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ドラマの感想など

【連続テレビ小説】本日も晴天なり(68)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

トシ江(宮本信子)が急に体調を崩した。医者は胆のう炎ではないかと診たて、宗俊(津川雅彦)は心配なあまり全く仕事に手がつかず、正道(鹿賀丈史)を呼んで、自分を励ますようにと頼み、酒をひっかけに行ってしまう。元子(原日出子)は総領娘として、正道の出版社の雑文までこなしながら、実家の帳場と台所を母親の代わりに仕切る。ゆっくり休めたおかげでトシ江はみるみる回復し、医者に通えるようにまで体調が戻るが…。

現代版「蝶々夫人」ではありませんが、ハヤカワは、のぼると花子を置いてアメリカへ帰ってゆきました。

 

空港で手を振る花子を抱っこするのぼる。周囲の人も手を振る。

 

花子…神田亜矢子さん

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昨日からの新キャスト、花子ちゃんは「はね駒」にも出ていた模様。このドラマの5年後で内容からするとキヨ役らしい。

 

大原家

玄関の戸は開けっ放しで善吉は玄関、元子は机に向かっている。

善吉「けど、そのままってことはねえんでしょうねえ」

元子「あるわけないでしょう。アメリカから休暇には必ず帰ってくるんだし、お給料だってきちっと向こうから送ってくれる約束なんだから」

善吉「だけどさ『去る者は日々に疎し』って言うじゃありませんか」

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元子「変なこと言わないで」

善吉「いや、あっしはね、心配してるんですよ」

元子「人のことより自分の心配をしたらどうなんですか」

善吉「えっ?」

元子「いつになったら、お嫁さんもらうんだろう。まさか彦さんのまねしてるんじゃないかって、おキンさんどれほど心配してるか分かんないのよ」

善吉「ヘヘヘヘ…。まあ『帯に短し襷に長し』ってね。これでも望みってもんがあるんですよ」

元子「ええ、そうやっておじいさんになっちまえばいいんだわ」

善吉「ひでえなあ、どうも、口の悪さはだんだん河内山の大将に似てきましたよ」

元子「ええ、私もそう思っています」

善吉「ホホ…。それに引(し)き換え、こちらの旦那っていうものは明けても暮れてもおもちゃいじり。いつまでも無邪気でよろしゅうございますね」

元子「はい、おかげさんで」

善吉「あれ?」

元子「大好きなおもちゃで商売になるんだもの。こんな結構なことは、ないと思ってんのよ」

善吉「へへ、言われちゃったよ!」

 

巳代子「お姉ちゃん!」

元子「あっ、これならね、もうじき出来上がるから正道さんに届けて、中見てもらってから印刷屋さんへ入れてちょうだいね」

巳代子「それはいいんだけど、お母さんがちょっと変なのよ」

善吉「えっ、おかみさんが?」

元子「変ってどんなふうに?」

巳代子「さっきもみぞおち押さえて青い顔して」

元子、立ち上がる。

 

善吉「あっ、ちょっと足元気を付けてくださいよ!」

元子「大丈夫」

 

桂木家の階段下でみぞおちを押さえているトシ江。

元子「お母さん!」

トシ江「あ…巳代子、お前、出かけたんじゃなかったの?」

元子「そんなことよりどっか具合が悪いんじゃないの?」

トシ江「ちょいとね…」

元子「大丈夫?」

 

善吉「早く、早く、早く!」

宗俊「ああ、何だい? 『鬼の霍乱』だって?」

巳代子「お父さん!」

宗俊「バカ野郎! 善吉がしつこいから、お前、心配してさしあげてんじゃねえか」

トシ江「嫌ですよ。大したことないんですよ」

元子「ちょっと…」

宗俊「バカ野郎、お前…」

善吉「だって…」

 

立ち上がったトシ江だが数歩歩いて倒れ込む。

トシ江「あっ…」

元子「お母さん!」

宗俊「トシ江! おい!」

宗俊「医者だ! 医者行ってこい!」

巳代子「善さん、お父さん、おキンさん!」

元子「大きな声出さないで!」

 

トシ江の病気は胆のう炎ではなかろうかという医者の見立てでした。

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巳代子「どうもありがとうございました」

医者「はい、お大事に」

 

医者…山崎満さん。名前を調べて映像見たら「ショムニ」の専務役で顔を見知った方だった。

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三郷さんと開拓小屋で暮らしてる男だったり

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銚子醬油醸造組合の会合にいたり、「おしん」にも出てたらしいがどの役かは不明。顔見れば分かるけど、今回の役は帽子をかぶってて一瞬だったから分かりにくかった。

 

トシ江が寝ている部屋

宗俊「チッ、参ったな、この忙しい時によ」

元子「何言ってんのよ。しばらく安静にしてろって、お医者さんそう言ったのよ」

宗俊「だから参ってるんじゃねえか」

元子「それが病人の枕元で言うことですか?」

 

トシ江「ごめんなさいね、本当に」

元子「いいから、お母さん、ゆっくり寝てたらいいのよ」

トシ江「けど、暮れ正月の仕事の段取りは全部この月に決まるっていうのに」

元子「大丈夫よ。分かんないことは聞きますから。帳場の方は、しばらく私が引き受けます」

トシ江「けど、お前だってね、普通の体じゃないんだしね」

 

宗俊「それが分かってんならよ、こんな時に病気になんかなるんじゃねえやな!」

元子「バカなこと言ってる暇があったらさっさと仕事にかかってください」

宗俊「俺ぁ心配してんだよ!」

元子「お父さんが心配したって、お母さんの病気はよくなりません」

宗俊「バカ野郎! 俺たちは夫婦じゃねえか、え!」

元子「それがどうかしたんですか」

宗俊「何を?」

 

トシ江「元子」

元子「ん…だって…。こんな時までまるでだだっ子なんだもの」

宗俊「うるせえ!」

トシ江「大丈夫ですよ。すぐによくなりますよ」

宗俊「ああ! 早くよくなれ、このバカ」部屋を出て行く。

元子「お父さんったら」

 

トシ江「駄目なんだよ。昔から病気には弱い人(しと)なんだから」

元子「だって自分が病気になったわけじゃないのに…」

トシ江「誰が病気でもね、同じことなんだよ。本当にすまないね」

元子「具合の悪い時にそんなこと言いっこなしよ。ねっ」

トシ江「ああ…」

 

夜、吉宗

ラジオから「異国の丘」が流れる。

異国の丘

異国の丘

  • 竹山逸郎 & 中村耕造
  • 謡曲
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

長火鉢の前に座る宗俊は涙を拭き、一人で茶を入れる。急須は空。「はあ…」

 

正道「お義父(とう)さん」

宗俊「まあ、座ってくれよ」

正道「はい、失礼します」

宗俊「なあ…胆のうといやぁ、肝だろ、え? お前、肝っていやぁ、肝っ玉ってぐらいのもんだ。その肝を患ったとなりゃあ、トシ江は一体どういうことになんのかな?」

正道「ええ、そうですね…医者は何と言ってましたか?」

宗俊「医者だ? てめえ、人の女房だと思いやがって冷てえこと言うじゃねえか、え!」

正道「は?」

宗俊「俺ぁな、身内にもんに励ましてもらいてえからこそ、こうやっておめえに来てもらってんじゃねえか」

正道「あっ…どうもすみませんでした」

宗俊「当たりめえだ」

 

正道「しかし、大丈夫ですよ。元子がちゃんとついてますから」

宗俊「元子だ? 何だ、そりゃあ」

正道「は?」

宗俊「元子なんてのはな、何でトシ江の代わりが務まんだい、え? あれは俺の娘じゃねえか」

正道「いや、ですからね、元子がお義父さんの片腕になってですね…」

宗俊「てやんでぇ! 元子にそんなもんになってもらわなくったってな、トシ江さえ元気になってくれりゃあ…俺はもうこの片腕なんて誰にだって欲しけりゃやってやるんだ!」←涙目

正道「何言ってらっしゃるんですか? お義母(かあ)さんよくなるに決まってんじゃありませんか」

宗俊「よくなるかな?」

 

正道「しっかりしてくださいよ、お義父さん。どうしたんですか」

宗俊「あいつにはな、俺もさんざん苦労かけちまったからな」

正道「それでしたら以後、苦労はかけないことです。よろしいですか?」

宗俊「バカ野郎! 何でおめえにそんな偉そうな口きかれなきゃなんねえんだい、え! あ~あ、俺はもう駄目だ。あいつが元気になってくれなきゃ、俺ぁ、もう何もする張りもありゃしねえや」

正道「お義父さん…」

 

宗俊「おう…どうだった、え?」

元子「ええ、明日の一番手は豆絞りが100本、その次は今日、型が上がってきた松葉屋さんの浴衣が30反です」

宗俊「バカ野郎! 俺はトシ江の様子を聞いてるんじゃないか」

元子「ところがお母さんが仕事の方、心配してるんだもの。だから、ゆっくり寝てくださいって言えるように一緒に頑張りましょうよ、お父さん」

宗俊「チッ! どいつもこいつも…」部屋から出て行こうとする。

 

巳代子「上がるならそっと上がってよ。今、うつらうつら寝ついたとこだから」

宗俊「分かってらぁ。おい、ちょっと正道っつぁん」

正道「はい」

宗俊「ちょっとつきあってくれねえか? なあ」

元子「どこ行くのよ、お父さん」

宗俊「角でよ、ちょいと一杯引っ掛けてくるだけだよ。ちょっと…」

元子「すいません、お願いします」

正道「分かった、分かった」

 

鼻っ柱の強い者ほど気が小さいと申しますが、宗俊などはさしずめその見本でしょう。

 

その翌日から、吉宗の帳場は元子が仕切ることになりました。

 

吉宗

元子「はい、確かに型を5枚、頂きました。本当にご苦労さまでございました。急がしたみたいでごめんなさいね」

型屋「ああ、とんでもない。どんどん彫らせていただかないと、わしらも食っていけなくなりますから」

元子「フッ…。おキンさん!」

キン「へい! いらっしゃいまし」コップとつまみをお盆に乗せてくる。

元子「ろくなつまみもないんですけれど、どうぞ」

型屋「いやぁ、いつもすみません」

元子「いえ」

型屋「じゃあ、遠慮なく。あ~」←この飲み方、日本酒??

元子「フフ…。それからこれはお嬢ちゃんに」紙の包みを渡す。

型屋「どうか…もう、そんな…」

元子「いえ、型屋さんは紺屋の命なんですもの。大事にしないと母に叱られますから」

型屋「で、おかみさんは?」

元子「ええ、今日はちょっと…」

型屋「あっ、そうですか。あ~(コップの液体を飲み干す)。じゃあ、よろしく伝えてください」

元子「はい。本当にご苦労さまでございました」

型屋「どうもごちそうになりました。じゃあ…」

元子「ごめんください」

型屋「ごめんくださいまし」

 

型屋…弓場俊次さん。あんまり情報出てこない。

 

トシ江の部屋

布団から起き上がるトシ江。「あ…」

隣の部屋で勉強していた順平が物音に気付いて部屋に入ってくる。「何? 便所?」

トシ江「あ…お前、明日、遠足だろ? 今夜のうちにね、かんぴょう煮とかないといけないからね」

順平「大丈夫だよ。用意万端。お姉ちゃんがお母さんのとおりにやってくれているからさ」

トシ江「けどさ、元子だって普通の体じゃないんだし、今度もまたもしものことがあったらね、大変だからさ」

順平「あるわけないさ。みんなを顎で使って大将みたいに命令しているもん」

トシ江「けどねえ」

順平「それに大原さんが父さんのお守りをしているから本当に大丈夫だよ」

トシ江「ならいいんだけどね…」

 

順平…藤森政義さん。小さいころ若貴兄弟みたいな立派な体格になった順平。80年代の特撮番組などに出ていた模様。

 

実際、元子はよくやりました。

 

店に戻った元子は台所へ。キンは芋をふかしていた。

元子「ただいま!」

キン「あっ、お帰りなさいまし」

元子「あ~、寒かった…」

キン「フフフ…」

元子「ねえ、おキンさん、今日寒いしさ、さつま揚げが買えたからいろいろ入れておでんにしない?」

キン「あっ、そりゃあいいですね」

元子「そんじゃ、私、里芋の皮むいちゃいますから、みんなにお茶ですよって声かけてくださいな」

キン「へいへい。旦那、彦さん、お茶ですよ!」

宗俊「おう!」

 

電話が鳴る。

元子「あら、電話だ。はいはい」

 

キン「気を付けてくださいましよ!」

 

宗俊「おう! 上がるの面倒だい。天気もいいしな、干し場へ茶ぁ持ってきてくれ」

キン「へいへい」

 

彦造役の森三平太さんがここ最近不在のせいか、こういう演出なのかな? そういえば、彦さんは「澪つくし」にも出てたらしいけど、どの役だったんだろう?

 

さすが吉宗の総領娘。奥さん業兼平和出版の雑文までこなしながら、元子が実家の帳場と台所をしっかりと預かったおかげでトシ江の回復もだいぶ早くなりそうです。

 

吉宗前の路地を巳代子に支えられてトシ江が歩く。

小芳「おかみさん! もう出歩いていいんですか?」

トシ江「ちょいとね、お医者さんまで」

小芳「そう。で、あんばいは?」

巳代子「この分なら月末(つきずえ)にはお床上げですって」

小芳「そう、よかったねえ。おかみさん、働き過ぎですよ」

トシ江「そんなことありませんけどさ、まあ元子と巳代子がよくやってくれるから、この際ジタバタしないで思い切って休んじまおうって観念したのがよかったみたい」

小芳「そうよ。いい娘さんがついてんだから、いいお婿さん探してあげなきゃ。ねっ! 巳代ちゃん」

巳代子「はいはい、よろしくお願いいたします」←こう返すのが一番いいらしい。

トシ江「そいじゃ、ごめんください」

小芳「じゃあね。気を付けてね。あったかくしなくちゃ駄目よ」

トシ江「ありがとうございます」

 

吉宗

何かチェックしている元子と待っている藤井。校正?

 

小芳「気を付けてね」

トシ江「どうも」

 

藤井「お帰りなさいませ」

トシ江「ただいま」

元子「お帰りなさい」

藤井「いかがですか?」

トシ江「ありがとう。もうぼちぼち起きてもいいみたいなの」

藤井「そうですか。でも無理なさらないように」

 

店に布を取りに来た宗俊。

トシ江「あっ、ただいま」

宗俊「おい、そんなことして、またぶり返したらどうすんだい」

トシ江「あんた…」

宗俊「今度ぶり返したらな、さっさと新しい女房に取り替えちまうからな。それが嫌なら早く治せ」

 

巳代子「よその人がいるのにほかに何とか口のききようがないのかしら」

藤井「別に僕はよその人じゃありませんから」

巳代子「そんなこと言ったって」

藤井「あっ、どうぞ、僕の肩つかまってください」

トシ江「いいんですよ、そんな大したこと…」

藤井「いや、どうぞどうぞ! 遠慮なくどうぞ!」

トシ江「もう藤井さん、本当に…」

 

元子「お待ち遠さまでした、藤井さん」

藤井「は?」

元子「急ぎなんでしょう。早いとこ持ってってくださいな。ねっ」

藤井「あ~、はい…」

元子「さあ、出来ましたから、どうぞ」

藤井「確かに。それじゃあ、お体をお大事に」

トシ江「ありがとう存じます」

藤井「じゃあ、巳代子さん、さようなら」

巳代子「さようなら」

藤井「失礼します」

元子「どうもご苦労さまです」

巳代子「どうも」

 

元子「久しぶりに出かけたから疲れたでしょう」

トシ江「うん、ちょいとね」

元子「布団ね、さっと干しといたからフカフカで気持ちよくなってると思うけど」

トシ江「ありがとう」

元子「うん。さて…」

 

布地の下に白封筒を発見した元子。

 

つづく

 

明日も

 このつづきを

  どうぞ……

 

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今日の宗俊みたいな態度は、一番大事な人を守れなかった俺は男として駄目駄目だと感じている状態らしい。

 

順平の今の姿はまだ慣れない。そういえば、「純ちゃんの応援歌」も67話から昭と雄太が大きくなったんだよね。10週が一つの仕切りなのかな。