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BS松竹東急

【ネタバレ】太陽の涙 #1

TBS 1971年12月7日

 

あらすじ

正司(加藤剛)はヨーロッパ出張の前日、弟(小倉一郎)の入院を見舞った折に小川老人(三島雅夫)と出会う。つい、自分には一人息子がいると嘘をついた小川老人から、正司はとんでもないことを頼まれて……。

2024.3.18 BS松竹東急録画。

 

人生の喜怒哀楽に

私達が求めるものー

人々は、即座に

「しあわせ」と言う。

では、幸わせとは

何処から来るのでしょう

 

ここでバーンという効果音と太陽の映像とドラマタイトルが出る。

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この記録映画を思い出しました。

 

この人間喜劇は

太陽の前に顔を押さえ

嬉し泣きに泣いた

ある人生の

ささやかな挿話です

 

制作・脚本 木下恵介

 

音楽 木下忠司

主題歌

 作詞 尾中美千絵

 作曲 木下 忠司

 唄  有賀 公彦

 

協力 俳優座

 

及川正司:加藤剛…添乗員。字幕黄色。

*

前田寿美子:山本陽子鉄板焼屋の娘。字幕緑。

*

池本良子:沢田雅美…病院の売店の売り子。

及川勉:小倉一郎…正司の弟。

*

前田政代:村瀬幸子…寿美子の母。

井上はつ:菅井きん…新作の知り合い。

*

前田昭三郎:山本豊三…新作の三男。

前田賢一郎:小笠原良知…新作の長男。

*

友江:檜よしえ…看護師。

前田竜二郎:早川純一…新作の次男。

板前:浅若芳太郎

*

仲居:白水聿子

仲居:小峰陽子

仲居:間島純…仲間から菊ちゃんと呼ばれている。

ナレーター:矢島正明

*

前田新作:浜村純…寿美子の父。

*

小川:三島雅夫…1年半入院している病院の主。

 

ドラマが始まっても歌が終わらない「たんとんとん」方式。

 

マンションのベランダから外を歩いている寿美子を新作が呼んでいる。戻ってこいと手招きをする新作を見て、寿美子は引き返した。

 

MAMIANA MANSION

狸穴マンション

 

地上10階建て。1969年7月竣工。

エレベーターは9階で止まり、寿美子は”前田新作”の表札の出ている901号室のドアを開けようとしたが、鍵が閉まっており、インターホンを鳴らした。思い出したように鍵を開ける新作。

 

寿美子「鍵かわなくたっていいじゃないの。呼んどいて」

新作「つい癖なんだよ。ほら、スリッパはそろえてやるからな」

 

高級マンションに住んでるんだから、いちいち施錠するのも仕方のないことなのかも?

 

新作はいい話だというが、寿美子は権利金が高いところはダメと支店の話だと思っている。「もうこれ以上使用人で苦労すんのはイヤですよ」

 

新作は寿美子に写真を見せた。「ステキにいい男」

寿美子「私の結婚のこと?」

新作「そうさ。心配なのは使用人よりお前のほうだからね」

寿美子「イヤです、私は」

新作「どうして?」

寿美子「どうしてもこうしてもないわ。分かってるでしょ、お父さんだって」

新作「分かってるよ」

寿美子「分かってたらなんにも言わないでちょうだい」

新作「そうはいきませんよ。あの事件が起きたんだって、もとはといえばお前みたいなキレイな娘がいつまでも結婚しないでいるからじゃないか」

寿美子「そんなこと大きなお世話でしょ? 私がいつまで独りでいたって」

 

新作「まあ、そうどならないで、さあ、掛けなさいよ」

ソファに掛けると着崩れするからダメ。出かけるという寿美子。

 

新作はあっちの椅子ならいいだろ?とダイニングテーブルに移動。

寿美子「だけど、言っときますからね。私は私の結婚したい人は自分で探しますからね」

新作「ああ、いいですよ。探しても」

寿美子「だったらほっといてほしいわ」

新作「だけどどうやって探すの?」

寿美子「別にほっつき歩くわけじゃないわよ」

 

椅子に掛けた寿美子だが写真を見ることは拒否。

新作「だけどだよ…」

寿美子「だけどもヘチマもないんです」

 

腹を立てた寿美子は立ち上がる。

新作「そんなところは、まるっきりおふくろに似てるんだから」

寿美子「いいえ。強情なとこ、お父さんに似たんです」

新作「そうさ。あんなおふくろに似るより、お父さんに似たからお前は幸せなんだよ。まあ、掛けなさい。なっ? 今、お茶を入れてやるから」

 

スリッパ出してくれたり、お茶入れてくれたり優しい。

 

新作「お茶でも飲んで落ち着きなさい」

寿美子「魔法瓶にお湯いっぱい入ってますからね」

新作「いい話なんだがな」

寿美子「いくら良くてもダメよ」

新作「ダメダメって、お前は少しあの事件にこだわりすぎげんじゃないの?」

寿美子「こだわってなんかいるもんですか。私が誘惑したわけじゃあるまいし。向こうが勝手に好きになったんじゃありませんか」

 

新作「だけどだよ、結局お前の顔が見たいばっかりに会社の金を使い込んでしまったんだからな。まさか、うちの鉄板焼きが食べたいばっかりに毎晩来たわけでもないだろ? とにかく栄養のとりすぎで心臓が弱っていたっていうからな」

寿美子「もともと気が小さい人だから心臓が弱かったんですよ。それらしいことをひと言も言ったこともないくせに、それを捕まったらペラペラしゃべっちゃって、こっちこそとんだ迷惑よ。競輪や競馬ですったのまで私のせいにするんですもん」

新作「やけっぱちで賭け事したんじゃ外れるよ。かわいそうに若い身空でな…22っていうから、お前より3つ年下だよ。今年の3月、大学を出たばっかりだからな」

寿美子「ばっかりが使い込みをするんだから大した人間よ」

 

新作「いや、それもこれもお前が好きになったからじゃないか」

寿美子「お父さん。そんな言い方は週刊誌の見出しだけでたくさんですよ。お茶まだなの?」

新作「うん。今、お湯を冷ましてるんだよ」

寿美子「いいから早くちょうだい」

 

新作「そう威張るなったら。そういうところがおふくろに似てるんだよ。そういえばあいつも3つ年上だ。どうもいけないよ、3つ年上は。それにおまけにあいつは申年ときてやがる」

寿美子「別にひっかかれたわけじゃないでしょ?」

新作「ひっかかれたさ。かみつかれたことだってあるよ」

寿美子「ふ~ん、イヤね。結婚なんて」

新作「特別だよ、お父さんのは。さあ、飲みなさい」

寿美子「私、お父さんとお母さん見てるから、とっても結婚する気になんかなんないわ」

新作「相手によるよ、相手に。この男は気が優しくって親孝行なんだ。それに男前だっていうしさ」

寿美子「そんな写真、誰が持ってきたの?」

新作「おはつさんだよ。おはつさんのアパートの近所にいるんだよ。お父さんと2人でな。まあ、ちょっと見なさいよ、ええ? 小さい写真だけど、感じは分かるだろ?」

 

寿美子「なあに? これは外国の景色じゃないの」

新作「そうさ。これがパリ…かな。これは確かローマだな。これもローマだな。これはオーストリアかな」次々写真を置く。この時代にカラー? もうカラーだっけ?

寿美子「イヤな人。得意になって外国行ったときの写真を持ってくるんだもん」

新作「いや、そうじゃないよ。外国なんかしょっちゅう行ってるんだよ。旅行社に勤めてるんだよ。あれはなんていったかな…とにかく団体客なんかをしょっちゅう外国へ案内してるんだよ」

寿美子「じゃ、ガイドじゃないの」

新作「お…うんうん、まあ、そうかな。あ~、だからこの…英語はペラペラだしさ、それにこの…あか抜けしてるよ、ほら」

 

寿美子「イヤです」

新作「何が?」

寿美子「真っ平よ。そんな二枚目が外国しょっちゅう行ってて一体何してると思ってんの? お父さんは」

新作「何をって何を?」

寿美子「ああ、いやらしい。ムズムズしてくるわ」

新作「いやらしい?」

寿美子「そうよ。パリにローマにオーストリアに行く先々でモテてるんでしょ? ああ、気持ちが悪い。金髪の女に抱かれちゃって。おはつさんもおはつさんよ。こんな写真持ってくるなんて。さあ、私、お店行きますからね。ごちそうさま。あんまりおいしいお茶じゃなかったわ」立ち上がる。←ていうか、なんで抱かれるほうなのよ?

 

新作「おい、寿美子」

寿美子「お父さんも早くお店へ来てちょうだいよ。つまらない夜更かしなんてしないで早く起きてもらわなきゃ困るんだから」玄関へ向かう。

新作「寿美子」

寿美子「あっ、ランチタイムは忙しいんだからお願いしますよ」出ていく。

 

新作「ハァ…まるでおふくろそっくりだ」

 

最初からすごい情報量。新作たちの住むマンションは港区麻布。寿美子をストーカーしていた男が会社の金を使い込んで捕まって、寿美子のことをベラベラしゃべったって感じ? 新作はキレイな娘なのに結婚してないからだと見合いを勧める、と。

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純ちゃんの応援歌」の清原先生でおなじみ浜村純さんが寿美子のお父さん。でも、1971年で還暦過ぎてたんだな~。「3年B組金八先生」の荒谷二中の米倉先生を演じたときは74歳だったんだから、そりゃおじいさんに見えたよね。

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「ミスター・ベースボール」では高倉健さんのお父さん。

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「父子草」では渥美清さんのお父さん。

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新作が経営する鉄板焼き屋は店内も広く、客もいっぱい。新作は従業員たちにマスターと呼ばれている。仲居からお座敷に寿美子の兄が来ていると聞かされた。今は1人だけど、4人の予約が入っている。新作が店に来たので、寿美子はお座敷へ。

 

新作「すぐはいいけど、若い男だったら気をつけなきゃダメですよ」

寿美子「またそれを言う」

新作「それが一番心配なんだよ」

 

店内を歩いてお座敷席へ。お座敷もいっぱいテーブル並んでて広いお店だね~。ひろ~いお座敷にポツンとスーツに眼鏡の男が座っている。

 

賢一郎「よう、寿美子。久しぶりじゃないか」

寿美子「相変わらず元気そうね」

賢一郎「どうだい? 景気は」

忙しいという寿美子に「間もなくお母さんも来るよ」と言う賢一郎。竜二郎も昭三郎も来る。

 

賢一郎役の小笠原良知さんは「おやじ太鼓」では小笠原良智さんの名で出演。

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黒田の妻と駆け落ちしたバーテンダー。眼鏡のせいか、あの時とまた感じが違うな。

 

寿美子「一体どういう風の吹き回しなの?」

賢一郎「お前だよ、原因は」

寿美子「えっ?」

賢一郎「新聞には出るし、週刊誌には出るし、みっともないったらありゃしないよ」

寿美子「だからみんなで押しかけてくるんですか?」

賢一郎「来たくもなるじゃないか、心配で。もとはといえば、お前が親父のほうへ来てしまったのがいけないんだよ。そりゃ親父だって寂しいさ。だけど、それもこれもいわば親父さんの身から出た錆だからな」

寿美子「何が錆なの? 何がお父さんの悪いとこなの?」

 

賢一郎「フフッ、ああ、そうか、お前はな…」

寿美子「なにも笑うことはないでしょ? 私はあんな政略結婚がイヤでお父さんとこへ来たんですからね」

賢一郎「いや、誤解誤解。お前がそう思っただけだ」

寿美子「そうかしら?」

賢一郎「そうに決まってるじゃないか」

寿美子「私にはそうは思えなかったの。お母さんだって兄さんたちだって、みんな一緒になって」

賢一郎「いや、だけどだよ…」

寿美子「だけどは、お父さんの口癖だけで結構よ」

 

仲居Aが案内して、竜二郎が入ってきた。「おう、寿美子。どうしたんだ? あんなヘマして。兄さん、お母さんと昭三郎まだ?」

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竜二郎役の早川純一さんは見たことない方かと思ったけど、「おんなは一生懸命」でプロデューサー役で見てたんだね。

 

賢一郎「いや、間もなく来るだろう」

竜二郎「ああ。なかなか大した店じゃないか」

寿美子「ええ、お父さんが頑張ったのね」

竜二郎「ああ、偉いよ。見直したよ」

賢一郎「もっと早いうちに頑張りゃ家族から捨てられなかったろうにな」

竜二郎「手遅れが運をつかんだのかな」

寿美子「私、忙しいから消えます」←言ってみたい言葉。

賢一郎「おい、寿美子。お母さんがもうじき来るよ」

寿美子「どうぞごゆっくり。私、お父さんの悪口なんか聞きたくないわ」勢いよく襖を開けてしまい、お茶を運んできた仲居Aとぶつかった。「あっ! ごめん、ごめん。つい急いでたもんだから」

 

仲居A「今、お雑巾を取ってきます。あっ、いらっしゃいまし。失礼いたしました。じゃ、こちらからどうぞ」政代や昭三郎が立って見ていた。

 

政代「まあ、まあ、はしたない。これが前田家の娘でしょうかねえ」

寿美子「すいません」

昭三郎「しょんぼりすんなよ、寿美子。お茶を蹴飛ばすなんて元気でいいよ」

政代「いいことがありますか」

昭三郎「はあ」

政代「久しぶりに会えば出会い頭にこれですからねえ。お前さんもニヤニヤしなさんな」

昭三郎「はあ、すいません」

 

仲居A「すいません。ちょっとごめんなさい」廊下の向こうから雑巾を持って走ってきて、寿美子の前を拭き始める。

 

政代「昭三郎、よく覚えておくんですよ。すいませんというのは、こういうとこの言葉ですからね。申し訳ございませんと言うのですよ」

昭三郎「はあ」

2人は廊下からお座敷席へ入って行く。

政代「寿美子、いらっしゃい」

 

政代役の村瀬幸子さんは「おやじ太鼓」では堀部長の母。

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昭三郎役の山本豊三さんも「しなの川」で見ていた。

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ていうか、「しなの川」に仲雅美さん出てたんだ。竜吉というメチャクチャ重要な役だったのに「思い橋」の良男と全然違うキャラだったから今の今まで忘れていた。

 

寿美子「(仲居に)お願いします」お座敷席へ。

 

仲居A「何よあれは?」

仲居B「あれが申し訳ない顔でしょ」

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仲居さんには名前がないんだろうか。字幕にAとかBとかでてるわけじゃありませんが、自分が分かるように区分け。最初から出ていたAが間島純さん。Bは小峰陽子さんだね。「あしたからの恋」「たんとんとん」では看護士、「思い橋」では北の同僚。「二人の世界」ではスナックうぐいす本木の妻だった。ちょっと尾崎奈々さんっぽい細身の洋風美人。

 

厨房で伝票をチェックする新作。仲居Cから妻子が来ていることを知らされた。

 

最初にお座敷席に案内した仲居Aは”菊ちゃん”と呼ばれていた。他の仲居さんも名前が出てきますように。

 

菊ちゃん「あの方はマスターの奥さんじゃないんですか」

新作「来たのか、あのババアが」

仲居B「お嬢さんのお兄様も3人様おそろいですけど」

新作「あ…あいつら、よくも雁首をそろえやがって。おい、呼んできなさい、寿美子を!」

 

厨房に寿美子が戻って来た。

新作「あいつらは何しに来たんだ? お…お前に何か言ったのか?」

寿美子「こんなはしたない商売をしてるから新聞種になるんですって」

新作「なんだと? お前にそう言ったのか?」

寿美子「私、頭が痛くなったから、うちへ帰ります」

新作「寿美子、待ちなさい」

寿美子「お金さえ払えば大威張りでお客様ですって」

新作「ちきしょう…バカ野郎。こんちくしょう」

 

菊ちゃん「あの…広間のお客様、極上の鉄板焼き4人前お願いします」

新作「バカ野郎。あんなヤツには猿の肉だ。猿の肉だって食わしてたまるか」

寿美子「猪鍋(ししなべ)の店かと思ったら、牛肉もあるのねって。お母さんが言ってたわ。お先に」帰っていった。

 

新作「あのババアめ。よくもよくも抜かしやがった」

菊ちゃん「猪鍋ってイノシシですね」

新作「イノシシは俺の年だよ。あいつは申でおまけにババアだ。とっとと帰ってもらいなさい。板さん、私も帰るからね。あとは頼むよ」

板前「はい!」

新作「料理なんかくれぐれも出すんじゃないぞ」

 

それは、直接言ってくれなくちゃ~、従業員も困るよ。

 

明治41/1908年生まれの申年だと思います。政代は63歳。

新作は明治44/1911年生まれの亥年で60歳。寿美子は25歳で4人兄妹の末っ子。

 

あんまり姿は見せない板前は浅若芳太郎さん。

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「たんとんとん」では健一の亡夫の仕事仲間で「二人の世界」では麗子が一瞬働いていた会社の課長さん。

 

新作のマンション

はつ「だから、そのことはあとでお話ししようと思ってたんですよ」

新作「あとでって、あんた。それじゃまるっきり…」

はつ「そうなのよ、そうなのよ。とにかく1年前、お父様は軽い脳溢血で倒れたでしょ」

新作「まあ、それはいいさ。今は自分の用ぐらい自分で足せるんだから」

はつ「ええ、そりゃもう。言葉だってね、ちょっと変かなと思うくらいですからね。気にしてなきゃ分かりませんよ」

新作「しかし、不良の弟がケンカをして今の今、病院にいることは話さなかったじゃないか」

 

はつ「だからですよ。それは寿美子さんの気持ちがちょっとでも動いてから話そうと思ってたんですよ」

新作「動くどころかさんざんだよ」

はつ「だけどですよ」

新作「だけどだよ」

はつ「いいえ、だってですよ。あなただって親孝行だっていう一点が気に入ったんじゃありませんか」

新作「そうそう。親孝行は気に入ったよ。私にはろくでなしの息子が3人もあるからね」

 

はつ「だから私だって、ろくでなしの弟のこと、あんまり話したくなかったんですよ」

新作「じゃあ、いいところの一点は帳消しじゃないの」

はつ「とんでもない。それが10点も20点も30点もですよ。とにかく血のつながらない弟をかわいがること、かわいがること。とにかく今どき、あんな優しい人はいませんからね。近所の娘さんだって、おかみさんだって惚れ惚れしてるんですよ」

新作「その惚れ惚れがいけないんだよ」

 

バスローブ姿の寿美子が「おばちゃん、いらっしゃい」と出てきた。

 

はつ「お掛けなさいよ、ここへ」←今までソファの上に正座してた?

新作「あの話だよ、写真の」

寿美子「おばちゃん、悪いけどお断りするわ」

はつ「いいえ。私に悪いことなんかありませんよ。でもね、本人にちょっとでも会ったら気が変わるんじゃないかしら」

新作「その写真だって見ないんだから」

はつ「それじゃとても話にもなんにもならないけど…とにかくいい男ですからねえ」

 

はつさんは木下恵介アワーではおなじみ菅井きんさん。

 

病院の廊下を歩く正司。う~ん、確かにいい男! 看護師から弟が治療室のほうへ行っていると伝えられた。あした、ヨーロッパに発つため、ちょっとでも会おうと来たが、看護師がレントゲン室に行ったかもしれないというので、売店で待つことにした。

 

売店へ歩いていく正司の後ろ姿を見つめる。坊主頭の男性が三島雅夫さん。

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「雁の寺」のエロ坊主みたいなたたずまい。

 

売店には誰もおらず、正司は椅子に掛けた。

良子「あっ、ごめんなさい。ちょっとおトイレ行ってたの。何、差し上げます?」

正司「そうだな…いなり寿司をもらおうかな」

良子「まあ、いなり寿司ですか?」なんとなく似合わない感じと言いながら、ケーキ屋のショーケースのようなガラス棚からいなり寿司を出した。

 

正司「どうして似合わない感じがするの?」

良子「だって、いなり寿司食べる顔じゃないわ」

正司「そんなバカな。僕だって日本人じゃないか」

良子「ハハッ、でもね、なんとなく…あっ、いらっしゃい」

 

小川「ああ、さてさて何をもらうかな?」←和服だから太ってみえるのか「3人家族」や「二人の世界」の頃と雰囲気違うなあ。髪型のせい?

 

良子「お茶だけでいいんじゃない? おじさん」

小川「いやあ、今日は何かもらうよ」

良子「あっ、そうか。月の初めだもんね」

小川「うん。いなり寿司にしようかな」

良子「あっ、豪勢だ」

小川「フフッ」

良子「あっ、お隣の人を見たら食べたくなったんじゃない?」

小川「うん。私だって、たまにはね」

良子「フフフッ」

 

売店の黒電話が鳴る。看護師からの電話で正司が電話に出た。勉がレントゲン室から治療室へ行ったが、混んでるから時間がかかるだろうと言われた。旅行は長いんですか?と問われた正司はインド、エジプトからヨーロッパで3週間だと答えた。まだ弟さんは病院にいそうだと言われ、お礼を言って電話を切った正司。

 

良子「どうりでそういう人だと思ったわ」

正司「えっ? 何が?」

良子「ヨーロッパ行くんでしょう?」

正司「うん」

良子「しゃれてるなあ。いいわ、とっても羨ましいわ」

正司「だって仕事だもの」

良子「あっ、仕事で行くの? じゃあ、なおさらいいわ。旅費だってホテル代だってタダでしょ?」

正司「ハハッ。団体旅行だもの。僕はガイドでね、骨が折れるんだ」

良子「あっ、そうなの。だから、いなり寿司食べんのね。しばらく食べらんないから」

正司「まあ、そんなとこかな」

 

小川「あの…ちょっと伺いますけど」

正司「はっ?」

小川「そのヨーロッパ旅行というのベニスへも行くんですか?」

正司「ええ、行きますよ」

「そうですか、行くんですか」と何度も繰り返し、おいしそうにいなり寿司を頬張る小川。良子と顔を見合わせる正司。

 

人生には奇妙な出合いがあります。いや、奇妙な出合いこそ人生なのかもしれません。

 

小川は厚かましいお願いがあると話しかけたが、廊下でお話ししたいと正司を連れ出した。

 

良子「変なおじさん。わざわざ廊下出てかなくたっていいのに」

♪泉にそいて しげる菩提樹

慕いゆきては うまし夢見つ

ララララ…

菩提樹

菩提樹

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歌いながら、小川と正司の食べかけのいなり寿司に紙?をかぶせる良子。

 

松葉杖をついた勉が来た。「あれ? いないや。ねえ、今、ここにいなかった?」

良子「いたわよ。ヨーロッパへ行くガイドの人でしょ?」

勉「うん。もう帰っちゃったのかな?」

良子「ううん。変なおじさんとね、廊下まで出てったけど、その辺にいないかな?」

勉「変なおじさんって誰さ?」

良子「病院の主なの。もう1年半も入院してんのよ。三食付きでね、タダでしょ。生活保護を受けてんのよ。月の初めにはお小遣いももらえるしね」

勉「あれ? どこ行ったんだろう?」

 

二人して辺りを見回していた。(つづく)

 

沢田雅美さんと小倉一郎さんは「心」でも共演してたね。

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1話から出演者が多かったな~。兄3人がスーツに黒縁眼鏡で見分けつかない。

 

主題歌を歌う有賀公彦さんは同時期に木下恵介・人間の歌シリーズの「春の嵐」(1971年12月16日 - 1972年4月13日)の主題歌「宍道湖周遊歌」も歌っています。こちらの脚本は「思い橋」の高橋玄洋さん。

 

春の嵐」は情報がほとんど出てこない。「たんとんとん」直後の近藤正臣さんが主演っぽい? ほかに「思い橋」の松坂慶子さん、幸子役の望月真理子さん、正紀(セーキ)役の山本聡さんもいる。「兄弟」の秋山ゆりさん、「たんとんとん」の松岡きっこさんなど。美人が集まりまくってる。「太陽の涙」にも出演してる浜村純さんの名前も見つけた。掛け持ちだったのね。

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そういえば、以前見たドキュメンタリー番組によると、加藤嘉さん、花沢徳衛さん、浜村純さん、藤原釜足さんは長年同じ芸能事務所に所属していて、春に花見をするのが恒例だったと言ってたな。

 

浜村純さん以外は妻が20前後若い人ばかりでそこにも衝撃を受けた。妻が17歳下の花沢徳衛さんが「たんとんとん」でも「思い橋」でもちょい下心がありそうな親父役が似合うのはそのせい!? 「たんとんとん」で夫婦役だった杉山とく子さんとは15歳差。

 

主演の加藤剛さんはいなり寿司なんて似合わないと言われてたけど、1970年には「大岡越前」放送してんだよね~。この時代、加藤剛さん、竹脇無我さん、山口崇さんを集めるなんてすごすぎる。時代劇じゃなきゃ長くやれないけど、ちょんまげのない3人のドラマが見たかった気もする。

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そうそう、私が見た第10部(1988年)は森田健作さんもレギュラーになってた。

 

今週の金曜日は放送がなくて、来週は(来週から?)午後4時30分からの放送になる模様。今は橋田ドラマを見てないからいいけど、かぶっちゃうね。やっぱり、「たんとんとん」の次は「太陽の涙」を放送してほしかった。こんなにも最初から休止や時間変更があるなんて、面白そうなだけに不運。

思い橋プレイリスト

「あしたからの恋」も劇中で歌うことが多かったけど、「思い橋」も多かった。

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ただし、「あしたからの恋」は出演者が歌うパターンが多く、「思い橋」は喫茶店で当時の流行歌が流れるパターンが多かったな。

 

主題歌「夢は流れて」ひごじゅんこ/1973年発売

夢は流れて

夢は流れて

  • ひごじゅんこ
  • J-Pop
  • ¥204
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悲しい歌詞だと思う。

 

1話

秩父音頭

秩父音頭

  • 佐藤美恵子
  • ワールド
  • ¥153
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ドラマが始まってすぐ静子が歌っていたのは多分、この曲だと思う。

 

小柳ルミ子瀬戸の花嫁」1972年4月10日発売

瀬戸の花嫁

瀬戸の花嫁

天地真理「ふたりの日曜日」1972年12月5日発売

ふたりの日曜日

ふたりの日曜日

  • 天地 真理
  • 謡曲
  • ¥255
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テレビから流れていた。5話では桂が鼻歌で「ふたりの日曜日」を歌う。

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2話

「春の唄」昭和12年

春の唄

春の唄

  • クロスロード・レディース・アンサンブル
  • チルドレン・ミュージック
  • ¥255
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桂と良男がバスの中で歌う。

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3話

小椋佳「少しは私に愛を下さい」1971年10月1日発売のシングル「春の雨はやさしいはずなのに」のカップリング曲。1974年にシングルカット。

少しは私に愛を下さい

少しは私に愛を下さい

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厨房で良男が歌う。16話でもギター弾き語りでもう少し長く歌う。

 

バッハ「G線上のアリア

G線上のアリア

G線上のアリア

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多美の部屋で幸子とレコードを聴いていた。

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7話

宮史郎とぴんからトリオ「女のみち」1972年5月10日発売

女のみち

女のみち

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伸が風呂に入りながら歌う。21話では良男が釣りしながら歌っていた。

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10話

BUZZ「ケンとメリー〜愛と風のように〜」1972年11月25日発売

ケンとメリー~愛と風のように~

ケンとメリー~愛と風のように~

  • BUZZ
  • J-Pop
  • ¥255
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桂と伸のいた喫茶店で流れた曲。日産スカイラインのCMソング。多分、当時はドラマの間のCMでも流れたりしたんだろうね。

 

ザ・モップスたどりついたらいつも雨ふり」1972年7月5日発売

北がいる喫茶店で流れる。

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12話

1966年1月13日公開された高倉健主演「唐獅子牡丹」の劇中歌

唐獅子牡丹

唐獅子牡丹

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正紀に立ち向かう良男のバックで流れる。

 

チェリッシュ「だからわたしは北国へ」1972年1月25日発売

だからわたしは北国へ

だからわたしは北国へ

  • チェリッシュ
  • 謡曲
  • ¥255
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桂と北のいた喫茶店で流れる。

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13話

シューベルト「セレナーデ」

良男が幸子を見つめるときに流れていた。

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14話

村田英雄「人生劇場」1959年4月発売

人生劇場

人生劇場

  • 村田英雄
  • 演歌
  • ¥204
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鶴吉が歌う。

 

ひごじゅんこ「私のふる里」1973年発売

私のふる里

私のふる里

  • ひごじゅんこ
  • J-Pop
  • ¥204
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良男と幸子の神社?デートの時に流れる。

 

郷ひろみ「小さな体験」1972年11月1日発売

小さな体験

小さな体験

  • 郷 ひろみ
  • J-Pop
  • ¥255
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茶店で流れる。

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15話

バッハ「トッカータとフーガ」

トッカータとフーガ ニ短調 BWV.565

トッカータとフーガ ニ短調 BWV.565

  • Amadeus Webersinke
  • クラシック
  • ¥255
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茶店で流れる。

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18話

チェリッシュ「ひまわりの小径」1972年5月25日発売

ひまわりの小径

ひまわりの小径

  • チェリッシュ
  • J-Pop
  • ¥255
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茶店で流れる。

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20話

梶芽衣子「恨み節」1972年12月1日発売

幸子の心境を現した曲?

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23話

1952年公開のフランス映画「禁じられた遊び」の主題歌

禁じられた遊び(ロマンス)(民謡)

禁じられた遊び(ロマンス)(民謡)

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二上のロビーのテレビで流れる。あとで桂もちょっとだけ弾いてた!?

 

井上陽水「家へお帰り」1972年5月1日発売のアルバム「断絶」の中の一曲。

家へお帰り

家へお帰り

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良男の弾き語り。

 

ザ・ワイルドワンズ「思い出の渚」1966年11月5日発売

想い出の渚’71

想い出の渚’71

  • The Wild Ones
  • ロック
  • ¥255
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同じく良男の弾き語り。

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24話

欧陽菲菲「恋の十字路」1973年4月5日発売

恋の十字路

恋の十字路

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桂の鼻歌。

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26話

「東雲節」1900年ころからの流行歌。

東雲節

東雲節

  • 本田幸枝
  • 謡曲
  • ¥204
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鶴吉が一節歌う。

 

「壺坂霊験記」明治時代に作られた浄瑠璃の演目。

壺坂霊験記

壺坂霊験記

  • 浪花亭綾太郎
  • 演歌
  • ¥255
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鶴吉が「♪妻は夫をいたわりつ 夫は妻を慕いつつ」という歌詞を「♪姉は妹をいたわりつ 妹は姉を慕いつつ」と替え歌にしていた。鶴吉の選曲は渋い。

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当時の歌謡曲で知らない歌も多かったけど、旧ツイッターですぐ曲名が判明されてスッキリ。ありがとうございます。歌詞もない鼻歌でも曲名判明するのがすごい!

 

木下恵介アワーの作品群でも山田太一さんが全編書いた「3人家族」「兄弟」「二人の世界」「たんとんとん」では、そんなに誰かが劇中で歌ってたとかそういう印象はないなあ。「兄弟」で静男がギター弾いてたくらいか。

 

と思ったけど、先日、「二人の世界」を久しぶりに見たら、うぐいす店内で歌謡曲が流れていたり、「3人家族」で耕作が行ったパチンコ屋で「三百六十五歩のマーチ」が流れていた。歌謡曲が流れても知らない曲で聞き流していただけかも。でもやっぱり弾き語りするようなシーンはないけどね。

 

知らなかった歌が楽しめるのも木下恵介アワーのいいところ♪ 

【ネタバレ】アラバマ物語

1962年 アメリ

 

あらすじ

グレゴリー・ペックアカデミー賞に輝いたヒューマンドラマ。1930年代、南部アラバマ州の小さな町で弁護士のアティカスは、幼い息子ジェムと娘スカウトと3人で暮らしていた。ある日、アティカスは、暴行の罪で訴えられた黒人トムの弁護を引き受け、町民の反感を買うが…。女性作家ハーパー・リーピュリツァー賞を受賞した小説を映画化。誠実で頼もしい父親であり、人種差別に立ち向かう弁護士を子どもの視点で描く名作。

2023.6.21 BSプレミアム録画。

 

メイコムは1932年当時も古ぼけた町だった。その夏はひどく暑く朝9時には男のシャツはよれよれで女は昼前にシャワー、3時には昼寝夕方には、まるでパウダーと汗をまぶしたケーキ。1日を24時間より長く感じた。何事も急がず、行く所も買う物もお金もない。怖いほど何もない町だった。その夏、私は6歳だった。

 

1930年代を舞台にしてるから、あえての白黒なのかな?

 

6歳の少女・スカウトは父で弁護士のアティカス、兄のジェムと暮らしている。夏の間、ミシシッピから叔母のところへ遊びに来たというディルも加わり、一緒に遊ぶ。

 

スカウトは原作のハーパー・リーがモデルで、ディルは「ティファニーで朝食を」などを書いたトルーマン・カポーティがモデル…って、すごいな!

ジェムはディルに近所に住むブーの話をする。ベッドに鎖で繋がれているなど恐ろしい噂があるが、姿を見た者はいない。

 

母が亡くなったとき、スカウトは2歳、ジェムは6歳。アティカスが子供たちを寝かしつけて外のベンチに座っていると、判事が来た。この人もご近所さんなのね。

 

昼は子供たちだけで遊ぶ。スカウトが大きなタイヤの中に入り、転がる。怖いな〜。ブーの家まで転がってしまい、慌ててジェムが助け出す。子供たちはその足で裁判所へ。

 

アティカスは女性に性的暴行をしたとされる黒人男性の弁護を引き受けることになった。

 

子供たちは夜こっそりブーの家に行く。ブーの手の影が迫り、ディルは慌てて帰って行く。

 

新学期。スカウトは今までオーバーオールの男の子っぽい格好だったのにワンピースを着せられて不機嫌なまま学校へ。父が以前、相続の依頼を受けたカニンガムの息子・ウォルターとケンカになった。ジェムが仲直りに夕食へ招待する。

 

カニンガムの家は貧しく、ウォルターは牛肉になんて久しぶりだと言う。いつもはリスかウサギを父と獲りに行くと話す。食事のマナーについてスカウトが指摘すると、ウォルターは泣き出し、黒人家政婦のキャルに叱られる。部屋を飛び出したスカウトを優しく諭すアティカスは、ある日は狂犬病になり、フラフラ歩いている犬を保安官に代わって銃殺した。

 

アティカスと子供たちが車に乗って容疑者・トムの家へ。アティカスが家に入り、車に乗っている子供たちを睨みつける酔っ払い白人男性は“黒人びいき”と敵意を見せた。

 

家に帰り、アティカスは通いの家政婦のキャルを送りに行ったため、子供たちだけが家に残された。

 

スカウトは学校でセシルと取っ組み合いのケンカになった。アティカスが黒人の弁護をすることを非難されたせいだった。

 

ブーの家の前の木の穴からスカウトとジェムにそっくりな人形を見つけたジェム。ほかにもメダルなどが入っていたが、ある日、男が家から出て来て木の穴を埋めていた。この人はブーじゃないのね?

 

夏休み、再びディルが遊びに来た。父親が鉄道で成功したと自慢するディルにうんざりするスカウト。

 

夜、裁判所前にいるアティカスの様子を見に行く子供たち。留置所から裁判所に移送されるトムを夜襲しようと白人男性たちが集まり、アティカスの前に立ち塞がった。子供たちはアティカスの前に行く。スカウトはカニンガムに相続は大変でしたね、カニンガムの息子のウォルターとは同級生で~などと話したため、カニンガムは他の男たちに引き揚げるよう促し、帰っていった。

 

陪審

子供たちも見守る。証人は白人男性ばかり。被害者の女性メイエラも公衆の面前に晒されて証言させられるの〜!? トムに5セントやるからタンスを壊せと命じると垣根の中へ入ってきた。お金を取りに行くと、すぐ後ろに立っていて首を絞められ、何発も殴られたと話すメイエラ。

 

しかし、トムは12歳の時に綿繰り機に左手を挟んで左手が使えず、証言と矛盾する。メイエラは取り乱して叫び出した。その前にメイエラの父に名前を書かせて左利きだと周知させるアティカス。

 

トムの証言。メイエラとトムは顔を見れば挨拶する間柄で1年以上前にタンスを壊して欲しいと頼まれたこともあり、壊したこともあった。その後も何度か用事を頼まれた。事件のあった8月21日も家に招かれて入ると、メイエラにドアを閉められた。家には誰もおらず、突然、メイエラがしがみついてきたのでトムはイスを倒した。

 

メイエラは今までキスしたことがないと突然トムにキスしてきた。外で見ていたメイエラの父が娘を殺す!と怒り、トムは帰った。あー、メイエラは今でいう非モテ女性という感じの人を選んでるんだな。

 

メイエラを可哀想だと言うトム。アティカスは精一杯トムの弁護をする。

 

2時間近い協議の末、一審は有罪になったトム。陪審員は白人男性ばっかりだもんねえ。解散になるが、傍聴席の人たちは帰ることなく、アティカスを見守った。

 

子供たちも落ち込み、家の前でうなだれる。近所の女性がジェムを慰めていると、保安官が来て、アティカスにトムの死を知らせた。移送中に逃げ出したトムを警告のつもりで保安官代理が発砲し、運悪く当たってしまったと言う。

 

トムの家族に知らせに行くというアティカスについて行ったジェム。トムの家の前には多くの黒人が集まっていた。トムの死を知らせるとトムの妻は泣き崩れ、家に入って行った。以前の酔っ払い白人男性がアティカスを呼び出し、アティカスの顔に唾を吐きかけたが、アティカスは無視して車に乗り込んだ。

 

ハロウィンの日、仮装したスカウトを連れて出かけたジェム。ハムのハリボテ? 森の中を歩いていると、突然、男に襲われた。男はジェムを連れて行ってしまい、スカウトはハリボテを脱いで家に帰った。

 

ベッドに寝かされたジェムは顔にあざ、骨折もしていた。犯人はメイエラの父で発見された時には死んでいた。家まで運んだのがブーことアーサー・ラドリーだった。眠っているジェムの頭を撫でさせたスカウト。ブーはおとなしくて無口な若い男性。

 

アティカスはメイエラの父を殺したのはジェムの正当防衛と思ったが、保安官はメイエラの父が自らナイフの上に倒れ込んだのだ(ということにしよう)という。あ、あの酔っ払いの白人男性とメイエラの父って同じ人?←今更?

 

アティカスはブーにお礼を言い、握手した。ブーの手をつないで家まで送り届けるスカウト。何らかの病気というか障害ではあるのかな?

 

家に帰ったスカウトはアティカスに抱きつく。(終)

 

トムが可哀想すぎて。メイエラも白人男性から散々な扱いを受けてきたんだろうと想像してしまう。だからといって自分より弱い立場の者にやっていいことではないが。近所の変わり者の大人を見に行く話って古今東西あるあるなのかねえ。ひっそり生きてるだけなのに。

 


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