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【連続テレビ小説】マー姉ちゃん (142)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

ヨウ子(早川里美)の結婚式に参列した一平(益田喜頓)たちが福岡へ帰って行った。三郷(山口崇)からは、開拓仲間の急病のため駆けつけられなかったとお詫びの手紙が届く。三郷が無事だったと知って安心した道子(光丘真理)は、下宿先に住む均(渡辺篤史)へ報告に行く。一方、新婚旅行から戻り、正史(湯沢紀保)の妻となったヨウ子と、どう接していいかわからないマリ子(熊谷真実)たちは、よそよそしくしてしまい…。

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磯野家の玄関を出てきた一平、軍平。

はる「まあ、どうぞお気を付けあそばして」

 

マリ子「大丈夫です。私がちゃんとついてまいりますから」

マチ子「それが一番の心配の種だけど」

マリ子「まあ」

 

加津子「そいじゃあ、よろしくお願いいたします」

マリ子「はい」

ウメ「せっかくおいでなすったんだから、あんたさんももっとゆっくりしていらっしゃりゃあいいのに」一平に語り掛けるときは手を添えて大声で。

一平「(耳に手を当て)そんかわりな加津子のことはよろしゅうお願いいたしますばい」

 

ウメ「本当にいいんですか? 加津子を残していって、軍平さん」

軍平「よかですとも。そんかわり、加津子、お義母さんにはしっかり孝養ば尽くして帰ってきんしゃい」

加津子「そんかわりあんたもおかしかおなごに気ば遣わんでつかあっせ」

軍平「アホか、お前は!」

 

ウメ「本当ですよね。こんなのに振り向く女がどこにおる…」

軍平「えっ!?」

ウメ「本当のこと言っちゃった、私…。ごめんなさいね」

軍平「お義母さん…」

一平「よかよか、わしがなしっかりと目ば光らせとるけん。うん」

 

はる「それでは、植辰さん。よろしゅうお願いいたします」

植辰「へい、任せておくんなさいまし」植辰さんは荷物持ち

マリ子「それじゃあ、行ってまいります」

一平「お元気で!」

ウメ「あんたさんもお元気で!」

一平「はあはあはあ」

軍平「福岡へ帰ったら連中集めて、あん結婚式の様子ば、よう報告してやりますけんな」

一平「そうたい、そうたい! アハハッ! アハハッ!」

ウメさんと加津子さんあっさり再会してたけど、まだ少し一緒に過ごせるみたいでよかった。一平たちを見送った後、三郷からの手紙が届いた。

 

三郷からの手紙をはるが朗読し、道子、マチ子が聞いている。

「切符までお送りいただきましたのにヨウ子さんの晴れのお式に出席できなかったこと本当に申し訳なく思っております。実は上京の支度もすっかりできた時、突然、開拓仲間の一人が病気で倒れてしまったのです」

 

ここからは三郷さんの声

「ここではお互い助け合わないと生きていかれない土地ですので、ご連絡する暇もなく、病人を100キロ近くある病院まで馬で運び今日やっと小屋へ戻ってきたところです。そんな事情でヨウ子さんの花嫁姿を見ることはかないませんでしたが、おかげさまで病人は危機を脱し、今では快方へと向かっておりますので何とぞお許しくださいますようお願いいたします。

欠席のおわびにスズランの押し花をヨウ子さんに贈ります。ここ北海道は今、遅い春がやって来て雪が解けると同時に一斉にいろいろな花が咲き始めます。その中でもかれんで香り高いこの花が最もヨウ子さんにふさわしいと思った次第です」

 

キャストに開拓小屋の男とありましたが、三郷さんが手紙を書いてるところに酒をすすめたり、以前、道子が寝ていたベッドに横になったり一緒に暮らしてるのかな?

 

手紙のシーンから切り替わると、客間で向かい合うマリ子とはるの場面になっている。

マリ子「そうだったんですか…」

はる「ええ。三郷さんらしくて本当にうれしいじゃありませんか。三郷さんには、また改めてゆっくり来ていただけたらヨウ子だって喜ぶでしょうしね」

マリ子「ヨウ子もだけど道子ちゃんもホッとしたでしょうね」

はる「ええ。それでね、お式の日に大宗さんに大変ご心配をかけたから、お知らせに行ってもいいかと言うからお使いがてら行かせましたよ」

マリ子「よかった。あの子だってどんなに三郷さんに会いたかったでしょうね」

 

はる「それで、そっちの方はどうだったの?」

マリ子「はい、おじいちゃまはとても喜んで、おめでたの時は是非呼んでほしいって何度も何度も」

はる「そう」

マリ子「電話でヨウ子の声を聞かせてくれるなど正史さんってとてもお優しいいい方だって、おじ様も涙ぐんでましたわ」

 

はる「おっとりしていらっしゃるようだけれども、さすがに新聞記者でいらっしゃるのね。正史さんが気を遣ってくださらなかったら、ヨウ子だってうちに電話をしたくたってなかなかそうはいきませんでしたよ」

マリ子「それは認めますけど、おっとりだなんてとんでもない。正史さんには随分悩まされたことはもうお忘れになったの?」

はる「あら、そうだったわね」

マリ子「フフッ、そうですとも」

 

そのころ、江東区の一角では本人たちも気付かぬうちに、もう一つのロマンスの芽が生まれようとしておりました。

 

散らかった部屋でアパートで寝ている均に道子が声をかけた。

道子「随分汚いんですね、このお部屋は」

均「いや、みっちゃんが来るって分かってたらちゃんと掃除してたのにな」

道子「構いません、お掃除なら私がしますから」

均「えっ?」

 

道子「えっと、ほうきとはたきはどこですか?」

均「いいよ、いいよ。それよりね、まあまあ…お茶でも沸かすからさ、さあ座って」

道子「そうはいきません。三郷のおじさんもご本を読み出したら最後、いつも『いいよいいよ』とおっしゃってましたけど、私は絶対に許しませんでしたから。じゃあ、お布団を先に」

均「うわっ! (ひっくり返る)ちょっとみっちゃん…本当にいいからさ。弱ったな、こりゃ…」

 

道子「まあ、随分、お隣と近いんですね」窓を開けて布団を干す

均「この辺りはね、下町だからね」

道子「下町ですか」

均「この辺の人はね、親切で心の優しい人ばっかりだよ」

 

道子「ああ、それであんな看板出てたんですね」

均「看板?」

道子「はい。通りの入り口に『抜けられます』って掛かってました」

均「ああ~、あれね」

赤線地帯が近いということを道子は知らずに言ってるってこと!?

 

道子「この紙は片づけてよろしいんですね?」

均「う…うん、あの…」

ゲゲゲの女房」なら茂さんに怒られるやつね。でも、均ちゃんは漫画というより文章を書いてるのかな。

 

道子「ご本、じゃあこれそろえます。嫌、ネズミ!」

均「ネズミ? いや、これ、焼き芋だよ」

道子「焼き…。やだ、大宗さん! あ~、もう駄目駄目。私、奥様とマチ子先生のお許しを頂いて、これからちょくちょくお掃除に参りますから」

均「そんな…」

道子「そうします、そうします。これはこちらでよろしいんですか?」

均「うん、いいんだけどもちょっと…。これはね…」

道子「あ~、邪魔です。私、片づけるの大好きなんですよね」

均ちゃんは田河先生宅で長く内弟子生活してたんだから、やろうと思えば家事出来る人でわざわざやってあげることないのに。

 

均「ハハハ、しかし、みっちゃんは現金だね」

道子「何がですか?」

均「えっ? だって、三郷さんの様子が分かった途端にそんなにはつらつとしちゃってさ」

道子「あ…この間はいろいろご心配いただいて本当にありがとうございました」

均「いやいや、なんのなんの」

道子「おじさんのことを心配していながら何だかおじさんに慰められている、そんな気がしました」

均「えっ?」

 

道子「何か全然似てないのにどっか似てるんですよね。大宗さんと三郷おじさんって」

均「ああ、そう」

道子「優しいところかな? それとも2人ともお年だからかな?」

均「そんな…お言葉ですけどね、僕は三郷さんよりもずっと若いよ」

道子「あっ、そうなんですか」

 

道子は三郷さんの話によれば昭和21(1946)年5月に時点で16か17歳。

peachredrum.hateblo.jp

16歳とすると、1930年…昭和5年生まれの23歳。「純ちゃんの応援歌」の純ちゃんと同世代(昭和22年6月に18歳だから昭和4年生まれ)。

peachredrum.hateblo.jp

昭和29年4月26日が純ちゃんの結婚式

 

昭和28(1953)年の時点で

今までドラマに出てきた年齢などで計算してみると

三郷智正 明治39(1906)年生まれ 47歳

天海朝男 明治44(1911)年 42歳

お千代ねえや 大正2(1913)年 40歳

マリ子 大正6(1917)年 36歳

マチ子 大正9(1920)年 33歳

ヨウ子 大正14(1925)年 27歳

均ちゃんの年齢が出てきたことはありませんが、天海さんと同年代か少し下!?…としても三郷さんよりずっと若いってほどでもない。天海さんと同じ歳だとすると三郷さんとヨウ子みたいに20くらいの年の差かな。

 

さて、ヨウ子が新婚旅行から帰ってくる日になりました。

 

マリ子とマチ子はヨウ子たちの部屋を整えていた。昨日は、まあ人んちのことだからって思ったけど、やっぱり、新婚部屋に入り浸ってるのは何だかちょっとなあ。

マリ子「私が今やったばっかりだから触んないでいい。こういう感じだったわね…(壁に飾られた絵を直す。マチ子が花瓶の花を整えていると)あ~、今直したんだから…」

マチ子「何よ~、いいじゃない~!」

マリ子「どうしてそうやって…」

 

はる「なにをしてるんです、2人で」

マリ子「あっ、お母様…」

マチ子「いいえ、別に何も…」

はる「何でしょうね~。ここはね、さっきお琴さんと2人でちゃんと見ましたから手落ちはないはずよ」

マリ子「あっ、それは…」

 

はる「それにね、第一、このお部屋は今日からは島村家なんですからね、勝手に出入りすることは慎んでもらわないと」

マリ子「ですから、ヨウ子たちが帰ってくる前にと思って…」

マチ子「私だってそうです」

はる「だったらさっさと遠慮なさい。今、ヨウ子たちが帰ってきましたよ」

マリ子「えっ!?」

マチ子「大変!」

慌てて部屋を飛び出し、テーブルの上の花瓶が揺れる。はるが押さえてホッとする。

 

マリ子とマチ子は落ち着いた様子で応接室に入る。

マリ子「ご旅行中、雨に降られず本当にようございましたこと」

正史「はい、おかげさまで」

マチ子「あっ、そうそう。毎晩、お電話でのお心遣いありがとうございました」

正史「いえ、とんでもない」

 

ヨウ子「どうしたの? 一体」

マリ子「はあ?」

マチ子「あの、何がでしょうか?」

正史「変ですよ。何だかとてもよそよそしくて」

 

マリ子「いえ、そんなことはございませんのですけれど、ヨウ子はもうあなたの奥さんでいらっしゃいますし」

ヨウ子「マー姉ちゃん!」

正史「大丈夫だよ。お二人ともちょっと緊張していらっしゃるだけなんだから」

マチ子「緊張ですって?」

正史「そうですよね。僕の奥さんでもヨウ子さんはお二人の妹に変わりないんですから」

 

マリ子「ええ、それはまあそうですけど…」

マチ子「ほら、ご覧なさい」

マリ子「何よ?」

マチ子「ヨウ子は島村ヨウ子さんだから正史さんの前では、あまりなれなれしくしてはいけないって言ったけど」

マリ子「そういうふうに言ったのマチ子の方じゃない」

マチ子「何言って…私がそんなつらいこと言うわけないでしょう」

マリ子「じゃあ、一体誰よ? 言ったの…」

 

正史「まあまあ、あんまり興奮なさらないで」

マリ子「いえ、興奮してるんじゃないんです。緊張してるんです。(マチ子に向かって)あなたでしょう?」

はる「まあ、何をごちゃごちゃ言うとるの?」

マリ子「お母様じゃない!」

 

はる「何のことだか分からないけれど、さあ、2人とも一度お宅へ行ってゆっくりして着替えて、それからまたご一緒にお茶でも頂きましょうか」

正史「はい。じゃあちょっと失礼してきます。ヨウ子さん」

ヨウ子「はい」

 

マチ子「何よ、隣の部屋なのにお宅だって」

マリ子「そうよ。元はといえば売れないB5版の『サザエさん』を山と積んであった部屋じゃない」

マチ子「ねえ~!」

マリ子「ちょっと! 絶対ヒトラーの…ワンマンになんか負けちゃ駄目よ、ペースなんか!」←何だかこのセリフめちゃくちゃ( ´艸`)

マチ子「そうよ! 正史さんが言ったとおりヨウ子がお嫁に行ったって私たちの妹に変わりないんだもの!」

マリ子「もちろん!」

 

とは言うものの、本当のところ、どうつきあっていいのかよく分からないのが、この2人の本音だったのではないでしょうか。ところがその翌朝が一騒動でした。

 

マリ子とマチ子が枕を並べて寝ている。物音がして、マチ子が目を覚ました。

マチ子「お姉ちゃん…マー姉ちゃん!」

マリ子「どうしたの? やめて…」

マチ子「変な音しなかった?」

マリ子「変な音…? 変な音!?」

 

マチ子「聞こえなかった? 廊下を忍び足で歩いてるような」

マリ子「マッちゃん…」

マチ子「し~し~し~!」

マリ子「だって今何時よ、一体?」

マチ子「5時。お琴さんたちだってまだ起きるはずないわ」

 

マリ子「ねえ、正史さん呼ぼう。あの人、男ですもの」

マチ子「駄目よ、今日一日お休みだもの。かわいそうじゃないの」

マリ子「ええ~…だったらどうしたらいいのよ?」

マチ子「私、ちょっと…ちょっと見てくる」

 

マリ子「ねえ、やめなさいよ、マチ子。ねっ?」

マチ子「大丈夫よ」

マリ子「ちょっとやめなさいよ…だってそんなことしたって…ねえ!」

 

マチ子は眼鏡をかけ1階へ。玄関が開いていた。

マチ子「みんな起きて、泥棒よ! 泥棒!」

正史「(玄関から入ってきて)どこですか、泥棒は!」

マチ子「ま…正史さん、あなた…」

正史「大丈夫! 僕は男です! お義姉さんは2階へ行っててください!」

 

道子「はよ! どこですか、泥棒は!」

お琴「おけがはありませんか? マチ子先生!」

正史「黙って! 静かに! マチ子さんからの事情を聞き、泥棒の侵入経路を推理します」

マチ子「ちょちょ…ちょっと待って。今、玄関開けて出たの、あなた?」

正史「そうですが…」

 

マチ子「何のために? 今、5時よ」

ヨウ子「新聞取りによ」

マチ子「えっ?」

正史「ええ、これは習慣でしてね。一とおり全部目を通してからまた寝ます。しかし、そんなことより泥棒は…」

 

マチ子「い…いいのよ、もう解決したわよ」

正史「しかし!」

マリ子「それじゃあ、マチ子の聞いた足音って正史さんだったの」

マチ子「お休みなさい」

正史「マチ子お義姉さん!」

 

マリ子「あ~、いいのいいの。マチ子の早とちり。だけど、こういうことは早めに言ってもらわないと困るわよ」

正史「はあ」

マリ子「そうじゃないと、あなた今頃、マチ子の一撃を受けてここらにひっくり返ってたかもしれないわよ」

正史「すると…?」

 

はる「ええそう。つまりマチ子はあなたを泥棒だと思ったわけ。さあ、もう一度お休みなさい。風邪ひきますよ」

正史「はい」

マリ子「はあ~、それじゃあ鍵かけといてね。お騒がせいたしました」

正史「あっ、どうも…」

 

ヨウ子は玄関に鍵をかけた。「だから言ったじゃありませんか、私が取りに行くって」

正史「しかし、これは僕の仕事だもの」

ヨウ子「でも、みんなを起こしてしまったじゃない」

正史「だけどみんなが僕のことを泥棒と思うなんて…」

ヨウ子「それは当たり前よ」

正史「毎日のことだから僕がやりますよ」

ヨウ子「いいえ、もうこんなことがあったら困ります」

 

階段の上から二人のやり取りをほほえましく見ていたマリ子は寝室に戻った。「さあ、寝よう寝よう」マチ子とマリ子は笑い合う。

 

そうです。磯野家の生活に20年ぶりで男性が加わったのですから、いちいちこんなことで驚いていてはいけなかったのです。

 

私は、はるさんよりマリ子マチ子のくっつき具合の方が気になるな~。新八郎が出征せずあのまま新婚生活が始まったら、今の正史さん状態だったんだろうと思うけど、どうなっていたことか!? 別居した方がよかったと思うな~。寂しいのは最初だけ。