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【連続テレビ小説】本日も晴天なり(67)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

3年の月日がたった。今日は、悦子(渡辺佐和子)の結婚送別会兼ミニ同窓会で、元子(原日出子)やのぼる(有安多佳子)、トモ子(菅原香織)、恭子(小島りべか)らが、モンパリに集まった。3年たつうちに、吉宗もようやく紺屋としての商売を復活でき、元子のお腹にも赤ちゃんが…。同窓会の後、のぼるは宗俊(津川雅彦)たちに預けていた子供を引き取りにくる。なんと、夫のハヤカワがアメリカに帰国することになったという。

今日はスローなロングバージョン。

 

昭和二十四年秋

 

あれから3年たちました。

銀座カンカン娘

銀座カンカン娘

吉宗

元子「はい、分かりました。じゃあ早速、手配いたします。どうも。毎度ありがとうございます」

トシ江「ごめん、ごめん。電話どこから?」

元子「うん、宮川さん。あのね、昨日注文の手拭い、名前をもう一寸左側へですって」

トシ江「はいよ」

 

花子「おばちゃん!」

元子「まあ、元子ちゃん! いらっしゃい! フフフ…。ママは?」

花子「ママ、迷子」

トシ江「おやまあ…ママ、また迷子になっちゃったの?」

花子「うん、ママ、迷子」

元子「まあ、本当に困ったママだこと」

花子「ううん。ママ、いい子」

元子「まあ。フフフ…」

 

のぼる「こんにちは」

トシ江「あら、いらっしゃい」

のぼる「どうも」

トシ江「まあ、花子ちゃんのまたまたかわいくなったこと」

のぼる「もう駄目なのよ。そこの角まで来るとね、手、振り切って勝手に駆け出しちゃうんですもの」

元子「あら」

のぼる「こら、おとなにしてないと、おばちゃま遊んでくれませんってよ」

トシ江「大丈夫よね。おばちゃんと仲よく遊んでるもんね。ねっ。ママはガンコおばちゃんとゆっくりしてらしてくださいって」

のぼる「すいません。じゃあ、お言葉に甘えてよろしくお願いします」

 

元子「そんじゃ、行ってまいります」

トシ江「ああ、行ってらっしゃい」

のぼる「いい子にしててよ」

花子「行ってらっしゃい」頬にキス。

元子・トシ江「まあ!」

笑い声

元子「じゃあね」

トシ江「さあさあ、じゃあ、お見送りしましょう」

 

早いものです。今年3つの花子ちゃんは六根清浄の娘でした。

 

珈琲モンパリ

洋三「いいんだよ、ガラちゃん。今日はあなたがメインのお客様なんだから、落ち着いてゆっくり座っててよ」

悦子「嫌だわ、おじ様までそんな…」

巳代子「けど、今日は特別。やけにきれいに見えるもの」

絹子「ほ~ら、巳代ちゃんの羨ましそうな声」

巳代子「やだ、もう…」

笑い声

 

元子「こんにちは」

絹子「いらっしゃい!」

洋三「あっ、来た来た!」

恭子「あら、花子ちゃんは?」

のぼる「ガンコのうちに預かってもらってきちゃった」

絹子「あら、私が見たのに」

のぼる「でも、あれがチョロチョロすると落ち着かないですから」

元子「わぁ、ブルースは背が高いせいかしら、あんまり目立たないわね」←妊娠して着物姿になった元子と違い、恭子はマタニティドレス。

 

恭子「でも、電車で通ってくるのは来月が限度だわ」

洋三「休むの? それとも…」

恭子「ええ。室長は休めっておっしゃってくださってるんだけど引退するつもりなの」

のぼる「もったいないんだわ、本当に」

恭子「それを言わないで」

のぼる「うん…」

 

元子「けど、私たちの中で結局最後まで残ったのはブルースだけだもんね」

恭子「うん」

絹子「けど、遅いわね」

洋三「そうですね」

悦子「何がですか?」

のぼる「駄目。ないしょ」

悦子「わぁ、意地悪ね。ねえ、何なのよ?」

 

トモ子「おお、友よ!」

歓声

洋三「『噂をすれば影』とは、このことでした」

元子「もう、みんな、首を長くして待ってたのよ」

トモ子「ごめんね。まず、お上りさんなんだから迷子になりそうだった…」 

笑い声

トモ子「うわ~、懐かしい! 皆さん、しばらくでした。ガラ、おめでとう!」

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悦子「もう、ひどいひどい。私、全然知らなかったわ。もうひどいのよ、ふれちゃん!」

トモ子「何言ってんの。ガラの送別会にはるばる奥州仙台から出てきたっていうのに、ひどいなんて挨拶、どこさあんの?」

悦子「だってさ、まさかふれちゃんが来てくれるなんて思わなかったもの」

のぼる「この人ね、東京へ出てきたくてウズウズしてたんだから。ほらほら、はい」

元子「『チャンスがあったら必ず呼んで』って、そう言われてたの。だから」

悦子「ありがとう、本当に」

トモ子「だけど、私みたいのが先に売れてガラがこのグループの最後になるとは思わなかったわよ。それにしてもガラみたいなチビがお相撲さんと結婚するなんて、たまげた!」

のぼる「あのね、ふれ、お相撲さんじゃなくて相撲茶屋にお嫁に行くのよ」

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トモ子「えっ、相撲茶屋!?」

元子「誰なの? 連絡係は」

恭子「あら、ちゃんと言ったわよ。『茜島って相撲茶屋だ』って」

元子「それがすんごい二枚目なのよ」

トモ子「へえ~、なるほど。待ってたかいあったっつうわけだ」

悦子「もう…来るそうそう、もう嫌よ!」

 

トモ子「おじ様、おば様、その節は本当にお世話になりました。もっと早くお礼にも伺いたかったんですけど…」

洋三「お互いさま。また会えてよかった」握手。

トモ子「はい」

絹子「坊やは?」

トモ子「あ…私たち、新婚旅行は、なしだったもんですから、それを兼ねて主人と一緒に出てきたんで、おしゅうとめさんに押しつけてきちゃいました」

元子「まあ、やるわね!」

 

のぼるやふれちゃんが子供を預けてきてくれたことは独身の私には非常にありがたいです。いつも帰省の度に会っていた幼なじみがいたのですが、毎回子供連れで…子供が嫌いなわけじゃないんだけど、2人きりで話したいなという思いもあったりして…。

 

トモ子「あれ? ガンコはまだなの? 赤ちゃん。一番早く結婚したくせに何もったいぶってんの」

 

凍り付く場。まあ、ふれちゃんにわざわざ知らせないよね。

 

元子「うん…。遅ればせながら来年の春には生まれることになってますので」

のぼる「本当なの? ねえ、ガンコ!」

元子「おかげさまで」

 

絹子「あっ…よかった! 本当、よかったね!」

 

元子「はい! フフフ…」

トモ子「ブルースに続いてガンコとこりゃあ出産祝が続くぞ」

元子「ええ。せいぜいへそくりをためておいてちょうだい」

トモ子「はい」

 

のぼる「でもね、ガンコ、すっごく頑張ってんのよ」

元子「主人の会社のね、経費節約のために編集後記でしょ、それからちょっとした記事は全部私に回ってくるし。校正主任まで仰せつかってる…」←ただ働き?

トモ子「へえ~、さすがガンコだわ! すごい~!」

 

巳代子「そいじゃ、皆さん、用意ができましたので」

トモ子「はい!」

巳代子「どうぞ!」

 

もしかして巳代子ってモンパリで働いてたりするのかな?

 

そうです。今日は悦子の結婚送別会兼ミニ同窓会です。みんなそれぞれよき伴侶に巡り会っていました。そして、うれしいことに元子は再び新しい命を宿しておりました。

 

女が余ってる時代に20代のうちに仕事もしつつ結婚できる元子たち…すごいな~。

 

では、この3年間、元子たちはどんな時代を過ごしてきたのかちょっとそれを見てまいりましょう。

リンゴの唄

リンゴの唄

戦争が終わっても食料はなく、家もなく、インフレに苦しんでいた働く人々は昭和22年2月1日、窮乏生活を打開すべく参加者260万という大規模なゼネストを決行しようとしたのですが、マッカーサー元帥から「ゼネストは敗戦国、日本の再建を妨げる」として中止命令が出され、日本の労働運動は最初の曲がり角に直面します。

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そしてラジオは終戦放送と同様、ゼネスト中止にも一役買わされることになりました。

 

伊井弥四郎共闘議長「万歳を唱えて放送を終わることにします。労働者、農民、万歳! 我々は団結せねばならないのだ」←すっごいガラガラ声。

 

スト中止に泣いていたのは長谷事務局長。

 

このあと、マッカーサー元帥は総選挙の実施を指示。社会党が初めて第1党に進出して社会、民主、国民協同の三党連立による片山内閣が誕生しますが約8か月の短命政権でした。

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その間に隣組制度が廃止され、6・3・3制が発足し、一方、海の向こうではイギリスのエリザベス王女がフィリップ公と盛大なる結婚式を挙げられました。

 

新聞記事

皇女結婚にわくロンドン

仕立直しが大流行

 

英女王結婚式から

式場ウェストミンスター寺院に向かわれるエリザベス王女

左側に大きなエリザベス女王の写真。

マウントバッテン大尉の1ショット。この人は祖母がビクトリア女王の次女で親戚か。

 

昭和23年は帝銀事件で幕を開け、美空ひばりがデビュー。

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そして「日本負けた言うてもシュンとしていたらアカン」と当時の人々にハッパをかけたのが笠置シヅ子さんの「ブギウギ」だったでしょう。

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↑こういうドラマもあったのか。見たいな。

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↑この映画に出てた時は、50代でおばあさん扱いされていた。

東京ブギウギ

東京ブギウギ

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♪ブギの踊りは 世界の踊り

二人の夢の あの歌

 

NHKでも「話の泉」「二十の扉」「とんち教室」などのクイズ番組をスタートさせ、大衆との結び付きをより深めておりましたが…。

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ちなみに「とんち教室」の青木先生とはかくいう私でした。

 

ナレーターの青木一雄さんが顔出し!

 

そして、24年の半ばは下山事件三鷹事件松川事件と続けざまに起こったのですが、それらの重苦しさを吹き飛ばしてくれたのがフジヤマトビウオの大ニュースでした。

 

水泳の古橋廣之進選手は400、800、1,500メートルの自由形世界新記録を樹立。芋と雑炊の主食で実に23回も世界新記録を塗り替えました。アメリカの選手を大きく引き離してゴールインする度に日本人の胸の中へ希望という息吹を吹き込んだ英雄だったといえるでしょう。

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「いだてん」では北島康介さんが演じたよね。「リンゴの唄」「東京ブギウギ」をバックに約4分ほど記録映像を流してました。いや~、楽しい。こういうの見るの好き。

 

夜、吉宗

巳代子「ただいま!」

元子「ただいま!」

トシ江「シ~。今、寝たとこなのよ」

 

茶の間

宗俊「ヘヘヘヘ…。え、かわいい顔してよ。ほっぺなんか、お前、すべすべして…」

トシ江「触るんじゃないって言ってるのに」

宗俊「触っちゃいねえだろ。ちょっとここ押しただけじゃねえか」

元子「そこでもめたら目、覚ましちゃうじゃないの」

宗俊「バカ野郎、誰がもめてんだ」

のぼる「すみません。また騒いだんじゃないですか?」

トシ江「とってもいい子にしてましたよ」

宗俊「ああ、そうだよ。お前、もっとゆっくりしてくりゃよかったのに」

のぼる「そうもいきませんわ」

 

巳代子「だけど六根さん、お姉ちゃんと別の話があるんでしょ。花子ちゃんなら私たちが見てますから」

元子「そう? じゃあ、すいませんけど、もうしばらくお願いしますね」

トシ江「順平がいると思うからね、追い返してちょうだいよ」

元子「はい。そいじゃ六根、うちの方へ」

 

宗俊「触るな。触るんじゃねえ」とトシ江の手をたたく。

 

大原家

元子「ただいま」

のぼる「こんばんは」

順平「お帰り」←でっかくなってる! ジャイアンみたい。

正道「あっ、いらっしゃい」←ヅラじゃなくなってる。

 

元子「あっ、順平」

のぼる「わあ、順平ちゃん、会うたんびに大きくなるんですもの」

元子「もう、ずうたいだけ大きくなっちゃって」

のぼる「おやすみ」

正道・元子「おやすみ」

 

正道「さあ、どうぞ」

のぼる「はい」

正道「さあ」

のぼる「すいません、日曜のところを」

正道「いえ、とんでもない。しかし、僕がいてもいいんですか?」

 

元子「ええ。あなたにもね、聞いてもらいたいことがあるの。実はね、今度ハヤカワさん、帰国することになったんですって」

正道「帰国ってアメリカですか?」

のぼる「ええ。一緒に来た人たちはもうほとんど帰って終戦直後に来た組の中ではジョーなんかが一番遅くまで日本にいたんですけど、それがいよいよ呼び返されることになって」

正道「そうだったんですか…」

のぼる「それも割と急な話なもんで母ともよく話し合いがついていないようなありさまなんです」

 

正道「ということは…」

元子「六根はね、日本国籍の方のハヤカワさんと結婚してることになってるから、目下、向こうの市民権はないし、お母様は、なおのこと渡米するわけにはいかないでしょう」

正道「そうですね」

のぼる「まあ、結婚する時に、いずれこういうことに直面するだろうって考えてはいたんですけど、やっぱり難しいですね」

正道「それで、何が一番問題なんですか?」

 

のぼる「母なんです」

元子「お母様はね、六根と花子ちゃんにだけ向こうの市民権が取れるように努力しなさいっておっしゃってるらしいんです」

正道「ということは、お母様はお一人でこちらに残るつもりなんですか?」

のぼる「ええ。昔から割と独立独歩の人だったんですけど、それにしてももう決して若くはないし」←でもせいぜい50代くらいなんだろうなあ。

元子「だからって、旦那様一人で帰国するのは不自然でしょう」

 

のぼる「でもね、実は私もあんまり行きたくないの」

元子「そんなこと言ったって六根…」

のぼる「ううん。花子産んでも母がいてくれたおかげで放送局の仕事も続けてこられたでしょ? それに今、ラジオ、一番面白い時期ですもの。もし、ジョーについていけたとしても向こうで仕事見つけられるほど英語はできないし…。それ考えると本当は迷ってるの」

元子「だからって、そんなことでハヤカワさんと別れるなんて、私、反対よ」

のぼる「私だって別れる気なんかないわ。それに花子にとってはとってもすてきなパパなんですもの。だからってジョーに新聞社辞めちゃえなんて無理でしょう?」

元子「当たり前でしょ、そんなこと」

 

正道「それでジョーは何て言ってるんですか?」

のぼる「できれば、母や私たち呼び寄せて将来、向こうで暮らしたいらしいんです。だから、今、とっても困ってるようで…」

正道「まあ、いずれ、講和が結ばれれば、お母さんだってアメリカへ行ったり来たりできるわけですしね。花子ちゃんの将来考えたら、今、早急に結論を出すべきじゃないと僕は思いますよ」

元子「私もよ。六根の話を聞いてると何だか3人が3人ともお互いのことを考えすぎて、かえって三すくみになってるみたいだわ」

のぼる「そうかしら」

 

正道「そうですよ。まあ、当事者としてはね、のんきに考えられないでしょうが情勢はいずれ変わります。今はジョーを信じることじゃないですか」

のぼる「ええ…」

元子「そうよ。たとえバラバラになったとしてもやっぱり家族なんですもの。またすぐに一緒に暮らせるようになるわよ」

のぼる「うん…」

 

吉宗前の路地

正道「暗いから足元気を付けてね」

のぼる「はい」

元子「大丈夫?」

のぼる「ええ」眠っている花子をおんぶしている。

元子「よく眠ってるわね、花子ちゃん」

正道「フフ…」

のぼる「遅くまでありがとうございました。お父様とお母様によろしくね」

元子「また、いつまでも来てちょうだい」

のぼる「ありがとう。じゃあ、おやすみなさい」

正道「気を付けて」

元子「気を付けてね」

正道「さようなら」

 

ようやく戦後の混乱も収まりかけた24年の秋。それは元子たちの周囲にも新しい問題が生まれてくる時期でした。

 

つづく

 

やっぱりふれちゃん好き。方言がわざとらしくないし、かわいい。早めに結婚できるのも分かる気がする。みんな服装も華やかになってきた。元子も髪をおろし、のぼるもパーマかけて。正道さんもようやくヅラが取れて。

 

3年飛んだけど、その飛んだ3年を資料映像で説明してくれて満足。青木さんも顔出ししたしね。そんな終戦直後に番組やってた人がナレーションやってるなんて改めて豪華だな。あと、ナレーションの方が顔出しするの、好きです。今までの再放送だとやってないのは「澪つくし」「純ちゃんの応援歌」「芋たこなんきん」くらいかな。

 

マー姉ちゃん」「本日も晴天なり」「あぐり」いずれもNHKのアナウンサーだけど、顔出しするスタイル嫌いじゃない。