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【ネタバレ】チョッちゃん(22)―連続テレビ小説―

NHK 1987年4月30日(木)

 

あらすじ

滝川に帰ったみさ(由紀さおり)は、俊道(佐藤慶)には学校に呼び出された理由を伏せる。一方、蝶子(古村比呂)はユーリー・ゴドノフからもらったチャイコフスキーのレコードを、音楽室で同級生と神谷先生(役所広司)や川村先生(中原理恵)とともに聴く。すると突然、女生徒の飯島加代(蝦名由紀子)が咳込み倒れてしまう。診断は肺結核。退校が決まった加代は、蝶子にこれからも歌い続けろという。

2025.4.17 NHKBS録画

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脚本:金子成人

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黒柳朝チョッちゃんが行くわよ」より

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音楽:坂田晃一

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語り:西田敏行

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北山蝶子:古村比呂…字幕黄色

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神谷容(いるる):役所広司

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北山みさ:由紀さおり

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川村市子:中原理恵

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田所邦子:宮崎萬純

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木崎とよ:十勝花子

古川教頭:林昭夫

山本たみ:立原ちえみ

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飯島加代:蛯名由紀子

遠山伊佐子:紘川淳

斉藤峰子:江馬小百合

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石井スエノ:仁科扶紀

山口フサ:土屋里織

森川とみ子:久野翔子

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石野スズ:加藤麻里

生徒:松永由美子

   外川由起

   榎美咲

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加代の母:中村由紀

加代の兄:三原聰

鳳プロ

劇団いろは

劇団ひまわり

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北山俊道:佐藤慶

 

明清寮

蝶子たちの部屋

蝶子「ユーリーさんにもらったんだ」レコードを見せる。

邦子「また家に行ったんかい!?」

蝶子「母さんと一緒だもん。誰にも文句は言わせない」

邦子「へえ~、やけに強気でない」

伊佐子「大丈夫かい?」

蝶子「あ、ユーリーさんのうちに行った一件は、もう済んだ」

 

邦子「神谷先生のおかげでかい?」

伊佐子「邦ちゃん!」

蝶子「いいんだ、いいんだ。今日は気分がいいから。何言われてもいいんだ」

加代がせき込む。

 

蝶子「したけど…あれは神谷先生のおかげっちゅうより母さんのおかげだわ」

邦子「どういうことさ?」

蝶子「いやいや、どう言ったらいいんだべな? とにかく母さんのおかげだわ。やっぱし…」

 

北山家

みさ「ただいま!」

⚟たみ「いやいやいや、お帰りなさい!」

 

診察中の俊道もみさが帰ってきたことに気づく。

 

柱時計の時報が鳴り、たみが食卓にみさの食事を並べる。

みさ「あ、みんなは?」

たみ「昼ごはんは済みましたわ」

みさ「あ、そうかい」

たみ「蝶子さん、どんな具合だったんですか?」

みさ「ま、元気だ」

たみ「いやいや、元気が何よりだわ!」

みさ「いただきます」

たみ「はい」

 

診察室から戻ってきて茶の間に入って来た俊道。

みさ「あ…」食事をやめ、「ただいま戻りました」

俊道「うん」

たみ「すぐにお茶ば」部屋を出ていく。

 

俊道「呼び出しの用件は?」

みさ「はい」

俊道「食べれ」

みさ「はい」

 

俊道「蝶子は一体、何ばしでかした?」

みさ「何から話していいか」

俊道「そんなにいくつもしでかしたんかい?」

みさ「なんも。話の順番、どうしたらいいかと」

俊道「込み入った話なんかい?」

みさ「うん、ええと…」

俊道「今、食べてる時か!」

 

みさ「ああ…蝶ちゃん、岩見沢の町なかでパンば買って食べたんだわ」

俊道「また買い食いか」

みさ「今回は、それは問題ではなく。蝶ちゃん、誰からパンば買ったと思う?」

俊道「そりゃパン屋だべや」

みさ「うん、ロシア人のパン屋さん。いやあ、大してうまかったんだ。あのパン…何て言ったらいいんだろね、あの味は」

俊道「…お前も食べたんかい?」

 

みさ「なんも…あ、蝶ちゃんは『そう思った』ちゅうんだわ。したら、こんなにうまいもん、1人で食べて、もったいないんでないかと思って『昼休みに学校に売りに来い』って言ったんだわ。したら、次の日から、まあ、パンば買う生徒さんが増えてしまったんだ。昼ごはんをパンだけにする生徒さんも増えてしまって持ってきた弁当ば残す生徒さん多くなってしまったんだわ」

たみがお茶を置いて行く。

みさ「したら、賄いのおばさん『変だなぁ』って思いだしたんだわ。学校の方で『なしてだべ』って調べたら、パンのせいだっちゅうことが分かって、で、したら、校長先生が、なしてパンが学校に来るようになったかちゅうことを調べだしてぇ」

 

俊道「蝶子か!」

みさ「はい。アハハ、したけど、これはもう蝶ちゃんのせいでないんでないの? なんも悪気があって蝶ちゃんしたことでないもの」

俊道「して?」

みさ「…それだけだ」

俊道「それだけで呼び出されたんかい?」

みさ「…はい。あ、『秩序ば乱す』って叱られました」

俊道「それだけかい?」

みさ「はい」

 

俊道「食べれ」

みさ「はい」

俊道「それだけのことで岩見沢まで親、呼び出すことないべなぁ」

みさ「う~ん」味噌汁を飲みながら

 

俊道「して、蝶子は?」

みさ「うん?」

俊道「蝶子の様子さ」

みさ「ああ、元気してたもね」

俊道「音楽のこと、何かしゃべってたかい? うん?」

みさ「なんも音楽のことは、なんも…忘れてしまったんでないかい?」

じろりとみさを見る俊道。

 

音楽室で「ユーモレスク」のレコードをかけた蝶子。

ユーモレスク

ユーモレスク

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川村先生、伊佐子、邦子、加代、スエノ、フサも聴く。

川村「楽しい曲だね」

神谷先生が入ってくると、さりげなく隣に立つ邦子。

神谷「いやいや、いい曲だわ」

蝶子が話そうとすると、邦子「『ユーモレスク』」

神谷「あ、そう」

 

加代がせき込んで倒れる。

蝶子「大丈夫!?」

フサ「あっ、血…血だ!」

神谷「飯島!」

蝶子が加代の口元についた血を拭く。

川村「誰か衛生の久保先生に連絡を!」

神谷「いや、運びます!」加代をお姫様抱っこして教室から出た。

 

無人の音楽室で「ユーモレスク」が流れ続ける。

 

<診断の結果、加代さんは肺結核と分かりました>

 

衛生室で寝かされている加代についている川村、神谷、木崎。

 

蝶子たちの部屋

伊佐子「そういえば加代ちゃん、ずっと前からせきしてたもね」

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フサ「そうかい?」

蝶子「あの時は風邪だと…」

スエノ「とにかく絶対に食事の栄養不足だわ」

蝶子「そういえば、いつか札幌の偉い先生来て調べてたもね」

邦子「『寄宿舎の食事にも問題ある』っつってたんでない?」

伊佐子「第一、うまくないもねえ!」

フサ「したから、パンば食べたくなるのさ!」

蝶子「何とかしないと!」

一同「うん!」

 

衛生室

神谷「飯島君の家には?」

古川「すぐに知らせは出した」

 

蝶子たちが入って来た。

川村「何?」

蝶子「少し話あります」

 

神谷「どうした?」

蝶子「去年も2人、結核になりました。その前の年は3人。みんな寄宿舎生活をしてた人です」

スエノ「なしてかなと考えました。して、問題は、やっぱし寄宿舎の食事にあると思いました」

古川「はんかくさいこと言うんでない」

フサ「したけど考えてみればみるほど、寄宿舎の食べ物は貧弱です」

 

古川「ぜいたく言うんでない」

邦子「なんも『ぜいたくしたい』と言ってるわけでなく…」

伊佐子「加代ちゃんの結核が食べ物のせいだとしたら、私たちもいつ加代ちゃんみたいになるかもしれないんです!」

蝶子「そうなんです!」

神谷「静かにしれ。飯島君が隣で寝てる」

 

川村「食事については、私も何とかしないばと思ってるんだ。学校とも話してる」

古川「寄宿舎の援助費ば上げたら、ほかの費用ば削らんきゃならないんだわ」

川村「したら、寄宿費、値上げするってことですか?」

古川「そうだねぇ」

川村「『そうだね』って、教頭先生…そりゃあ、少々の値上げぐらいで、どうっちゅうことのない家庭もあります。したけど、困る家庭もあるんでないですか? 家計ば切り詰めて仕送りしてるうちがあるってこと忘れてはならないんでないですか」

困った表情の蝶子たち。

 

簡単に食事内容の改善を…といっても、やっぱりお金か…。

 

<数日後、加代さんの父兄が寄宿舎に到着しました。学校側と相談した結果、加代さんは療養のため、函館に帰ることになり、退学することになりました。日曜日、加代さんは4年間、住み慣れた寄宿舎を去ろうとしています>

 

担架で運ばれる加代。

蝶子「加代ちゃん!」

邦子「加代!」

加代「先生」

神谷「うん」

加代「少し下に置いてください」

神谷「よし」担架を下に置く。

 

伊佐子「加代ちゃん、早くよくなるんだよ」

フサ「治るさ! きっと治る」

スエノ「そうだぁ」

加代「川村先生、おばさん」

川村「はい」

加代「4年間いろいろありがとうございました」

うなずく川村。

加代「おばさん」

とよ「うん?」

加代「お世話になりました」

とよ「…なんもさ」

 

加代「チョッちゃん、邦ちゃん、伊佐ちゃん、よくしてくれてありがとう」

蝶子「なんもだぁ」

加代「峰ちゃん、スエノちゃん、フサちゃん、皆さん…どうもありがとう」

峰子「また、会おうね!」

 

蝶子の顔を見る加代。

蝶子「なんさ?」

加代「蕗谷虹児の絵や詩を教えてくれてありがとう」

蝶子「なんもだ」

加代「うれしかった」

蝶子「加代ちゃんは、どの詩(うた)好きだったんさ」

加代「『泣きぼくろ』」

 

蝶子「『ちょうど 目の下 泣きぼくろ

ここは 涙の通りみち

わたしは一生 泣きぼくろ

これは あたしの泣きぼくろ

おでこのてっぺん 泣きぼくろ

あたしは おでこが 悲しいの』」

加代「チョッちゃん

蝶子「なんさ?」

加代「本当は私、歌、歌いたかったんだ。したけど、私は下手だから諦めて、チョッちゃんの歌ってる歌、聴いて自分も歌ってる気になってた。チョッちゃんは歌は…続けてね」

うなずく蝶子。

 

川村も神谷も涙を浮かべる。「じゃあ、そろそろ行こうか」

再び担架が持ちあげられる。

「加代ちゃん!」

「元気でね!」

「また会おうね、加代ちゃん!」

 

明清寮を出た寄宿生たち。

「頑張るんだよ、加代ちゃん!」

「加代!」

蝶子「元気でね!」

 

蝶子は「泣きぼくろ」を歌い始めた。

♪ちょうど 目の下 泣きぼくろ

ここは 涙の通りみち

 

加代は担架で運ばれながら、弱々しく手を振る。

 

♪わたしは一生 泣きぼくろ

これは あたしの泣きぼくろ

おでこのてっぺん 泣きぼくろ

あたしは おでこが 悲しいの

夜、手紙を書く蝶子。「父さん。私は、やっぱり音楽の道に進もうと思います」

 

<昭和3年2月。加代さんが去った日の寒い夜でした>(つづく)

 

加代が肺結核ということは同室の蝶子たちは大丈夫なのかい? 賄いさんも決められた予算でやってるというのは「岸壁の母」でも描かれていたので…難しい問題だ。