公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意
式当日、朝早く目が覚めてしまった純子(山口智子)はあき(伊藤榮子)に、育ててくれてありがとうとあいさつし、あきは自分の母親から言われた言葉を贈る。披露宴は、商店街を通行止めにして、商店街の人たちに囲まれて行われ、正太夫(笑福亭鶴瓶)もつつがなく司会を務めた。仲人が語る秀平(髙嶋政宏)の経歴を聞きながら、純子は自分たちのなれ初めからの出来事を思い出し、清原(浜村純)は新郎の父代わりのあいさつを…。
結婚式当日の朝。純子はいつものようにエプロンを当て、外に出て大きく伸びをした。
あき「もう起きたんか?」
純子「目が覚めてしもて」
あき「5時半やで」
純子「眠らなあかん眠らなあかんと思てるうちにどんどん目がさえてくるんや」
あき「とうとう来てしもたな」
純子「お母ちゃん」
あき「うん?」
純子「24まで育ててもろてほんまにありがとう」
あき「何を言うねん、改まって」
純子「昨日までてれくそうて、よう言わんかってん。そやけど今朝は、すっと言えてしもたわ」
あき「よかったな。秀平さんがええお人で」
純子「うん」
あき「お母ちゃんからはな、もう何にも言うことはないのや。ただな小さな幸せかもしれんけど小さな幸せを大切にせなあかんで」
純子うなずく。
あき「我が身を人さんと比べたらあかん。人は人、自分は自分や」
純子「分かってる」
あき「人を妬んだらあかん。人の悪口を言うたらあかん。これな、お母ちゃんが言うてるのと違うで。お母ちゃんが結婚する日にな、おばあちゃんが言うてくれはった言葉や」
純子「おばあちゃんが?」
あき「そうや。お母ちゃんがな女学校出てまだ2年しかたってない頃や。二十歳やったわ。その時はもうお父ちゃんと一緒になるのがうれしゅうてうわの空で聞いてたように思うわ。そやけどな、時々、思い出すんや。純子にも同じこと言わせてもらいます」
純子「おおきに」
商店街には「本日、勝手乍ら通り抜けご遠慮願います 組合長」という看板が立ち、店には紅白幕が張られた。
4月26日がやって来ました。商店街の人気者、純ちゃんの結婚とあって、みんなが我が事のように張り切っているのであります。
村山「お願いしますわ。はよ来い、はよ」
ぬひやもももほほ笑ましく村山夫婦を見送る。
純子たちの新居では秀平が仕度をした。
清原「支度はできたかな?」
秀平「はい。支度といってもこれだけですから」
清原「秀平君、おめでとう」
秀平「どうもありがとうございます」
清原「いや、実にすがすがしくうれしい。めでたいな。僕は晩年、こういうめでたい日に巡り合うのは至福の至りだ」
秀平「至福って何ですか?」
清原「幸福の極致という意味だ」
秀平「それじゃ僕も至福の至りです」
小野家では純子もウェディングドレスに着替えた。首には昭と雄太からもらった真珠の首飾り。
つや「純ちゃん、きれいやわ」
あき「ほんまにええウェディングドレスを頂いて」
そこに紋付き袴の清原とスーツの秀平がやって来た。
清原「今日はお日柄もよくおめでとうございます」
あき「ありがとう存じます」
清原「花嫁をお迎えに参上しました」
秀平見とれる。「きれいだ…」
商店街
金太郎「婿はんと嫁はんが来たで!」
さあ、いよいよ神前でめでたく夫婦固めの杯事(さかずきごと)を済ませた新郎新婦の登場であります。
商店街の通りに長机と座布団しいてるんだね。おおっ! 高嶋兄弟が同じ画面におさまっている!
↑このドラマでは高嶋政伸さんが浅見光彦、兄の陽一郎を高嶋政宏さん、母の雪江を寿美花代さんが演じています。他にも宮本信子さんと池内万作さんの親子共演あり、沢口靖子さん、斉藤由貴さんもちょこっと出ているというキャストがやたら豪華な火曜サスペンス劇場でした。
正太夫が司会、アシスタントが節子。進行の紙をなくして慌てる正太夫だったが、節子が先に仲人さんの挨拶をやってもらったらどうかという。
村山「え~、ご列席の皆様、そして速水、小野のご両家の皆様、本日はまことにおめでとう存じます。私、本日の新郎新婦の媒酌を務めさせていただきました当商店会の組合長・村山浩三でございます。
新郎新婦においてはただいま神前におきまして、おごそかに夫婦の誓いを済ませてまいりました。お役目により新郎・速水秀平君と新婦・小野純子さんの経歴と人となりにつきまして私からご紹介させていただきます。
速水君は昭和2年、アメリカのカリフォルニア州サクラメントで速水安太郎さんとさださんご夫婦の間に生まれたという日系二世であります。昭和16年、日米開戦当時はサクラメントの学校に在学中でありましたが、やがてシエラネバダ山の麓にある…」
改めて語られる秀平の過去を純子は胸に刻みつけるように聞いていました。
昭和22年6月に18歳だった純子はおそらく昭和4年生まれ。
秀平と純子の名場面プレイバック。
秀平「グッド! ベリーグッド!」
純子「キャ~!」
純子をお姫様抱っこしてぐるぐる回る。
秀平「オーケー?」
純子「ノー!」
美山村の運動会にやって来た偽進駐軍の秀平と障害物競走で一緒に走った仲。
純子「秀平さん!」
秀平「ごめん!」
純子「どないしはったんですか?」
秀平「君からの手紙が届いてた」
一気に時が飛んだなあ。結婚相手な割に意外と一緒のシーンは少ない。
秀平「ウィル ユー マリー ミー?」
純子「分からへん!」
秀平「僕と結婚するかと言ったんだ!」
「ウィル ユー マリー ミー?」は回想としてよく出てくるので78話だとすっかり覚えました。
恭子が歌を歌い(曲名不明)、正太夫は「ほんまやったら純ちゃんの隣には僕がなあ…」とつぶやく。
清原「では、ご指名によりせん越ながら万歳の音頭をとらせていただきます。今日、私は大勢の方に支えられてここにいる新郎新婦を見ながら人は一人にして立つにあらずという思いがあふれております。どうぞよろしくお願い申し上げます」
列席者立ち上がる。
清原「ご唱和願います。それでは速水秀平君と小野純子さんの前途を祝して万歳!」
一同「万歳!」
正太夫がくす玉を割り、紙吹雪が舞う。
その夜、小野家にはつや、久助が来ていた。
つや「正太夫もな、しっかり司会してたしな」
あき「ほんまにようやってくれはって」
純子がいなくなって寂しいという話になり、昭がちょっと見てくればいいという。そこに枕を持った清原が訪れた。
清原「今夜一晩だけごやっかいになるわけには…。何となく…厚かましいお願いですが」
あき「あの…」
つや「アハハ、先生あてられて居づろうなったんとちゃいます?」
清原「いやいや、そういうわけではないが、あのしかし今夜は何となくこの…。まことに申し訳ない話だが」
恭子「先生、どうぞ」
清原「いやいや…何ともいいもんですな」
あき「すんません」
清原先生、うれしそう。
翌朝、口紅をつける純子。
秀平「10時に出かけよう」
純子「うん」
秀平「一生のうちで一番美しくて幸せな朝だね」
純子「ほんまに」
秀平「白浜温泉に行って、おじいちゃんのお墓に結婚の報告して」
純子の方から手をつなぎ、寄りかかる。正面に向き合って…
おめでとう、純子さん秀平君。
熱い抱擁でつづく。
「ゲゲゲの女房」もそうですが、長身美男美女が好きな私からすると当時リアルタイムで見ていたら見た目の感じがホントにお似合いだなーとハマっていたかも。でも、このドラマのファンだったら、後々、純子と雄太!?ってびっくりしただろうな。