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ドラマの感想など

【連続テレビ小説】芋たこなんきん(2)「ふたり」

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

深夜、近所の川べりで2人の男が争っているのを目撃した町子(藤山直美)。やられているのは文学学校の友人・小川(上杉祥三)で、町子はケンカを止めに入ろうとするが、傍観していた健次郎(國村隼)に止められる。町子は、健次郎にくってかかるが、小川と争う相手は文学学校の講師、池内(板尾創路)で、町子はあ然とする。後日、小川から電話があり、「先生」がケンカの止めに入ってくれた町子にわびたいと言うのだが…。

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昨日の振り返りから。友人の小川がやられていると思った町子は棒切れを持って橋の上にいる男たちのもとへ。

町子「ちょっと! やめなさい、ちょっと! 『やめえ』言うてるでしょ、ちょっと! けんかしたらあかん! もう、ちょっと待ちなさい、あんたら!」

徳永健次郎「コラコラコラコラ! あんた、危ないやろう!」

町子「ねえ、痛い!」

健次郎「女のくせにこんなもん振り回してからに」町子の右手を押さえる。

町子「手、痛いちゅうてんのに!」振りほどく。

 

健次郎は橋の欄干に頭をぶつける。

町子「ちょっと皆さん、けんかですよ~! 誰か助けに来て~! けんかしてるの! ちょっと誰か~、助けて~!」表情が面白い。

池内「けんか?」

町子「池内先生…」

 

小川は池内の大学の後輩で小説の話をしていたらカッとしてしまった。町子は頭を下げる。

健次郎「あの…えらい目に遭うたんは僕なんやけどね。でぼちん、割れるかと思うた」

町子「何ですって? 人の手首、ひねっといて…。私の命より大事な右手なんですよ!」

健次郎「アホ! 命より大事なもんがあるかいな」

町子「アホ? 女性に乱暴しといて…」

健次郎「まともな女性はこんな夜中に出歩きませんぞ」

 

小川にこんな夜中に何をしているのか尋ねられた町子は、こんなことに参加している場合ではないと帰っていった。

健次郎「けったいな女(ひと)ですな」

小川から町子が作家だと聞かされた。

 

佐々木商店では、島野、沢村、キヨが町子が大東工業の戸田にフラれたことを噂していた。町子が出社してきたので話をやめたが、町子の右手首にまかれた包帯にギョッとする。

 

お昼休み。いつものベンチに町子はおらず、倉庫で左手で1人お弁当を食べていた。豆をうまくつかめずこぼしてしまう。

町子「はあ…。あ…。あの、おっさんのせいや

 

番頭の吉田も噂話に加わる。弁当を食べ終えた町子は、そのまま机に原稿を取り出すが、一個も進まないと大きなため息をついていた。倉庫で首でもつられたらどうすると心配する同僚たち。

 

町子が戻ってくると、その辺を散歩してきたら?と吉田が話しかけた。島野が大東工業へ行く手前の道に新しい喫茶店が出来たと言い、ほかの同僚たちに口を押えられた。

 

会社から帰った町子は、まだ妹の孝子がいることにあきれる。母には夕食はあとでいいと言ったものの、孝子や弟の信夫がたこやなんばさつまに歓声を上げていたのを見るうち、考えが変わる。そろりそろりと近付く所が面白い。

 

町子「いっぺんに片づけんとお母ちゃんに悪いし…」と食卓につく。

信夫「ほんま、女は『芋たこなんきん』やな~! 僕はたこだけで十分や」

孝子「うちの人、たこ、よう食べへん。信じられへんわ!」

町子「一緒になる人、好き嫌いの多い人、かなわんな」

信夫・孝子「うん」

和代「食べもんより先、あんたを好いてくれる人、探さんとな」

町子「ほっといてよ」

 

ちょっと検索したら当時、「芋たこなんきん」のホームページでは、さつま芋のなんば煮としてレシピも紹介されていたそうです。そうか、2006年じゃ普通に公式ホームページあるよね。公式ホームページは残っていなくても(朝ドラの公式ホームページはドラマが終わるとすぐ消す)個人のブログとかは残ってるんだもんねえ。そこが今までの再放送朝ドラとは違う。

 

花岡家に電話がかかってきた。小川から町子あてで、町子におわびをしたいと日曜日に訪問したいという。お詫びしたいと言っときながら、人んちに来るとは迷惑~。「フフッ」と笑みを浮かべた町子に驚く孝子と信夫。このドラマ、セリフのない動きや表情が面白い。

 

電話というといつも思い出すのが、「3人家族」。「芋たこなんきん」が昭和40(1965)年で自宅に電話があるけど、「3人家族」では昭和43(1968)年、横浜の一軒家で父が退職を前にして会社のお金で電話を引いてもらったという描写がありました。このドラマの中で息子の雄一が同僚から仲間内で一番遅いとは言われてたけど、いろいろだね。

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いつもの喫茶店。みすずや加代子に先生がうちに来ると話す町子。

町子「ちょっとした真夜中のアクシデント…私、巻き込まれまして。これ、見て。このとおり、これ」と右手を見せる。

加代子「アクシデント?」

町子「うん。『おわびしたい』って言うてはるねんて。あのね、小川君が『先生がどうしても私のうちまで来て、私の顔見て…』。先生がよ、先生が『どうしてもおわびがしたい』って言うてはるんやて、先生が」

加代子「ほんま? 一番売れっ子のあの池内幸三が町子のうちに! うわ~、どないすんの!?」

 

町子「『どないすんの』って小説のお話なんかも聞かせていただきたいしね」

みすず「独身なんやで、池内先生」

町子「うん」

みすず「あんたに興味持ちはったん違うん?」

町子「まさか。まあ…」

 

みすず「だって、文学論したいだけで家まで来る?」

加代子「『捨てる神あれば拾う神』!」

みすず「今度は仕出し屋さんにならんようにな」

町子「また違うて…。いや、それ…何? その目。『違う』言うてんの。ウフフフフフ~ッ!」

 

そして当日。その日は朝から大忙しの町子です。

 

おめかしして台所で料理を作る町子。いいなあ~、お料理上手は。和代は孝子たちを連れて百貨店をのぞいてそこらで食べてくると着物を着て出かけようとしていた。一緒に食べるものと思っていた町子だったが、和代は小説家の先生方のお話聞きながら食べるとどこに入ったか分からないと遠慮した。

和代「あんた。口紅、ちょっと濃いで」

 

料理を食卓に並べていると、小川が訪ねてきた。小川と一緒に来たのは健次郎だった。

健次郎「あ…先日はどうも」

町子「あの時のおっさんや…」

健次郎「おっさん?」

 

町子「ちょっとあの時、ひねった手首、いまだにまだ痛いんですよ。これ、どないしてくれるんですか?」

健次郎「そうですか」

町子「『そうですか』って、こうやったら痛いんですよ」

健次郎「まだ、痛いですか?」

町子「まだ、痛いですよ」

 

町子の手首を見る健次郎。

町子「『見な分からん』て、あなたの目はレントゲンなんですか?」

健次郎「あ…そら、そうや」

 

町子「池内先生は?」

小川「あの~、電話でもお話ししましたけど、先生が『どうしてもおわびしたい』て」

町子「ええ。そやから、池内先生…」

小川「あれ? 僕、言わへんかったかな…。この人、徳永先生いうて、お医者さん」

健次郎「はい。僕、お医者さん」

町子「あ~、先生…。ああ」

小川「ひょっとして勘違いしてた?」

町子「いいえ…」

 

小川から徳永先生の奥さんは藤木澄子さんだと聞かされた。

健次郎「ええ。あの、亭主です。あ、いや、あの…亭主でした」

 

小川と健次郎が席に着き、町子がビールを運ぶ。何でお詫びされる側が給仕しなくちゃいけないんだ!とつい思っちゃう。

小川「僕、前にね、同人仲間やったんです」

町子「へえ。ご病気で亡くなられて、確か…」

健次郎「ええ、もうすぐ2年ですか。早いもんですな。あ、そや、花岡さんにも、お花頂いてたんですよね。その節はありがとうございました」

町子「いえいえ。よう、お葬式に行かせてもらえへんかったもんですから」

2人の会話中、小川は勝手に手酌でビールを注ぎ、飲み、食べる。

 

健次郎「そう。女房が抜けてからもね、この小川さんとはちょいちょい飲みに行くんですわ。この間も『池内さんと飲んでる』いうからホイホイ出ていってえらい目に遭いましたわ」

町子「えらい目に遭うたんは私なんですけどね。おしょうゆ、どうぞ」

小川「あれ、書かれへんから夜中にウロウロしてはったんちゃいますの?」

町子「あんたにいちいちそういうこと言われたない言ってるでしょ」

 

健次郎「あの…行きがかり上のこととは言いながら女性に手荒なまねをしたんで、ちょっと気になりましてね、ジェントルマンとしては」

町子「いえ、もうそんな気にせんといてください」

小川「池内先生やと思てはったん? ハハハ!」

町子「今更、何言いだすねんな、あんた」

 

健次郎は、僕の故郷(くに)の焼酎だと言って、町子に勧めるが、このあと原稿を描かなければならないと遠慮する。しかし、健次郎は強引にコップに注ぐ。

 

しかし、次の場面ではお酒を飲んで饒舌になった町子がしゃべっている。健次郎も小川も町子の料理を褒める。この後、チラシずしもあると言って、また喜ばれる。

町子「ねえねえ、ちっちゃい頃ね、こんな大きな飯切(はんぎり)にぎょうさんのチラシずしを作って、家族や働いてる技師さんやらね、ぎょうさんで私んとこ食べたもんなんですよ、そのチラシずしをね」

健次郎「技師さんて?」

町子「あっ、祖父の代から、うち、写真館、やってたんですわ」

昔はあんな大きな家で今は長屋暮らし…何かあったのか?

 

ビールがないという小川。料理の腕を褒める健次郎。

小川「僕はけどね、料理よりもこの人には、もっともっと小説の腕をあげてほしいんですよ。ライバルとしては」

町子「そういうこと、もう言わんで…」

健次郎「小説って、そんな…おなごがそんなもん褒められてもしゃあないがな。ねえ」

町子「え!?」

 

健次郎「そんなもんに赤目つって必死になっとったら、おなごのかわいげちゅうもんがなくなるやろ。女の役割忘れて、小説で褒めてもらうて…そりゃあ、どうかな~」

町子「ちょっと待ちなさいよ、おっさん!」

健次郎「おっ、何か反論ありますか?」

 

せっかく機嫌よく飲んでいたのに何やら雲行きが怪しくなってきました…。

 

明日のミニ予告

町子「あんたが恐竜や!」

 

ああ、面白いなあ。やっぱり藤山直美さん、いいわ。今日から純ちゃんも始まるしなー! 健次郎の妻も恐らく作家だったのに、なんでそういう事を言ったのか?