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【ネタバレ】岸壁の母 第二章「風にそよぐ母子草」その二

TBS 1977年11月8日

 

あらすじ

夫と死別した端野いせ(市原悦子)は息子・新二(中野健)を連れ上京した。しかし仕事に就くことが出来ず死を覚悟したが、新二の担任教師・三浦(山本耕一)に救われ、ある工場の寮の下働きとして働き始める。

岸壁の母

岸壁の母

2024.6.25 BS松竹東急録画。

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冒頭の白青映像のいせ「石頭(せきとう)教育、13981(いちさんきゅうはちいち)部隊、荒木連隊、第1大隊、第6中隊の端野新二(はしのしんじ)を知りませんか? 端野新二知りませんか? 端野新二を知りませんか? 端野…新二~!」は毎回流れるのね。

 

1週目だから”第一章「風にそよぐ母子草」その一”だと思ったのに、今回は”第二章「風にそよぐ母子草」その二”になってて?? 次どうなってるか見てみよう。

 

端野いせ:市原悦子…字幕黄色。

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端野新二:中野健…字幕緑。

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三浦とよ子:生田くみ子

呉服屋の店主:飯田和平

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川田隆:田中昭雄

沢田英雄:小林秀司

長田武士

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三浦:山本耕一

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音楽:木下忠司

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脚本:高岡尚平

   秋田佐知子

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監督:高橋繁男

 

雨の中を傘もささずに歩くいせと新二。

 

<函館。耳にするだけで涙が出るほど懐かしい生まれ故郷です。新二は、でも、なんにも知らないんです。そこは私と新二を引き裂こうとしている生(な)さぬ仲の母のいるとこなんです>

 

新二「お母ちゃん、函館のおばあちゃんとこ行くの?」

いせが新二の顔を見る。

新二「傘、持ってくればよかったね」

いせ「おいで、おいで早く」建物の軒下で雨宿りし、新二の顔を手ぬぐいで拭く。「新ちゃん、お母ちゃんの行く所、一緒に行ってくれる?」

新二「うん」

いせ「どんなとこでも?」

新二「うん。お母ちゃんと一緒ならどこにでも行く」

 

いせ「もし、お母ちゃんが一緒に死のうって言ったら?」

新二「死ぬ」

 

軒下から出て、岸壁に足を踏み出すいせ。

新二「お母ちゃん、僕、やっぱり死ぬのイヤだ。だって、僕、どこも痛くないもの」

いせは力なく笑い出す。

新二「お母ちゃんだって、どこも痛くないんだろう? 死ぬときは痛いんだ。お父ちゃん、痛い痛いって言ったじゃないか」

いせは泣きだし、右足の下駄が海に落ちた。

 

新二「どうしたの?」

泣いているいせ。

新二「お母ちゃん、ごめんなさい。泣かないで。僕、なんでもお母ちゃんの言うとおりにするから。ねっ、お母ちゃん」

 

いせ「行こう」

新二「どこへ?」

いせ「帰ろう、あのうちへ」

新二「僕、隆ちゃんちに帰りたくない」

いせ「お母ちゃんの行く所へはどこへだって行くって言ったじゃないか。さあ、おいで」

 

<死ぬくらいなら、どんな苦しみだって耐えられるはず。あのとき、そう思ったんでございます。二度と帰れるはずのないうちでした。でも、どんな辱めを受けても、もう一度、頭を下げて置いてもらおうと思いました>

 

大家の川田家から三浦先生が出てきて頭を下げていた。三浦に気付いた新二に三浦が駆け寄り傘を差した。「いや、心配しましたよ。新二君の様子を見に行ったんですが、大家さんの話だと身一つで出ていかれたって。とにかくよかった。端野、先生のうち行くか? どうです? お母さん。もう川田さんのうちへは帰れないでしょう。僕のうちへ来ますか?」

いせ「そんな…」

新二「お母ちゃん、行こうよ。先生んちへ」

三浦「うちは家内一人ですから、大したことはできません」

 

いせ「でも、先生にご迷惑はかけられません」

三浦「迷惑じゃありませんよ。僕は新二君の担任として、あなたたちを放っておくわけにはいかないんです。(新二に)腹減ったろ?」

新二「はい」

三浦「よし、さあ」

 

狭い路地を通って三浦家へ。

とよ子「どうでしたの? 端野…」

三浦「端野君とお母さんだ。さあ」

とよ子「まあ…ビショビショ。早く何かに着替えなくちゃ。さあ、どうぞ」

 

とよ子は大きなたらいを持って奥へ。ぬれた足で廊下を歩いていく新二といせ。いせは右足だけ裸足で泥んこ。とよ子が濡れた着物を絞って干していると、三浦が「おい、そんなことはあとでいいから何か食べる物(もん)出してくれよ」と言う。

 

とよ子「あら、食事してないの? 何もありませんよ」

三浦「なんでもいいからさ」

とよ子「ええ」

 

三浦「とよ子。しばらくあの人たちを置いてあげようと思うんだ」教師としてほっておけない、1日か2日のことでいいと、とよ子を説得した。

 

三浦「端野。今、おばさんがご飯の用意してくれるからな」

いせ「先生、奥様、ホントに申し訳ございません」

とよ子「いいえ。気楽になさってくださいね」

 

新二「先生、僕、お母ちゃんと海に行ったんだよ」

三浦「へえ」

新二「お母ちゃんと2人で死のうとしたんだ」

三浦もとよ子もハッと息をのむ。

新二「でも、僕もお母ちゃんもどっこも痛くないから死ななかったんだ」

三浦「そうか」

新二「お母ちゃん、水門に下駄を…」

いせ「新ちゃん」

 

三浦「端野、君の言うとおりだ。君もお母さんも丈夫な体を持ってる。人間どんなときでもくじけちゃダメなんだ。いいか、端野。君は男の子だ。これからの日本にとって大事な人間なんだ。今の日本には貧しい人があふれている。いや、日本だけじゃない。君には難しいかもしれないが、経済恐慌といってね、世界中の人たちが貧しさに耐えてるんだ。君たちだけが苦しいんじゃないんだ。だから負けちゃいけない。きっと近いうちに世の中も明るくなるよ。みんながそれを願ってるんだから。いいね?」

うなずく新二。

 

とよ子「ホントに何もありませんのよ」

 

<きっと近いうちに世の中も明るくなる。その三浦先生の言葉に私は救われる思いがしました。でも、そのときもう景気を回復するために戦争への動きが始まっていたんですね>

 

三浦「さあ、たくさん食べろよな」

雑炊かな? 天井からのアングル。

 

新二はどんどん食べるが、いせは泣きながら食べていた。

 

食べ終わった新二にとよ子はお代わりをよそおうと手を伸ばすが、新二は「もういい。ごちそうさま」と食べるのをやめた。

 

三浦「ホントにもういいのか?」

新二「はい。おなかいっぱいです。おばさん、水」

とよ子「はいはい」

三浦「おっ、急に元気がよくなったな。ハハハハ…」

 

<地獄に仏といいますが、ああ、これがそうなんだな。このとき、ホントに私はそう思いました>

 

新二を布団に寝かせたいせは三浦夫婦のいる茶の間へ。

とよ子「子供って無邪気でいいわね。子は宝って、よく言ったものね。私たちも子供でもあれば楽しみもあるんだけど」

三浦「こればっかりは授かりもんですからね」

 

とよ子「あっ、ごめんなさい。嫌みに聞こえたら許してくださいね。ただ、あんまり新ちゃんがかわいいもんだから。これからどうなさるおつもり? ずっと東京に?」

いせ「はい」

三浦「何かいい仕事が見つかるといいんだが。私も心当たり当たってみますよ」

いせ「どうぞよろしくお願いいたします」

 

三浦にゆっくり休んでくださいと言われたいせは、新二の眠る布団の隣へ。新二はマジ寝っぽく見えたけど、いせが布団に入るといせに抱きついたから演技だったのね。外は雨。

 

翌朝、いせは早く起きて道に水撒きをしていた。起きたとよ子は、いせがいなくなっていて、「端野さん」と呼ぶ。「あっ、ここにいらしたの? そんなことしなくたっていいのよ」

いせ「ご厚意に甘えてばかり…何か?」

とよ子「用じゃないのよ。あなたがいなくなったのかと思っちゃった」

いせ「もう大丈夫です」

とよ子「そうね。そうだったわね。ゆうべ、新ちゃんのために生き抜くって、おっしゃったんだもんね。私って心配性だから。アハッ」

 

いせはこれから仕事探しに行くと出かけようとして、とよ子からむき出しで悪いけど、少ないけど電車賃にでもと小銭?を渡された。

 

いせ「ありがとうございます。助かります。お借りしておきます」

とよ子「あっ、いいのよ。気にしなくて」

いせは大事に財布に小銭を入れた。

 

新二は隆たちに取り囲まれた。

隆「こいつな、ゆうべ、おふくろと2人で夜逃げしたんだぜ」

新二「違う」

隆「ちゃんとこの耳で親父とおふくろが話してるの聞いたんだからな」

児童「お前、どこで寝たんだ? ゆうべ。橋の下で寝るのか? ゴザかぶって寝たんだろう?」

新二「違う。三浦先生んちに泊まったんだ」

隆「やっぱりそうか。お前、俺と英雄ちゃんのこと先生に言っただろう?」

新二「言わない」

隆「分かるもんか」

 

児童「隆ちゃんと英雄ちゃんに手をついて謝れ!」

新二「イヤだ。僕が悪いんじゃない!」

男の子たちに追いかけられる新二。水たまりにハマった新二は、男の子たちに泥水をかけられる。

 

80年代あたりにいじめで自殺する子供たちが出てきたとき、テレビのコメンテーターは昔はガキ大将がいて、こんな陰湿ないじめはなかったと言ってたけど、昔から陰湿だよねえ。「たけしくんハイ!」でもたけしは自分より貧乏でバラック小屋に住んでた友達の家を破壊してたからな~。

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泥だらけで帰ってきた新二は三浦家から物音がしたので慌てて走り去った。とよ子は日傘をさして歩き出したが、泥だらけの新二を発見して井戸水を出して泥を洗い流した。服、教科書、ランドセルも洗って干している。

 

裸の後ろ姿の新二は三浦の白いシャツを着せられていた。昔のドラマってなぜか子役を全裸にさせること多くない? 今見れば意味のないシーンでも裸にさせてるように見えてしまう。これは後ろ姿だからまだ…と思うけど、お尻は出てた。

 

とよ子「あしたまでに乾くといいわね」

 

夜、へとへとで帰宅したいせとちょうど門を出た三浦と鉢合わせした。本をまとめて縛って持って出かけていった。

 

茶の間

とよ子「そんなわけでね、新ちゃんったら、なぜ泥んこになったのか私にはどうしても言わなかったの。主人が帰ってきて、いろいろ聞いてるうちに事情が分かったの」

いせ「いろいろお世話かけてすみませんでした」

とよ子「新ちゃんはいじめられたほうだけど相手が悪いわ。沢田さんちのお子さんじゃあね。あそこのご主人はこの辺の有力者だし、学校の世話人もやってるし」

いせ「先生にご迷惑がかかるようなことには…」

とよ子「大丈夫でしょ」

いせ「はあ」

 

新二はランドセルに教科書を詰めていた。

 

とよ子といせで夕食をちゃぶ台に並べていると三浦が風呂敷包みを抱えて帰ってきた。風呂敷の中は新二の服。新二はお礼を言う。

 

三浦「残りの家財道具は諦めてください。その分、差しい引いてもらって、川田さんには昨日までの家賃、払ってきました。それから沢田さんのほうにも寄って、一応、話をしておきました。ご主人、なかなかの人物でね、端野さんに謝っていたと伝えてほしいって」

いせ「ありがとうございます」

三浦「端野、あしたっから堂々と学校行くんだぞ」

新二「はい、先生」

 

三浦「なんだ、食べずに待っててくれたんですか。おい、とよ子、早く飯にしてくれ」

台所に立ったとよ子。

三浦「先に食べててくれたらよかったのに」

 

何となくとよ子の空気が変わったことを察したいせ。

 

三浦たちの寝室

とよ子「なにもあそこまですることないじゃないの」

三浦「面倒見るなら中途半端は、かえっていかんだろう」

とよ子「だって、あなたが持ってらした本、大事になさってたじゃないの」

三浦「メモも取ってあるし、もう必要ないんだ」

とよ子「いつまで置いとくつもり?」

三浦「何か仕事が見つかるまでは、しかたがないだろう。今日、師範学校時代の友人に二三、当たっといたから。そのうちなんとか言ってくるだろう」

 

寝ている新二をうちわで仰ぎながら、会話を聞いてるいせ。

 

とよ子「ああいう人って、案外ずうずうしいのよ。あなた、人がよすぎるわ」

三浦「もういいじゃないか。辛抱してくれよ。これも教育者の務めだよ」

とよ子「ホントにそれだけ?」

三浦「なんだい?」

とよ子「端野さんってとっても女っぽいから。あなたもそう思うでしょ? 仕事なんか探してないで再婚なさればいいのに」

 

<つらい思いで数日がたちました。これ以上、三浦先生のお宅にご迷惑はかけられません。とにもかくにも職を探して歩きました>

 

高級呉服 京染専門

河島屋呉服店

 

いせは呉服店に入って行った。

 

履 歴 書

   端野いせ

      明治参拾弐年九月拾五日生

一、本籍地 北海道凾館市海岸通り百拾五番地

一、現住所 東京市大森區入新井町四丁目壱壱番地

     學 歴

北海道凾館市幸小學校 卒業

北海道凾館高等女學校入學四年ニテ卒業

…女學館入學…年ニテ卒業

 

読める分を書き出してみたけど、当時としては結構高学歴!?

 

店主「ほう、女学校を出て4年間も裁縫学校に?」

いせ「はあ」

店主「大変ですなあ。お子さん抱えて」

いせ「お仕事頂けないでしょうか?」

 

店員「旦那、これ」裁縫箱を差し出す。

店主「はい。試すようで悪いんだが、これ縫ってみてくれんかね?」

いせ「はい」その場で運針を始める。

 

いせは子供たちと遊んでいた新二に声をかけた。「新ちゃん、仕事見つかったよ」

新二「ホント?」

いせ「うん。あそこに大きな呉服屋さんがあるの知ってる?」

新二「うん」

いせ「あそこで仕立物さしてくれるって」

新二「ふ~ん、よかったね」

いせ「よかったよ」新二を抱きしめる。

 

号外屋の鈴の音が聞こえ、いせも1枚受け取る。

 

東京日日新聞

 日支軍の交戰…

南嶺で兩軍大激戰

 我が死傷百余名

   大隊長重傷、中隊長戰死

 

夕方、いせと新二は並んで海を見る。

いせ「お母さん、これからうんと働くからね」

新二「うん。僕もうんと勉強する」

いせ「うん、そして、偉い人になってよ」

新二「うん」先ほどの号外を紙飛行機にして海に飛ばした。

 

いせは新二の学帽をかぶり、敬礼。

 

<私はこのとき、まだ号外に書かれていることの重大さに気づきませんでした。これが私たち親子の運命を狂わせる最初の足音だということを知りませんでした>

 

つづく…の文字もなく2回目の「岸壁の母」へ。

 

昭和6年の出来事だとすると、1931/昭和6年9月18日の満州事変かな!?

 

岸壁の母」を調べると2008年あたりにもCSのホームドラマチャンネルでも再放送してたらしく、感想を書いてるブログを見つけました。ここも松竹系? で、そのときは、その次も市原悦子主演の「わが母は聖母なりき」という愛の劇場を放送してたらしく…いや、まあ、市原悦子さんの演技はとっても好きなんだけど、続いたりするのかなあ?

 

朝の「おやじ太鼓」再放送は7月8日で終わり、次は「あしたからの恋」、週末の「兄弟」が7月7日で終わり、次の週末からは「たんとんとん」が始まります。本当なら「おやじ太鼓」のほうがゴルフ休止がなければもっと早くに終わってた。おやじ&黒田がそのままみられるのは嬉しいな。

 

そうなると、今後は平日に「あしたからの恋」→「思い橋」→「太陽の涙」→「幸福相談」の順で週末は「たんとんとん」→「わが子は他人」になるんじゃないかと予想…というかこうなってほしい。「太陽の涙」「幸福相談」は沢田雅美小倉一郎で続くし、「たんとんとん」「わが子は他人」は杉浦直樹さんつながりだし。