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【ネタバレ】黒部の太陽

1968年 日本

 

あらすじ

昭和30年代、黒部峡谷に巨大なダムを建設する世紀の難工事。トンネルの掘削や次々起こる困難に、不屈の精神で挑んだ男たちを描く人間ドラマ。現場責任者の北川を三船敏郎、下請け会社社長だった父に代わり、工事を指揮する岩岡を石原裕次郎、昭和を代表する2大スターが製作も手がけ、名優たちが共演、大ヒットとなった超大作。今回は、1968年(昭和43年)に劇場公開された3時間を越えるオリジナル完全版を放送。

BSシネマで3月に録画していたもの。先日、「プロジェクトX」の再放送で黒部ダムの回を見たばかりでした。3時間超えの作品でオープニングに並んだ名前がすごいこと! 「はね駒」のりんの祖父の山内明さんと「澪つくし」の高神村長の内藤武敏さんを見つけた。この時代のバイプレイヤーズだね。

 

三船敏郎さん演じる北川の家にやってきた間組の国木田(加藤武さん)が関西電力の北川の長女・由紀(樫山文枝さん)が大学出で幼稚園の先生をしている独身と聞き、同席していた岩岡土木の岩岡源三(辰巳柳太郎さん)の息子も京大出で図面屋をやっていると知り、この二人をくっつけなくては!と息子の岩岡剛(石原裕次郎さん)の会社に「父親が危篤だ」と嘘の理由で呼び出し、顔合わせをした。うーん、昭和はこれで結婚が決まっていくのか。

 

岩岡息子は父が黒四ダム工事に参加することを知り、危険すぎると反対し、つかみ合いのケンカになってしまった。

 

志村喬さん、佐野周二さん、芦田伸介さん、岡田英次さん、大滝秀治さん、宇野重吉さん…まだまだ出るぞ〜。宇野重吉さん演じる森の息子が寺尾聰さん。若〜い。セリフも初々しく父の眼差しが温かい。この作品がデビュー作か。

 

昭和13年の黒三ダムでは300人近くの犠牲者が出たとベテランの森が話した。トンネル内を褌一丁で作業する人夫たち。高温でフラフラになって倒れた人夫を現場監督が棒で叩いて起こす。戦時中なので軍の監視の元だった。あれは現場監督じゃなく軍人か。

 

黒四ダムも現場の検分や細い足場を踏み外すなどしてすでに犠牲者が出ている。崖を落ちる人間はいかにも人形だけど仕方ない。

 

由紀と剛は二人きりで会っている。そして二人の仲を北川も認めている。早い。三船敏郎さんと石原裕次郎さんの2ショットすげえ〜。

 

源三の膝はもう限界。1年くらい休んでろと医者に言われた。この医者が内藤武敏さん。由紀から預かった荷物を北川に届けにきた剛は源三と再会。剛は父を人の命をなんとも思っていない人間だと断じた。剛のまだ年若い兄に発破作業をさせ、兄は爆死。それが元で両親は離婚し、剛は母親について東京から去っていた。またも殴り合いのケンカになる親子だったが、剛は現場に残り、父の仕事を見守った。

 

いざ工事が始まると源三は倒れてしまい、自ら悪い方の脚を棒で叩いた。ひえ〜。周りの労務者に止められ、みんなで押さえつけて医者の元に連れて行かれた。残った剛が指揮をとることになった。

 

順調に進んでいたトンネル掘りだが、ある地点から水が溢れて止まらない。盤ぶくれを起こしていて補修工事をするが不吉な物音。山鳴りがし、全員退避を命じる北川だったが、源三が現場に戻ってきた。また殴り合う親子。とうとう大水が出て、人や物を押し流した。

 

この後、いきなり黒バックに白文字で“休憩”第一部の名場面が静止画で流れ、第二部へ。

 

学者達が破砕帯の説明を会議室でしている。源三は寝たきり!? 水抜き作業へ。みんな人力なんだよね〜。トンネル内で作業する北川の元に由紀から速達が届いた。次女の牧子(日色ともゑさん)が貧血で入院し、連日輸血をしているという内容だった。

 

本坑の他に別のトンネルも掘り始めたが、ガス発生や鉄砲水でなかなか進まない。会議室で石原裕次郎さんの隣に座ってるのが山内明さんかな。

 

剛が由紀に呼び出された。牧子がいよいよいけないらしい。今こういう言い方しないね。なーんで、妹のことを父親じゃなく恋人に話すんだよ!?と思ったけど、今大事な仕事してるから 言わない方がいいということになった。

 

しかし、剛が所長(佐野周二さん)に話し、所長の計らいで本社に行く用事を作り、牧子の入院先に顔を出すことができた。貧血症だと聞かされていた北川はその日のうちに現場に戻ろうとしたが、妻の加代(高峰三枝子さん)から白血病であと1年持たないと聞かされた。

 

工事が長引き、心配する労務者の家族から「チチキトクスグカエレ」「ハハキトクスグカエレ」と偽りの電報が届き始め、当初700人いた労務者が500人を欠けるほど減っていて、残った者たちの士気が下がった。労務者の補充がなければ、今の3交代から2交代にするという北川にさすがに無茶だと剛も止めた。

 

関西電力の社長自らトンネルに訪れ、会議室に戻り、何億かかってもいいから工事を進めてほしいと言った。言ってみたいねえ、そんなセリフ。

 

現場で犠牲者が出た。岩岡班には「男はつらいよ」の3代目おいちゃんの下條正巳さんや下川辰平さんがいる。佐野浅夫さんは事故の犠牲者。しかし、犠牲者が出たのは剛のせいだとみんな現場を去って行った。

 

冬が近付き、水も少なくなってきた。由紀と剛の結婚は年末に決まった。牧子さんのこともあり…って、え!?

 

昭和32年12月2日 破砕帯突破。

 

予定通り剛と由紀の結婚式が行われた。そこに牧子の姿も。奇跡の復活か元気なうちに…なのか!?

 

森の息子、賢一が事故に遭い、入院。父は息子に付き添った。

 

昭和33年2月22日 あと数十メートルでトンネルがつながる地点まで来た。国木田のいる間組側から発破をかけたが、まだつながらなかった。

 

2月25日 再び発破をかけるがまたしてもダメ。休憩して午後6時から徹夜で作業することになった。そのまま続けたかった剛は一人残って削岩機で掘り始め、トンネルの向こうに削岩機が届いた。

 

労務者が走って集まり、午後7時40分 発破により、開通。トンネルには沢山の樽酒が届き、酒盛り。最初はひしゃくでくんでたのにだんだんヘルメットにくんだりしてる。飲みたくねえ〜。

 

「ゴゴ3ジ クロヨンノ カンセイヲ イノリツツ マキコ シス」北川はそんな電報を受け取った直後、涙ながらに挨拶した。トンネル開通に感動していると周囲の者は思っていて、歓声を送る。

 

寝たきりになった源三は「与一…与一…」と亡くなった長男の名前を言いながら亡くなった。

 

再びトンネルを訪れた北川。今や立派に舗装され、山男達がバスで肩を組んで歌を歌う。黒部ダムの慰霊碑に集う、北川、登山ルックの剛、森夫妻…賢一はそのまま亡くなったのかな。「はね駒」にもあったけど、子供を亡くした親たちって今より多かったのかな。引きの黒部ダムが映って終わり。

 

長かったけど面白かったな〜。 この映画は第三工区の熊谷組中心(山内明さんは熊谷組の工事課長、その他はほとんど岩岡土木の人たち)で、この間見た「プロジェクトX」は反対側のトンネルを掘っていた第一工区の間組大滝秀治さんもこっち。ほとんどヘルメットかぶってる役だったけど、声で分かる。

 

そういえば、録画リストの中に高倉健さんの「海峡」も入ってます。こちらは青函トンネルの話で「プロジェクトX」のこの話は見逃しちゃったんだよなー。