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【連続テレビ小説】芋たこなんきん(60)「いのり」

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

昭和20年、女学生の町子(尾高杏奈)は、勤労動員で兵庫県にある飛行機の部品工場で働くことになる。そんななか、町子のいとこの信次(宮﨑将)が戦死した知らせを受ける。泣きじゃくり悲しみに暮れる町子。そして悔しがる和代(鈴木杏樹)だが、突然、和代は予定日より早く産気づき、男の子が産まれる。花岡家に新しい家族が誕生。悲しみに包まれた花岡家に、明るい光を運んでくれた新しい生命。子どもは信夫と名付けられた。

大人町子「勤労動員で働く工場では飛行機の部品を作っていました。私は毎日、黙々と旋盤に向かいました。一方、私の留守中、家では…」

 

鏡台の前で左手の指にマニキュアを塗る孝子。

和代「孝子。何してんの?」

孝子「何や、かいいて…」背中で左手を隠す。

和代「背中か?」

孝子「うん」

 

和代「お使いお願い」

孝子「はい」

 

火鉢のある和室で米つきをするイト。

孝子「ただいま!」

イト「お帰り!」

孝子「買うてきた」

イト「おおきに、おおきに。寒かったやろ? 手袋脱いで火鉢にあたり」

孝子「うん!」

 

しかし、手袋を外しかけたところでハタと気付く孝子。「やっぱりええわ!」

首をかしげるイト。

 

夜、ダイニング

一同「いただきます」

徳一「取ったろか。よいしょ」

和代「ありがとう」

 

徳一「孝子?」

孝子「はい」左手だけ手袋をはめたまま。

徳一「手袋したままやで」

孝子「し…しもやけで痛いね」

イト「しもやけ? 見せてみ」

孝子「ううん。ええ」

 

徳一「ええことあらへんがな。そんなんでお茶わん持ちにくいやろ?」

ピンとくる和代。「取りなさい。取りなさい!」

孝子「はい…」手袋を外すと真っ赤なマニキュアが塗られていた。

孝子の手を見て、徳一もイトも驚く。

和代「孝子!」

 

大人町子「私がその話を聞かされたのは次の週末に帰宅した時でした」

 

火鉢で干し芋を焼いている孝子。

町子「孝子、聞いたで、マニキュアのこと」

孝子「知らん。あげへんで」

町子「いらん」

 

孝子「お姉ちゃんは工場で何してんの?」

町子「旋盤でネジ作ってる。飛行場の部品のネジな」

孝子「どんなネジ?」

町子「それは軍事秘密や。大きいのやら小さいのやら、そのネジで飛行機造って、それに兵隊さんが乗って戦地へ飛んで行きはんね」

孝子「ふ~ん」

 

町子「孝子、頼むわな」

孝子「え?」

町子「私が工場へ行ってる間は、あんたがお姉ちゃんや。家のこと、頼むで」

孝子「やっぱり1つあげるわ」

町子「ほんまは欲しかってん」

孝子「しゃあないな!」

2人の笑い声

 

イト「和代さん!」

 

電話の前

イト「あっ、こっちは大丈夫だす。まあ、えらいことで何と申し上げたらよいのか…」

 

町子「お母ちゃん?」

 

イト「はい」

 

町子「どないしたん? お母ちゃん」

イト「今、岡山から電話で信次さんが…」

孝子「信次にいちゃんがどないしたん!?」

イト「信次さんの飛行機がフィリピンの沖で…」

 

口を押えて膝から崩れ落ちる和代。

孝子「お母ちゃん!」

イト「和代さん、大丈夫か?」

孝子「大丈夫? お母ちゃん!」

イト「大丈夫?」

 

夜、町子たちの部屋

机に向かって泣いている町子。

 

茶の間

金属の供出品の整理をしてるのかな?

和代「こんなもんで…。こんなもんで飛行機造って…若いもん、あんな死に方さして…。好きな勉強して、友達と遊んで仕事に就いて結婚もして子供ももって…そんなことも…あの子はそんな幸せも知らんまま…」泣き出す。「この子かて…この子かて男の子やったら、そんなふうに持ってかれてしまう…」

イト「和代さん、しっかりしなさい!」

和代「お母さん!」

 

写場

ギターを手にする徳一。

 

peachredrum.hateblo.jp

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信次の思い出のシーン

・町子の小説を取り上げて読む。

・ギターを弾く。

・町子の麦わら帽子をかぶって町子を撮影。

回想ここまで

 

町子たちの部屋

信次に撮ってもらった自身の写真を見つめる町子。

 

花岡家の前の路地を歩いているカンジ。ちょうど玄関から出てきた町子。「あ…」

カンジ「よう!」

町子「こんにちは」

 

ポパイに水をあげる町子。

カンジ「聞いた。いとこの信次にいちゃんのこと」

町子「うん」

カンジ「残念やったな。『国語の先生になりたい』て言うてはったのにな」

町子「うん」

 

カンジ「あんな…」

町子「うん?」

カンジ「今日で終わりやねん」

町子「え?」

カンジ「写真教室。動員で山ん中の作業場に行かなあかんことになったから、もう来られへんねん。こんなけったいな時代、何ではよ終わらへんのやろか。ほんまのとこ」

 

徳一「おい、しっかりしい! おい!」

 

家の中から声がし、慌てて玄関に入る町子とカンジ。

徳一「お母ちゃん! お母ちゃ~ん!」

町子「お母ちゃん…」

徳一「早いんや」

町子「えっ!?」

 

徳一「予定より早い。町子、早う呼んできて!」

町子「えっ?」

徳一「あれや、あの人、ほら! お産婆さん。伊藤のおばあちゃん…」

町子「どこ?」

 

徳一「知らんはずあらへんやろ? お前、取り上げてくれたお産婆さんや」

町子「うん! 私、覚えてへん!」

徳一「あ~、そうか…」

和代「電車道、渡って3つ目の筋、入ったとこや」

町子「分かった!」

 

イト「あ~、待ち待ち、町子。町子はここにいときなはれ。そこのぼん」

カンジ「僕?」

イト「悪おますけど、ひとっ走り行って、産婆さん呼んできてくれへんやろか」

カンジ「はい!」

 

町子「おばあちゃん、私は?」

イト「お湯をたんと沸かして…。あ~! それより先にバアバアばあちゃんの部屋にお布団、敷いて」

町子「はい!」

徳一「僕は?」

イト「奥へ」

 

すぐに行こうとする徳一。

イト「アホ! 私と一緒に和代さんを連れていく」

徳一「あ~、そうか」

 

バアバアばあちゃんの部屋

町子「お母ちゃん、大丈夫?」

イト「台所でお湯、早う沸かしてきて!」

町子「けど…」

徳一「出ときなさい」

 

イト「あんたもや!」

徳一「けど…」

イト「早う! はよ、はよ! もう~!」

町子も徳一も部屋を追い出され締め出された。

 

町子「早いの? 予定より」

徳一「誰に似たんか? 気の早い子やな」

町子・徳一「おじいちゃんや!」

 

カンジ「連れてきたで!」

 

玄関

カンジ「気ぃ付けて」

産婆「はいはい」

徳一「よろしゅうお願いします」

産婆「いや~、大きなって!」

町子「なりました」

産婆「1、2…3人目や」

徳一「よろしゅうお願いします」

 

イト「まあまあ、お世話になります。どうぞこちらです」

 

町子「大丈夫? ヨロヨロしてはるけど」

徳一「15年前からあんなんや」

 

ダイニング

椅子に座るカンジと後ろをうろうろ歩き回る徳一。「ああ、何か手伝うことあらへんかいな。え~。あ~、あかん、あかん。行っても邪魔になるだけや」

 

孝子「えらいことや! えらいことや!」

徳一「どないしたんや?」

孝子「子供…子供がな…」

徳一「今、お母ちゃんが頑張ってる」

 

孝子「産まれてん!」

徳一「えっ!? まだやろ?」

孝子「裏の、裏の!」

徳一「え?」

孝子「あの鮫島さんとこの犬に子犬が産まれてな、それがポパイそっくりやねん!」

徳一「うん…」

ポパイにそっくり…ポパイの子供!?

 

台所に入ってきた町子。

徳一「どんなあんばいや?」

町子「もうすぐやて」

徳一「ああ、そうか」

孝子「赤ちゃん、産まれんの? 何ではよ言うてくれへんの?」

 

徳一「お前が勝手にしゃべってたからやんか」

孝子「もうイケズ!」

徳一「あっ、孝子、行ったらあかん! 邪魔なだけや! 孝子!」

 

カンジ「弟かな? 妹かな?」

町子「弟がええな」

カンジ「お母さんは女の子の方がええて思てはんのと違うかな」

町子「え?」

カンジ「兵隊に行かんかてええ」

町子「…」

カンジ「そろそろ帰るわ。おじさんとおばさんによろしゅう言うといてな」

 

廊下

町子「待って!」

カンジ「何?」

町子「お父ちゃんには言うたん? 『写真教室もう来られへん』て」

カンジ「いや、それどころやなかったしな…。ほんまのとこ」

 

町子「また来て」

カンジ「え?」

町子「戦争が終わって動員もなくなって、そしたら写真教室来てな」

カンジ「分かった。どっちかに片づいたらな」

町子「うん。約束やで」

カンジ「うん。ほなな」

町子「ほな…」

 

産声

 

茶の間

孝子「お父ちゃん!」

町子「お父ちゃん!」

徳一「産まれた…。産まれた!」

町子「おめでとう、お父ちゃん!」

徳一「うん、うん! よかった、よかった!」

 

町子「お父ちゃん!」

徳一「孝子、お姉ちゃんやで! お姉ちゃん! うん!」

町子「おばあちゃん!」

 

イト「2人とも元気やで」

孝子「よかった!」

徳一「それで?」

イト「男の子や」

 

徳一「あああ~! バンザイ!」

徳一・孝子「バンザイ! バンザイ! バンザイ!」

徳一「男や!」

孝子・徳一「バンザイ!」

 

玄関先のポパイのところ

カンジ「おめでとうさん」と家に向かって頭を下げて出ていった。

ポパイは何か食べてる。

 

大人町子「花岡家に新しい家族が誕生しました」

 

赤ちゃんのアップ

 

大人町子「弟は信夫と名付けられました。信次にいちゃんの『信』の字をもらおう。そう言ったのは父です」

 

徳一「う~ん、この鼻の辺り、お父ちゃんに似て男前や! うん!」

孝子「手、ちっちゃいな~!」

町子「あっ、笑た!」

徳一「うん? ほんまや!」

町子「いないいないばあ~! 笑た! かわいらしいな!」

 

大人町子「大阪を襲う大空襲のほんの少し前の出来事でした」

 

来週は「おとうちゃん」

・倒れかかる町子?を支える徳一。

 

・町子、泣きながら人形の頭をなでる。

 

ここから現代

・町子の仕事部屋

町子「ブルーブルーブルーブルー」ウッ!

「かっこいい!」

 

・ん? この子役は子供町子?

 

・孝子「パパにどう言うたらええのよ!?」

町子「やめなさい、孝子」

 

・鯛子「私に言ってください! 先生!」

 

・パジャマ?をあてる一真「そうか?」

笑顔の純子。

 

ミニ予告

町子、走る。

 

2週に収まりきらなかったのか…そりゃそうだよね。中身ぎっしり。まだ大阪大空襲がきていない。信次にいちゃんは予想通り帰ってこなかった。

 

でも来週は藤山直美さんに会えそうでそれも楽しみ!