TBS 1972年11月25日
あらすじ
非情な難民たちの大量虐殺。身をもって防ぐ日本人神父に難民の女が渡したダイヤモンド、マリアの涙。帰国した神父を追って来日した冷酷な殺し屋隊長とその美人秘書。キイハンターのガードを尻目に次々と暗殺事件発生。しかも、神父と美人秘書との情事の証拠写真は何を物語るのか? スパイとゲリラがダイヤを巡る血なまぐさい闘争。
2026.9.3 J:COM BS録画
peachredrum.hateblo.jp
黒木 啓子 吹雪
島 ユミ 風間
小田切 村岡 壇
KEY
HUN
TER
黒木鉄也:丹波哲郎
津川啓子:野際陽子
吹雪一郎:川口浩
島竜彦:谷隼人
谷口ユミ:大川栄子
風間洋介:千葉真一
ナレーター<きょうもまた地球のあらゆるところで、陰謀、裏切り、暴動が渦巻く。その渦中に飛び込む彼ら。恋も夢も望みも捨てて非情の掟に命を懸ける。彼らの求めるものは自由、願うものは平和。彼らは、こう呼ばれた…>
国際警察特別室
仲谷昇
中丸忠雄 宮内洋
KEY
HUN
TER
制作:東映・TBS
リトラエル国境付近
荒野にいる難民たちに説教する神父・浅井。「信仰の薄い人々よ。だから、何を食い、何を飲み、何を着ようかと心配するな。あなたたちの天の父は、あなたたちにそれらが皆、必要なことをご存じである。だからまず、神の国とその義を求めなさい。そうすれば…」
peachredrum.hateblo.jp
岡田英次さんはカラー化一発目のゲスト以来の出演。
銃声が聞こえ、兵隊たち?がずらっと並ぶ。
ラル「撃て! 皆殺しにしてもかまわん、撃て!」
容赦なく難民たちを撃っていく。
民間人を…ダメだろ!
浅井「こら、銃をひきなさい。神は罪なき、この者たちを殺すなどお許しにはならない。君らは神の御心(みこころ)に背いて地獄へ行きたいのか!」
ラル「神父さん、ここへ逃げ込んだゲリラは、わがリトラエル大統領官邸を襲撃した1人だ」
peachredrum.hateblo.jp
福山象三さんは白黒時代に2回くらいゲスト出演していた。濃い顔立ちなので外国人役に違和感なし。
浅井「大統領が彼らの指導者を大量銃殺したからです。今、あなたがこの難民たちを巻き添えにすれば、彼らは、また、あなた方を襲撃する。報復の繰り返しは愚かなことだ」
ラル「どきなさい。どかなければ撃つぞ!」
浅井「撃つなら私を撃ってから進め!」
ひるむラル。
1人の男が近づき、浅井をかばうように伏せたので、また攻撃命令が出され、たくさんの人々が撃たれた。
浅井「公安局は難民の中にまでスパイを送り込んでいるのか!」
死体の山。子どもも血を流して倒れている。
浅井「ああ、主よ。子らは、またしてもこのような愚かな争いを繰り返しました。神様、私の罪が含む恐ろしい、このふちの深さと御身の愛の神秘さと深さとを神よ、私に正しく悟らせたまえ」
倒れていた女性が神父さまと浅井を呼ぶ。「最後の…最後のざんげをお願いいたします」と言って、そのまま息絶えてしまった。
peachredrum.hateblo.jp
多分だけど、この女性、ちょこちょこ出演している松下麻美子さんかな?
黒木の部屋
啓子「まっぴらよ。このおじさんの護衛だけは絶対いや!」新聞を投げる。
ユミ「あたしだっていやよ。たった1人のゲリラのために難民全部虐殺しちゃうなんて。んんっ、ひどいやつだわ」
新聞のアップ
在日パルダンチナ・ゲリラ
報 復 テ ロ に 出 る か !?
リトラエル国家公安局長
ラル氏、来日
風間「しかしね、ユミちゃん、われわれの仕事っていうのはね、ラルのやったことを批判することではなく来日要人の安全を守ること。それだけ」
ユミ「お次の言葉は感情論は禁物でしょ?」
風間「おや、分かってるじゃない」隣にいる吹雪と顔を見合わせて笑う。
啓子「でもね、女は感情の動物っていいますでしょ?」
島「うん。まっ、そういうことだね」
啓子「島ちゃん」
島「えっ、いやいや、おねえさまは別ですよ。常に冷静で沈着でね」
啓子「ああ、あたしは、それだけ女っぽくないってこと」
島「い…いやいや、ちょっと助けてよ、吹雪さん」
一同笑い
昭和のドラマは女は感情的、ヒステリーと言い、そういう脚本も大体女性が書いてるもんだけど、カッとなって暴力振るうのは…!? 女はヒステリーを幼いころから刷り込まれてきたけど、最近になってようやく疑問視するようになった。
啓子「でもね、この写真見てよ。国敗れて山河もない、パルダンチナの女や子どもたち。目ばっかりギョロギョロ大きなこの顔。おなかがポンポコに大きいのはね、たらふく食べてるからじゃないのよ。栄養失調なの、お分かり?」
痩せている子供、倒れている女性などちょっとセンシティブな写真の数々。
島「分かりますよ」
啓子「オッケー。感情の動物といたしましてはね、せっかくこうやって生き延びてきて、ひっそりと肩を寄せ合ってる、この親子たちまでゲリラ狩りの巻き添えにしてしまうようなラル局長のガードだけは絶対できないの。お分かり?」
吹雪「分かるよ」
啓子「さすが、吹雪さん。では、あたくしといたしましてはリトラエルの王室から盗まれた国宝のダイヤモンド、マリアの涙の捜索のほうに当たらせていただきます。では、こちらは島ちゃんにお願いします。いってきま~す」部屋から出て行く。
島「ちょっと待ってよ、啓子さん。ねえ、ちょっと…」
風間「そうだな、坊や」
島「えっ、いや…やりますよ、ええ」
ボス以外の5人がそろってる~! 最近じゃ珍しい~!
ラル公安局長を車に乗せて走る島。<あっという間に啓子さんに押しつけられた仕事だけども、昔の人は、いいこと言ったね。損して得取れってね。こんな楽しいドライブができるんなら後ろのおじさん、いくらでもガードしてやるぜ>
助手席にミニスカートで足を組み、太もも丸出しのリサが座っている。名前もかわいいと助手席に目をやる島。
最初に出てきた女性が松下麻美子さんなら消去法で原英美さんか?
が、物陰に潜んでいたゲリラに頭を銃撃されたラル局長。車を止めた近くになぜか浅井神父が立っていた。
島「あなたなのか?」
浅井「私ではありません」
浅井は撃った男は、そこから逃げていったと証言し、自身は散歩していたと答えた。リサは浅井に銃を向け、神父ではないと疑った。
島「私は国際警察だ。一緒に来てもらう」
浅井「しかし、撃ったのは私ではない」
島「その服を調べれば硝煙反応が出るはずだ。来たまえ」
白い服を着た男が浅井たちを見ていた。
peachredrum.hateblo.jp
城所英夫さんかな? 冒頭で浅井を伏せさせた人と同じ??

国際警察
特徴的な壁だったのでGoogleレンズで調べたら、東京都千代田区の科学技術館と出ました。ていうか、前々から度々出てたらしい。
星型の窓の部屋にいる浅井神父と吹雪、リサ。
風間が男性を連れてきた。「確かに神父さんなのかい? この男は」
一郎「そうです。神父さまは私たちの教会の叙任司祭です」
リサ「そんなバカな!」
一郎は浅井神父さまの名前をかたったやつがいるというのできたが、神父さまが何をしたというんですと聞く。
風間「前代未聞だな。本物の神父さんが暗殺犯人とはな」
一郎「暗殺犯人?」
浅井「神は知恵ある者を辱めるために世に愚かな者を選ばれたのです。過ちを責めてはなりませぬ」
リサ「グルなのね、この男も」
風間「いや、私が教会から面通しに来てもらったんです」
リサ「だからって、ラル局長を撃ったのは、この男に間違いないのよ」
部屋に入ってきた島が吹雪に目で合図を送る。
吹雪「失礼しました。お引き取りください」
浅井と一郎は部屋を出て行き、リサは納得いかない。
島「硝煙テストの結果は白だった。あの男は銃器は1発も撃っていない」
リサ「だったら服を着替えたのよ、あのときに」
島「いや、そんな暇はなかったよ。それは君と僕がいちばんよく知ってるはずだ」
リサ「でも、局長が殺されたのは動かせない事実だわ。しかも、キイハンターのあなたがついていて」
風間「犯人は、われわれが必ず逮捕しますよ」
リサ「あたし、領事館に戻ります」
島「あっ、送りますよ」
リサ「その暇があったら憎いパルダンチナの人殺しを一刻も早く捕まえてほしいわ」部屋を出て行った。
島「ちきしょう。なんだよ、あの言い方は」
啓子が部屋に入ってきた。「ねえ、今、出てったのがラルおじさんの秘書っていう子? なかなかチャーミングな子じゃない」
島「何がチャーミングだよ。あんなすごい女初めてだよ」
一同笑い。
啓子「キイハンターがついていながら何よってかみつかれたんでしょ。アハハッ」
島「クソ~。暗殺犯人は俺が捕まえるよ」
風間「坊や、お前1人のせいにはさせねえよ」
吹雪「啓子ちゃんのほうは、どうだった?」
啓子「うん。教区事務所で調べたらね、あの神父さん、つい半月ほど前に外国から帰ってきたばっかりなんだってさ」
風間「なんだって?」
啓子「しかもよ、教会から伝道奉仕のために派遣されていたところってのがどこだと思う?」
風間「おい、まさか…」意味なく啓子の右腕に手を置く。
啓子「そう、そのまさかなの。パルダンチナ難民が流れ込んでいるリトラエル国境付近だってさ」
島「ちきしょう。やっぱりラル暗殺事件に関係があったんだ。吹雪さん、どうしてあんな簡単に帰したんですか?」
吹雪「きょうのところは、なんの物的証拠もない」
風間「しかしね、これは、がっちりマークすれば必ずなんか動きだすな。彼がラル暗殺の真犯人だとすれば、今度はリトラエル側から報復を受けるのは、あの神父さんだ」
吹雪「となれば、当然、パルダンチナは神父の身辺を守り始める。そこをがっちり押さえるんだ」
島「なるほどね」
啓子「なにしろリトラエルとパルダンチナの因果応報騒ぎっていうのは歴史をさかのぼること2000年も前からでしょ? この国でまで報復また報復の血を流させたくないわ。ねっ? 坊や」
島「うん、そうだ」部屋から出ようとする。
吹雪「どこ行くんだ?」
島「いや、どうもあの神父、ふに落ちないんだ。マークしますよ」
風間「おっと、坊や。そいつは俺がやる」
啓子「ああ…」
風間「あなたはダイヤの仕事があるでしょ?」
啓子「おあいにくさま。彼に顔を知られてないのは、このおねえさまだけじゃなかったかな? じゃあね」
風間「ああ、そうでした」
教会
ベッドに入っていた新渡戸神父の部屋を訪ねる浅井。
新渡戸「浅井神父、あなたは、やはりラルのところへ行ったのですね?」
浅井「はい」
新渡戸「あなたの気持ちは分かります。だが、危険です。危険すぎます」
peachredrum.hateblo.jp
久しぶりの宇佐美淳也さん。
浅井「どうぞもうおっしゃらないでください。私は覚悟しています」
リサが浅井に電話をかけていた。
浅井「リサ…今、どこにいる? 分かった。すぐに行く」←え!?
車に乗って教会を出て行った浅井を啓子が車で追う。
浅井はレストランに入ったが、すぐに出てきて車を出した。啓子が追いかけると、また別のレストランに入って出てきた。
今度は山の舗装されてない道を走る。啓子の車の前に急にバイクの2人乗りが出てきてビックリ。「何すんのよ、イカレポンチ!」
啓子は浅井の車を見失い、誰かを待っていたリサは何者かに殺された!?
国際警察
電話が鳴り、受話器を取る島。「ああ、啓子さん…分かった? よし、俺が当たります」
風間「おい、坊や」
レストラン
スタッフ1「ああ、この方でしたら、伝言をお伝えしましたが」
peachredrum.hateblo.jp
おなじみ木村修さん。
島が見せたのは浅井の写真。
スタッフ1「この神父さんの見える、ちょっと前でしたけど、ご婦人の方が見えましてね」
リサ<<あとから神父さんがあたしを訪ねてきますけど都合で白樺という店でお待ちしていますとそう伝えてほしいの>>
チップを渡そうとしたリサの手を制し、間違いなくお伝えしますと返した。
レストランハウス
白 樺
スタッフ2「なんでも予定が変わったんで、この先の林で待ってるから、そう伝えてくれとおっしゃってね」
peachredrum.hateblo.jp
赤いベスト、黒い蝶ネクタイの店員は由利徹さん!
リサ<<神父さんの名前は浅井。間違えないでよ?>>1万円札を見せる。
スタッフ2<<あっ、これはどうも>>←受け取るのが早い!
スタッフ2「1万円もくれたのには驚きましたが世の中、変わりましたな。神父さんといえば坊さんでしょう? それとも神父さんなら女の子を引っかけてもいいんですかね?」
え、いやいや、ここだけ!?
礼拝堂にいる浅井。
新渡戸「浅井神父、もうこれ以上は手を引くべきです」
浅井「神父さま。人間には2つの叫びがあります。天使の叫びと動物の叫びが」
新渡戸「天使の叫び、それは祈りです。動物の叫び、それは罪です」
浅井「動物でもいい。私は叫ばなければならないのです。むごたらしく流された、あわれな者の血のために」頭を抱える。
新渡戸「あなたの所属する教会の主任司祭として私が禁じます。それよりほかにあなたを破滅から救う方法がないからです。忘れるのです。許すのです。それが神の与えたもうた試練です。浅井神父、私があなたのきょうだいであるということを忘れてはなりません」
新渡戸の顔を見つめる浅井。
教会前
一郎「帰りなさい。教会を侮辱するような者は1歩も中に入れるわけにはいかない」
島「侮辱するって。それに足りない人間がその中にいるんだよ」
一郎「神を畏れなさい。この中にいる者は皆、神のしもべです」
島「しもべったってね、俺だって正義のしもべだよ」
一郎「正義と愛は神と共にある。言いがかりをつけるなら僕が相手だ!」島を殴った!
島「うわっ、何するんだよ」
一郎「教会へは一歩も入れないぞ」
島「このインチキ野郎。聖書の中では、そんなこと教えてないじゃないかよ。右のほっぺを殴られたら素直に左のほっぺを出せってな」
一郎「俺はまだ聖職者じゃねえんだ。てめえ、たたきのめしたなら、いつだって神学くらいやめてやらあ」
少年院あがりだという一郎は神父さまに拾われ、神父さまを侮辱するようなやつは許しちゃおかねえと島につかみかかった。もみ合う2人の間に入り、一郎を止めたのは浅井。「耐えるのです。新渡戸神父さまのお言いつけだ」
島は同行してもらいますと浅井の腕を引っ張った。
国際警察
島が見せたリサの写真にそっぽを向く浅井。「私は殺していません」
島「もうそのセリフは聞き飽きましたよ」
浅井「しかし、私ではない。信じていただくよりしかたありません」
風間「いくらあなたがそんな服を着てるからといって今度だけは信じるわけにはいかないんですよ。このおねえさんがね、あなたの車が林から飛び出してくるのを見てるんです」
啓子「危うく天国に行きそうになりながらね。しかも、そのあとすぐ、あたしは林の中でリサの死体を発見したわ」
吹雪「神父さん、リサを殺した理由はなんです?」
風間「ラル側の報復を先回りした」
吹雪「それとも…彼女とは特殊な関係にあったんですか?」
浅井「…」
吹雪「黙秘権を使うつもりですか!」
島「冗談じゃない。聖書の中では、そんなこと教えてませんよ」
吹雪「神父さん、あなたはリトラエルにおけるラルの虐殺ぶりに激しい怒りを感じたことをわれわれは、すでに知っている。しかし、聖職者のあなたにテロによる報復の権利はない!」
浅井「私はラルを許すことはできない。神もまた決して彼をお許しにはならないはずだ」
冒頭の虐殺シーン
浅井「あのとき、結局、無傷だったのは私1人でした。しかし、私はラルに感謝しようとは思っていません。彼は日本人であり聖職者である私を殺すわけにはいかなかっただけだからです。そのうえ、彼はリトラエルの司祭に圧力をかけて私を奉仕国から解任させ日本へ帰るように工作したのですから」
風間「そして、あなたはゲリラたちに手を貸し、来日したラルの暗殺を助けた」
浅井「違います」
吹雪「ラル殺しの現場では彼らを逃がすためにあなたはおとりになって残ったがリサに呼び出されて追及されて彼女をも殺した!」
浅井「私はラル暗殺を悲しんでいる」
島「悲しんでる? とぼけるな!」
浅井「ラルを殺せば再びその報復に罪のない者たちの血が流れます。私にラル暗殺を止める力がなかったかもしれないが、第2第3の流血を防ぐために私は暗殺現場に行った。あなた方がしっかりと私をマークすれば必ず暗殺したグループの手がかりをつかむことができたんだ」
啓子「ということは、あなたと暗殺グループとは、なんらかの関係があるということですね?」
浅井「リサはパルダンチナゲリラの一員です」
島「そんなバカな」
浅井「思い出してください。初めてあなたと会ったときのことを」
島「しかし、あのとき、彼女は…彼女は、あなたが犯人だと決めつけていた」
浅井「リサは私があなた方に接触しようとしているのを牽制したのです」
啓子「リサがパルダンチナ人だとすると彼女を殺したのはリトラエルの公安部ですね」
浅井「しかし、ゲリラ側は私が通報したと考えているに違いありません」
島「だったらなぜあのときに言ってもらえなかったんですか?」
浅井「…」
島「また黙秘か」
新渡戸<<もうこれ以上は手を引くべきです。あなたの所属する教会の主任司祭として私が禁じます>>
浅井「私は私個人の安全と引き換えに教会の尊厳を汚(けが)すことはできなかったのです」
風間「人間の命と教会の尊厳、あなたはいったいどちらが重いっていうんだ?」
浅井「従順、貞潔を誓った聖職者として教会の教義に背くことはできません。神は今、この私に大きな試練をお与えになりました。私が犯人とお思いなら、どうぞ私を処刑してください」
島「気取りやがって、あなたはですね!」
啓子「島ちゃん、いいからちょっと」
島「いや、啓子さん!」
部屋の端に島を引っ張っていった啓子。「罠…罠よ、これは。教会に貞操を誓った聖職者がデートするにしてはよ、リサも神父さんもちょっと人目につきすぎてると思わない? だってそうでしょう。会うなら会うでお互いにまっすぐ林に行けばいいわけじゃない。それなのにリサはなんだって何回も…しかも、わざわざいろんな店に言づけして。ことさら神父の存在を店の人たちに印象づけようとしたのかしら?」
島「すると…」
啓子「そう、もう1歩、勘ぐってみればよ。リサがそうするように誰かから指令を受けてるとしたら、その誰かがリサが最終的に林にやってきて、すぐそのあとに神父が来るってことを計算できてたわけじゃない」
島「ということはさ、そいつがリサを殺して神父になすりつけた」
啓子「う~ん、結構ひらめくじゃない、坊や」
キイハンター4人に取り調べを受けるというのもなかなかないね。
教会に戻った浅井。一緒に車を降りた啓子はシスター姿。
不機嫌そうな顔をしている浅井。「ガードならもっと活動的な服装があったはずです」
啓子「あっ、これ? アハッ。あたしね、いっぺんでいいからこういう格好してみたかったのよ。これを着ると誰でも美人に見えるっていうけど、どう?」
浅井「偽りの装いの中には真の美しさなどありません」
啓子「まあ、お堅いこと。もっとも殺しのデートにもわざわざひと目で神父さんと分かる格好をしていくくらいですものね」
啓子をにらみつけ、教会に入っていく浅井。
教会の中に入ると、廊下で一郎が倒れていた。「やつらが神父さまの部屋に」
新渡戸神父がいなくなっていた。啓子はベッドの上で浅井とリサが抱き合っている写真を見つけた。
啓子「あたしは今まであなたを信じてきたわ。少なくとも難民たちの前に身を投げ出して盾になろうとした、あなたのすばらしさをね」部屋に戻ってきた浅井に写真を見せた。「でも、リサとはこういうことだったの。これで何もかもはっきりしたわ。あなたは、これをネタに脅迫されてパルダンチナ側に利用されていた。でも、こんなことがあっては神父としての身の破滅になる。そこでやつらに罪をなすりつけようとして見事に手の込んだデートでリサを殺した。フンッ、あたしも危うく一杯食うとこだったわ。何が貞潔よ。あんたは、あたしがこんな格好をするのを気に入らないようだけど自分だって、こんなものを身につける権利はないわよ。なんとか言ったらどうなの?」
浅井「お引き取りください」一郎も部屋に来た。
啓子「いいえ。もう一度、国際警察までご同行願います」
浅井「キイハンターが聖なるシスターに変装し、教会の聖域を侵したとローマに提訴します。このとおり証人もいる。それでもかまわないんですね?」
啓子は一郎に浅井の写真を押しつけて出て行った。写真を見てショックを受ける一郎。
浅井「その写真の男は、この私だ。しかし、新渡戸神父さまをお救いするには君が私を信じるか信じないかにかかっている」
一郎「僕は神父さまを信じる」
礼拝堂で手を合わせる浅井と一郎。
ひと月前、たった1人のゲリラが逃げ込んだために飢えてさまよっていた難民たちが全員殺されたと話し始めた浅井。リサとの写真も新渡戸神父の誘拐もすべて、ゲリラの女が残した神へのざんげの言葉とその包みが元だった。包みの中身はダイヤモンド。
2週間後、日本へ帰ってきた浅井を迎えに羽田に来たのは一郎の友人だという神学生で、ためらわらずに車に乗った。男は一郎の名を使った在日パルダンチナゲリラの1人。
啓子が立ち聞きしている。
浅井は車に乗るなり、怪しい薬品を嗅がされ、眠ってしまい、目を覚ますとシャツがはだけていた。
カーン<<お目覚めになりましたか? 神父さま。在日パルダンチナゲリラ隊、隊長カーンです。世界各国のわれわれのアジトにはリトラエル当局の目が光っていますので、大変失礼なご招待になりました。お許しを>>
リサの殺害現場にいた白い服の人だよね!?
浅井<<君はパルダンチナ人であるわけがない。君は難民虐殺に協力したリトラエルのスパイだ>>
カーン<<フンッ、まあ、いいじゃないですか。殺し合いに明け暮れているあの国で生き延びていくためには、その時その時でうまく身を処していく必要がある>>
浅井<<豚め>>
カーン<<神父さまのものとは思えないお言葉ですな>>
帰るという浅井に、あのとき、あそこで最後のざんげをして死んだ、われわれ同胞の私への伝言をお伝え願いますと頼んだカーンだったが、浅井は断った。勝手に味方扱いするカーンに人殺しの味方などしないと毅然とした態度をとる浅井。<<私は、哀れな難民たちの味方です>>
それでも聞き出そうとするカーンに浅井は神へのざんげの秘密を守る義務があると断り続けた。カーンは眠っている浅井が裸のリサと抱き合った写真を見せて、信者たちにばらまくと脅し、リサを紹介した。
浅井<<恥ずかしくないのですか? 君は、こんなことまでして>>
カーン<<フフッ、金(かね)のためなら恥などという言葉は捨ててしまったね。さっ、どっちを選ぶかは、あんたの自由だ。ダイヤを渡すか、それともあんたの名誉ばかりでなく教会の尊厳を汚すに十分なこの写真を公開するかどうか>>
写真を床に落とすカーン。結構何枚も撮ってる。
カーン<<仮面の神父、夜の姿は…フハハハッ。まっ、あんたが聖職を剥奪されるだけではなく信者たちの混乱と動揺は目に見えている>>
浅井はダイヤは持っていては危険極まりないので日本の安全なところに送ってあるが、私でなければ決して受け取ることはできないと注意した。ラル公安局長が来日する2週間後、カーンはラルの暗殺を引き受けて、今の地位を獲得したが、競争者と当局の目がうるさいため、ダイヤは浅井に預けるという。
まもなくカーンから取り引きの電話がかかってくると一郎に話す浅井。新渡戸神父の釈放を条件に浅井がカーンのもとへ向かい、一郎には新渡戸神父を取り返し、国際警察へ保護を申し入れるよう指示した。
啓子が礼拝堂に入ってきた。「こういう危ない仕事はね、専門家に任せたほうがいいって言いに出てきたの。国際警察には回りくどい頼み方は禁物よ」
礼拝堂にカーンから電話がかかってきた。浅井は新渡戸神父が無事か聞く。新渡戸神父にもしものことがあったらダイヤは国際警察に渡すというと、宇佐美は無言を貫く。
受話器の通話口を手で塞いで浅井に話す啓子。「いけない。神父さまは、ご自分を犠牲になさるおつもりだわ。電話に出れば、必ずあなたはダイヤを持っていく。だから神父さまは、ご自分の生存を知らせないで、あなたを救うつもりなんだわ」
カーンは別な声を聞かせてやると、新渡戸神父のうめき声やせきこむ音を聞かせた。神父さまはご病気なんですと電話を代わった啓子がサンタマリア修道女会のシスターと名乗り、神父さまに薬を届けに来たといい、自身が人質になり、そちらに行ったら交換に神父さまを返すようお願いした。新渡戸神父が教会に着いたら、浅井神父がダイヤを渡す。
提案に乗ったカーンは20分後に日高陸橋の上に立っているよう指示した。「神父とダイヤが交換されなかったとき、マリアさまが十字架にかかることを忘れるな」
カーンが求めているダイヤがリトラエルの国宝・マリアの涙だと浅井に確認した啓子は日本で金に換えるつもりだったと推理するが、浅井は彼らはダイヤをあるシンジケートに売り、日本で兵器を買うことになっていたと話し、マリア像の後ろに隠したマリアの涙を啓子に渡した。
浅井「血は血を求めて、際限なく憎しみを大きく育ててゆく。たとえ誤った考えであったとしてもゲリラたちは彼らの同胞のために報復を繰り返しているのです。しかし、カーンは、その兵器を別の暴力組織に高く売りつけて1人、金を儲けようとしている邪悪な悪魔です。人殺しの道具が暗黒の街に流れるのを防ぐためには私の取る道は、これしかなかった」
啓子たちに話せなかったのはリサとの写真があったため。新渡戸神父は自分を犠牲にして浅井を助けようとしている。
啓子「新渡戸神父さまが戻ったら、あたしを見捨ててちょうだい。あたしは、どんなことがあっても自力で脱出してみせます」と浅井を腹パンと手刀で倒した。驚く一郎に国際警察に電話して仲間を呼び、すべてを話すよう頼んだ。どんなことがあっても浅井神父さまを外へ出してはダメと注意し、ダイヤを預けて礼拝堂を出た。
日高陸橋で待ち合わせ、迎えの車に乗った啓子。目隠しをされ、アジトに連れてこられた。多分、この手下が松岡稔さんだろうな?
啓子は新渡戸神父にしゃべらせないようにまくしたて、カーンの手下が新渡戸神父を連れていった。神も神父もカーンも信じて人質になったと話す啓子。「信じよ、さらば開かれん」
カーン「まっ、お前さんならば天国の門も開かれるだろうよ」銃を向ける。
啓子「ホホホホッ、あなたはバカですね。あたくしは人質ですよ。人質を殺してしまったら、あとで電話がかかってきたときに困るじゃありませんか」
一緒に笑うカーン。「神父はダイヤを渡したとき、天国へ行くことになっている」
啓子「ハッ、それでは約束が違います」
カーン「残念だがな、私の秘密を知った者は、こうなる運命になっているんだ。神父もお前さんもリサのようにな」
啓子「リサ? リサは、あなたたちの仲間ではありませんか」
カーン「フフフフッ、リサはな、私の役に立ったことを喜んで死んでいったんだ」
啓子<満足して死んだ人があんな恐ろしい顔をしてるわけがないわ>
アジトの外に浅井神父を確認した啓子。<あのバカ>
お祈りをしようとする啓子。
カーン「シスターなら天国行きはフリーパスだ」
啓子「でも、あたくし、無賃乗車が嫌いなたちですの」
カーン「ふざけるな!」
外で銃声がし、啓子が外に飛び出した。
浅井「こらえろ。君たちはユダの手下になるつもりか。君らの隊長カーンは兵器を手に入れしだい、君たちを裏切って巨額な金で日本の暴力団に売り渡そうとしている」
外に出てきたカーン。「みんな、だまされるな。やつは国際警察の犬だ!」
浅井「カーンはリトラエルのスパイだったんだ」
戸惑う手下たち。
カーン「神父の命がどうなってもいいのか?」
風間「神父はとっくにわれわれキイハンターの手で保護したぜ」
風間と吹雪、シスター姿の啓子が敵を倒していく。浅井が銃を手にすると、吹雪が止めた。「神父さん、あなたのその手を汚してはいけない」
カーンを倒した風間。
私の好きな風間と吹雪の共闘だ!
ひざまずく浅井。「主よ、私を罰したまえ。罪深き者を御身の愛をもって救う身が憎しみのあまり、あの者へ殺意を覚えました。愛もって許せとの御教(みおし)えに背いた私を父なる神よ」地面に突っ伏して泣き出す。
啓子「苦しむ者は幸いなり。彼らは慰められるであろう。平和のために働く人は幸いなり。彼らは神の子と呼ばれるであろう」
顔を上げ、啓子を見つめる浅井。
黒木の部屋
ユミ「苦しむ者は幸いなり。驚いたわね、啓子さん作詞家になれるんじゃない? ヒットすること間違いなしよ」
咳払いする啓子。
風間「まっ、とたんに盗作問題だろうね、これは」
吹雪「何しろ一夜漬けの聖書の丸暗記だそうだ」
啓子「懐貧しき者は幸いなり。その人は…」
ドアが開き、部屋に入ってきた島。「あっ、いや、あの、トイレのドアが開かないの」
啓子「たたけよ、さらば開かれん」
驚く一同にドヤ顔の啓子。
プロデューサー:近藤照男
小野耕人
*
脚本:小山内美江子
*
擬斗:日尾孝司
*
音楽 :菊池俊輔
主題歌:キイハンター
非情のライセンス
作詩 :佐藤純弥
作曲 :菊池俊輔
唄 :野際陽子
非情のライセンス
- 野際陽子
- 歌謡曲
- ¥255

- provided courtesy of iTunes
*
津川啓子:野際陽子…字幕緑
*
吹雪一郎:川口浩
*
島竜彦:谷隼人
*
谷口ユミ:大川栄子
*
風間洋介:千葉真一…字幕水色
*
浅井神父:岡田英次
*
新渡戸神父:宇佐美淳也
カーン:城所英夫
一郎:松川勉
*
スタッフ2:由利徹
ラル:福山象三
松岡稔
スタッフ1:木村修
*
リサ:原英美
松下麻美子
ナレーター:芥川隆行
*
監督:山内柏
<プロフェッショナル・キイハンター。次のカラーシグナルは…拳銃番号P-007。盗まれた国際警察員の自動拳銃が次々と殺人事件に使われていく。国際警察員に代わって友人のキイハンターが拳銃を取り戻したが、再び盗まれ、またも殺人拳銃が火を噴く。マリファナの犯罪組織と戦うキイハンターは元・国際警察員の意外な秘密とその妻の悲しみの間に立って犯人が狙う銃口の前に立ちはだかる。次は…>
拳銃P-007
大捜査網
偶然ですが、翌朝の再々放送もタイトルが”情無用”。
peachredrum.hateblo.jp
再々放送ももうここまで来てるって、早いね~。あっという間。
人間関係がややこしい。
リトラエル…ラル国家公安局長
× 敵対関係
パルダンチナ…リサ
カーン
ってことでいいんだよね? リトラエルのスパイのカーンは金儲けのためにラルを殺し、だまし討ちのようにリサも殺したと!?
啓子さんが名探偵っぽく活躍する回は大体、小山内脚本。