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【連続テレビ小説】マー姉ちゃん (5)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

はる(藤田弓子)が東京行きを宣言した法事の後、鯨捕りの男・朝男(前田吟)は三姉妹に東京の魅力を語る。本格的に絵の勉強ができると喜ぶマリ子(熊谷真実)に対し、千代(二木てるみ)は、相談なしに東京行きが決まってしまったことに不貞腐れ、朝男に当たってしまう。岩村(小泉博)たちが帰った後、はるは三姉妹を集めて、東京行きを決断した理由を語りだす。その頃、お隣の一平(益田喜頓)はすっかり元気をなくし…。

磯野はるが東京行きの宣言をした晩です。驚きながら法事の客が帰ったあとに一人だけ残っている男がまだおりました。

 

天海朝男が残って三姉妹に東京の魅力を語る。「出ていくんだよ。東京なんてね恐るるに足らん。男ならすべからくど~んと大海に出ていくべしだ!」我が家はみんな女と言われた天海だったが、ヨウ子に東京はどんなところか聞かれ答えた。

 

天海「う~ん、そうだな~…あっそうだ、宮城(きゅうじょう)があるな。天皇陛下さまがいなさる所だ。日本のへそだな」

80年代朝ドラには時々名前が出てくるけど、「あぐり」では1回も出てこなかったんじゃないかなあ。

「それからな、え~…国技館があるぞ。関取衆がいなさる」「動物園がある。ゾウさんやキリンさんもいるぞ」という天海に東京は男向きだとマチ子は言う。女の子向きのところ…と天海が考えていると、マリ子が「美術館があるでっしょうが!」。西洋の名画や古い日本画が見たいという。

 

はるは兄の透一郎に「東京に来るのが一番だ」と言われた。手続きの面倒なことがあるので残ってやりたいと透一郎は言うが、はるはお兄様にはお役所があると断った。透一郎の妻の花江に子供たちはばあやが見てくれるから、こちらに残りましょうか?と言われたが、私たちだけでこのうちともお別れを惜しみたかと思ってますと申し出を断った。岩本多代さんが優しそうなお義姉様でよかったー。

 

お千代ねえやは相談もなしに突然東京行きを聞かされて怒っていた。天海は帰り際、自分の父親の住所を書いたメモを差し出し、訪ねるよう言った。その怒りがクジラ男=天海に向き、水をかけた。天海朝男は「あばよ!」とさっそうと帰っていく。

 

お隣の牛尾家もまた「わしは反対ばい」「わしらがついとるのに東京に行くことなか!」と特におじいちゃまが反対。

 

マリ子とマチ子は自室で語り合う。マリ子は机、マチ子は文机というのもなんかいい。マリ子は、東京は日本のへそで美術館や美術学校がある。すばらしい先生もたくさんいるだろうし、裸婦の腰に鉢巻きなんて絶対しない。絵の勉強もしたい。マリ子も「のらくろ」の本家もあると言い、「悪うなかね」と前向きな気持ちになる。「そうたい! 東京たい!」

 

類は友を呼んで、多少、石橋をたたく気味の妹もこうなると姉の楽天家の方へ右へ倣えということに相成ります。

 

翌朝、兄夫婦を見送るはる達。改めてはるから話があった。子供たちが遅刻しそうだという千代に「長い人生のうちでたった一日の遅刻など取るに足ることではありまっしぇん」と言うはる。

 

東京行きの一番のきっかけはマリ子の絵の入選。父親を亡くしたのにあのうちはあんなにぜいたくさせてとマリ子に絵を習わせることにも陰口をきく人もいた。でも才能のある人が才能を伸ばすことに誰にも遠慮はいらない。このままここにいては未亡人と父親のない子ということで何となく悲しく暮らしていかないといけないが、東京へ行けばマリ子は伸び伸び絵の才能を伸ばせるし、マチ子も自分の才能を伸ばす道をきっと探せる。

 

そして、はるはどんなにかお父様を愛していたかを自覚した。福岡は好きだが、ここにいてはお父様のことを忘れられなくて、お父様のことばかり考えてしまう。それだと一歩も前に進めないと泣きながら話すはるにお千代ねえやも涙。ヨウ子も泣き出した。

 

お隣の軍平さんも役所勤めなんだね。おじいちゃまは膝を抱えて座り込んで機嫌が悪い。

 

慌ただしく東京行きが決まれば卒業式まではあと数日。通い慣れた道にも何となくおセンチになるのが、また乙女心というものではないでしょうか。

 

おセンチ、乙女心…といちいちナレーションがいい。

 

マリ子が通学路でトミ子と会い、遅刻しても、もう少しこの街を見ていると言うと福岡の街を描くのだとトミ子は思ったが、東京に引っ越すと聞いて「うちら親友でっしょうが! 親友のうちになしてそげん大事なことば今の今まで黙っとったと!?」と怒り出した。マリ子は夕べ聞いたと弁明し、絵の勉強をするためだというとマリ子にわかってもらえた。トミ子が「目にゴミが入っただけ」と泣き出し、マリ子も涙した。

 

東京行き。それはとりもなおさず別れであることにトミ子の涙で初めて気づいたマリ子でした。

 

澪つくし」「あぐり」など男性脚本家だと女学生の話題と言えば男!とばかりに、その話題ばかりでその事で仲たがいすることもあるみたいな感じに描かれがちだけど…でもねえ、別にそういうことばっかり話してるわけでもないから! 

 

なんとなく「純ちゃんの応援歌」もミスター速水に積極的な友人の姿が描かれているので、友人が純子に敵意を向けるとか、そういう流れになりそうだと感じてます。「純ちゃんの応援歌」の脚本家の布勢博一さんは「たけしくんハイ!」も描かれてるので男の子の友情は微笑ましく描いてるけど、女の友情はどう描くのかな?

 

こういう古いドラマを見ると、TBSの木下恵介アワーも地上波でやればいいのにと思う。やっぱりなんだかんだ言ってツイッターでワイワイ盛り上がるのを見てるのが楽しい。「兄弟」は1969年10月~1970年4月、「2人の世界」は翌年なので、「マー姉ちゃん」よりさらに古いドラマだけど面白かった。朝ドラは女性主人公だけど、こっちは男性主人公だし、今はしない表現も多いけど、それはそれで面白い。

peachredrum.hateblo.jp

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