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【連続テレビ小説】本日も晴天なり(128)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

三羽烏対談の時の写真を見ながら巳代子(小柳英理子)や順平(斎藤建夫)たちが楽しく笑いあう中、元子(原日出子)は二階で宗俊(津川雅彦)の背中をさすっていた。だいぶ楽になったという宗俊だが、明日医者に行くと約束する。元子とゆっくり話をして、眠くなった様子の宗俊に、水差しを持って来ると階下へ降りる元子。トシ江(宮本信子)が水差しをもって先に上がり元子がつづく。天井の電灯を消そうと宗俊を何気なく見ると…。

オープニングに家族や親せきの名前がずらり。その中に、のぼる、悦子、草加の名前も。草加!?

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桂木家茶の間

人形町三羽がらすの写真を見て笑っている大介、道子、巳代子、弘美、順平。長火鉢の前にいるトシ江。

大介「つまんないの。これを見せたらおじいちゃん、絶対元気になると思って持ってきたのに」

順平「元気は元気なんだよね」

大介「けど、寝てんでしょう?」

巳代子「あれは、ふて寝」

大介「ふて寝?」

巳代子「うん。ほっとくと風邪ひいてるくせにむちゃやるから、みんなで脅かしたら、今度はすねて寝ちゃったの」

トシ江「けど、ふて寝にしちゃおとなしすぎるわよ。本当、大丈夫かしらねえ」

 

福代「何やお義姉(ねえ)さんと話し込んでらっしゃるようですよ」

トシ江「あ~。私には何にもしゃべってくれなかったのにね」

 

巳代子「ねえ、今晩、私、泊まりましょうか」

トシ江「ん? どうして?」

巳代子「夜中にお水だトイレだって旅行やめさせられた敵取られたら、お母さん大変だもの」

トシ江「それより、あんたいいの?」

巳代子「何が?」

トシ江「だって、正道さん来てるんだろ。男2人ほっぽり出しといていいの?」

巳代子「あっ、いけない。今度はこっちにお鉢回ってきたみたい」

トシ江「当たり前でしょ。仕事の打ち合わせだろ」

巳代子「は~い。弘美、帰るわよ」

弘美「はい」

巳代子「道子ちゃんも来る? 帰りにお母さん寄ってもらえばいいんだから。ね」

道子「うん」

巳代子「それじゃあね、お母さん。どうも」

トシ江「はいはい…」

 

去り際に順平と将棋してる大介の頭を小突いたのは道子か。

 

宗俊の部屋

宗俊の背中をさする元子。「どう?」

宗俊「ああ、だいぶ楽になったようだ」

元子「けど、背中が重いっていうことは…」

宗俊「あ~、大丈夫(でえじょうぶ)だ。明日な、医者に行ってみらあ」

元子「本当よ」

宗俊「ああ」

元子「じゃあ、お母さんにそう言っときますからね。明日になってごまかしたら承知しないわよ」

 

宗俊「おい、きつい女だなあ、え。おめえ、嫁さんがそんな口きいたら、お前、とっくに離縁だぞ」

元子「大丈夫よ。正道さんの前じゃね、そんな乱暴な口はききませんから」

宗俊「ハハハハハハ…」

元子「けど、お母さんもよくこんなご亭主に辛抱したもんだわね。感心しちゃう」

宗俊「それがおめえ、あいつのいいところだ」

元子「あら、今度はおのろけですか」

宗俊「分かったか?」

元子「よくもヌケヌケと」

宗俊「ハハ…。あ~、しかしな、あいつにはさんざんっぱら、おめえ、苦労かけちまったけどよ、しかし、順平が持つもの持ったんで安心したんだな。あの福ちゃんってのは、ありゃ、結構拾いもんの嫁だぜ」

元子「ええ」

 

宗俊「トシ江もな、あの嫁さんが来てから、おめえ、ぴたりと正大の名前を口にしなくなった…。あの松江に2人で行ったのが、まあ、2人だけの旅って言えば…言えるけどよ、今度、バス旅行をやめた代わりにひとつ温泉へでも連れてってやるかな」

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元子「そうよ、それがいいわよ、お父さん」

宗俊「山の湯がいいかな。紅葉がきれいだぞ」

元子「そうねえ。肩、寒くない?」

宗俊「ああ、もういいよ」

元子「そう?」

宗俊「くたぶれたろ、トシ江」

 

意識混濁状態?

 

元子「トシ江…。ううん、触ってたようなもんだから。ねえ、この際、白状しておくことがあったらしておいた方がようござんすよ」

宗俊「うん?」

元子「心臓病なんだからね、お父さんは。もしもぽっくり逝ったとしてよ、後で実は、なんて見たこともない弟や妹が訪ねてきたりしたら大変だもん」

宗俊「ハハハハハ…」

元子「ん…笑ってごまかそうったって、そうはいきませんよ」

宗俊「そん時ぁな、日本橋人形町生まれ、吉宗の総領娘としてよ、見事に裁いてみねえな。俺ぁな、草葉の陰からよ、お手並み拝見としゃれさせてもらうぜ」

元子「まあ」

 

宗俊「あの本は、いつ出るんだ?」

元子「えっ?」

宗俊「あの写真と男3人のおしゃべりだ」

元子「今月の25日」

宗俊「ふ~ん。あ~」

元子「疲れたんじゃないの? 少し寝ますか?」

宗俊「ああ」

元子「それじゃ、今、お水持ってくるから、枕元へ置いときますからね」

宗俊「ああ」

 

一人になった宗俊のアップ。深い息遣い。ハイビジョンだから、メイクで書いたしわがはっきり見えるのね。

 

茶の間

順平と大介は将棋を打っている。

 

トシ江「背中が痛いって?」

元子「うん。それだけがちょっと気になるんだけど、明日、一度お医者さんに診てもらった方がいいんじゃないかしら」

福代「これでええんですか?」水を持ってくる。

トシ江「ああ、いいよ。私が行くから」

元子「じゃ、私ももう一度のぞいてから帰るわ」

大介「あっ、じゃあ僕もさようなら言ってくる」

元子「寝てるのよ、おじいちゃん。起きちゃうじゃないの」

 

順平「はい、よし、これで王手だ」

大介「え~、ずるいよ、叔父さん。じゃ…王手!」

 

宗俊の部屋

寝ている宗俊の枕元にトシ江と元子が座る。

トシ江「明かり、小さくしておくかね」

元子「そうね」立って電灯に手を伸ばし、ふと宗俊を見ると、目が開いていた。「何? 消さない方がいいの?」

宗俊の開いていた目が一層大きく開く。

元子「お父さん!」

トシ江「あんた!」

元子「お父さん!」

トシ江「あんた!」

元子「お父さん…!」

トシ江「あんた!」

 

元子「誰か! 早くお医者さんを! 順平! 福代さん!」

 

トシ江「ねえ…あんた!」

 

階段下から大介、順平が顔を出す。

元子「大介! お父さんを! 祐介叔父さんを早く!」

大介は外へ、順平は2階へ、福代は電話をかける。

 

宗俊の部屋

トシ江「何か…何か言って…」

元子「お母さん、あっち…ね。お医者さん、早く連れてきてちょうだい。ね」

順平「母さん、母さん…母さん」

トシ江「もう、先生、先生…。ほら、林先生…林先生、早く呼んできて!」

順平「分かった! 母さん、頼むよ!」

トシ江「あんた…。あんた…」

元子「大丈夫よ、すぐお医者さん来るから。お母さん!」

宗俊の見開かれた目が閉じた。

元子「お父さん! お父さん…お父さん!」

 

部屋に入って来た巳代子、祐介、正道。

元子「お父さん!」

トシ江「あんた!」

 

正道「巳代子さん、お義母(かあ)さんを頼む! 祐介君、善さんと彦さんに知らせてモンパリへ電話だ!」

藤井「はい!」

正道、藤井は部屋を出ていく。

 

元子「お父さん!」

巳代子「お父さん!」

 

吉宗

座り込んでいる彦造。

洋三「彦さん!」

下を向いたまま静かに首を振る。

絹子「兄さん…兄さん!」家の中へ入っていく。

 

福代「叔父さん…」

洋三「お医者さんは?」

福代「今、お帰りになりました」

洋三「みんな、2階だね?」

福代「はい。あの…」

洋三「うん?」

福代「お義母さんをお願いします。私たちの部屋におりますけん」

洋三「分かった」

 

福代「彦さん…」

元子「福代さん」

福代「はい」

元子「お父さんの新しい下着どこかしら」

福代「はい、ただいま」

 

絹子の泣き声が聞こえる。

 

宗俊の部屋

善吉「湯を持ってまいりました」

正道「あっ、どうもありがとう。さあ、順平君」

順平「はい」

 

友男「湯かんかね」

正道「ええ。まずはひげをそって差し上げようと思いまして」

幸之助「頼む…俺にもそらせてくれねえか」

正道「お願いします。お義父(とう)さんもきっとお喜びだと思います」

幸之助「けどよ、こんなに急に逝っちまうなんて…。なあ、宗ちゃん!」

順平が宗俊の顔に髭剃りクリームを塗る。絹子は部屋を飛び出して、洋三のもとへ。

 

元子「お母さん、どれ着ていってもらいますか」

洋三「大丈夫ですか、義姉さん」

巳代子「言ってくれれば、私たちが見るから」

トシ江「大丈夫。私がやります」横になっていたが起き上がる。

絹子「義姉さん…」

トシ江が元子が持ってきた着物を選ぶ。

 

宗俊の部屋

手を組んで布団に寝ている宗俊の顔に白い布をかけるトシ江。

 

桂木宗俊、享年62歳。早いといえばあまりに早い死でしたが、使い慣れた片切の小刀1本、胸に抱いて正大や金太郎の待つあの世へ旅立っていきました。

 

昭和40(1965)年だから、1903年生まれで明治36年生まれ。毎度驚くけど、吉行あぐりさんって明治40年生まれで、宗俊とそんなに年が変わらないんだよね。おしんは、昭和天皇と同じ年という設定らしいので、1901(明治34)年生まれ。

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裏の干し場で彦造が丸くなって泣いていた。

 

吉宗

木遣りが流れる。路地には花輪がずらっと並び、木遣りを歌う法被を着た男たちが並ぶ。オープニングクレジットにいた”は組頭中”というのはこの人たちかな。

真鶴・手古 <江戸木遣り>

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のぼるや悦子はここにいた。

 

順平が位牌を持ち、大介が遺影を持つ。

 

家の中から棺が運び出される。棺を運んでいたのは、正道、藤井、友男、幸之助、善吉、あと一人知らない人が”職人”役の人だろうか?

 

職人…弓場俊次さん。1960年代の映画が2本引っかかったくらい。

 

トシ江を支えるように両脇に歩く元子と巳代子。

 

彦造「旦那…旦那! 旦那! あんまりだよ…あんまりですぜ。わしより先に逝っちまうなんてあんまりじゃねえですか、え、旦那…」棺に縋り付いて泣く。

幸之助「彦さん…」

 

元子は棺の後を歩いていて、ふと手を合わせている人に目をやる。それが草加

 

先頭が位牌を持った順平、次が遺影を持った大介、次が棺を運ぶ男たち、その後ろにトシ江、元子、巳代子、その後ろが福代、弘美、道子、その後ろが洋三、絹子夫婦、その後ろに陽子、平八郎夫婦。その後ろが銀太郎とキン。

 

つづく

 

いや~、津川雅彦さん(当時41歳)の演技がすげえわ。昔の朝ドラは冠婚葬祭を丁寧に描くよね~。そした、驚いたのは草加。どこで情報聞きつけた!? 雑誌が発売されたあとだったのかな? は~、何も言えません。