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【ネタバレ】チョッちゃん(91)―連続テレビ小説―

NHK 1987年7月20日(月)

 

あらすじ

戦時下。日中戦争がはじまって以来、国内では統制経済が次第に進み、暮らし向きにも不安がつきまとう。蝶子(古村比呂)は三児の母となり、長女・加津子(椎野愛)はすくすくと育って今や6歳になった。弟で長男の雅紀(河野純平)と生まれたばかりの次男に囲まれ、岩崎家はより一層賑やかだ。おかげで要(世良公則)はバイオリンの練習にますます身が入らず、痛しかゆし。その音楽に対しても、国の統制はますます強まっていた。

2025.7.28 NHKBS録画

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脚本:金子成人

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黒柳朝チョッちゃんが行くわよ」より

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音楽:坂田晃一

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語り:西田敏行

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演奏:新室内楽協会

テーマ演奏:東京フィルハーモニー交響楽団

指揮:円光寺雅彦

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考証:小野一成

タイトル画:安野光雅

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バイオリン指導:磯恒男

        黒柳紀明

方言指導:曽川留三子

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岩崎蝶子:古村比呂…字幕黄色

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国松連平:春風亭小朝

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中山音吉:片岡鶴太郎

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中山はる:曽川留三子

岩崎加津子:椎野愛

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岩崎雅紀:河野純平

鳳プロ

早川プロ

劇団ひまわり

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岩崎要:世良公則

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制作:小林猛

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演出:阿部康彦

 

<昭和15年の3月です。昭和12年には日中戦争が始まり、日本は、今、中国大陸で戦争状態にありました。日本国内では統制経済体制が進み、国民の日常生活は日増しに圧迫されていたんです>

 

蝶子が加津子を探し、路地へ。「加津(かっ)ちゃん! 加津ちゃん、おやつよ!」

 

⚟︎加津子「は~い!」

 

<そうなんです。この子はチョッちゃんと要さんの長女・加津子ちゃんなんですよ。もう6歳になったんですよ>

 

加津子「ブ~ン!」手を広げて走り、生け垣の隙間から庭へ。

 

<ま、こんなとこは母親に似たんでしょうねえ>

 

茶の間

蝶子「『その少年は、夜の森の仲、道に迷ってしまいました。少年は泣きたいぐらいです』。あ、マーちゃん、よくかんで」

 

<加津子ちゃんは先ほど紹介しましたが、この子が長男の雅紀(まさのり)君。この子が次男の俊継(としつぐ)君。つまり、チョッちゃんは3児の母になっちゃったんです>

 

6歳の加津子、2、3歳ぐらい?の雅紀、まだ赤ちゃんの俊継。

 

蝶子「じゃあ、今の続きよ。『病気で寝ているお母さんに早く薬を届けてあげたいのに少年は森を抜け出せなくなったのです。その時、少年の耳には木の葉の鳴る音がしました』」

加津子「ザワザワ」

蝶子「そう! で、その音が少年の耳には…」

加津子「『こっちにおいで』って聞こえたのよ」

蝶子「どうして知ってるの?」

加津子「だって何度も聞いたもの」

 

⚟︎♬~(バイオリン)

⚟︎木づちの音

 

蝶子「そうだった?」

加津子「お母さん、別の話、して!」

蝶子「え~と…」

 

⚟︎♬~(バイオリン)

 

⚟︎木づちの音

 

蝶子「『狐の郵便屋さん』!」

加津子「知ってる!」

雅紀「知ってる!」

蝶子「『泳ぎの下手な蛙の子』!」

加津子「知ってる!」

雅紀「知ってる!」

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⚟︎♬~(バイオリン)

 

蝶子「あ…そう。後はね…」

 

⚟︎♬~(バイオリン)

 

加津子「神谷先生、早く新しいお話持ってきてくれないかなあ」

 

⚟︎木づちの音

 

蝶子「お母さん、洗濯物取り込むから、マーちゃんたち見てて」

加津子「分かった!」

 

蝶子「ね、『浮かれ狸』は?」

加津子「知ってる!」

雅紀「知ってる!」

蝶子「あ、そう」

 

⚟︎♬~(バイオリン)

 

蝶子は庭へ。

 

加津子「じゃあね、『白い少年』の話、してあげるね。始めるわよ、いい?」

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⚟︎♬~(バイオリン)

 

⚟︎木づちの音

 

加津子「『冬の北海道はダ~ッと一面の雪です。ドッコイショ、ドッコイショ、エンヤコラと急いで歩きました』」

 

練習室の要は練習を止めた。

 

加津子「『そして、子供に声を掛けようとした時に『ドッキン、アレ~!』。男の人は、びっくりぎょうてんしました。なんと、その子供の目が金色だったのです』」

 

再び練習を始める要。

 

⚟︎木づちの音と蝶子の歌声

 

⚟︎加津子「『人間の目じゃありません』」

 

⚟︎加津子の声と蝶子の歌声と木づちの音

 

すっかり集中力が削がれてしまった要。ソファに座ってため息をつく。蝶子の歌って「泳ぎの下手な蛙の子」だよね。

 

⚟︎加津子の声と蝶子の歌声

 

練習室の要は、せきばらいして手拭いを投げた。

 

茶の間

ほっかむりをし、白い布をかぶった加津子。「『白い羽が広がると、その白い子供がふわりと飛んだのでした。子供だと思ったのは実は白い白いシマフクロウだったのです』」

 

要が茶の間に顔を出した。

庭から戻ってきた蝶子。「どうしたの?」

要「ああ、ちょっとうるさくてね」

 

隠れる加津子。

 

⚟︎木づちの音

 

要「向かいだよ。向かいがね、ちょっと。君ね、ちょっと行って、やめるように言ってくれないか?」

蝶子「そんなこと言ったってしかたないでしょ」

要「気が散って、しょうがないんだよ」

蝶子「分かるけど、お向かいだって仕事なんだから」

要「分かった。俺が行ってくるよ!」

蝶子「やめてください! そんなことしたら、またケンカになるでしょ!」

加津子は2人の間をすり抜けて廊下を歩いていく。

 

要「だったらね、これ、なんとかしてくれよ、なんとか」

 

加津子がほっかむり、白い布をかぶったまま外に出たので、通りかかった行商の女性はびっくり。

 

⚟︎木づちの音

 

玄関に戻った加津子はほっかむり、布を外して、お向かいへ走る。

 

中山家

音吉「よう、加津ちゃん。遊びに来たのかい?」

はる「あら、加津ちゃん、どうしたの?」

 

加津子「おじさん! お願いがあるの」

音吉「ホホホ、お願い? よ~し。聞きましょう。何なりと」

加津子「お父さんがね、トンカチの音がうるさいんだって」

 

ラジオからかすかに軍歌が聞こえる。

紀元二千六百年

紀元二千六百年

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はる「お父さんに頼まれて来たの?」

加津子「頼まれない。お父さんとお母さんが口ゲンカしてたから加津子がお願いに来たの」

音吉「分かった。ねえ! 加津ちゃんにお願いされちゃしょうがねえや。な!」

はる「うん!」

音吉「木づちは…」木づちを床に置く。「やめましょう!」

加津子「ありがとう!」

 

茶の間で新聞をかぶって寝転んでいた要は木づちの音がしなくなったのに気づき、起き上がる。「音、やんだね」

蝶子「要さん、今のうち、練習!」

要「あ、うん。よし!」

 

要は練習室、蝶子は鍋を火にかける。

 

⚟︎要「おい、お前、何やってんだ!」

 

蝶子「どうしたの?」

 

⚟︎要「来なさい! こら!」雅紀を抱っこし、茶の間へ。「楽譜!」ビリビリに破かれた楽譜を手に持っていた。

 

蝶子「また?」

要「ビスケットじゃないんだから!」

 

中山家

加津子「これは?」

はる「曲がり尺」

加津子「何に使うの?」

はる「寸法測ったり、こんなことして線も引けるの」

加津子「ふ~ん…これは?」

はる「鉋(かんな)」

加津子「何に使うの?」

はる「あのね…」

音吉「それはね板の面をツルツルにするやつ」

はる「あんたは仕事おしよ」

音吉「うるせえ! 鉋っても、いろいろあってね、こんな小さいのもある。ね!」

音吉「そうかと思うと、ほれ、腹が丸まってるのもある。ね! ほら」

加津子「へえ、こっちがおなかなの?」

音吉「うん」

加津子「面白いね」

音吉「ねえ!」

加津子「おなかに刃があるの?」

音吉「うん」

加津子「加津子の歯は口の中」

音吉「ヘヘヘ、ホントだ」

はる「じゃ、これは腹じゃなくて、ここは顔だ」

音吉「腹なんだよ、うるせえな、お前は! 何でくだらねえこと言ってんだよ。昔から腹なんだよ!」

 

加津子「これは?」

音吉「それは墨壺っつってね、よし! ちょっと待ってな。おじさんがやってみせてやる。ね! 板をね…こっちがいいかな。よし! こうしてここをね、グッと刺して、グ~ッと持ってきて、ここで止めたらね、ピッと! ほれ、ほら!」

加津子「うわ~!」

音吉「ね? どうだ!」

加津子「うん」

現代の墨壺は、こんな感じか~!

 

音吉「木で出来てるもんだったら、何でもおじさんに任せていいんだぞ」

はる「加津ちゃんに自慢したって!」

音吉「やってみるかい?」

加津子「うん」

音吉「やってみな。そう、針のついたとこを板に刺す。そう、そして、ズ~ッと糸伸ばして、指でつまんでピッと…」

加津子が指を離し、線が引かれる。

音吉「お~、上手! 糸巻かなきゃダメだよ」

加津子「もう一回、やっていい?」

音吉「いいよ、やってごらん。そう、刺して…伸ばして…いいぞ」

 

はる「加津ちゃんもそろそろ小学生だね?」

加津子「そう!」

 

音吉「おう、上手だ、上手だ」

 

セーラ服の女学生2人組が路地を歩いていく。

 

岩崎家茶の間

要「あ~ん!」

雅紀の口にからあげ?を入れる。デカくない?

 

蝶子は俊継に食べさせている。

 

⚟︎連平「あたし!」

 

蝶子「あ、どうぞ!」

 

⚟︎連平「お邪魔しま~す」

 

茶の間に入ってきた連平。「よっ!」

要「おう!」

連平「あら~、食事中?」

蝶子「かまわないのよ」

連平「ちょうどよかったな」

要「何だ?」

連平「ごちになりに来たの」

蝶子「あ、じゃあ、ちょっと俊ちゃん見てて」

連平「いい、いい。あたしがやるから。『勝手知ったる他人のうち』と」台所へ。

 

要「(俊継に)おじちゃんだったね」

 

連平「チョッちゃん、みそ汁、何?」

蝶子「豆腐!」

連平「ホント? ああ、いい匂いだね」

 

⚟︎要「じっとして食べなさい」

 

連平「要さん」味噌汁をよそう。

 

⚟︎要「ん?」

 

連平「音楽界の方は、どんなあんばい?」

 

⚟︎要「何が?」

 

連平「いや、ほら、いろいろ統制ばやりでさあ、お上のお達しがうるさいの何の」茶の間に戻ってきた。

要「ああ…」

蝶子「はい」

連平「ああ、いい、いい。あたしがやるから」自分でご飯をよそおうとして…「あれ?」

蝶子「ん?」

連平「1人足りないんじゃない?」

 

蝶子「あ、加津子はね、お向かいでごちそうになるんだって」

連平「あ、そう。だけどさ、チョッちゃん

蝶子「ん?」

連平「最近、加津ちゃん、お向かいのうちに入り浸ってない?」

要「そうなんだよ」

連平「ねえ!」

 

蝶子「要さんがね、うるさがるからよ」俊継を抱いて立ち上がる。

要「そういうのは稽古の時だけだろ?」

蝶子「そうだけどね」要の後ろのベビーベッドに俊継を寝かせる。

 

連平「いただきま~す」

要「マー坊、もう食べないの?」

雅紀「食べたくない!」みそ汁をひっくり返す。

連平「あっ、あ~あ~あ~」

蝶子がテーブルを拭く。

雅紀「僕も拭く!」今度は連平のみそ汁をひっくり返す。

連平「あ~っ、大変だ、こりゃ」

 

台所へ行った蝶子。

要「しかし、蝶子!」

蝶子「はい?」

要「あれだぞ。あの向かいの夫婦はうちの加津子を取る気だな」

連平「まさか」

要「どうしても子供ができないらしいんだよ」

連平「うん」

要「それで、何かっていうと、うちの子に近づいてくるんだよ。危ない、危ない」

台所に戻ってきた蝶子。「ありがたいことじゃないの。それを『取る』だなんて『恩を仇で返す』っていうのは、こういうことだわ」

要「ありがた迷惑っていうんだ!」

 

連平「あ、そうそう、さっきの話」

蝶子「いろいろうるさいって話?」

連平「そうそう、そうそう。うちなんてさ、『笑いの王国』って名前じゃない? ね! ふざけた名前付けやがってって、もう、にらまれちゃって…」

蝶子「へ~え」

連平「芸名にだって口出しするんだよ、チョッちゃん。横文字の名前とか、ふざけた名前は改名しろって命令が出たんだから」

蝶子「へ~え」

連平「嫌な世の中になっちゃったね」

 

ベビーベッドを乱暴に揺らす雅紀。

 

蝶子「どうして名前変えなきゃいけないの?」

連平「だからさ…」

蝶子「どうしてふざけてるとしか思えないの? 楽しい名前だと思えないの?」

 

連平は茶碗を置き、蝶子の頬にくっついていたご飯粒を取って食べさせた。この一連のシーン、テレビの画角の問題か妙に近い距離で連平と蝶子が向き合っていて、おまけにご飯粒を食べさせる演出…ちょっとキモかった! 

 

演出の方は「ハルとナツ」では制作統括として名を連ねていた。

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このドラマも始まりは北海道。由紀さおりさんと曽川留三子さんが出演してる。

 

連平「楽しんじゃ、いけないんじゃないの?」

蝶子「どうして?」

連平「戦争中だから」

蝶子「戦争中だと、どうして?」

 

ここも距離が近い。

 

要「『どうして、どうして』ってね、加津子みたいに聞くんじゃないの!」

蝶子「なして? どうして?」ようやく食べ始めたが…「あ~、マーちゃん!」

俊継が泣いている。雅紀が揺らし過ぎた?

 

要「やっぱり加津子を連れ戻さなきゃ」立ち上がる。

連平「大変だ」

要「どけ、ほら!」後ろの俊継はガン無視して出かける。

 

中山家

音吉「あ、わざわざどうも」

はる「うちは、まだいいんですよ」

加津子「じゃあ、もっといようっと!」

要「あのね、加津ちゃん、加津ちゃんに連平おじさんが大事な用があるんだってよ」

加津子「じゃあ、加津子帰る」

要「うん、そうしよう、そうしよう。さあ、おいで。ほらほらほら、よ~し、いい子だ!」加津子を抱き上げ、背を向ける。「あ~、どうも、お邪魔さまでしたね」

 

岩崎家

加津子・要「ただいま!」

蝶子「あ、お帰り!」

連平「お帰り」雅紀をお尻ぺんぺんしてる。

加津子「連平おじさん、加津子に用って、何?」

連平「え?」

 

要「あ~、喉乾いたな。水を飲もうか。な!」台所へ。

蝶子「はい」

加津子「お父さんが連平おじさんが用だって」

連平「あ、そう、連平おじさんの用はね、加津ちゃんの顔を見に来たこと」

加津子「ふ~ん。加津子ねえ、決めたの」

 

台所で水を口に含んで吐いた要。

 

⚟︎連平「何を?」

⚟︎加津子「加津子は大きくなったら建具屋さんになろうと思うの」

 

驚いて、水を噴く要。

 

⚟︎蝶子「あら~、そしたらお向かいの音吉おじさんとこ弟子入りしないとね」

 

茶の間に戻ってきた要。

加津子「第一号の弟子にしてやるって」

蝶子「そう、よかったねえ」

加津子「そうなの!」

蝶子「フフフ、よかったね」

ニヤニヤして要の顔を見る連平。「ねえねえ、加津ちゃんさ、お父さんみたいな音楽家になんないの?」

加津子「う~んと考えたけど建具屋さんになることにしたの」

連平「建具屋?」

加津子を軽くにらむ要。

 

夜、外では犬の泣き声がする。

布団で寝ていた俊継が泣いている。

蝶子「どうして泣くの? お父さんね、バイオリンの稽古中なのよ。よしよしよし」抱き上げてあやしていると、要がふすまを開けた。

蝶子「すいません」泣き止まない俊継。「よしよしよし」

 

雅紀「おしっこ!」

蝶子「出るの?」

雅紀「もう出ちゃった」

蝶子「じゃ、脱いで脱いで」

あきれて見ている要。

 

寝ていた加津子が転がり、ふすまが倒れた。

要「おっ? あらららら! よいしょ! あれ?」

加津子「お父さん、痛い!」ふすまの下でジタバタ暴れる。

 

<いやはや、3児の母ともなると大変だねえ! チョッちゃん>(つづく)

 

そら、全く要が手伝わないで、ヤレヤレ…みたいに立ってたんじゃ大変だよ。

 

昭和9年暮れから昭和15年3月まで一気に飛んだ。

 

加津子役の椎野愛さんを調べると、1986年にシンシア、1988年ケイト、1989年アニーと3回ミュージカルアニーに出演してたそうです。歌で選ばれたキャストかな?