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【ネタバレ】木下惠介アワー 兄弟(全26話) #21-23

1970/3/10~1970/3/24 TBS

 

あらすじ

志沢家の長男・静男(津坂匡章)と二男・順二(あおい輝彦)兄弟の恋愛を通して〝愛〟のさまざまな姿が語られてゆく。いなかから集団就職で出てきた栗山京子(沢田雅美)は、ある雨の日、雨の中でころんだ順二にかさをさしかけてやった。順二は名もいわずに去った京子捜しに懸命。一方、静男はエリート商社マンで、職場の女性には目もくれない男。だが静男の心の中には社長秘書の森山紀子(秋山ゆり)のおもかげだけが、深く焼きついていた。

今日は6話一挙放送でしたが長くなるので3話ずつに分けます。毎日毎回聞いてると主題歌の「どうして声がとどかない」が気になって、タイトルを確認しようとwikiを見ました。

 

それで何となく出演者のwikiも見ていたら、静男の恋のライバル浅川信吾役の島津元さんが俳優をやめ、その後、畑嶺明という脚本家になってると知り、驚いた! 私が知ってる作品だと「毎度おさわがせします」や「キッズ・ウォー」シリーズなどなど。

確かにこちらに載ってる写真が信吾だー! 静男役の秋野太作さんが出演したドラマの脚本も書いてるんだなー。そして、島津元という芸名は一時期、佐分利信さんが使っていたという知識も得ました。

 

善行駅で千代と順二が待ち合わせ。喫茶店に移動。千代が京子と話をして、順二の家に行くように言い、順二に両親に紹介しろと言った。

 

志沢家。静男は新入社員の教育係になり帰りが遅い。修太郎と厚子が話していても順二はぼんやりしていた。玄関のチャイムが鳴り、京子かと思ったら静男だった。順二はこれから京子が来るから明るく迎えて欲しいとお願いした。

 

厚子は女の子が夜一人で来るなんてといい顔をしなかったが、いざ京子が来ると修太郎が「いらっしゃい。待ってたんですよ」と迎えた。挨拶をしてすぐに順二の部屋に行った二人。静かすぎることを気にする厚子だったが、「何かあるわけないだろ」と修太郎がツッコむ。

 

「いい部屋じゃない」と言う京子。部屋に厚子が紅茶とおせんべいを持ってきたときはずっと立ったままだった。修太郎は気が弱くなってるから分かりがいいと言う順二。京子は田舎から出てきたから警戒心が強かったが、今はあなたが好きだと言った。

 

順二が京子と会っているとき、静男も「僕も会ってもらいたい人がいる」と初めて話した。お前は東京のデパートか?と冗談で修太郎が聞いた。てことは京子の職場は横浜か!? 静男は今度の日曜日でも連れてくる、そういうことでよろしくとはにかんだ。順二は部屋でギターの弾き語り。

 

森本家。紀子と辰造の中でなんとなく静男の話題はタブー。辰造は静男については「いい青年」だと言っただけ。紀子の気持ちはだいぶ結婚に傾いている。

 

しかし、お茶っ葉がどうとかいう些細なことで逆ギレした辰造は「さっさと嫁に行け」と言い出した。静男のことはへなちょこだの頼りないとも言った。静男のことどう思ってる?と改めて聞く紀子。紀子は辰造の態度がそっけなく思えて、辰造はよほど変な野郎じゃない限り賛成だと言う。

 

紀子はお父さんのそばで一生過ごした方がいいのか、養子に来てくれる人を探せばいいのか色々悩んでいることを話すと、辰造は静男を興信所で調べた上で賛成なのだと言っていた。紀子は嬉しそう。ええ〜、確かに澄子がそんなアドバイスしてたけど、興信所!?って引かないんだね。興信所調べによると静男の父は岡崎出身、百姓の出で夜学で大学を出た苦労人。そうだったのか。今まで志沢家でも話題になったことがない修太郎情報だった。

 

静男の部屋にいる順二はベッドに足を伸ばしていた。リビングから晩酌をしている修太郎が歌う故郷の歌が聴こえてきた。多分歌ってたのは「五万石」という愛知の民謡。左遷されたのにそのまま会社で働いている修太郎を厚子は物足りなく感じていた。ここまで21話。

 

日曜日。厚子はカーテンを付け替えていた。この日は、静男が紀子を連れてくる。修太郎はゴルフの練習場にいるが、そのうち帰ってくる。

 

厚子と順二と二人きりで、順二は修太郎が元気になってがっかりしてるでしょ?と指摘した。用なし部長でいるくらいなら怒って辞めちゃうと思っていた。しかし、転職にはコネクションがなくてはいけないし、月給も半分になる。何も行動を起こさない修太郎に厚子が内心不満を抱いていたことを見抜く順二に「大人になった」という厚子だった。

 

駅で待つ静男は約束の2時より早く来ていた。静男のなかではひとつのささやきが影を落としていた。これでいいのか? マリッジブルー? 紀子は急に現れて驚かした。電車から降りて静男の姿が見えてしばらく隠れていた。グレーのスーツに手土産。紀子はほんとに綺麗な人だよ〜。

 

駅から5〜6分の志沢家。静男は来てくれたと言うことはいい返事をくれる可能性が高いと思っていると話し、結論を急がないで、でも一刻も早く返事が欲しいと言った。静男は今風の激しさも大きな野心もないと自らを評した。紀子は「十中八九お受けするつもりでいる」と言ったが、自分の愛情に自信がないと不安を漏らした。静男は「こんな道でなかったらあなたをここで抱きたい」とか十分情熱的!

 

迎えに行ったきりなかなか帰ってこない静男に女性になめられてるんじゃないかと言い、そんな子ならまっぴらだと厚子は言った。順二は予定があり、顔を一目見たら出かけようと思っていたが、あまりに遅いので出かけようと玄関を開けると、静男と紀子がいた。

 

そつなく挨拶も終え、歓談タイム。修太郎が話が好きで好きでと厚子がいう。修太郎は黙って通じ合うような家庭が好きだが誰かさんのおかげでこうなってしまった。一つの家庭で誰も犠牲にならず誰もがその家庭のおかげで豊かになるなんてなかなかできるもんじゃないと語る。

 

家庭は男にとって逃避の場所で女にとっては不満の場所。修太郎は話題が豊富だね。紀子の父が大工ということから小さな住宅を心を込めて建ててくれる大工さんは素晴らしいという話。もう少し早く知り合ってたら家を建ててもらいたかったなどなど。

 

静男と紀子で外に出て原っぱに座る。ひとしきりの会話が終わると黙りがちになったが、沈黙が苦ではなかった。藤沢まで出るとボウリング場に行けると静男は言うが、デートコースはいろいろあるけど恋人同士にはいちばん要らないと紀子は言い、二人でいればどこにいてもいいし、なにもしなくていい。外からの刺激を受け、お金を払って遊ぶようなものが一番必要ない。今、物足りなくないし、心が膨らんでくるという紀子に静男が「承知してくれるんですね」と言うと、紀子は黙ってうなずいた。

 

森本家では辰造が一人で作業していた。隣家のキクがよそ行きの着物で現れ、信吾を休ませたことに驚いていた。弟子だからか? 日曜日休んだっていいだろう? キクは信吾と紀子がデートに行ったと勘違いし、信ちゃんを養子にするの?などと勝手に話を進めた。

 

夫婦で熱海に行ってきたお土産を持ってきて、紀子が結婚したら、辰造も誰かもらっちゃえばいいのにと割としつこい。一人になったら気楽に暮らすんだよ、野垂れ死にするんだと言って少しケンカっぽくなり、キクはお土産を縁側に置いて帰っていった。

 

帰り際、もう一度志沢家に寄って「ごめんください」と挨拶をして紀子は帰って行き、静男も送るために一緒に出て行った。静男にとって忘れることができない日曜日になった。ここまで22話。

 

鉄橋で順二と三橋が人を待っていた。来たのは京子と智恵子。途中、智恵子は「行くのよす」と言ったが結局来た。ボウリングで三崎が盛り上げようとするが、3人の雰囲気は暗い。ボウリングで失敗すると、その度、三崎が順二の指示で智恵子に優しくする。

 

海に行き、砂浜で競争しようということになり、京子が智恵子は脚が速いのだと順二たちにいうが、智恵子は京子も同じくらい速いくせになぜそんなことを言うのか、私がかわいそうだからなのかと京子を問い詰めた。めんどくさいぞー。

 

余計なことを言うけどと三崎が口を挟み、智恵子が傷付くから気を遣ってると言われ、順二が「僕は京子さんが好き」だとハッキリ言った。三崎はかけっこしようと言い、順二とコースをどうするかなんて話しているうち、京子と智恵子が靴やコートを脱いで走り出した。青春だね〜。

 

静男と紀子。辰造は賛成してくれたけど、辰造が一人になる。「志沢さんと結婚したい」と言ったが泣いてしまったと言う話を聞いた静男はお父さんから娘を奪い取るのだと思った。静男が紀子を好きだと言うと私の方が好きだと…おぉ、紀子がそんなことを! 静かな淡々とした結婚に向かっている。もっと別の人生はないのかとまだ静男は思っている。

 

辰造と信吾は紀子が用意してくれた昼食を食べようとしていたが、タイムスイッチの時間を紀子が間違えていた。辰造は紀子が結婚することを信吾に言わなきゃいけないと思い、夜になったらキャバレーに行こうと誘う。信吾はすぐに話を聞きたがり、クビですか?と聞いてきたが、酒飲んで話をしようということになった。

 

海の見えるレストランにいる順二たち。4人でまた海に行こうと話すが「さえないな」と智恵子が言う。気まずすぎる。智恵子は東京に出てきて大学生と恋愛することに憧れていただけかもしれないと言った。順二は京子を幸せにしたいと言い、三崎は東京の大学生ならここにもいると智恵子に言うが「乗らないわ」。三崎ぃ〜。

 

志沢家。静男が帰ってきた。順二は厚子と修太郎の様子がおかしいことに気付いた。修太郎は2階で就寝。厚子は修太郎に生意気だと怒られていた。不満そう、気に入らない顔してると散々言われた。「お父さん! 酒飲もうよ!」順二が修太郎に呼びかけた。「来るまで呼ぶよ!」と修太郎が自室にこもった息子たちを呼んでいたように静男も一緒に呼んだ。

 

辰造と信吾はキャバレー…ではなく居酒屋にいて、紀子の話をした。信吾は以前静男に会いに行ったことを白状した。信吾は自身を「ちょっとくるってた」と言いながらすすり泣き。紀子は辰造の信吾と飲みに行くと言う置き手紙を見つけて話の内容を察していた。ここまでで23話。あとは明日にしよう。

 

話が進むうち登場人物に愛着が湧きます。朝ドラは若い女の子が主人公だけど、こういう家族が主人公みたいなのも面白いなあ。ナレーションで結構内面を語るのもクセになる。