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【ネタバレ】チョッちゃん(126)―連続テレビ小説―

NHK 1987年8月29日(土)

 

あらすじ

春にまいた種が、収穫の時を迎えた。蝶子(古村比呂)たちがはる(曽川留三子)の家から持ってきた卵を使ってドーナツを作っていると、連平(春風亭小朝)がやってくる。連平にも召集令状がきたのだ。やけになっている感じの連平を、泰輔(前田吟)の家に連れて行き、皆で元気づける。戦地の要(世良公則)から近況報告の手紙が届く。軍隊生活にも慣れ、つつがなくやっている、という内容だが悪い予感がした蝶子は悪夢を見て…。

2025.9.6 NHKBS録画

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脚本:金子成人

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黒柳朝チョッちゃんが行くわよ」より

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音楽:坂田晃一

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語り:西田敏行

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岩崎蝶子:古村比呂…字幕黄色

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岩崎要:世良公則

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国松連平:春風亭小朝

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中山音吉:片岡鶴太郎

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大川邦子:宮崎萬純

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中山はる:曽川留三子

岩崎加津子:藤重麻奈美

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神谷安乃:貝ますみ

岩崎俊継:服部賢悟

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鳳プロ

早川プロ

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神谷容(いるる):役所広司

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野々村富子:佐藤オリエ

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野々村泰輔:前田吟

 

<11月になりました。岩崎家の庭に種をまいた野菜が今、収穫の時を迎えました>

 

岩崎家の庭

蝶子「おお~、もう、いっぱいだよ、これ。ハハハッ」

俊継「もういっぱいだよ」

蝶子「そうね。今日はこれぐらいにしときましょ」ざるに大きな大根が乗る。

 

生垣からはるがのぞく。「へえ、大収穫じゃないの!」

加津子「そうなの!」

蝶子「少し持ってって」

はる「うちに?」

蝶子「今日が初めての取り入れだから、おめでたいでしょ?」

はる「ありがとう」

蝶子「ちょっと待ってて」家の中へ。

 

加津子「これは加津子が取ったの」

はる「ふ~ん」

俊継「これは僕」

はる「へえ~! 2人ともいい子だから、お母さん大助かりだねえ」

 

かごを持った蝶子が戻ってきた。「回覧板何だったの?」

はる「15日に防空ごう作りだって」

蝶子「ふ~ん。よし」

はる「そんなにいらない!」

蝶子「あ、そう?」

はる「うち、2人だもの」

蝶子「いや、おまけ!」

俊継「おまけ!」

加津子「おまけ!」

はる「じゃ、遠慮なく。うわ~、すごいねえ!」

 

邦子「あ、こっち?」

加津子「邦子おばちゃん!」

はる「こんにちは!」

邦子「こんにちは」リュックを背負っている。

 

蝶子「何事?」はるに野菜を入れたかごを渡す。「はい」

はる「どうもありがとう!」

リュックを降ろそうとしている邦子。「はるさん、ちょっとお願い」

はる「はい。何? 随分、重たいね」

 

邦子「え~とね、砂糖と小麦粉、かぼちゃ、何か作れるんじゃない?」

蝶子「えっ…ちょっと待って。油があるでしょ? あ、かぼちゃもあるでしょ? 何か作れるわ!」

邦子「蒸しパンとかドーナツとか」

蝶子「やろう!」

加津子・俊継「ドーナツ、ドーナツ!」

はる「私も入れて! 何かいるものない? 大してないけど」

蝶子「はるさんとこの鶏、卵、産んでなかった?」

はる「うん、ちょっと見てくる!」

 

加津子・俊継「卵、卵! 卵、卵!」手を取り合って喜ぶ。

 

台所

ボウルに卵を割り落とす。

邦子「1個でもね」

蝶子「そう、気分が違う」

はる「うちの鶏、最近、しみったれて、なかなか産まないのよ」

蝶子「1個でもね、卵入りに違いはないんだから」

邦子「そう」

蝶子「(覗き見している加津子と俊継に)向こう行ってなさい。よし、行きますよ」小麦粉と一緒にこねる。

 

邦子「いや、女学校時代を思い出すわね?」

蝶子「そうね」

はる「やっぱりこういうことやってたんだ?」

蝶子「そうなの。みんな、どうしてるんだろうね?」

邦子「ねえ」

 

⚟︎(バイオリンの音)

 

蝶子「遠山の伊佐ちゃん、加代ちゃん」

邦子「フサちゃんにスエノちゃん」

蝶子「斉藤峰子!」

邦子「アハハ! 峰ちゃんは今や写真館の女主(おんなあるじ)だっていうでない」

蝶子「いやいや、そうなのさ」

邦子「養子迎えて」

蝶子「うん」

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懐かしき高女時代。

 

はる「そういう思い出あって、いいね」

蝶子「はるさんにだってあるでしょ?」

はる「女学校には行ってないから」

蝶子「いや、女学校じゃなくても」

はる「けどさ、昔の思い出話できる相手がいないもの。お二人は幸せよ。昔のさ、そういう思い出を昨日のことのように話せる相手がそばにいて」

蝶子「そうね」

邦子「しかも、東京でね」

蝶子「あれから10年以上もたったのねえ」

 

邦子「あ、岩見沢のあのパン屋さん元気かな?」

蝶子「ユーリーさん?」

邦子「うん! (はるに)ロシア人のパン屋さん、いたの」

はる「へえ~!」

蝶子「どうしてるんだろうね? やあ、生きてるかなあ。生きててほしいな。生きてるね、うん!」

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⚟︎(バイオリンの音)

 

⚟︎音吉「上がるよ!」

 

蝶子「あ、いらっしゃい!」

 

縁側から上がった音吉はバイオリンの練習している俊継に声をかける。「やってるね!」

 

⚟︎邦子「こんにちは」

 

音吉「こんちは!」茶の間から台所へ。「へえ~、何が出来るんだい?」

蝶子「それは、あとのお楽しみ」

音吉「あ、そう。うん、何?」茶の間の子供たちに呼ばれる。

加津子「ドーナツ」

俊継「ドーナツ」

音吉「ドーナツ? そら、楽しみだねえ! え! エヘヘヘっ、そうか」加津子が描いている絵を見る。「え? あら~、なるほど、加藤清正の虎退治か」

 

俊継はバイオリンの練習を再開する。

きらきら星変奏曲

きらきら星変奏曲

  • 仲道祐子
  • クラシック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

服部賢悟さんはマーちゃんと違い、普通の子役さんだと思う。「おしん」の134話に出てたらしい。竜三の兄の子。

 

加津子「違う! サーカスの虎と調教師のおじさん」

音吉「あ、そうか! そうか、そうか」バイオリンを弾く俊継を見る。「あら! 俊ちゃん、うまいな~。うまいよ!」拍手する。「ね! うん。ねえ」

俊継「なあに?」

音吉「あのさ」

俊継「なあに?」

音吉「頼みがあるんだけど」

俊継「なあに?」

 

音吉「一度、これ、触らせて?」バイオリンを指す。

俊継「いいよ」

音吉「壊さないからね! ちょっ、見せて。へえ~」

加津子「弾いてみて」

音吉「え! いいの?」

うなずく加津子。

音吉「ホント? いい?」

うなずく加津子。

 

台所の女性陣を気にして「ちょっと…こっち、こっちこっち!」と茶の間の隣の部屋に移動する音吉。「へえ~、いい? いくよ。こ…こうだっけ?」バイオリンを鳴らす。「おお、おお…出るね、出るね。へえ~」また鳴らす。

 

蝶子「音吉さんね」

音吉「ウハハッ、いや~。いや、一度、弾いてみたかったんだけどさ、お宅の旦那に言うと怒られるんじゃねえかと思って頼めなかったから」

はる「変な音出すと、食べ物まずくなるよ!」

音吉「何だよ」

邦子「一休みしよう。ね!」手拭いを蝶子に渡す。

はる「(音吉に)やめなさい」

蝶子「ねっ」

 

音吉「じゃ、もういっぺん。ね! いくよ」ギーギー鳴らす。

 

⚟︎連平「あっ、ダメダメダメ!」

 

加津子「おじさん、いらっしゃい!」

連平「こんにちは。あのね、音吉さんね、バイオリンてのはね、こうやって弾くの」

女心の歌

女心の歌

  • provided courtesy of iTunes

蝶子が時々歌ってたね。貴重な春風亭小朝さんの演奏シーン。

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連平「来ちゃった」

蝶子「え?」

連平「赤紙

手を拭いていた蝶子たちがフリーズする。

連平「召集令状」テーブルの上に赤紙を置く。

 

また「女心の歌」を演奏する連平。

 

蝶子「来たの?」

連平「来ちゃった」

 

♬~(バイオリン)

 

音吉「おめでとう」

演奏をやめた連平。「おめでたいっていうか…」

音吉「お国のために働けるんだ。そら、おめでたいに決まってますよ」

連平「あたしが?」

音吉「ええ」

連平「こんなきゃしゃなあたしが働けると思います?」

音吉「どこがきゃしゃなの?」

 

小朝さん、一番太ってた頃じゃない? 鶴太郎さんはもう痩せ始めの頃。

 

連平「子供の頃から乳母日傘で育ったあたしですよ。箸より重いもの持ったことないあたしが鉄砲なんて担げると思います?」

加津子「思う」

連平「…どうして?」

加津子「この前、加津子のこと持ち上げて肩車してくれたもん」

 

連平「箸より重いっていうのはね、言葉のあや」

加津子「あやって?」

連平「だから…」

 

音吉「兵隊には行きたくねえってことだよ」

連平「あたしが行ったら、かえって足手まといになるんじゃないかと思って」

音吉「それは逃げ口上だよ」

連平「いや、夢助が出征する時も『どうかな』と思ったんですよ。あたしが戦争行くようになっちゃ、おしまいですよ」

音吉「それは、そう思うけど召集が来たからには立派な兵隊になってもらわないと」

連平「どうなりますかね。ヘヘッ」俊継用の小さなバイオリンの弦をはじく。

 

野々村家前の路地

 

野々村家

神谷「入営は、いつ?」

連平「あさって」

 

台所で熱燗を作っている富子。「浜町の実家から出発だろ?」

 

⚟︎連平「そのつもりです」

 

熱燗を持って富子が茶の間へ。

 

連平「おふくろが『こんな名誉なことはない』っていう手合いだから。『国松んとこの三男はブラブラしてるばっかりでしょうがない』って近所の人に言われてたおふくろにすりゃ『胸張って出せる』って泣いて喜んでますよ」

 

      連平

    神谷  富子

←玄関 安乃  泰輔 台所→

    蝶子

 

富子に酒を注いでもらう連平。「あさっては、みんな見送りはいいですからね。だから、今日、こうやって来たんだから」

泰輔「…うん」

連平「あたしが兵隊になるってことについちゃ、随分、泣くやつがいるなあ!」

富子「ホントかい?」

連平「あれ?」

富子「神楽坂の辺りとか?」

連平「浜町は言うに及ばず、新橋、深川、向島…。そうだ! あさっては国防婦人会の見送りなしにして、きれいどころを20~30人ズラ~ッと、こう並べてね、日の丸の代わりに舞扇(まいせん)で送ってもらおう。軍歌もやめ! 人形町の師匠に新内のつま弾きやってもらって。どう、これ? ね!…どう?」

泰輔「いいけどさ…」

 

⚟︎風の音

 

蝶子「こういう時は、あれよね。決まったことしか言えないけど…。『元気で』ってしか…」

富子「そうだね」

 

連平「やだな、もう。そう改まらないでよ!」

神谷「あと生きて無事に帰ってくるように」

連平「大丈夫。あたしは死んだってかまやしません」

蝶子「何言うの!」

 

連平「あたしね…死んだら幽霊になるの。幽霊になってみんなのとこ順番に化けて出るんだ。社長んとこの酒なんかタダ飲みですよ!」

泰輔「冗談じゃないよ! うら若き美女ならいざ知らず、お前さんのような幽霊なんかお断りだよ!」

神谷「だから生きて帰ってくるしかないんだよ、連平さん!」

連平「大丈夫ですよ。そんな危ないとこ近づかないし」

富子「戦場は、どこだって危ないだろ」

 

うつむいている蝶子に気付く泰輔。

 

連平「そうかなあ。あ~あ、要さんに会えたらいいなあ!」

 

泰輔と目が合い、コップに入った飲み物を飲む蝶子。お酒ではなさそう?

 

連平「そしたら楽隊作って…。大丈夫! あたしは生きて帰ってきます」

うなずく一同。

連平「生きて帰ってきたら神谷さんみたいに若いおかみさんもうらうんだ」

泰輔「ケッ!」

 

連平「だけど…死にたくねえなあ」

富子「死んじゃダメ」

 

神谷先生が連平にお酒を注ぐ。

 

<その2日後、連平さんもまた応召していきました>

 

街の掲示板に貼られたポスター。金網でよく見えない!

 

岩崎家の縁側

神谷「うさぎのピョン太は考え込んでしまいました。たぬきのポン吉と犬のワン助は、どうしていつもケンカばかりするんだろう。2人は顔を合わせるといつもいがみ合っていたんです。みんなと仲よく暮らしたいなあ。ピョン太は、そう思って2人を仲よくさせようと決心しました」

 

神谷先生は加津子と俊継に話を聞かせ、蝶子と安乃と邦子は茶の間で向かい合って裁縫中。

 

⚟︎郵便屋「あ、こんにちは!」

 

神谷「こんにちは!」

郵便屋「郵便です」

加津子「ありがとう」

蝶子「ご苦労さま! (加津子に)誰から?」

加津子「え~と…」

神谷「お! 加津(かっ)ちゃんのお父さんだわ。ハハッ」

 

蝶子が慌てて縁側へ行き、加津子、俊継と読む。

 

要のハガキ「前略。日本を離れて早くもふたつき。軍隊生活にもようやく慣れました。洗濯、裁縫、あなた様の指導のおかげにてつつがなく励んでおります。皆々様にはお変わりありませんか?」

 

ハガキのアップになったけど、文面が全然違うような?

 

…申し訳ありません。

…を守って居ると…します。

…忙しいので自分も…

相変わらず元気で御奉公して戻ります

…等兵に進級、足らぬ…力は…

…がんばります。…は特別…

…で驚きました。

大きくなったでせう。…

 

1987年は、そろそろビデオも普及し始めてるので、分かる人には分かっただろう。

 

ハガキの宛名の脇には軍事郵便というハンコが押してある。

 

砲声と激しい雨の音

 

銃を杖代わりに歩いていた要が銃撃され、「蝶子!」と叫んで倒れた。

 

風と戦車の走行音

 

汗びっちょりで目覚めた蝶子。

加津子「大丈夫?」

蝶子「大丈夫」起き上がり、荒い息遣いで汗をぬぐう。

 

派手なパジャマだなーと思ったら、着物着たまま寝てたのね。

 

野々村家の電話が鳴る。

安乃「野々村です。…はい、はい。滝川からです」

富子「うん」

 

岩崎家玄関

蝶子「はい」

神谷先生が立っていた。

蝶子「あ、どうしたんですか、先生? 上がってください」

神谷「蝶子君! さっき、野々村さんの家に電話あってね…『お父さんが危篤だ』っていうんだ」

蝶子「父さんが…!?」

うなずく神谷。「野々村さんが『今夜の夜行で上野をたてるように支度してくるように』ということだ」

ぼう然とする蝶子。

神谷「支度、私も手伝うから」家に上がり、立ち尽くす蝶子の腕を引っ張る。「さあ、早くしなさい、ほら!」

蝶子「はい」

 

野々村家

荷造りする加津子と俊継を手伝う神谷先生と安乃。

 

電話している蝶子。「して? どんなさ? うん…うん、そうかい」

 

泰輔、富子も荷物を茶の間に持ってきた。

富子「私、いいの?」

泰輔「万一の時は呼ぶ!」

 

蝶子「とにかく今夜たつから。叔父さんと。しっかりね!」

 

夜、蒸気機関車が走る。

 

蝶子、泰輔、加津子、俊継が列車に揺られる。

 

<その夜、チョッちゃんは滝川へと向かいました>(つづく)

 

しかし、何で昭和19年にヒロイン周りの男性が一斉に召集される設定にしたんだろ? 言っちゃなんだが、もうとっくに出征し、戦死の公報も届くような時期じゃない? まして、30代より上の人ばかりだし。そこだけは気になる点。要に合わせた?

 

危篤という知らせを受けて汽車に乗って3日かかるんだもんな~! どうなる!?