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【連続テレビ小説】芋たこなんきん(51)「最後の一人まで」

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

花岡写真館に歌劇団の有名な女優、古城あやめ(愛華みれ)が写真を撮りに訪れる。そして常太郎(岸部一徳)と女学生の町子(尾高杏奈)らを観劇に招待する。これを機に、常太郎は歌劇団の公演記録の撮影の仕事を請け負ってくる。もうけに夢中になり安易に仕事を受ける常太郎と、無理をせずにていねいに仕事をこなそうとする徳一(城島茂)との間で口論となるが、常太郎の強引さに不本意ながら徳一は劇団の写真を撮り続ける…。

peachredrum.hateblo.jp

前回の振り返り

町子「ただいま!」

孝子「お姉ちゃん、ちょっとちょっとちょっとちょっと!」

町子「何やの?」

孝子「ええからはよって! はよはよ!」

手を引っ張って町子を連れていく。

 

写場

常太郎「目線をこの真ん中の方にお願いします。あ~、いいですねえ! そしたら撮りますよ」

キレイな和服姿の女性。

町子「あっ、あの人!」

常太郎「はい、結構です。いや~、さすが女優さん。絵になりますなあ」

あやめ「でも私、ブロマイドではいつも怒ってるみたいって言われますのよ」

常太郎「りりしいお顔だちということですよ」

振り返りここまで

 

あやめ「まあうれしい! でもたまには柔らかい顔に撮られたいですわ」

常太郎「ご期待に添えるよう頑張らせてもらいます」

 

町子「あ~、古城(こしろ)あやめさん?」

孝子「そう。関西少女歌劇団の古城あやめさんや。今、ミナミの劇場でお芝居出てはんねんて」

町子「けど、何でうちに来てはんの? 何で?」

孝子「よう分からへんけど、うちの評判聞いて来はったみたい」

町子「へえ~」

 

和代「これ! のぞき見やなんてお行儀の悪い!」

 

徳一「町子! 孝子!」

あやめ「あら、お嬢さん?」

徳一「すいません」

常太郎「孫娘です。いっぺん古城さんの歌劇を拝見したことがあるみたいで」

あやめ「歌劇、好きなの?」

 

町子「はい!」

和代「お口、開いてますで!」

あやめ、笑う。

 

夜、ダイニング

茂「ええな~! 僕も会いたかったな!」

徳一「町子。あやめさんが帰りがけにな『お嬢ちゃんにどうぞお芝居見に来てて言うてあげてください』て」

町子「え~!」

徳一「『私がお席をご用意しますから』やて」

 

町子「ほ…ほんまに!?」

イト「口、開いてますで!」

孝子「私は? 私は?」

徳一「もちろんやで」

孝子「わ~っ!」

 

和代「え~、そんなご親切に甘えてもよろしいんでしょうか?」

イト「そうだすなあ」

常太郎「う~ん…。うん! ワシが子供たちを連れていこう!」

ウメ「歌劇だっせ。寄席と違て、あんたの好きな落語はおまへんのやで」

常太郎「分かってますて。まあ、ご招待はともかくせっかくのご縁や。写真のお届けとお礼も兼ねて行ってくる」

孝子「わ~、うれしい!」

 

茂「なっ。僕ら…僕らは?」

常太郎「小さい子だけ!」

茂「そんな~。ほな、バアバアばあちゃん連れてって」

一同の笑い声

 

町子たちの部屋

關西少女歌劇團という雑誌を読んでいる町子。

裏表紙は、クリーム倶樂部

 

町子「古城あやめさんのご招待! フフフフフフ…!」←ミニ予告。

 

大人町子「軍国少女ではあっても大好きな歌劇と聞けば、やっぱり胸躍らせる15歳であったのです」

 

1人、雑誌を見て笑っている町子にドン引きの孝子。

 

大人町子「そして、数日後」

 

写場

夕焼けの写真を見ている茂。「ええな~。兄ちゃん、ええ構図やな」

徳一「そうか?」

茂「うん」

徳一「あ~、ちょっと露出が不足気味やけどな。この夕景の感じをもうちょっときれいに出したい」

茂「僕やったら広角レンズで撮るところやねんけどな」

徳一「なるほどな」

 

町子・孝子「ただいま!」

 

茂「あっ、帰ってきた」

 

茶の間

和代「あ~、お帰り!」

町子・孝子「ただいま!」

和代「お芝居面白かった?」

孝子「面白かった!」

町子はピンクで襟元が白いワンピース、孝子は赤チェックのワンピース。

 

町子「楽屋入れてくれはってん」

和代「あやめさんの楽屋に?」

孝子「うん!」

茂「ええな~!」

孝子「ええやろ!」

 

常太郎「たまには、ああいうお芝居もええもんやな」

イト「えらいご機嫌さんやこと」

常太郎「あっ、徳一、ちょっと」

 

廊下

常太郎「あの女優さん、写真えらい気に入ってくれはったで」

徳一「ハハハ! そう」

常太郎「ほんで、劇団の上の人、紹介してくれはってな、お芝居の写真、うちで撮ることになった」

徳一「え?」

常太郎「公演の記録用の写真や。早速来週行くことにした。忙しなるで」

 

徳一、ポカン。常太郎は町子や孝子と談笑。

 

風呂上がりの町子に徳一の声が耳に入った。

徳一「そやけど無理やで。お父ちゃん! 歌劇の舞台をそんな限られた時間で一人で撮って、ええ写真できるわけあらへん」

常太郎「しょうないやろ。その日は別の仕事も入ってる。舞台の日取りはずらされへんねやから、お前に行ってもらうしかあらへんねん」

徳一「断ってください」

 

常太郎「『頼む』言われてるもん断るわけにはいかへん」

徳一「技師も足らんいうのに、こんな仕事」

常太郎「この先、お得意さんになるかも分からへんやないか。仕事が広がるええ機会や」

徳一「そんなにもうけることばっかりにあくせくせんかて…」

常太郎「もうけのためやない。いや、そうや。もうけのためや。お前はな、商売を甘う見すぎや」

 

部屋を出ていく常太郎。

茂「兄ちゃん…」

徳一「やってみるしかないわ」

 

大人町子「そして数日後のこと」

 

女学校の廊下

キク「ああ、しんど! アイスクリーム食べたい!」

梅原「シッ! 先生に聞こえたら怒られる」

町子「なんぼ怒られてもええから食べたい! ほんまのとこ」

カンジの口癖”ほんまのとこ”を町子が言っているのにハッとするキク。

 

梅原「お便所行ってくる」

キク「私も」

梅原「マコちゃんは?」

町子「私はええわ」

 

キク「マコちゃん! あ…。ええわ」

町子「??」

 

町子は裁縫室に黒沢先生がいるのを見つける。

黒沢「あ…」手を振る。

町子「4年梅組、花岡町子、入ります!」

黒沢「よしなさい、そんな言い方」

町子「失礼します。何してはるんですか?」

 

黒沢「要らないものは捨てよう思て。もう使わへんでしょ。『英語を使うな』なんてバカなことや。ねっ」

町子「先生は親米主義なんですか?」

黒沢「いいえ。どうして?」

町子「そうかて、先生の言いはること自由主義です」

 

黒沢「自由主義とはどんなこと?」

町子「米英の味方は自由主義です」

黒沢「違うわ、町子さん。本当の自由主義というのはね…。よしましょ。いいわ」

黒沢が開いた本には男の子2人の挿絵。

黒沢「世界のどこかには今でもこうやって平和に遊んでる子供たちもいてるのかな。はい、町子さん、好きやったでしょ? 『トム・ソーヤ―』。よかったら差し上げる」

町子「ありがとうございます」

黒沢「町子さん、いくつになったの?」

町子「15歳です」

 

黒沢「あなたたちが大人になる前にこの戦争が終わったらいいのに。いいえ、きっと終わる。どっちかに片づくわ。ねっ。鍵、閉めたら持ってきてね」部屋を出ていく。

町子「『片づく』…。『片づく』なんてよう言うわ。日本は負けたことあれへんのに」

 

写場の前を通りかかった町子。

常太郎「簡単にお断りできるもんやない」

徳一「そうかて、また一人で芝居の写真やて…」

常太郎「先方さんからご依頼があったんや。『京都での公演もぜひお願いしたい』てな。こないだの舞台写真、気に入ってくれはったということや。ほな、頼んだで」

徳一「助手に茂を連れていけんねやったら…」

 

常太郎「あかん。その日はカネシン工業の社長さんの喜寿のお祝いの撮影や」

徳一「一人では無理や。断ってください」

常太郎「こないだは撮れたやないか」

徳一「時間と人手をかけてもっとちゃんと撮りたいんです」

常太郎「芸術写真家やあれへんねんで。お客さんあっての商売や。でけへんことないのやったら、お客さんの希望が第一や。ええな」

出ていく常太郎。町子は徳一を見る。

 

徳一たちの部屋

徳一「何であないに『もうけ、もうけ』言うねん」

和代「前からですやん」

徳一「いや、最近、おかしいで。前よりひどいわ」

和代「うん…」

徳一「手、広げんのは、ええけど写真の質落としたら、いつかお客さん離れていってしまうわ。何であんなむちゃな仕事の請け方すんねや…」

 

写場

常太郎が芝居の写真を見ている。

町子「おじいちゃん」

常太郎「町子か」

町子「あやめさんのお芝居の写真?」

常太郎「うん。見てみ」

 

町子「きれい。お父ちゃんが撮ったん?」

常太郎「そや。よう撮れてるやろ?」

町子「そうそう、ここ、ここ。ここ、すごかったね。踊りながら戦うとこ」

常太郎「そうそう。これ、すごい迫力やったな。あ~、これ、あやめさんやろ?」

町子「うん」

常太郎「きれいやな」

町子「ほんまにきれいやな」

 

常太郎「ほら、これ、大勢の人、動いてはるやろ? これ撮るのが難しいんや」

町子「へえ~」

常太郎「上手に撮れてる」

 

大人町子「そんな中で季節は過ぎ、大阪に暑い夏がやって来ました」

 

青空とセミの声

台所

麦茶を一気飲みする徳一。「あ~、生き返るわ!」

イト「麦茶くらいでそない大げさな」

徳一「さあ、もうひと頑張りやな」

 

和代「いや~!」

徳一「うん? 何や?」

和代「信次が近々遊びに来るて!」

徳一「え? 信次君が? あ~、夏休みか」

 

和代「うん! 久しぶりやわ!」

イト「何ぞおいしいもん食べさせてあげんとな」

和代「なあ。何がええやろ? 何がええかな?」

 

イト「おいっ子やのに我が子の里帰りみたいやな」

徳一「母親代わりやからな、我が子同然や」

 

和代「何にしよう? 何にしよう?」

 

大人町子「そして…」

 

ポパイの散歩から帰ってきた町子。「ただいま!」

和室に入っていく町子。「信次にいちゃん!」

 

和代「あっ、町子、お帰り!」

信次「マー坊」

町子「あ~、信次にいちゃんや!」

信次「あっ、大きくなったな。分かんなかったよ」

町子「そうかな」

 

大人町子「大好きないとこの信次にいちゃんがやって来たのです」

 

町子「東京から? 夏休みやの? いつまでいてられんの?」

信次「マー坊は相変わらずせっかちだな。そんないっぺんに聞かれたって答えらんないよ」

町子「ええやん、ええやん! 久しぶりやもん!」

 

ミニ予告

町子が描いた物語を信次が取り上げて読んでいる?

 

信次役の宮崎将さんは宮崎あおいさんのお兄さんなのは何となく知ってたけど、ちゃんと作品を見たことはないかも。wikiだと2015年以降の作品は載っていないみたいだけど、今はどうしているんだろう?

 

常太郎の思惑や如何に…!?