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【連続テレビ小説】純ちゃんの応援歌 (60)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

ぬひ(西岡慶子)が純子(山口智子)に商売替えのことで相談するが、純子は秀平(髙嶋政宏)のことで頭がいっぱいで、なま返事するばかり。そこに顔を出した恭子(松本友里)が、秀平から届いた電報を持って来る。電報には、大阪駅へ来るように書いてあり、真意を測りかねるが、謝りたいという雄太(高岡俊広)とサインボールのお礼を言うという昭(岩芝公治)を連れて、大阪駅へ向かう純子。秀平とわずかながら言葉を交わし…。

店の準備をしていた純子にぬひがしつこいようやけど…と一間分だけ簡単に仕切って、奥にちょっとした調理場を作って、4~5人程度、立ち食い程度でも十分だと食堂化を提案するが、純子はなんぼなんでも狭いんじゃないかという。酒を出すわけじゃないしというが、純子は何の知恵もでてこないと乗り気ではない。

 

お店の改築費のことも気にするが、ぬひは市場の若い人はみんな弁当を持ってきている。ここに買い物に来てくれるお客様より、ここで働く人を狙っているという。

 

純子は、ぬひの新しい思いつきに、もうひとつ積極的になれないのであります。それというのも純子の胸の中は気まずい別れ方をした速水秀平のことでいっぱいだからであります。東京の予定されている宿舎へ手紙は出しました。しかし、手紙が届いたとしてももう秀平に会えるチャンスはないのですから。

 

小野家であきと話す久助

久助「まあ、あれですか。子供の頃からの夢ちゅうんですか。小さい時分からおとぎ話が好きでしたよってにな」

あき「そういえば、私の家に下宿してはる時から中学の文芸誌によう投稿してはりましたな」

久助「いやいや、あんなんはまあいたずら書きですけどな」

あき「よろしいやないですか。いつか自分の夢にたどりつける人は幸せやと思います。羨ましいですわ」

久助「いや~、アホやからできるのかも分かりませんで」

あき「いいえ。うちの主人が生きてたら今度のことかて、きっと賛成やと言うと思います」

久助「いや、小野君はきっと反対すると思います。『(陽一郎の口調を真似て)雑賀。出版社というてもきれい事では済まんぞ。銭金の絡む仕事やぞ。世間知らずのお前には無理や。定年まで校長を続けながら、そのかたわら童話を書いたらええやないか』。そう言うて小野は…きっと反対しますよ。それでまたけんかや。アハハハハ。(涙をぬぐいながら)けんか相手がおらんようになったちゅうのは寂しいもんですな。アハハハ。ハハハハハハ」

たまたま訪れた小平治が気まずそうに謝って出て行った。

 

店の休憩中。蒸しパン?を食べてる純子とぬひのもとへ恭子が訪れた。お友達と心斎橋のデパートまで来たついでにうちに寄った。久助は出版社の事務所を見に行くとして入れ違いに帰った。恭子は純子に秀平宛の電報を差し出した。

 

秀平からの電報

「コンヤ ロクジ サンジュップン オオサカエキ ゴバンセンホームノ ナカホドニ カナラズ コラレタシ。 ハヤミシュウヘイ」

 

大阪まで来るのなら家へ寄ったらいいのにというあき。

恭子「ひょっとして駆け落ちとちゃう?」

純子「駆け落ち?」

あき「アホなこと言わんとき、もう」

 

美山はるかの小芝居( ´艸`)

「(低い声で)純子さん、やっぱり来てくれたんですね」

「秀平さん、一体これはどういうことなんでしょう?」

「僕と一緒に逃げてほしいんです」

「まあどこへ?」

「遠い遠い世界の果てまで。純子さん」

「秀平さん」自分の背中に手を回し、抱き合った風に見せる。

 

あき「美山はるか、日本一!」と拍手を送る。

純子「何言うてんの! 下手くそや!」

 

そこに昭と雄太が帰宅。6時30分に秀平が大阪駅に来る事を伝えた。

雄太「僕も一緒に行こうかな」

純子「雄太が?」

雄太「秀平さんとけんかしたきりやし謝りたいねん」

純子「そやけど…」

雄太「ほんまはうれしかったんやって言いたいねん。行ってもええな? あかんか?」

純子「それはかまへんけど」

雄太「ほんま? じゃあ行ってもええねんな?」

純子「どうぞ」

昭「それやったら僕かて行きたいわ。雄太ばっかり秀平さんに会うのはすこいやないか」

 

あきはあんまり大勢で行ってもなあと言うが、昭は3人だけだし、サインボールのお礼もちゃんと言ってないと嬉しそう。

恭子「あんたたち、遠慮しといた方がええんとちゃう?」

しかし、純子は昭も雄太も連れていくことに。

 

駅のホーム。本物の駅のホームで撮影とは珍しい。午後7時前、秀平が来ないので、様子を見てくると昭と雄太がいなくなった。そこに秀平が走ってきた。汽車が遅れ、到着も7番線だった。東京のホテルで純子の手紙を読んで、どう謝ろうか悩んでいた。明日の朝、9時過ぎに羽田をたってシールスと一緒にアメリカに帰る。このまま東京行きの夜行に乗って帰らなくてはならない。一緒にいられるのはあと5分。

 

昭と雄太が戻ってきた。雄太は「この間はすいませんでした」と謝り、秀平も余計なことを言ってしまったと殴ったことも謝った。あと5分だと言うのに、雄太が投球フォームを見てほしいと学生服を脱ぎ、投げるふり。

 

純子「今度はいつ、日本に?」

秀平「分からないけど、なるべく早く来るよ」

純子「あの…私…。私もまた是非お目にかかりたいです。また日本に帰ってきはるのをお待ちしてますよって」

秀平「ありがとう」

 

二人見つめ合い…でも昭が「アメリカに野球やった?」と割って入った。こらっ! 秀平は皿洗いのバイトが忙かったと言うが、シールスと回ってやっぱり野球が面白もと思ったと答えた。昭は雄太とのバッテリーで甲子園に出るという。

昭「もし僕たちが甲子園に出たら秀平さん、見に来てくれる?」

秀平「ああ、見に行くとも。約束する」

 

上りの列車は6番線だと焦る秀平。家に寄ったらお土産もあったけど…と純子は昭と雄太が持っていたみかんを差し出した。

純子「和歌山のみかんです」

うなずき、見つめ合う二人。

 

汽車の中でみかんを食べる秀平。純子とあきは家でみかんを食べながら、秀平は今頃、岐阜辺りだろうと話した。

 

ほとんど言葉らしい言葉を交わすこともできなかったのではありますが、僅か5分のために東京から駆けつけてくれた秀平の行為に純子は満足しているのであります。

 

翌日。純子は俄然食堂に乗り気になった。ぬひは純子が乗り期じゃなかったので計画は延期しようと思っていた。

純子「食堂、絶対、当たると思うわ。なっ?」

 

これが好感度の低いヒロインだと、はあ? さんざんぬひさんが言ってくれてるのを無視してたくせに~ってなるけど、純子だとならないんだよねえ。秀平さんもめちゃくちゃ爽やかで好きだ~。純子も秀平もなんだかんだ昭と雄太がいればそっちを優先するしね。

 

今日は国会中継で放送はないみたいだけど、ちょうど土曜日回でキリのいい所で終わったのもあり、1日ぐらい我慢しようという気になっている。