(丹波)と、西蒲田署の吉村(森田)の地道な聞き込み捜査が実を結び、事件前夜に被害者と酒を酌み交わす若い男の存在が浮上する。
2021.1.9 日本映画専門チャンネル録画。今日は長いのを観よう。
前に連ドラ版を見たけど途中挫折。原作は随分前に既読。野村芳太郎監督作品は先日観たばかり。
東京から来た今西刑事が丹羽哲郎さんと若手の吉村刑事が森田健作さん。地元の亀田警察署の署長が秋田出身の山谷初男さん(「はね駒」の梅沢先生)。ドラマ版は東北訛りがテキトーな感じがしたのが嫌だったんだよな。とりあえず全てに濁点つけりゃいいみたいなしゃべり方。
しかし、丹羽哲郎さんが現場を歩く刑事なのが珍しく感じる。いつもデーンとデスクにいる署長のイメージ。
事件発生は昭和46年6月24日早朝。場所 東京国鉄蒲田操車場構内。
被害者の年令60〜65才。やや痩型。
服装 グレーの背広上下。ネームなし。
所持品なし。身元不明。
血液型O型。
死因 前頭部頭蓋骨陥没。
石様の物で頭部及び顔面を殴打されており、死後、轢死を装ったものである。
胃の内容物よりアルコール分検出。死後 推定3時間乃至4時間経過。
バーのホステス達の話では、被害者には東北の訛りがあり、若い男と熱心に話し込んでいた。「カメダはどうした」「カメダは変わりない」という会話が聞こえた。
しかし、捜査は難航した。第一に被害者の身許が今だにどこの誰とも分からない。
東北各県に「カメダ」という人物を探したが、それらしい人が見つからない。捜査会議で共通の知人なら東北の人間とは限らないのでは?という話や、今西刑事が地名では?と言い、秋田の羽後亀田へ。
加害者の着ていたスポーツシャツが見つからない。秋田からの帰り道、汽車の食堂車で食事をしていた今西刑事と吉村刑事は作曲家の和賀英良(加藤剛さん)を見かけた。
山梨県 塩山附近
列車から紙吹雪を飛ばしている者がいた。
「あぐり」で淳之介が尚久や南と行った塩山温泉だね〜。
この新聞記事を見た吉村が毎朝新聞の記者に電話をした。車窓からまいたものは紙ではなく布だったのでは!?と聞くが確かなことはわからなかった。記者が紙をまいた女性を東京で見かけたというのでバーへ。高木という女性に話を聞くが、東京から離れていないと言った。
その店でまたまた和賀英良を目撃。一緒にいるのは前の大蔵大臣の田所重喜の娘・田所佐知子。吉村が話を聞こうとした高木はハンドバッグからタバコを持ってくると言って、そのまま姿を消していた。
8月9日 事件は突然思いがけない展開をした。
岡山県警から連絡のあった三木彰吉という男が遺体の確認に行った。お伊勢参りをするといって出かけた父親の三木謙一が50日経っても帰らず、行方不明者にそれらしい人がいたので照会しに来た。彰吉は謙一の養子。謙一は東北に縁はなく、島根で巡査をしていて、退職を機に地元・岡山に帰り雑貨商を始めた。65歳。
今西はまだ「カメダ」が気になっていた。
国立国語研究所で東北弁に似た言葉はないか聞く。出雲弁がズーズー弁に近い…いつもここが信じられない。「ゲゲゲの女房」の布美枝さんの言葉と全然違うけどなあ。
ズーズー弁は語尾がはっきり聞こえないので亀嵩(かめだけ)がカメダに聞こえたのかも?ということで、島根の三木謙一を知ってる人に会いに行った。元同僚の1人が花沢徳衛さん! 東北訛りっぽいしゃべり。亀嵩で三木謙一と親しくしていた算盤業の桐原が笠智衆さん。桐原から聞く三木謙一は人に恨みを買うような人ではなかったことが分かった。
亀嵩の駅のホームで考え込む今西。吉村は中央線をしらみ潰しに探し、布切れを見つけた。その布切れにはO型の血液が付着していた。バーから消えた高木理恵子を探す。
線路近くのアパートで暮らす理恵子の部屋に和賀英良がいて、引っ越すよう理恵子に言っていた。
理恵子の写真を堂々と新聞に載せればいいという吉村に東京湾かどこかに女性の死体が浮かぶだけと今西がなだめた。
田所重喜は佐分利信さん。娘の佐知子と和賀英良が料亭で食事。
今西は休暇を利用して伊勢へ。三木謙一の足跡を辿る。6月19日伊勢に到着。21日に急に予定を変え、「ひかり座」という映画館に行っていた。「ひかり座」の支配人は渥美清さんだ〜! 20日、21日は違う映画が上映されていた。
和賀が作曲作業をしている。佐知子は和賀との結婚を望んでいるが、和賀に女の影があることを薄々気付いてもいる。
今西の元に桐原から巻紙状の手紙をもらった。三木謙一と関わりがあり、今は石川県に住む本浦千代吉を訪ねた。本浦千代吉の本家にいた義理の姉・山下妙が菅井きんさん。「あぐり」みたいな騒がしいばあさんじゃないよ! 本浦千代吉と息子の秀夫は昭和17年には家を出た。
和賀と理恵子が車で話している。理恵子には子供ができていて、どうしても子供が欲しいと泣く。泣きながら車から出たが、出血が…。それでも泣きながら歩く。タクシーの運転手が見つけてくれて、病院に運ばれたが、流産し、異常出血により理恵子も亡くなった。
今西はある男の戸籍調査のため、大阪へ。和賀英良の両親は昭和20年3月14日の空襲で亡くなっていた。しかし、地元に詳しい飲食店組合長(殿山泰司さん)に聞くと、和賀夫婦に子供がいないことが分かった。和賀英蔵の店には少年が働いていた。
三木謙一は6月10日に岡山県から関西旅行を経て伊勢へ。刑事の中に内藤武敏さんがいた!
映画館「ひかり座」で記念写真が飾られていて、それを見た三木謙一が田所重喜たちとお伊勢参りをしていた和賀英良の姿を見つけて、旅行の予定を変え、東京で和賀に再会し殺された。
理恵子の死を知らなかった和賀が部屋を訪ね、大家(野村昭子さん)に死を知らされた。
和賀英良の本名は本浦秀夫。秀夫が3歳の時、父の千代吉(加藤嘉さん)は、らい病になったため、6歳の秀夫とともに村を出た。日本中を旅する父子。和賀が作詞し、ピアノ演奏する“宿命”が流れる中、旅する様子が流れる。子供達にいじめられたり、時には警官に乱暴に村から追い出されたり…そんな旅の末、亀嵩に辿り着いた。
境内に隠れていた本浦親子を助けたのは三木謙一(緒形拳さん)で千代吉を隔離病舎に入れた。三木謙一は息子と離れたくないと言い張る千代吉を説得し、千代吉は別の隔離病舎へ。秀夫は亀嵩の駐在所に残された。しかし、走って亀嵩駅まで追いかけてきた。
三木謙一は秀夫を引き取り、自分の子として育てた。三木謙一の妻は今井和子さん。しかし、秀夫は放浪癖がついたのか家出をした。必死に探す三木謙一を影から見て涙を拭う秀夫。その後、大阪の和賀自転車店で働き、その家の店主夫婦が亡くなって戸籍を詐称した。
本浦千代吉はまだ生きていた。今西が会いに行き、今の秀夫=英良の写真を見せると大きな声で泣き出した。しかし、こんな顔の人は知らないと言い張った。
三木謙一は英良に会い、父親に会うように強く語りかけたが、今の生活を崩されたくない和賀は拒否した。三木謙一と本浦千代吉は24年文通をしていて、話題は秀夫のことばかり。
今西と吉村は和賀の演奏会に行った。演奏が終わり、スタンディングオベーションを受け、感動に打ち震える和賀。
ハンセン氏病は医学の進歩で特効薬もあって現在では完全に回復し社会復帰が続いている。それをこばむものはまだ根強く残っている。非科学的な偏見と差別のみで本浦千代吉のような患者はもうどこにもいない。
しかしーー旅の形はどのように変わっても、親と子の“宿命”だけは永遠のものである。
親子が旅をしている風景がモノクロに変わって終わり。
感動した〜。「宿命」iTunesにあるかな? それくらい曲も良かった。映し出される日本の田舎の風景も美しく、哀しかった。原作だと和賀英良を中心に芸術家集団みたいな人たちがいて、もっと前衛的な感じだったんだよね。クラシックな感じもまた加藤剛さんに合っていた。
テレビドラマ版を早々に挫折したのは、仲代達矢さん演じる今西が子供を交通事故で亡くしたとか、妻の妹が世話を焼いてるとか余計な話がつまらなく思ったせいだった。こちらの和賀英良は田村正和さんで雰囲気出てたけどね〜。
いや〜、でもほんとに引き込まれる面白い映画でした。