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【連続テレビ小説】芋たこなんきん(17)「かぜひき」

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

風邪ひきだらけの徳永家で、さらに健次郎(國村隼)の妹・晴子(田畑智子)が温泉旅行でケガをして帰ってきたため、もう一晩泊まることになった町子(藤山直美)。翌朝、晴子が健次郎と言い争っている。晴子は、足をケガしたまま、病院へ出勤しようとしていたのだ。研修医の晴子は、今日行われる手術で第一助手の大役を務めて自分をアピールし、医者として認められたい思っていた。健次郎は、そんな晴子のわがままを制する。

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昨日の振り返りから

トイレ前

町子「晴子さん?」

健次郎「どないしたんや?」

 

トイレで後ろ向きに倒れている晴子。「イテテ…」

健次郎「晴子?」

晴子「イテテ…」

町子「中でひっくり返ったんやわ。あの足やもん」

健次郎「おい。(ドアに手をかける)あっ、開かへん。起き上がれるか?」

 

晴子「え…。い~…」

健次郎「ああ…。しゃがんだまま後ろに倒れて段差にはまっとんな」

町子「救急車呼びましょうか?」

健次郎「そんな大層な」

町子「消防車呼びましょうか? ね?」

健次郎「あんた、何がしたいねん。おい! なんとか鍵に手ぇ届かへんか?」

 

晴子「え…あ…もうちょっとでなんとか…」

健次郎「ああ、鍵さえ開いたら」

町子「頑張って!」

喜八郎「気張れ!」

 

晴子「あっ、届いた! あっ、開いた~」

健次郎「よっしゃ!」

晴子「あかん!」

健次郎「何で?」

晴子「鍵開いたけど、戸開けたらあかん」

健次郎「何やそれ? どっちやねん?」

町子「当たり前やないの」

振り返りここまで。

 

風邪ひきだらけの徳永家でさらに晴子がけがをしたため、もう一晩泊まることになった町子です。

 

イシ、登と隆、由利子がそれぞれ布団で寝ている。あ、登は起きていてキョロキョロ。

 

徳永家茶の間

町子「デリカシーがないわ。中でひっくり返ってんのに開けようとするなんて」

健次郎「何が恥ずかしい。僕は医者やで」

町子「それは関係ありませんよ」

健次郎「そやけどな、あいつがまだ小さい時、風呂入れてたんは僕やで」

町子「女の恥じらいというものです」

 

健次郎「女のねえ…。あ、そやけどな…昔、温泉場でな、間違うて女性の脱衣場の戸を開けてしもたことがあんねん。その時にな、『キャ~』言うて皆、顔、隠しはったで」

町子「そら、よう分かるよ」

健次郎「男は前を隠すのや」

町子「私はそういう場面に遭遇したことがないので分かりません」

健次郎「あのな、人の体ちゅうのは、ようできててな、手の長さいうのは、そういうことのできる長さにつくられてはんねん」

町子「それ、ほんまかなあ…」

 

健次郎「ほんまや。女は自然に逆ろうてます。頭隠して肝心の…」

町子「あ、もう…もう、その、その、その先は言わんでよろし」

健次郎「はい。ほな、僕は寝ます」

町子「では、おやすみなさい」

健次郎「おやすみ」

町子「フフフッ」

柱時計の時報

 

健次郎は登の部屋に行く。

登「何や、お父ちゃんか」

健次郎「『何や』て何や? お前。町子おばちゃんが後でリンゴすってくれるて」

登「今日も泊まんの?」

健次郎「うん」

登「やった~!」

登の顔をじーっと見つめる健次郎。「お前…」

 

診察室でレントゲンを背に落ち込む?晴子。

 

イシの寝室

町子「失礼します」

イシ「はい」

町子「どないですか?」

イシ「あ…いや、おおきに。おかげさんでだいぶようなりました」

町子「欲しいもんがあったら言うてくださいね」

 

イシ「何や久しぶりにゆっくりさしてもろて…おおきに。大変でしょ? 大きいのから小さいのまで…」

町子「ほんまですね…。けど、にぎやか~で楽しいです」

イシ「いや~…」

 

台所

リンゴをする町子。健次郎が来たことに気付く。「何?」

健次郎「あのな…あいつ、登な…何ともないねんて」

町子「へ!?」

健次郎「風邪なんかひいてへん」

町子「どういうこと?」

健次郎「自分もかもてほしかったんやて、あんたに」

2人で笑う。

 

晴子「申し訳ありません! 私の不注意でした!」

 

健次郎「何や?」

町子「電話してはったけど…」

診察室と台所ってつながってるのかな?

 

晴子「ちょっと待ってください! 明日は行けますから! いや、大丈夫です! 大したけがやないし。もしもし?」

診察室というか、受付の電話を使ってたのか。

 

健次郎「何や? 大きな声出して」

晴子「何でもあらへん!」

受付から診察室に移動。

町子「ね、あの…ね、ちょっと、あの、晴子さん。晴子さん、何か食べはりませんか?」

晴子「ええ」

町子「おうどん、ありますけど…」

晴子「しつこいな。『ええ』て言うてるでしょ!」そこからまた移動。

健次郎「おい! 何や、あいつ…」

町子「うん…」

 

翌朝

徳永家の茶の間には子供たちと喜八郎が席についている。

町子「お待ち遠さんでした!」

喜八郎「ああ」

町子「はい、どうぞ」

喜八郎「はい、おおきに、おおきに!」

 

イシ「おはようさん!」

町子「あれ? もうすっかりよろしいんですか?」

イシ「もう、すっかり!」

町子「今日一日もうちょっとゆっくりしてはったらよろしいのに。受付の人もいてはるんでしょ?」

イシ「そうやねえ…」

 

町子「あの、私、夕方までいてますから。亜紀ちゃんもまだ寝てるし…」

イシ「おおきにね、町子さん!」

喜八郎「あ、晴子は?」

 

待合室

晴子「『行く』言うたら行くの!」

健次郎「アホ! 仕事になるか、そんなんで」

晴子「今日は絶対行かなあかんの!」

 

町子「どうしたの?」

健次郎「『仕事行く』言うて聞かへんのや」

町子「え?」

健次郎「やめとけて」

晴子「行かなあかんの!」

 

町子「むちゃやわ、晴子さん」

晴子「あんたには関係ないでしょ。ほっといてよ」

健次郎「なんちゅう態度や! 心配してくれてる人に!」

晴子「オペに行かなあかんの!」

健次郎「何?」

 

晴子「私の担当してる患者さんのオペ、来週の予定が繰り上がったん」

健次郎「そんなんで無理やろ、お前」

晴子「初めて第一助手やらせてもらえることになってんのよ」

健次郎「そんな状態で何ができるんや!?」

晴子「それやったら、2~3日、延期してもらえるように行って、部長に…」

町子「え?」

 

健次郎「アホ!」腕を引っ張って転ばせる。

町子「危ない」

晴子「痛っ! 痛…。何すんのよ!」

町子「大丈夫?」

晴子「離して!」町子の手を払う。

 

健次郎「お前、それでも医者か! 医者の都合で手術延期するやて? ようそんなこと言えるな! 患者の身になって考えてみい! 日程繰り上がったんには、それなりの理由があるからやろ! 頭冷やして、よう考え!」

ド正論。

 

健次郎は行ってしまい、晴子の悔しそうな表情を見ている町子。

 

台所

健次郎「手術で執刀医の第一助手やってアピールしたいんやな」

町子「アピール?」

健次郎「うん」

昨日のミニ予告はこの辺?

 

健次郎「空きが出来た時に正式の医者として認めてもらうために研修医は皆、必死なんや」

町子「へえ…」

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今更思い出したけど、2001年夏のドラマ「救命病棟24時」の第2シリーズでも田畑智子さんは研修医役だった。こちらは京都の大病院の娘でお金持ち。

 

健次郎「はあ…。あいつな、昔から試験の成績はええねんけど、本番に弱いタイプでな。場数踏まんとなかなか認めてもらえんのやろな」

町子「難しいもんやねえ…」

健次郎「そやから『大きな病院やめとけ』て、ずっと言うとんのやけどなあ…。あっ、あかん。もう時間や。行こ」

町子「あ、ねえ、ちょっと待って!」

健次郎「何?」

 

廊下

町子「何で…大病院に勤めるのが反対なんですか?」

健次郎「大きな病院で女が外科医としてやっていくのは大変なことなんや。来る日も来る日も大きな手術抱えて神経すり減らして体力使うて…。女がやること違う」

町子「そうかな?」

健次郎「そんなことより、ここで毎日、包丁で手、切った板前の傷縫うたり、関節外れた子供治したり、腰痛で困ってるおじいちゃんに湿布貼ったりしてる方がなんぼか意味ある」

 

町子「勝手に決めてるわ」

健次郎「何が?」

町子「晴子さんの可能性を狭めてしまってませんか?」

健次郎「狭めてないがな。『今、目の前にある自分が必要とされてることに一生懸命になったらええ』言うてるだけや」

町子「それ、健次郎さんのエゴです」

健次郎「何で?」

 

町子「晴子さんの才能伸ばしてあげるのが、兄としての役目と違うんですか?」

健次郎「おなごが毎日毎日、人の体を切ったり貼ったりしてるとかわいげがなくなります」

町子「そんなことはありません!」

健次郎「あります!」

 

町子「一生懸命仕事をしている女にかわいげを感じられへん男は原始人以下です!…ったく、もう!」

廊下の奥から顔をのぞかせた鯛子が無言のサムズアップΣb( `・ω・´)グッ

 

茶の間のテーブルに書きかけの原稿。町子は掃除機をかけていた。掃除を中断して、原稿に向かう。

 

また掃除機をかけようとしたところを晴子が見ていた。近づいてきた晴子がテーブルの上の原稿を見ようとする。

町子「あっ! ちょっといや、ちょっと…見たら、見たらあきませんて。恥ずかしいんですよ、私、字、下手やから」

晴子「いつごろから小説家になろて思てはったん?」

町子「物心ついた時から…」

晴子「ええね、特別な才能がある人は」

 

町子「けど、私…メスで盲腸よう切りませんもん。私っておっちょこちょいやから要るもんまで切ってしまうような気するんです。あの、盲腸てほんまに最初から要らないんですか? 要らなかったら何でついてるんですか? あんなご丁寧に」

晴子「神様に会うた時にでも聞いてみたら?」

町子「あ、そうですよね」

 

晴子「小説てどうやったらうまなんの?」

町子「う~ん、それは私が聞きたいですね」

晴子「ずっと一人で書いてはんの?」

町子「けど、時には先輩もお友達もいてくれてますから」

晴子「私の周りはライバルばっかし…敵ばっかしや。温泉なんか行かんといたらよかった。アホや、大事なチャンス…」

 

町子「悔しい?」

晴子、うなずく。

町子「その気持ちが強~い味方になってくれますわ」

晴子、町子を見る。

町子「ちょっと亜紀ちゃん見てきます」

 

掃除機を持って独り言を言っている町子がすれ違った喜八郎が目に入っていないように2階へ上がる。

 

晴子、台所で処置の練習?

 

診察室

一真「あ~、ああ、あ~」せきこみ

小さな布マスクをした健次郎「風邪ですな。寝とったら治りますわ」

一真「エヘヘ! 医者のくせに、へへへ! (せきこみ)外科医は骨折、院長は風邪。大丈夫かいな? ここは」

健次郎「『猿も木から落ちる』。坊さんもいずれはお経読まれる側に回りますがな」

一真「ハハハハハハ! なるほどな! ハハハハハ! あ~、嫁はん来てくれてんねんな」

健次郎「何で知ってはりますね?」

一真「商店街、機嫌よう歩いてはったさかい!」

 

綿菓子を食べながら帰ってくる町子。道端で遊んでいる子供たちを見ていた。めんこで遊ぶ男の子たち、ゴム跳びする女の子たち。

町子「懐かしいなあ…」

 

メンコをしていた男の子たちがモメ始めた。

「ズルすんなや!」

「何すんねん!」

「そっちこそ何すんねん!」

「ズルなんかしてへんわ!」

突き飛ばされて倒れた男の子が石を手にして投げた。

 

町子「あっ…」

老人「コラ! 何すんね!」

老人は男の子の手を両手で握り、しっかりと目を見る。「けんかはええけど、これはあかん!」老人は男の子の手にした石を受け取る。「ええな? 分かったな、うん? なっ! ハハハハハ!」

その光景をほほえましく見ていた町子。

 

もう一日、いてみようか…。そんな気にもさせる空気がこの町には流れていました…。

 

ミニ予告

川に入った男の子が河童に助けられる!?

 

いや~、いいね。ツイッターでも好評だしね。こんな穏やかな空気でいつも作品を見たいよ。健次郎はナチュラルに男尊女卑なんだけど選んだ妻が町子だもんね。それに、ちゃんと町子が言うから楽しく見ていられる。