徒然好きなもの

ドラマの感想など

【連続テレビ小説】芋たこなんきん(49)「最後の一人まで」

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

町子(藤山直美)は、戦中戦後を過ごした自分たち家族の物語を書き始める。昭和18年、15歳の町子(尾高杏奈)は日本臣民という言葉が好きで、愛国小説を好んで書く女学生だった。花岡写真館は、出征していく人々や、その家族が撮影に連日訪れ、忙しい毎日を過ごしていた。そんなある日、町子は友人の旋盤工場で働く同い年の少年、カンジ(森田直幸)と出会う。カンジは小説について町子にいろいろと話しかけてくるが…。

peachredrum.hateblo.jp

前回の振り返り

町子「10代やった。思春期の真ん中。もう、20年たってしもたんや」

健次郎「うん」

町子「あっ!」

健次郎「どないした?」

町子「私…」

健次郎「うん?」

町子「書かなあかん…」

 

仕事部屋で執筆している町子。

 

翌日から町子は、戦中戦後を過ごした自分たち家族の物語を書き始めたのでした。

振り返りここまで。途中セリフが中略してあったりしてるけど、うまく編集してるんだなあ~。

 

今週から大人町子のナレーションで進むのかな?

 

大人町子「昭和18年、私は15歳の春を迎えていました」

 

昭和18年

校庭で竹やりをついている町子たち。

一同「ヤ~ッ!」

 

教師「1!」

一同「ヤ~ッ!」

教師「2!」

一同「ヤ~ッ!」

教師「3!」

一同「ヤ~ッ!」

 

花岡町子15歳はなかなかの美少女。

 

花岡寫眞館

軍服姿の男性と母親と思われる女性との写真撮影。

常太郎「はい、お疲れさまでした」

「ありがとうございました」

 

大人町子「アメリカとの戦争が始まって1年半。祖父の経営する写真館には出征していく人々やその家族が連日撮影に訪れ、祖父と父、叔父や技師たちは朝から晩までスタジオに立っていました」

 

常太郎「それでは撮ります。はい!」

シャッター音

 

台所

食事の用意をする母・和代。祖母・イトは叔母・昌江の料理の味を見ていた。

 

大人町子「食事時になると祖母と母は忙しげに立ち働き、花嫁修業中の叔母・昌江にあれこれと教えながら料理作業。相変わらずにぎやかな家でした」

 

奥座敷

うたた寝をする曾祖母・ウメ。

 

大人町子「そして、そう祖母は奥の座敷に鎮座し、マイペースに過ごしているのでした」

 

昭和18年の街並み。花岡寫眞館の隣はカフェ・ローズじゃなく普通の民家になってる?

 

大人町子「叔母の文代が結婚相手の赴任先・中国の上海に渡っていったのは半年前のことです」

 

写真館のギャラリーに文代のお見合い写真?が飾られている。今日は写真だけの出演か。

 

大人町子「この年の2月、日本軍はガダルカナルから転進。更に山本五十六元帥の南洋での戦死は国民に衝撃を与えていました」

peachredrum.hateblo.jp

peachredrum.hateblo.jp

peachredrum.hateblo.jp

山本五十六は朝ドラレギュラーだね。

 

裏口前でほうきを手に竹やりみたいにつく練習。

町子「ヤ~ッ! トリャッ!」

和代「町子! ごはんにしい」

町子「は~い!」

 

ダイニング

茂「けど、ガダルカナルからは転進なんやろ。作戦のうちやて書いてあったで」

徳一「転進いうても、つまりは撤退、退却や。厳しい戦局に変わりない」

常太郎「アッツも玉砕したしなあ。神風はどっち向いて吹いてんのやろ?」

イト「昌江、バアバアばあちゃん呼んできて」

昌江「はい」

 

和代「町子、あんた、何や最近、目つき、けったいやよ」

イト「孝子、どないしましたんや?」

孝子「もう、何で起こしてくれへんの?」

和代「何べんも起こしたのに起きへんかったんでしょ」

 

町子「あんたは気持ちが緩みすぎてんね! お国がこんな大変な時に銃後を守る女子として、そんな心がけでどないすんの? 兵隊さんは戦地で一生懸命戦ってはるんやで!」

 

常太郎「相変わらず気合い入ってるな」と徳一や茂に話している。

 

大人町子「そのころの私は兵隊さんに憧れる軍国少女でありました」

 

女学校

生徒は上はセーラー服、下はもんぺ姿。

 

町子は小説を書いていた。

 

安んじてください。大丈夫。××致します。」少女はハラハラ××

「この戰爭は絶望です。我×× 我々は死すとも、王と祖國

 

読める所だけ。

 

キク「あっ、マコちゃん、新しいお話書いてんの?」

町子「うん」

 

表紙には「最後ノ一人マデ」

 

志津江「『最後ノ一人マデ』? ロマンチックなお話?」

町子「愛国小説」

キク「『アイコク』? きれいな女の人、出てくる?」

町子「まあ、主人公は」

 

キク「ほな、スラッとした男の人とめくるめくる物語?」

志津江「キクちゃん、それ言うねやったら『めくるめく』やわ」

キク「え?」

町子「明日の昼休みに読んだげるわ。楽しみにしてて」

志津江・キク「うん」

 

キク「マコちゃん、今日、梅原さんとうちとこでお裁縫するんやけど、マコちゃんも来る?」

町子「お裁縫?」

キク「うん」

町子「私、あんまりうまないねんけど…」

志津江「キクちゃんとこの工場の事務員さんがきれいなキレくれはったんやて。お人形のお洋服、縫うねんな」

町子「お人形? 行く、行く!」

 

大人町子「軍国少女でも『きれい』という言葉には、やっぱり弱いのです」

 

笹村工業

キク「こっちやで」

工場内を歩いていく。

キク「ただいま」

光男「お帰り。友達か?」

キク「うん」

町子・志津江「こんにちは」

光男「こんにちは。ゆっくりしてって」

町子・志津江「お邪魔します」

 

キクについて2階に上がっていく志津江。町子は工場を見学していた。

キク「マコちゃん!」

 

振り向いた町子は人にぶつかる。

町子「あっ! 痛!」お尻を角にぶつけて転んだ。

カンジ「堪忍。大丈夫か? 気ぃ付けな。人間の骨なんかすぐ折れてしまうで。ほんまのとこ」

町子「ありがとう」

カンジ「パール・バックか…」

町子のカバンから飛び出していたパール・バックの「大地 第一巻」

 

カンジ「ヘヘン。もひとつやな。ほれ。レイモントの『農民』は読んだか? 新居格(にい・いたる)の翻訳もこっちの方がええ。ほんまのとこ」

キク「マコちゃん」

町子「うん」

 

キクの部屋

縫い物をする3人。

町子「痛っ!」さっきぶつけたおしりを痛がる。

志津江「軍需の仕事?」

キク「うん。飛行機に使う小さい部品とかネジ作ってんねん。それまでしてた自動車の部品の仕事は今はしてへんねんて」

町子「お国の役に立ってんねんね、キクちゃんとこは」

 

キク「あっ、私、6時になったらごはん作らなあかんからそれまでな」

町子「お母さん、まだ帰ってきはれへんの?」

キク「うん。まだひとつきやもん。肺は長いことかかるわ。サナトリウムやもん」

志津江「サナトリウム!」

キク「え?」

志津江「それにキクちゃん敵性語やから『療養所』て言わなあかんよ」

キク「は~い」

 

そう言えば「マー姉ちゃん」ではサナトリウムなんて出てきたことなかったな。

 

キク「しゃべってたん?」

町子「え?」

キク「さっき、下で」

町子「ああ…。何や、けったいな人」

キク「中学生やねんで。私らと同じ年」

 

町子「学校は?」

キク「休んで働いてんの。お父さんが病気してはって小さい弟さんもいてるみたい」

町子「ふ~ん」

志津江「よう知ってんねんね、キクちゃん」

キク「お父ちゃんから聞いたん!」

町子と志津江が笑う。

 

大人町子「そんなある日のことでした」

 

町子の部屋

町子「少女は祖国愛に燃えたアンガマダ人の若き兵士であった。『陛下、お心を安んじてください。大丈夫です。我が身を持って祖国と陛下をお守り申し上げます』」

身振りを交えて演じる。ミニ予告の部分だね。

 

町子「『少女はハラハラと涙を…』」と机に向かって続きを書く。

 

孝子「あ~! 昌江ねえちゃん、お化粧してる!」

鏡を見ながら口紅をさす昌江を見ている孝子。

昌江「もう、孝ちゃん、あっち行ってえなあ。恥ずかしいわあ」

孝子「きれいやで、昌江ねえちゃん」

昌江「もう、嫌い。てんご言うてんと」

 

町子「あっ! おめかししてる!」

昌江「もう、マコちゃんまで!」

 

ダイニング

笑いをこらえる町子。

常太郎「どないした?」

町子「おめかししてた」

常太郎「昌江か?」

 

ウメ「昌江がどないかしましたんか?」

常太郎「ほら、例のお見合いした道修(どしょう)町の薬屋のぼんと…」

ウメ「あんじょう、おつきあいをしてはりますのやな」

イト「本来なら、お仲人さんが改めてご挨拶に来はるとこなんだすけど」

ウメ「まあ、こんなご時世だすさかいな、しょうおまへんやろ」

 

徳一「お父ちゃん、終わったで」

常太郎「うん、交代しよ。はよ、食べ」

徳一「お~、どっか行くんか?」

 

おめかしした昌江と孝子が部屋に入ってきた。

孝子「昌江ねえちゃんな、これからええ人と会うねんで」

昌江「孝ちゃん!」

和代「これ!」

 

イト「気に入ってもろてよかったこと」

常太郎「ワシが撮った、お見合い写真のおかげやで」

徳一「写真とつきあうわけやあらへん。気に入ってもろたんは実物やで。なあ、昌江」

昌江「知らん…」

イト「暗なるまでには帰ってきなはれや」

昌江「お茶飲むだけやから」

 

孝子「え~、御堂ビルの食堂で洋食食べへんの?」

町子「今、食堂、やってへんもん」

昌江「お料理講習も途中で終わってしもたし…」

イト「中之島公園、散歩してきたらええわ。桜は終わったけど新緑がきれいやで」

 

常太郎「徳一、ちょっとええか?」

 

電車の中

昌江「ほんまについてきたらあかんよ」

町子「行けへんわ。私、映画、見に行くねもん。私かてそんな暇やありません」

昌江「そやね。あんな、マコちゃん。フフッ、フフフ!」

町子「いやらし。思い出し笑いなんかして」

 

昌江「誰にも言うたらあかんで」

町子「何が?」

昌江「この前、会うた時な言われてん。『僕と結婚してください』って」

町子「へえ!」

 

昌江「そら、まあ、お見合いしたんやから、ゆくゆくはそうなんのは当たり前やねんけど…ねんけどな…それでもな! アハハ、恥ずかし! 何言わすの!?」

町子「勝手に言うてんねやんか…。結婚か…。その人かて兵隊行きはるんやろ?」

昌江「嫌。そんなん言わんといて」

町子「『嫌』言うても…」

 

昌江「そんな怖いこと言わんといて。マコちゃんのイケズ!」

町子「イケズて何やの!? お国のために戦うのは、みんな一緒やんか!」

昌江「マコちゃんはな、まだ好きな人がいてへんからそんなこと言えるんやわ!」

町子「そんなん…。私ここで降りるから」

 

映画館のロビー

姿三四郎のポスターの前に立って「少女の友」を読んでいる町子。

カンジ「へえ~、こんな映画も見るんや」

町子「あっ」

カンジ「男の子みたいやな」

町子「映画にそんなもん関係あらへん」

 

近づいて町子の読んでいる「少女の友」を覗き込むカンジ。「やっぱり女学生やなあ。そやけどこの表紙はもひとつやなあ」本を取り上げる。「こないだ読んだ『贋金づくりの日記』は面白かったでえ。ジイドや。読んだことないか? いわゆる純粋小説ちゅうやつやな。あんた、白秋は好きか? 何や?」

町子「中学生なんでしょ」

カンジ「それがどないした?」

町子「しゃべるんやね」

カンジ「ハハッ、あんた、けったいなこと言う子やなあ」

 

町子「そうかて中学生と女学生がこんなとこでしゃべってたら何、言われるか…」

カンジ「しゃべらんとどないして用事済ますねん。ほんまのとこ」

町子「キクちゃんとも、ようしゃべんの?」

カンジ「キク? ああ、工場のか。あの子は苦手やな…。『アア乙女よ 乙女 なんで泣く』いうような詩、時々、読んでるわ」

町子「梅原さんの詩や」梅原さんとは志津江のことか。

カンジ「え? 今度、白秋貸したるわ」と「少女の友」を返す。

 

開演のベルが鳴り、町子は階段を下りる。

カンジ「あんた! 何か書いてんねやろ?」

町子「え? 何で知ってんの?」

 

花岡家の庭

町子「『その時、三四郎は必殺の技を放った。オリャ~!』」

ポパイ、ちょっとビビる!?

町子「ポパイ、散歩行こか」

 

町子とポパイが裏口を出ると浦田が出てきた。

浦田「おう、マコちゃん」

町子「休憩?」

浦田「うん。昼から休みもろてたんや。あちこち挨拶行ってた。召集令状が来たよって」

町子「あ…」

浦田「来週、滋賀に帰ってから入隊です」

 

大人町子「写真館の技師、浦田君の出征が決まったのでした」

 

ミニ予告

歩いている町子とカンジ!?

 

いよいよ戦争の足音が…。2種類の朝ドラを同時に見てるみたいで楽しい。