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【連続テレビ小説】芋たこなんきん(62)「おとうちゃん」

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

終戦を迎え、町子(尾高杏奈)は心の中が空っぽになっていた。一方、徳一(城島茂)が体の不調を訴えて寝込んでしまう。生計を支えるために和代(鈴木杏樹)と町子は働き始め、町子は大事にしていた本をあらかた売ってしまう。やがて徳一は、帰らぬ人となる…。こうして、現代の町子(藤山直美)は、自分が生き抜いた戦中戦後の大阪の物語を書き上げ、出版する。

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前回の振り返り

焼け跡から看板を見つけ出し、ぼう然と立ちつくす徳一。

町子「お父ちゃん…」

徳一「町子!」

徳一に倒れ込む町子。

徳一「歩いてきたんか? 大丈夫か?」

町子「お母ちゃんは? 孝子は? 信夫は?」

徳一「安心し。みんな無事や。近くに避難してる」

町子「写真館…お父ちゃんの写真館…なくなってしもうた…」

徳一「町子…無事でよかったな。よう帰ってきた…。よう戻ってきたな! よう帰ってきた…」

泣きだす町子。

 

昭和20年8月15日

玉音放送「堪え難きを堪え」

町子「やっぱり戦争は終わりやて言うてはんねん」

孝子「終わり? 勝ったん? 負けたん?」

和代「負けたに決まってる」

孝子「負けたん…」

徳一「終わった…」

町子「負けた…。終わった…」

振り返りここまで

 

台所

調理をしている和代と手伝う町子。

 

「こんにちは」

 

和代「あ、はい。あっ。家主さん」

家主「終わりましたな。やっぱり神風は吹きませんでしたな」

和代「ほんまに」

家主「あ、これ…お嬢ちゃんらに」サツマイモを渡す。

 

和代「すんません! ありがとうございます!」

家主「お互いに元気出して頑張りまひょ!」

和代「そうですねえ」

家主「ほな!」

和代「ありがとうございます! すんません、おおきに!」

 

縁側でぼんやりしている徳一。それを見ている町子。

 

和代「町子、久しぶりになんばさつまこしらえよか?」

町子「うん!」

和代「これ、洗て」

町子「うん!」

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なんばさつまは2話でも和代が作っていました。町子も孝子も信夫も大好きな一品。ねぎ=難波でさつま芋のなんば煮。

 

大人町子「その時、私は父の疲れた背中が気になっていました」

 

和代「町子、お芋さん」

町子「あ…はい」

 

大人町子「終戦からひとつきもたたない頃でした。体の不調を訴えた父は寝ついてしまったのです」

 

寝ている徳一の枕元にはカメラ。

 

夜、ろうそくの明かりで何か書いている町子。

 

大人町子「軍国少女だった私に戦争の正体が初めて見えてきました。父は空襲で大切な写真館を失ったショックから病気になってしまったのだと私は思いました」

 

台所

お弁当箱に入っている麦ごはんの上にメザシを乗せる町子。

 

和代「町子、ほな行くわな」

町子「あと、やっとくから」

和代「悪いな。戸締まりも頼むで…」

町子「分かった」

 

和代「ほなね」

町子「行ってらっしゃい」

和代「行ってきます」

 

大人町子「生計を支えるため、母は信夫を知人に預け、夜まで私立高校の食堂で働き始めました」

 

2階から降りてきた孝子。「お父ちゃん、今日は調子よさそうやわ」

町子「あっ、私、今日、午前中だけやから晩の支度しとくわ」

孝子「うん。あ、そや、病院寄って、お父ちゃんの薬、もろてこな」

町子「頼むな」

孝子「うん」

町子「早う行かな遅れる!」

 

玄関から2階を見上げる町子。徳一は起き上がり、外を見ていた。

 

夜。長屋の玄関にはポパイ。

茶の間

孝子「お父ちゃん、食べたん?」

和代「ちょっとだけな」

 

大人町子「すっかり元気のなくなった父は食事の時も2階から下りてこなくなりました」

 

和代「明日、お休みやから買い出し行ってくるわ。着るもんかて処分できるもんは、せんとな」

赤ちゃんの信夫がちゃぶ台の所まで来てるのをさりげなく世話する孝子。

町子「私も行く」

和代「えっ?」

 

町子「私のもんも売って、それで野菜買お」

和代「あんたのもんて、まさか…」

町子「食べることが先や」

 

和代「危ないで。信夫、危ないで。熱い、熱いよ~」←アドリブっぽい。

 

2階

隣の部屋の町子のすすり泣く声に気付いた徳一。「町子…どないしたんや?」

町子「なんでもあらへん…」

 

大切な本や人形を泣きながら分けている町子。人形の頭をなでる。和代も階段を上がってきて見ていた。

 

神社の境内

「おまけや」

和代「あ~、おおきに!」

町子「おおきに!」

和代「よかったなあ! ありがとうございます! すいません。どうも」

「おおきに」

野菜をたくさん並べている農家の夫婦。背後には町子が持ってきた人形や本、ほかにも壺などが並ぶ。

 

風呂敷包みを背負う町子。和代は信夫を背負っている。

和代「重たいで」

町子「大丈夫や」

和代「大丈夫か? じゃあ、手ぇ離すで。はい」

尻餅をついてしまう町子。

 

和代「お~、町子! 大丈夫か? よいしょ」

町子「やっぱり重たいわ…」

和代「重いよな。手ぇ離すで」

町子「ようけ分けてくれはったなあ」

 

和代「そやな。今夜は大根とブリ炊いて、お父ちゃんに食べさしたげよ」

町子「あ~、ブリ大根、久しぶりやなあ」

和代「なあ。うん? どした?」

 

町子「空…。もう怖いもん降ってけえへんねんな。生きてんねんな、私ら…」

和代「そや。生きてるんや、私ら…」

信夫の泣き声

和代「信夫、よしよし。よしよし、行こか」

結構激しく泣く。

和代「なあ」

 

大人町子「その時、私は初めて戦争が終わったことを実感したのかもしれません」

 

布団で寝ている徳一。ふっと部屋から何もなくなる。

 

大人町子「そして、昭和20年の暮れ、父は44歳の若さで亡くなったのでした」

 

縁側

信夫を抱っこした和代。信夫はカメラを持っている。孝子もいる。

和代「あっ、閉まった。触れる?」

孝子「何かな~? これ」

 

♪君のままに進めばいい~と毎週末の予告の時に流れる林明日香さんの「心のままに」が流れる中、戦中の総集編的な映像が流れる。

心のままに

心のままに

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竹やり訓練

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校庭での竹やり訓練のシーンは、ほかにもあるけどここかな?

 

自室

町子「陛下、お心を安んじてください」

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信次「故郷で別れた恋人、まさにその人であった」

町子「返して!」

信次「何や? 『アンガマダ人』て」

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茶の間、常太郎とおめかしした町子と孝子が話している。イトもいる。

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おじいちゃんと歌劇団を見に行った日。

 

裁縫室

町子「先生、さよなら!」

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ダイニング

町子「ほ…ほんまに!?」

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観劇に誘われた話を徳一がしてる時。

 

町子「外、出られへん! 非国民や!」

孝子「家の中やったらええやんか!」

町子「あかん! 脱ぎなさい!」

孝子「嫌や!」

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町子、お百度参りをする。

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ビルの地下に避難

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写場にいる常太郎と町子。

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徳一が撮ったお芝居の写真を褒めてるところじゃないかなあ?

 

布団から起き上がってお祈りをする町子。

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小説を読んで武蔵になりきる町子。

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カンジと笑顔で話す町子

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川の土手で話してるここかな?

 

工場の作業着姿のまま走る町子。

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現代に戻る

原稿用紙に”了”と書く町子。鉛筆を置き、分厚い原稿用紙を最終ページに重ねる。「はあ…」

 

仕事部屋の掃き出し窓を開ける。

町子「はあ…」

中庭に出て大きく伸びをして大あくび。「ああ…。あ~あ!」

 

この日、町子は自分が生き抜き、その目で見、その耳で聞き、その心で感じた戦中戦後の大阪の物語「楽天乙女」を書き上げたのでした。

↑これがモデルだろうか? それともこれかな?↓

「欲しがりません勝つまでは」は1979年9月からNHK銀河テレビ小説藤山直美さんがヒロイン・トキコを演じているそうです。父が山田吾一さん、母が高森和子さん(「おしん」の姑!)。見たい! 藤山さんは当時21歳。

 

本の表紙

楽天乙女

花岡町子

 

夢みる文学少女が明るく駆け抜けた、戦争という時代

花岡町子、青春の記憶

明朝社 ¥380

 

花岡写真館のイラストとセーラー服にもんぺ姿の少女が大きなペンを持っている。

 

玄関

町子「ただいま!」

 

茶の間で本を読んでいた健次郎が慌てて本を閉じる。

町子「あっ、ただいま」

健次郎「うん」

町子「私、映画2本も見てしもた」

健次郎「あ、そう」

 

町子「おいしいカステラ買うてきましたよ」

健次郎「あ、そうか」

町子「うん」

健次郎「あ~、あかん。もう診療時間や。行かな」

 

町子「あれ? 健次郎さん、読んでくれたの? ねえ、どうでした? これ。ねえ」

健次郎「うん。まあ、こんなもんやろ」

町子「いや『こんなもん』て感想聞かせて。ねえ。これ、どうでした? 健次…。愛想のない人やなあ…。『思たよりもよかったで』とか何かひと言、言うてくれたらええのになあ…。あ、そや。矢木沢さんや。矢木沢さん。矢木沢さん!」

 

応接間で本を読んでいた純子。

町子「あっ、ここやったの。遅なってごめんなさいね。おいしいカステラ買うてきましたんでね」

泣きはらした目をして町子を見る純子。

町子「どうしはったんですか?」

黙って「楽天乙女」を見せる純子。

町子「ああ…」

 

純子「今、私、読み終わりまして…。もういろんなものを思い出してしまって…」

町子「矢木沢さん、べっぴんさん台なしですよ」

純子「はい? ハハハハ…。顔、洗ってきますね。ああ…」

町子「ありがとう…。健次郎さんなんかね、何にも言うてくれへんのですよ」

 

純子「フフフフフフフフ! フフフフフフ…! フフフフフフ…!」

泣き笑いする純子にドン引きの町子。ここが昨日のミニ予告。

 

診察室

タオルで顔を拭いている健次郎。

鯛子「先生、ボチボチ午後の診察始めましょか?」

健次郎「うん、そやな…」

鯛子「先生、どないしはったんですか?」

健次郎「別に…」

 

鯛子「目、真っ赤ですよ!」

健次郎「え? そう?」

鯛子「え? 何があったんですか?」

健次郎「何にもないよ」

 

鯛子「先生、泣いてたでしょ?」

健次郎「誰が?」

鯛子「泣いてたでしょ!? 何があったんですか? 言ってくださいよ。私と先生の仲やないですか!」

健次郎「あ、そや!」

鯛子「いや~、気になる! 先生! 先生! 泣いてたでしょ? ねえ、何があったんですか? 言ってください! 私に言ってください! 先生!」

 

仕事部屋の本棚に「楽天乙女」を並べる町子。電話が鳴る。

 

大きな作品を書き上げ、ほっとしている町子でしたが、またもや騒動が持ち上がろうとしていました。

 

町子「はい、もしもし…」

 

ミニ予告

町子が子役町子と対面。

 

田辺聖子さんの自伝的小説が読みたいと思ったのに、欲しいものは、ほとんど絶版で電子書籍になってない。なので普通の小説を電子書籍で買ったら、文章は読みやすいもののとっても苦手な感じの恋愛小説で、途中で止まったまま。イケイケ女子とイケイケ男子の恋愛もの。

こっち買えばよかった~と後悔。

電子書籍で買える自伝的な小説ってこれくらい!?