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【ネタバレ】木下惠介アワー 兄弟(全26話) #9-12

1969/12/16~1970/1/6 TBS

 

あらすじ

志沢家の長男・静男(津坂匡章)と二男・順二(あおい輝彦)兄弟の恋愛を通して〝愛〟のさまざまな姿が語られてゆく。いなかから集団就職で出てきた栗山京子(沢田雅美)は、ある雨の日、雨の中でころんだ順二にかさをさしかけてやった。順二は名もいわずに去った京子捜しに懸命。一方、静男はエリート商社マンで、職場の女性には目もくれない男。だが静男の心の中には社長秘書の森山紀子(秋山ゆり)のおもかげだけが、深く焼きついていた。

女子寮の京子あてに電話をかけ直した順二。修太郎が横で大声でガンガン文句を言いまくる中、京子と会話するが、修太郎が受話器を奪って「勉強の邪魔をするような付き合いはしないでくれ」と電話口で怒鳴ってしまったため、京子が切ってしまった。

 

順二と修太郎の言い合いの中、ご機嫌な静男が帰って来た。家に帰るとロマンチックな気分が冷めるとすぐ部屋に入ってしまい、修太郎の怒りがまた増し、今度は厚子とケンカ。3歳までの躾は女の仕事でビシビシ鍛えないからこんな事になったとブーブー。その間、順二は家を出て行った。

 

10時過ぎ、紀子もまた帰宅。辰造と信吾で一升瓶を空けていた。信吾は紀子が楽しそうな事に落ち込み、紀子に悪態をついた。辰造は紀子にもっと信吾に優しくしてやれと言うが、紀子は信吾の気持ちに気付いた上での態度だと言った。

 

順二は女子寮に行き、管理人の千代に寮に入れてくれなきゃ大声を出すと脅し、管理人室で千代立ち会いの元、京子を呼び出してもらい話をした。大学生がウェイトレスに本気になるわけないと言うと、順二は大学生はそんなにエリートじゃない、バカばっかりだと返すが、京子からはもう会わない方がいいと言われてしまう。しかし、会話を聞いていた千代がドラマみたいと順二を応援する側に立った。

 

家を抜け出した事を知っていた静男は順二の部屋で待っていて、順二を励ました。ここまで9話。

 

静男は毎日昼休みにあのレストランに通えば同僚に怪しまれると思い、週に1、2度通っていて紀子に偶然会うくらいだった。ある日、同僚にお昼に誘われたが、会社の外で紀子に挨拶され、同僚をまいて、いつものレストランに行き、紀子と会えた。紀子は静男が自分に気があるのを知っていながら曖昧な態度を取っていた。好意はあるけど物足りなさがある、みたいな。

 

順二は年末に京子の働くデパートで配達のアルバイトを始めた。ヘルメットしてない時代か。道路も悪いし怖いな。友達の三崎が自転車でついてきた。バイト中、ずーっと自転車でついてきた三崎におごってやると定食屋に入り、三崎はビールを1本頼んだ。自転車なのにビール!?と思ったら、順二に飲ませていた。飲酒運転ありな時代!?

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1975年:政令指定道路区間で、51cc以上のバイクのヘルメット着用が義務化

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1970年に酒気帯び運転が処罰対象になった。このドラマは1969年なのでどっちもセーフだったんだねえ。怖い時代だ。

 

紀子が帰ると、辰造が打ち合わせで急に出かけてしまい、隣のキクさんが米を研いでくれ、洗濯物を取り込んでくれていた。キクはいいお小遣いになってると笑い、鍵を渡した。鍵を預けて、ある程度の家事をしてもらってるってことか。人情〜。今の感覚だと色々信じられないけど。

 

厚子が寒い寒いと言うので、戸板の1枚くらい買えると修太郎が嫌味を言った。厚子は自分の内職代で買うと言うと、修太郎は俺の金で買っとけ!とまあ、修太郎は出てくるとすんごいしゃべる人だ。かなりのセリフ量。

 

一人家にいた紀子にこの間のデートの相手は恋人でない事を確認して、信吾は「そんな奴好きにならないでくれ。好きだよ、紀ちゃんが。俺は諦めない」と告白して帰って行った。紀子は信吾の好意に気付いていたものの不意打ちの告白にドキドキ。ここまで10話。

 

年末。辰造の家の前に信吾が自分で色を塗り直した車に乗ってきて紀子に車を見せた。信吾は正月に紀子と箱根に日帰りで行きたいと辰造に言い、仕事前の紀子にも電話をかけた。静男も今日は仕事納めだからレストランで食事をしましょうと紀子を誘った。

 

配達のアルバイトを続けている順二。相変わらず三崎も自転車でついてくる。住所がよく分からないので、通りがかりのおばさんに聞いて教えてくれたのに、三崎と会話しててお礼も言わないで立ち去ろうとして、おばさんに注意された。別れて「なんだ、あのババァ」って三崎が言ってた。ひとくくりにしちゃいけないが、あんまり今の若者と変わらないね。

 

静男は4月から新人の教育係になる事になり、初日に人事課長に挨拶に行くよう総務係長に言われてた。レストランで会った静男と紀子は正月に会おうとようやく連絡先を交換した。

 

京子は風邪で寝込んでいて、千代は苦手な自転車に乗って順二を捜していた。やっと会えると配達の途中だと言っても、三崎に配達させろと無理矢理順二を引っ張って、自転車二人乗りで女子寮に向かった。んー、この展開のために三崎がずっとくっついていたわけか。荷物と順二のバイクと三崎が乗ってた自転車。どうしろっての。

 

千代は順二を女子寮に入れ、布団で横になっている京子に会わせた。具合悪い時に人に会いたくない〜。千代はすっごい恋愛脳というかそういうストーリーが好きなんだろうね。

 

修太郎は家族全員にビールを注いで乾杯。年末だ〜。ここまでが11話。大晦日の前日まで普通にドラマが放送されてたんだな。

 

お正月。今まで見たことがない田舎の風景だと思ったら、京子の実家だった。京子の父の幸吉は都会に行って垢抜けて、お土産をたくさん買ってきたのが気に入らなく文句を言っていた。智恵子と美佐子が迎えに来て、中学の先生に会いに行った。京子達は高卒だから、順二と歳はそう変わりないのかな。順二は京子から手紙をもらい、手紙にキス。

 

紀子は信吾と父の3人でのドライブだと思っていたから、信吾と二人と聞いて断った。

 

部長の修太郎の元へ部下達が何人も来ていた。うわぁ〜。多分これ元日だよな!? 京子達が地元に帰っているくらいだから、デパートやお店は休みだったんだろうけど、元日から年始の挨拶回りもキツいねえ。

 

静男は紀子の横浜?デート。静男は総務課の仕事は簡単で有能も無能もないと言った。そんな自分が新人を教育できるのか?と紀子に語った。まじめだな〜。でも何気に酷いぞ。しかし、紀子は激しさのない静男より激しい信吾の方がよかったかな…?とドライブに行かなかった事を後悔しながらも、この間のスナックまた行き、静男のギターを聴いていた。

 

辰造は昔お世話になった村山家に年始の挨拶に行った。若い頃片想いしていた村山の娘が夫と姑が亡くなり、一人娘を連れて出戻ってきたと知り、なんか微妙な表情……再婚とか考えてる???

 

家に帰った辰造は信吾と飲みながら、紀子と結婚して信吾が大工を継いでくれたら言うことないと考えたこともあったが、紀子に学をつけてしまって一流会社で働いているから、もう大工の妻が務まると思わないと言った。しかし、信吾は諦めない。

 

順二の元に京子から今日帰ってきたと電話があり、短い会話だったけど嬉しそう。

 

リビングのテレビがついていない静かな年末年始。でも元日から出かけたくねえ〜。話そのものも面白く見てるけど、当時の生活様式も興味深い。