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【連続テレビ小説】純ちゃんの応援歌 (151)[終]

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

宿泊の野球部員たちに、「お母ちゃん」と呼ばれるようになった純子(山口智子)。秀平(髙嶋政宏)の写真集はアメリカの出版社が決まり、秀平は渡米することに。恭子(松本友里)は西川に呼ばれて、ドイツへ行くことになる。雄太(唐沢寿明)はあき(伊藤榮子)に、結婚して何年後かには、一緒に住んでほしいと頼み、うれしいあき。そして、日本海高校とすべての自分に関わる人たちの応援に、「お母ちゃん」として純子は走る。

板場

石田「ヨシ子ちゃん、干物焦げてんのちゃうか?」

ヨシ子「大丈夫や」と肘鉄。

石田「そうですか」

仲良さげ。

 

春男「おはようございます」

一同「おはようさん」

もも「春男君、あんた、ゆうべこっちに泊まったんか?」

春男「うん。秀平さんの部屋に泊めてもろうたんよ。すき焼き食わしちゃるけえ来いや言うけえ来たんに全然肉が残っとらんかったで」

純子「何言うてんのや。あれでも200グラムはあったんやで」

 

もも「ええから、ええから。春男君、あんたちょっとこれ、竹の間のお客さんとこ運んで。もうすぐ出来るからな」

春男「え~。起きたばあなのに、よう、こき使うてくれるの」

もも「何を言いやんの、あんた、朝はな猫の手も借りたいんや。布団の片づけとな掃除も残ったあるで」

純子「アハハハ」字幕にはないけど「大変や」って言ってた。

 

田畑「お母ちゃん、おはようございます」

一同「おはようさん」

生徒「お母ちゃん、僕たちの部屋のはどれですか?」

純子「そっちの卵が2つずつついてるやつがそうや。今度はいよいよ2回戦やな」

生徒「お母ちゃん、応援に来てくれる?」

 

純子「行くで。今度は応援に行くで」

生徒「おい、お母ちゃん来てくれるってよ」

田畑「本当に来てくださいね」

純子「約束や」

生徒「やった~。みんなに言ってやろう」

生徒「みんな喜ぶな」

純子「気ぃ付けや」

 

春男「何なら、あいつら。お母ちゃんお母ちゃんって気安う言うてからに」

もも「それやったらな、春男君もな、純子ちゃんのこと、お母ちゃんて呼んだらええわらよ」

春男「ええわ」

もも「何てれやんな。お母ちゃんて言いたいんやろ? 羨ましいんやろ?」

春男「違わあ。羨ましいことなあわ」

 

もも「よかったらな、うちのこと、お母ちゃんて呼んでもええよ」

春男「ももさんをか?」

もも「そうや、あんた、こう見えても村会議員・牛山金太郎の母。ちょっと春男君、ちっちゃい声で、お母ちゃんて呼んでみ。なっ?」

春男「こらえてくれ」

もも「何で?」

 

純子「春男君。ももさんやったら頼りがいのあるお母ちゃんやんか」

春男「ほいでも…」

もも「かまわん、かまわん。春男君がな、お母ちゃんて呼んでくれんでも、うちはお母ちゃんと思てるさかいにな。はい、これ出来ました。はい」

春男「行ってきます」なんだかんだうれしそう。

もも「うん」

あき「頼むで」

もも「はい」

春男、お膳を運んでいく。

 

もも「あ、小百合ちゃん。おめでとう」

板場にいた人たちが拍手を送る。

小百合「いや…どないしよ。おはようございます」

一同「おはようさん」

もも「小百合ちゃん、お式、秋なんやてな?」

 

小百合「まだ決めたわけやないんですけど、雄太さんの学校が夏の甲子園が終わってからということですねん」

純子「ひょっとしたら予選を勝ち抜いて甲子園に出られるかも分からへんやろ。そしたらお式どころのやのうなるしな」

もも「そらそやな」

 

雄太「おはようさん」

もも「あっ」

一同「おはようさん」

小百合「おはようさん」

雄太「ほな、お母ちゃん、練習に行ってくるわ」

あき「けがせんようにな」

 

雄太「小百合ちゃん、ほな夕方な」

小百合「行ってらっしゃい」

一同「行ってらっしゃい」

 

雄太がとうとう婚約をしました。

 

雄太「ほな、行ってきます」

純子「行ってらっしゃい」

小百合「行ってらっしゃい」

純子、空き、小百合で見送る。

 

小百合「雄太さん、待ってください」

外にいた雄太と話し込む小百合。

 

満州から飢えた野良犬のようにして帰ってきた雄太が…。何度も反抗を繰り返し、やっと小野家の養子になった雄太が、ついに生涯の伴侶に巡り合いました。

 

小百合「ちょっと行ってきます」

雄太と出かけていく。

 

純子「お母ちゃん、よかったな」

あき「(大きくうなずき)よかった。今度は雄太にうちを見つけてやらんといかんな」

純子「そやな。ここで所帯持つわけにもいかんやろし」

一度帳場に戻りかけて振り向いたあきは少し寂しそう。

あき「とうとう巣立ってしまうんやな」

 

浜風荘玄関

つやにカメラを構える秀平「あの、奥さん、もうちょっと自然な感じで」

つや「えっ、自然な?」

秀平「ええ」

ポーズをとるつや。

秀平「そうですね、はい。春男、もうちょっとハイライトずらして」

春男「はい」

 

つや「ちょっとずらし過ぎや。もうちょっとこう…」

秀平「はい、じゃあいきます。はい。奥さん、きれいですよ」

つや「そうですか?」

 

帳場

電話中の北川。「オールライト? グッド! サンキュー」

そのあとのセリフは字幕で(英語)とだけ出ていました。

北川「オー、サンキュー、アゲイン! グッバイ」電話を切る。

純子「どうぞ」

北川「ありがとう」

 

玄関に出ていく北川。「秀平君、いい話だよ。秀平君。アメリカのニューヨークのトーマス社という出版社が君の企画に乗ってくれた」

秀平「本当ですか?」

北川「以前、僕が日本の美術品のカタログを出した所なんだけどもね。こういう人物が日本で10年間も混血児の取材をしている。あとはアメリカに渡って子供たちがどういう生活をしているか取材するだけだ。出版に協力してくれないか。こう言ったところ、こっちの言う条件を全部のむ、そう言ってくれた」

 

秀平「夢のようだな…」

純子「よかったやん」

北川「いや、一つだけね、注文をつけてきたんだよ」

秀平「何ですか?」

北川「写真集の題名をね、『二十年目のかけ橋』としてほしいと言うんだな」

純子が運んできたコーヒーか紅茶を飲む。

 

純子「二十年目のかけ橋?」

北川「うん。写真集が出来るのが大体1965年、戦争が終わって20年目だろ。その記念の出版にしたいというんだ」

今は、昭和38年3月なので、1963年。

 

秀平「いいです。すばらしい題名ですよ。『二十年目のかけ橋』、僕がねらってるとおりの題名です」

北川「来月の10日に契約をして、4月には出発だね。いや、トーマス社の出版担当の部長がね、アメリカ人に衝撃を与えるだろうって、そう言ってたよ」

秀平「で、その契約はどうやって?」

北川「うん、ロサンゼルスにね、僕のアメリカでの代理人がいるんだ。マリリンという女性でね、彼女が全部やってくれる。任せてくれないか? 悪いようにはしないから」

秀平「はい」

 

つや「その代理人ちゅうのはな、金髪で目の青い、そらもうすごいきれいな人やわ」

北川「心配ですか?」

つや「いや、心配ということはあらへんけど」

北川「彼女は立派なご主人のある女性ですからね」

 

春男「どれぐらいアメリカに行っとる?」

秀平「行けば半年だな。多分10月。雄太君の結婚式までには戻ってくると思うけど」

春男「そうに長う行っとるんな…」

秀平「連れてってやりたいけど、お前4月から定時制の高校、行くことになってるじゃないか」

春男「うん…」

 

秀平「そうだ、夏休みに一人でアメリカへ来るか?」

春男「一人で?」

秀平「そう一人で」

純子「大丈夫やろか」

秀平「大丈夫だよ、16じゃないか。どうだ? 来るか? それまでアルバイトして旅費をためて」

春男「うん、行く」

つや「なあ、お父さんの国やもの、行って見といで」

 

恭子「こんにちは」

純子「恭子、どないしたん?」

恭子「これ、見て。西ドイツの彼から電報が来てん」

純子「電報?」

あき「何や、恭子、走ってきたんかいな」

恭子「見て」

 

純子「西川さんから来たんやて」

あき「いや~、英語の電報か?」

恭子「ローマ字やんか」

純子「読んでもかまへん?」

恭子「読んで」

 

純子「『ミュンヘンニツイテ イッシュウカン シカシ キミノイナイマイニチハ サビシイ キミニアイタイ ドウカ ミュンヘンニ キテクダサイ アイタイ コイシイ ボクノ キョウコヘ』何やの、これ」

つや「ラブレターやないの」

あき「ほんで恭子どないすんの?」

恭子「もちろん行くし。あの人、やっぱり私がおらんとあかんのや。これから旅券取って来月の初めには、ああ、私はドイツの空の下にいてるのや」

 

純子たちの部屋

陽子は布団で寝ている。前回、前々回は陽子、出てなかったね。

秀平「春男の旅費、多少助けてくれるか?」

純子「大丈夫や」

何だよ、秀平! やっぱりお金ないんじゃん!

 

秀平「いや、春男をアメリカへ連れていったからって父親の消息が分かるわけじゃないんだけどね。ただ、あいつにアメリカ見せてやりたんだよ。アメリカとアメリカ人見せてやりたいんだ。それから、春男と同じ境遇の混血児にも会わせてやりたいんだよ。僕が父親の国に憧れたように春男もやっぱりアメリカに憧れてると思うんだよ」

純子「そやね」

 

秀平「そうだ、君も来るか? なっ、そうしようよ」

純子「ううん、私は旅館があるさかい。夏にまた夏の大会の生徒さんたちが来はったら、私は生徒さんたちのお母ちゃんやもん、ここを留守にするわけにはいかへんし」

秀平「そうか」

純子「それよりも秀平さんがええお仕事してくれはったら、私は何にも言うことあらへんし。はい。(お茶を手渡す)これが僕のしたかった仕事や、それができたって、そういう言葉を秀平さんから聞くのんが一番うれしい。そやから、そのためのお手伝いやったら、私、何でもさしてもらうし」

秀平「ありがとう」

純子「嫌やわ。何やの、そない改まって」

 

あきと雄太の部屋

繕い物をするあきと本を読んでいる雄太だが、あきのそばに行き、あきのことをじっと見ている。

あき「何や?」

雄太「僕の知ってるお母ちゃんはいつもいつもミシン踏んでるか繕い物してるかやな」

あき「そうや。お母ちゃんにはこれが一番性に合うてるんや」

 

雄太「お母ちゃん」

あき「うん?」

雄太「僕、結婚したら、ちょっとのま、よそに住むやろけど、お母ちゃん年取ったら僕らと一緒に住んでくれるか? そないしてほしいねん。それが昭が一番喜んでくれると思うんや」

あき「おおきに。雄太、おおきに」

雄太…。かっこいいしか出てこない。

 

そして、いよいよ日本海高校が2回戦を戦う日が来ました。

 

浜風荘玄関には「歓迎 北陸代表 日本海高校」って書いてあった。やっぱり。

 

生徒「それではお母ちゃん」

一同「行ってきます!」

純子「しっかりな」

生徒「お母ちゃん、来てくれるよね」

純子「必ず行くさかい、2回戦も勝たなあかんで」

一同「おう!」

生徒「試合開始、1時だから」

純子「分かってる」

生徒「よし行くぞ!」

一同「おう!」

田畑の顔が覚えられない(^-^; どれかのセリフは田畑君かも?

 

純子「行ってらっしゃい。しっかりな!」

清原先生、ヨシ子、石田、雄太、小百合、もも、春男、恭子、あき、純子、秀平、陽子がみんな玄関でそれぞれ声援を送る。

純子「しっかりな! 頑張って!」

秀平「頑張れよ!」

 

甲子園球場の空撮。客いっぱい入ってるから本当のセンバツの試合の時とか? 駐車場には車もちらほら。

 

純子は走るのであります。甲子園に向かって。夢を抱いて甲子園に白球を追う子供たちを応援するために、ひたむきに走るのであります。いえ、亡き父・陽一郎と弟・昭のために雄太のために秀平のために、そして自分に関わる人たちのためにただ走るのであります。精いっぱい生きる人たちのために心からの応援歌を歌うのであります。純ちゃん、これからも応援歌を歌い続けてください。君の笑顔で、君の輝く瞳で。(完)

 

はあー、終わった。かなり好きな朝ドラの一つになりました。秀平は最後まで秀平だったけど、世話好き純ちゃんは世話のかかる男性の方が好きなのかも!? 

 

まあ、公式の紹介文が「弟思いの野球大好きなお姉さんの、心暖まる姉弟愛の物語―」なんだから、夫のことは別にどうでもいいんだよ。

 

何で今まで埋もれてたかなー? 私が知らなかっただけで、2006年には完全版DVDが発売されてるんだから、根強い人気はあったんだろうね。80年代の朝ドラが全てソフト化されてるわけでもないしね。

 

あぐり」や「マー姉ちゃん」が始まる前は、あのドラマが好きだったとか面白かったという前評判を聞いたものですが、「純ちゃんの応援歌」の場合、山口智子さんと唐沢寿明さんが共演していたくらいしか情報が出て来ず、ツイッターでもあんまり当時見ていたという人も見かけなかったような気がした。だからストーリーが微妙なのかな?とちょっと思ってました。

 

しかし、脚本がよかった。戦後から始まっているストーリーでもずっと戦争の影を引きずっている。ふとした折に戦争のことが出てくる。純子がヒロインだけど、最終週に雄太の結婚を持ってくるあたり、雄太のことも丁寧に描いていた。

 

ナレーションの杉浦直樹さんが浜風荘に遊びに来てくれたら最高だったのにな。「はね駒」ではナレーションの細川俊之さんが走っているヒロインとすれ違う紳士として最終回に出てきたしね。

peachredrum.hateblo.jp

でもやっぱり夕方の再放送より、BSプレミアムで毎朝、1話ずつかみしめながら見たかった。NHKプラスで配信されるのはありがたいんだけど、何せ休止が多い。同じ日に始まった「マー姉ちゃん」の再放送が3月末に終わって、1か月も差がついてしまった。しかもこっちは2話ずつ放送なのに。この枠、よほど見たい作品じゃないと続けて見るのはきつい。

 

面白い朝ドラをまた一つ知れてよかった。