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【ネタバレ】チョッちゃん(23)―連続テレビ小説―

NHK 1987年5月1日(金)

 

あらすじ

蝶子(古村比呂)は音楽の道に進むことを決意し、俊道(佐藤慶)に手紙を出す。だが許す気がない俊道は、蝶子を岩見沢から滝川の実家に呼び戻し、考え直すように迫る。それでも、肺結核となり女学校を去った加代の言葉を胸に、蝶子の決心は揺るがない。ならば学費も止めて女学校を退学させることも辞さないと言い出す俊道。すると蝶子はおもむろに立ち上がり、父の前で歌いだす。俊道にとって初めて聴く、娘の歌声だった。

2025.4.18 NHKBS録画

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脚本:金子成人

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黒柳朝チョッちゃんが行くわよ」より

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音楽:坂田晃一

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語り:西田敏行

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北山蝶子:古村比呂…字幕黄色

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神谷容(いるる):役所広司

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北山みさ:由紀さおり

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川村市子:中原理恵

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彦坂頼介:杉本哲太

田所邦子:宮崎萬純

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石沢嘉一:レオナルド熊

北山俊介:伊藤環

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遠山伊佐子:紘川淳

斉藤峰子:江馬小百合

石井スエノ:仁科扶紀

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山口フサ:土屋里織

森川とみ子:久野翔子

石野スズ:加藤麻里

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生徒:松永由美子

   外川由起

   榎美咲

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マスター:ジョー・グレイス

劇団いろは

劇団ひまわり

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北山俊道:佐藤慶

 

<肺結核になっていた加代さんが学校を去って2日がたちました。加代さんが去った日の夜、チョッちゃんは滝川の父親に音楽の道を進む決意を手紙に書いたのでした>

 

音楽の授業で歌う蝶子たち。

 

蝶子「父さん、先日は私のことでお騒がせして申し訳ありませんでした。さて、正月以来、父さんと話し合っていた、私の将来のことについてですが…あれ以来、考えていました。考えていたということは迷っていたということです」

 

手紙を読む俊道と傍らにいるみさ。

 

蝶子「自分でもどうしたものかと考えが固まっていなかったのです。しかし、今、決意しました。父さん、私はやっぱり音楽の道に進もうと思います」

 

みさ「なんか?」

俊道「ちょっと、これ、見れや! 蝶子のやつ『音楽の道に進む』と言ってきた」手紙を差し出したのに、みさが読もうとすると読ませない。面白い!

 

蝶子「手紙で知らせるのは、どうかと思いましたが、私の決心を早く知っていただきたく筆を執りました。お許しください」

 

手紙を投げ出す俊道。「許すもんでない!」

みさは恐る恐る手紙を手に取る。

俊道「お前、岩見沢行った時、『蝶子は音楽のこと忘れてる』と言ったべや」

みさ「はい」

俊道「したら、何だ? これは」

みさ「したけど、あん時、蝶ちゃん、なんもしゃべらなかったんだ」

俊道「それがなして急に?」

みさ「はいっ」

 

俊道「『はい』でない! お前、岩見沢で蝶子と話し合ったんでないかい? 『音楽ばやれ』とかそそのかしたんでないかい?」

みさ「なんも…」

俊道「蝶子ば、呼べ」

みさ「今、うちには…」

俊道「そのぐらい分かってるべ!」

みさ「はい」

俊道「『岩見沢から呼べ』と言ってるんだ!」

 

教員室

川村「そうかい。とうとう決心した?」

蝶子「はい。したけど『土曜日に滝川に帰れ』と言ってきたのは、父は反対してるっていうことなんだわ、先生」

川村「う~ん…でも、いい機会だわ。説得したらいいっしょ。ね!」

首をかしげる蝶子。

 

神谷が教員室に入って来た。「帰ってくる時は、ここに印鑑押してもらってくるんだ」

蝶子「はい」

神谷「ん!」と紙を渡す。「北山君、君自身の人生のことだ。じっくり話し合うんだな」

蝶子「はい!」

 

道端で会った人に「こんにちは!」と頭を下げる蝶子。

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歩いているところは初回で俊介とソリで遊んでいた坂道かな。

 

北山家

俊道「『決意した』とは何事だ! 正月、岩見沢に行く前、父さんの言ったこと分かってなかったんかい?」

蝶子「分かってるもん。分かってたから悩んだんでしょう! 『音楽がいばらの道だとしたら、そんな道、行かしたくない』って、父さんしゃべったしょ? 大してありがたいと思うわ。したけど、父さん…人生ってもんは、全ていばらの道でないかい? 楽なもんなんてないんでないの?…母さんは別としても」

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みさ「ん?」

俊道「しゃべんな」

 

蝶子「ピアノの披露会の時、独唱したこと教えたしょ」

俊道「学校でいくらうまく歌えたからって」

蝶子「そうでないの!」

みさ「そう、蝶ちゃん、しくじったんだもね」

蝶子「そんなことでなく!」

俊道「ほれ、見れ。実力というもんがなくては、どうしようもないってことだべや」

 

蝶子「そんなことしゃべってんでないんだわ! ピアノば演奏してくださった先生は、私ば褒めてくださったんさ。『あの時のしくじりは私の音楽の才能とは関係ない』と言ってくださったんさ」

俊道「少しばかり褒められたからって、のぼせ上がってたら進路を間違える」

蝶子「私、もう音楽ってもんにグイグイ引きつけられてんだ。ピアノの音、バイオリンの音、いやいや、大していいんだ。楽しい時とか悲しい時とか、ついつい歌ってる自分に気付くんだわ。したら、ああ、やっぱし音楽はいいなあって。ユーリーさんのうち行った時もレコード聴いたんだよね、母さん」

みさ「ええ…」

俊道「何だ? それは」

みさ「ああ…」

 

蝶子「例の私が学校に呼んだロシア人のパン屋さんさ」

俊道「そのうちに行ったんかい!」

蝶子「…母さんと2人」

俊道「そういうこと、お前、なんも…そういうとこへ、なして行くんだ?」

 

蝶子「とにかくレコード聴いたんだ、父さん。聴いたことない曲いっぱいあるんだ。きれいな曲、勇ましい曲、いっぱいあるんだ! 父さんも一回、そういう音楽聴いてみるといいわ。滝川にも教会の近くのロシア人の喫茶店には蓄音機もあって、レコードがかかってる」

俊道「そういうとこへ、お前、出入りしてたんかい!」

蝶子「1回だけだ。母さんと紅茶飲んだの」

俊道「お前もか!…お前たちはワシの知らん所でそういうことを」みさを見る。

 

蝶子「父さん、明日、その店に行ってみないかい?」

俊道「行かん! なんば言うんだ、お前は!」

蝶子「なして?」

俊道「(みさを見て)お前は、そういうとこへちょくちょく行ってたんかい? 教会へ行くとしゃべっておきながら、そういうとこ行ってたんだべや!」

みさ「なんも…」

 

蝶子「父さん! 私は音楽の道へ行きます。この前、結核で学校を去った同級生にも歌ば歌い続けてと言われたんだ。歌で元気づけることできるんだ。心和むっちゅうこと、あるんだ。父さんみたいに病気ば治せないけど歌で元気づけることはできる。そういう力、持ってるんさ、音楽は。東京の音楽学校行って、もっとうまく歌えるようになりたいんだ。人の心ば打つ歌ば歌いたいんだ」

俊道「何としてもというんなら高女に行かせなくしてもいいんだ。学費も何にも出さないと」

 

蝶子「私…父さんの前で一回も歌ったことないっしょ?」

じろっと見る俊道。

蝶子「今、歌うから聴いて」

俊道「聴かん!」

蝶子「歌います!」立ち上がり、歌い始める。

 

♪なつかし 

わがオールドケンタッキーホーム

夏の日かげ 照り

麦の穂 緑に実り

ケンタッキーの我が家

ケンタッキーの我が家

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俊道は出ていってしまう。

 

♪歌う鳥は楽し

 

診察室に入った俊道は引き出しのキャラメルを取り出そうとしたが空だった。

 

⚟♪人々集いうかれて

 

歌いながら診察室前に移動してきた蝶子。

 

♪歌い騒ぐとも

 

扉を開けるが、俊道が閉めた。

 

♪苦しみ小屋を尊き

わがオールドケンタッキーホーム

さらば

 

歌いながら戸の開閉攻防。

 

♪涙ぬぐえ 涙ぬぐえ

歌え いざ

わがオールドケンタッキーホーム

遠きケンタッキーホームのため

 

面白いシーンだし、感動するシーンでもある。

 

<そして、夜は更けていきました>

 

玄関

蝶子「頼介君、わざわざ悪いねえ」

頼介「なんもだ」

みさ、俊介も見送りに出る。

みさ「お父さん、お父さん!」

蝶子「呼ばんくていいって」

みさ「したけど…」

 

俊道が診察室から白衣姿で出てきた。

蝶子「したら、行くから」

俊道「…」

蝶子「ん?」

咳払いする俊道。「学校では騒ぎなど起こさんように、ちゃんとな」

蝶子「はい」

俊道「頼介君、駅まで頼むから」

頼介「はい」玄関の戸を開ける。

みさ「じゃ、気ぃ付けて」

俊介「行ってらっしゃい」

蝶子「したら」

 

喫茶ヴォルガ

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マスター「いらっしゃい。こんにちは」

頼介を引っ張って店に入る蝶子。

頼介「いや~、したけど」

蝶子「まだ時間あるんだから。ほら、座って。おじさん、ロシアンティー2つね」

マスター「はい、すぐ持ってきます」

 

蝶子「今日で2回目」

頼介「へえ」

蝶子「1回目は母さんと来たんだ」

頼介「へえ」

蝶子「頼介君のお母さんのあんばい、どう?」

頼介「もうよくはならないんじゃないかな」

蝶子「諦めたらダメだよ」

 

頼介「うん…あ、この前、奥さん、蝶ちゃんのことで学校に呼び出されたって言ってたけど何だったのさ?」

蝶子「ああ」

頼介「学校で何かあったのかい?」

蝶子「うん。ロシア人のパン屋さんとこ1人で行ったもんだから。したら、変な誤解されたり、叱られたり…こうして頼介君と2人、こんな店にいるとこ、先生に見つかったら大変なことになるわ」

頼介「したら出るべ」

蝶子「したっけ、ここは滝川だし、もう入ってしまったもの」

頼介「うん」

 

頼介君、結構な力で蝶子に左腕つかんでなかった!?

 

待合室

俊道「嘉市さん、あんた、滝川の喫茶店て知ってるか?」

石沢「あ、ロシア人がやってる?」

俊道「入ったこと、あるんかい?」

石沢「それはないわ」

俊道「ああ…」

石沢「なして?」

俊道「いや、なんも」

 

石沢「なんかしたんかい?」

俊道「蝶子が『東京に行く』って言いだしたんだわ」

石沢「あ、いやいやいや~」

俊道「前からしゃべってはいたんだ。したけど、今回は、はっきり決めたと」

石沢「東京へ何しに?」

俊道「音楽学校、行きたいんだと」

石沢「ダメかい?」

俊道「あんたならどうする? 娘が見も知らない土地へ行きたいと言ったら」

石沢「そりゃ反対だ」

俊道「だべ?」

 

石沢「したけど、チョッちゃんの場合は東京には道郎さんがいるべさ? それに泰輔さんもいるんだもん。大安心でないの?」

俊道「あんたは分かってない!」

石沢「え?」

俊道「もう、いい!」診察室へ。

 

喫茶ヴォルガ

頼介「決めた?」

うなずく蝶子。「何が何でも音楽やるんだ」

 

店内にロシア民謡が流れる。

 

蝶子「聴いてるかい? 今、流れてる曲。ロシアの音楽…外国の音楽。この世界なのさ。私が行こうとしている世界は」

蝶子を見つめる頼介。

 

<父の説得まではできなかったものの心の内を吐き出して、チョッちゃんはそれなりに満足していました>(つづく)

 

正直、最初の週は可もなく不可もない朝ドラだな…と思ってました。でも、面白い! みんなマジメだから面白い。