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【連続テレビ小説】本日も晴天なり(136)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

昭和46年、元子(原日出子)は母と子の問題に的を絞ったルポライターの仕事を精力的に続けていた。トシ江(宮本信子)が順平(斎藤建夫)の子と遊びに来たが、児童相談所に取材に行ってしまう。時代は進み、女たちはたくましくなり、巳代子(小柳英理子)は二日酔いの祐介(赤塚真人)を叩き起こし、福代(谷川みゆき)は順平ぬきで仕事の段取りを決める。そんな中、大介(木下浩之)が10日ほど家に帰れないと言い出す。

しばらくBSのない環境におりまして、遅れ視聴しております。最終回までに追いつくぞ。これは2023年3月6日(月)放送分です。月曜日恒例ゆっくりバージョンのオープニング。

 

昭和46年 ”成田空港”強制代執行

 

史料映像から始まる。

www2.nhk.or.jp

↑他にも成田空港関連のニュース映像はあったけど、ドラマで流れたのとは違う映像だったな。ドラマで流れたのは第二次代執行だからかな?

 

昭和46年。この年で元号は明治を抜いて昭和が最長となりました。

 

↑そうか~。今まで考えたこともなかったけど、そうだよね。今後、昭和より長い元号はないだろうな。

 

大原家ダイニング

写真週刊誌?を見ている元子。「9月16日、午後3時過ぎ、第二次代執行終了。死者3、負傷159、検挙者およそ400…」

 

⚟トシ江「こんにちは」

 

元子「はい」

 

縁側

トシ江「はいはい…はいはい、俊平」

元子「あ~」

トシ江「ああ、こんにちは、元子」

元子「やだわ、私、今日はいないのよ」

トシ江「いるじゃないの、目の前に」

元子「だから、これから出かけるとこなの」

トシ江「そうやってまあ、人(しと)の顔を見ればバタバタとね」

元子「そういうわけじゃないけども、こっちの都合も聞かずにやって来るんだもの」

トシ江「いいわよ、時間が来たら帰るから、それまで留守番してるわよ。ね」

 

元子「あっ!」

トシ江「俊平! ほら! まあ、おいたはしないっていう約束だったでしょ」

元子「本当に小さい時の順平そっくりね、この子」

トシ江「しかたがないわよ、親子だもの、え。よその男に似られたら、それこそ大変だわよ。お上がりよ、俊平ね」

元子「はいはい」

 

あれから5年。トシ江には、もう一人、この孫が増えておりました。もちろん順平と福代の長男です。

 

茶の間

俊平「チョコレート、頂戴」

元子「今、歯医者さん行ってんでしょ。駄目」

俊平「い~だ!」

元子「そういうお顔になっちゃいますよ」

俊平「べ~だ!」

 

俊平…内田直弘さん。「おんな太閤記」の豊臣秀勝役で引っかかったくらい。

 

元子「まあ…。お母さんもそうだけど、順平たちも少し甘すぎるんじゃない?」

トシ江「甘いんじゃないのよ。忙しすぎるのよ、あの子たち」

元子「そうはいってもね」

トシ江「何言ってんのよ。あんたたちだってね、さんざん悪さして、おキンさんに追い回されてたくせに。今の子はね、きょうだいが少ないからかわいそうなんだよ」

元子「そりゃあ、そうだろうけど」

 

トシ江「出かけるの遅れるじゃないか」

元子「あっ。それじゃ、そこに電話番号書いてあるから、お昼、うなぎでもおすしでも好きなもの取って食べてて」

トシ江「頃合い見計らって帰るからね」

元子「うん。ねえ、順平たち、またやったの?」

トシ江「そうじゃないのよ。順平の方がやられてるわよ」

元子「まあ」

トシ江「けどさ、しかたがないんだよ。福代さんの言い分の方が正しいんだもの」

元子「あきれた」

トシ江「嫁の悪口なら御免だよ。私はね、福代さんに死に水取ってもらわなきゃなんないんだからね」

元子「はいはい。それじゃお願いしますね」

トシ江「ああ。電話がかかってきたら何て言っとくの?」

元子「うん、児童相談所へ参りましたって」

トシ江「分かった。そいじゃ、行っといで」

元子「はい」

 

藤井家

鏡台で化粧する巳代子とベッドで布団をかぶっている藤井。

巳代子「ねえ、私、出かけるのよ」鏡越しの会話

藤井「う~」

巳代子「ねえったら、いいかげんにしてよ。私、決まりがつかないのは、だらしがなくて嫌いなんだってば」

藤井「あ~、ほっといてくれ…」

巳代子「祐介さん! 冗談じゃないわよ。ほら、一体何時だと思ってるのよ」布団をめくる。

藤井「胃が…」

巳代子「いい気になって遅くまで飲むからです!」

藤井「何言ってんだよ。つきあいだよ、商売だよ」

巳代子「あなた、いつから銀座のバーやゴルフ場をお持ちになったんですか!」

藤井「えっ…何だと?」

巳代子「だって、この間のゴルフも商売だったんでしょ?」

 

藤井「何だよ、その口紅は」

巳代子「口紅?」

藤井「いい年して赤すぎますよ」

巳代子「あら、そう? 洋服の色に合わせたんだけど」

藤井「それにしても程度もんだよ。チャラチャラするんじゃないよ」

巳代子「チャラチャラですって?」

藤井「そうじゃないか。人のこと言うくせに君だって何だい、え、誰に見せるんだか知らないけど、めかすだけ、うっ…」

巳代子「ばかばかしい。仕事ですよ、仕事!」

藤井「だから、僕も仕事なんですよ…」

巳代子「あっ、そう! 時間なんで出かけますけど、今日の私のスケジュールは、その机の上に書いといてあります。よろしく!」ガン!と勢いよくドアを閉める。

藤井「うっ…」頭を抱えてベットから落ちた!?

 

昭和のモーレツ社員ってこのくらいの年代だろうかね? 「プロジェクトX」の再放送を見た時に長生きされて番組に出演する社員の方もいる一方、無茶な生活で40代、あるいは退職されてすぐ亡くなる方も多かった印象。

 

吉宗

店の手前には菊の花。

福代「毎度、ありがとうございました」

男「よろしくお願いします」←セリフはあるのに、キャストに名前は出ていない。

福代「はい」

 

巳代子「こんにちは」

福代「あっ、今からですか?」

巳代子「大日本テレビとそのあと女子大での講演なの。まだ寝てるんだけど、あとでこぼしに来たら適当にあしらっといてね」

福代「はい、承知しました。行ってらっしゃいまし」

巳代子「それじゃ」

 

店の中に戻る福代。

順平「おい、吉田屋さんは?」

福代「今、お帰りになりました」

順平「おい!」

福代「大丈夫ですよ。柄のことは、お義母(かあ)さんがちゃんとおっしゃっていかれたとおりにしたし、期日は来月5日納入で承知しておきましたから」

順平「承知しといたからってね、お前、こっちにはこっちの手順っていうもんがあるんだぞ」

福代「だから手順どおりにやってくださいな。そしたらきちんと5日には間に合うはずよ」

順平「お前は俺に指図する気か、え」

福代「とんでもない。あなたは社長、私は営業担当重役だから社長のあなたが忙しい時には専務のお義母さんとちゃんと相談して仕事を進めてるんじゃありませんか」

順平「けどな」

福代「ごめんなさい、私、チビがいない間にやってしまわなければならないことがあるんですよ。ああ、忙しい」

無言でうなずく順平。

 

5年の間に女たちは更にたくましさを増したようです。

 

荒川児童相談所

所長室

ノックする元子。

 

⚟女性「はい」

 

元子「失礼いたします」

 

武藤「あっ。ごめんなさい。ちょっとそこで待っててくださる?」

元子「はい」

武藤「あのね、あちらが先約なの。それだけのことだったら、うちへ帰って2人でよ~く考えてみてちょうだい。ね」

里子「よく考えましたもん…。先生、何回も意地悪、嫌い…」

 

相談所所長…山口仁奈子さん。テレビドラマだと1962年から1991年くらいまで「七人の刑事」や時代劇などに出演。映画は「黒部の太陽」の女性事務員、「八つ墓村」の小梅役。

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里子…野呂瀬初美さん。映画数本のタイトルがお色気系? 

 

大原家ダイニング

テーブルで何かしている俊平と台所で料理をするトシ江。「あっ、こら、俊平。ほら、もう机に傷がつくじゃないの。これはね、正道伯父さんが何だか難しい勉強して、これ作ったんだから。ねっ、こんなことしたら駄目じゃないの。分かった? ね?」

うなずく俊平。

トシ江「うん」

 

戸が開く音

トシ江「おや、誰か来たみたいだ。ねえ、俊平、ちょいと…ちょいと行ってきておくれよ。ねっ」

俊平「は~い」

トシ江「ああ、いい子だね」

 

玄関

俊平「あっ、大介にいちゃん」

大介「おう、俊平ちゃんか。誰と来たんだ?」

俊平「おばあちゃんと」

大介「ふ~ん。さあ、行こう」廊下を歩いていく。

 

大介…木下浩之さん。演劇集団 円渡辺謙さんと同期。このドラマって円の人が多く出演している。今は俳優というより声優という感じなのかな。原日出子さんより一つ年上。見た目は正道に似ている。中3の大介はちょっとがっちりしてたから、中1の頃の大介の路線かな。

 

ダイニング

大介「いらっしゃい。ハハ…」

トシ江「あっ、お帰り。どうしたの? 大学」

大介「うん…。何やってんの?」

トシ江「いたずら。フフ…」

大介「たまに来た時ぐらいゆっくりしていきなさいよ。そんなことをしていただくと母さん、ますますいい気になるだけだから」

トシ江「まあ、いいじゃないの。私はね、お父さんや大介に食べさせたいだけなんだからね。うちじゃあ、福代さんが何でも手早くやってくれるから、ゆっくり煮物をするってこともないし。ここに来た時ぐらいね、好きに台所立ちたいわよ」←セリフだと”だいどこ”

大介「貧乏性だなあ、本当に」

トシ江「それが健康の秘訣(しけつ)なんだって」

大介「それ、母さんの受け売り?」

トシ江「とんでもないわ。あっ、大介、その、ちょっと高野豆腐ちょいと味見ておくれ」

大介「はい」高野豆腐を食べかけるが箸を止める。「ねえ」

トシ江「うん?」

大介「5か月過ぎたら、普通、もう中絶はできないんだよね」

トシ江「ああ…」

 

児童相談所

里子「そんなこと言ったって、別に産みたくて産んだ子じゃないんですもん」

武藤「じゃあ、どうして産んだんですか」

里子「だって、それは出来ちゃったんですもん」

 

後ろで話を聞いていて驚く元子。

 

武藤「あのね、妊娠して出産したら、それは既に一個の人格を備えた人間なの。命なのよ。それをですね…」

里子「私は、ここへ来たら子供を預かってくれるところを紹介してくれるというから来たんで先生の文句を聞きに来たんじゃないわ」

 

渋い表情の元子。

 

武藤「困りましたねえ。ここは確かに子供の正しい育成について相談を受ける所ですよ。でも、お宅の赤ちゃんには、あなた方両親がちゃんといるじゃありませんか。親と暮らせないお子さんと一緒にはできませんよ」

里子「でも、彼、泣いてうるさいと怒るんだもん」

武藤「そりゃ生き物だもの、泣きますよ。でも、赤ちゃんが泣くっていうのはね、ある要求を伝えてるからなの。だって言葉が分からないんですもの、ほかに方法がないでしょう」

里子「だから、小学校を出るまで預かってほしいのよ。ねっ、どこかそういうとこないか教えて」

武藤「じゃあね、今度はご主人と2人で一緒にいらっしゃい。その時、よ~く相談しましょう。あちらをあんまりお待たせしてもいけないしね」

里子「じゃあ、きっとよ、今度は彼を連れてくるから子供預かってね」

武藤「よ~く相談した上でね」

里子「それじゃ、さようなら。どうも。(元子に向かって)バイバイ」

あきれ顔の元子。

 

武藤「ふう~。驚いたでしょう」

元子「いえ、驚いたっていうよりも頭に来ましたわ」

武藤「ところが頭に来てばかりもいられないのがこの仕事でね」

元子「どうもすいません。あっ、私が致しますから」

武藤「大原さん…」

元子「いいえ、もう先生のところへは勝手知ったる何とやらというぐらいに通わせていただいてますから」お茶を入れる準備をする。

武藤「そういえばコインロッカー事件の時からでしたねえ」

ja.wikipedia.org

元子「今の娘さん…いえ、あれでも母親なんでしょうけど赤ちゃんどれぐらいなんですか?」

武藤「そうねえ、そろそろ3か月かしら」

元子「子供が泣くのは当たり前じゃないですか。父親もいて何考えてるんでしょうね」

武藤「二十歳なのよ、それが」

元子「二十歳ですか!?」

武藤「ええ。実はね、今の娘さん、私の知り合いのうちの娘さんでね、年は19なんだけど、親が初めてここへ連れてきた時は、もう6か月の身重でね。で、しかたがないんでちゃんと結婚して子供も産むっていう結論になったんだけど、でも産むっていうことは育てることだって、これがどうしても理解させられなくてね。あのね、今の若い人っていうのは産むこと自体には何の抵抗も不安もないらしいのね。で、産んでもまるで着せ替え人形みたいに赤ちゃんを楽しむみたいなの。ところがその赤ちゃんが泣いたり、おむつの洗濯が負担になったりすると、もう犬か猫の子みたいに預かってくれって、あれなのよね」

元子「その父親の方は何をしてるんでしょう」

武藤「学生さんですよ、まだ」

元子「学生…?」

武藤「あ~、おいしい。え~っと、荒川事件の坊やのことでしたね」

元子「はい」

 

近頃の元子は45年に起きた新生児コインロッカー遺棄事件をきっかけに現代の母と子の問題に的を絞ってルポライターの仕事を精力的に続けていました。

 

新聞記事の見出し

また袋づめ赤

ちゃんの死体

 

泣く子に「うるさい」

若い母親乳児の口押え死なす

 

また赤ちゃんの死体

  二件 デパートとゴミ集積場

 

夜、大原家ダイニング

手酌でビールを飲みながら何か紙を見ている正道。「おう、お帰り」

元子「あっ、今日早かったんですね」

正道「うん、ちょっと家でやる仕事があったからね。飯は?」

元子「ええ…」

 

荷物を抱えて大介と道子が入ってくる。

大介「僕、ちょっと10日間ほど帰れませんが」

元子「帰れないって、どこへ出かけるの?」

大介「ええ」

正道「おい、どこへ行くんだ」

大介「友達のところです」

元子「友達って?」

大介「大丈夫だよ。電話番号は道子が知ってるんで何かあった時はちゃんと連絡がつきますから」

元子「ちょっと待ってよ、あんたまさか成田へ行くんじゃないでしょうね」

大介「あっちの方も気になるけど、僕、今、いろいろ忙しくて…」

元子「それで、お友達っていうのは誰?」

大介「うん…母さんはまだ会ったことないけど」

道子「サークルで一緒だった人よね、お兄ちゃん」

大介「ああ」

元子「もちろん、そのお友達っていうのは男性なんでしょうね」

大介「いえ」

元子「女の子なの?」

大介「はい」

元子「大介」

 

道子…川上麻衣子さん。3Bからの最後の刺客! 「本日も晴天なり」から「おしん」につながったキャストでもある。ホントに多いなあ。

 

つづく

 

帰ってきて続けざまに11日分見てしまった! そして今朝の回も追いついて見た。ヒロインの子供が大きくなるとつまらなくなるというのは朝ドラあるあるだけど、このドラマはその時起こった事件と絡めてあって面白く感じる。モデルになった近藤さんのプロフィールには5年ほどルポライターをやって、その後、作家になったらしいけど。

 

私の場合は「カーネーション」でヒロインの子供たちが大人キャストになった1週目が一番つまらなく感じたな。その後は慣れたけど。

peachredrum.hateblo.jp

↑この映画は昭和48年だからまさしくこの時代。この映画の中で先生の前でキスして停学になり、中退して田舎のストリップ小屋でストリッパーになった麗子みたいなのがあっけらかんとしていて里子と重なるなあ。まあ、時代というより、こういう人っていうのは、どの時代にもいそうな感じはあるけどね。

 

つい最近もコインロッカーに赤ちゃんが…っていう事件があったばかりだしね。