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【連続テレビ小説】マー姉ちゃん (148)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

マチ子(田中裕子)の手術中、不安な面持ちで待つマリ子(熊谷真実)たち。一方、磯野家にはウラマド姉妹やウメ(鈴木光枝)もかけつける。ウメは手術の成功を祈り、風呂で水ごりを始める。予定より随分早く終わるも、手術は無事成功。麻酔からなかなか覚めないマチ子の様子を見に、女医の荘司(鳳蘭)が病室に来る。明るくハツラツとしているが大胆な発言に圧倒されるマリ子たち。そんな中、塚田(日下武史)が見舞いにきて…。

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手術室へ運ばれていくマチ子。マリ子、三郷、ヨウ子、正史も心配そうに後に続く。

 

いよいよ手術です。

 

磯野家には、ウメ、さよ、ウラマド姉妹、天海夫婦が集まり、千代が正史から今、手術が始まったと連絡を受けていた。

ウメ「なんまんだぶ…なんまんだぶ、なんまんだぶ…」

千代「ご隠居様、手術が始まったところでお亡くなりになったわけじゃないんですのよ」

朝男「分かってるよ、そんなこと…」

さよ「ええ。おばあちゃんはお祈りしてるんですよ、仏様に」

千代「はあ」

 

ウララ「それで、ほかに何かおっしゃってました?」

千代「手術は2時間ほどかかるそうなんです」

マドカ「まあ! 2…2時間も!?」

ウメ「かわいそうにね…かわいそうに…。なんまんだぶ、なんまんだぶ…」

千代「まあ、あとはまめに連絡下さるそうですから」

はる「ご苦労さん。それじゃあ、皆さんに熱いお茶と取り替えてさしあげて」

千代「はい」

 

ウメ「私はいいんですよ。私はね、マチ子さんが治るまではお茶断ちしたんですから。なんまんだぶ、なんまんだぶ…」

はる「おばあちゃま…」

 

手術中という赤い文字と点灯している赤いランプ。三郷、マリ子、ヨウ子はイスに座り、正史は立ってタバコを吸っていた。マリ子が見上げた時計は午後1時50分。

マリ子「マチ子…頑張るのよ、マチ子…」

智正「大丈夫です。マチ子ちゃんは頑張っていらっしゃいます」

ヨウ子「でも…」

マリ子「でも、何よ?」

ヨウ子「もしも、手術中に何かがあったら私の責任だわ」

正史「バカなこと言うもんじゃありません。マチ子お義姉さんはよくなるために闘っているんですよ」

ヨウ子「はい」

 

イスから立ち上がるマリ子。

智正「どうしました? マリ子さん」

マリ子「息が詰まりそうなんです。あと2時間半もとてもここにいられそうにもありませんわ」

ヨウ子「マー姉ちゃん…」

マリ子「ごめんなさい。逃げ出すわけじゃないの。ただ…ちょっと息をしてきたいんです。だから…」

 

手術室前の廊下を歩くマリ子は顔に白い布をかぶせられたタンカを目撃する。

マリ子・心の声「マチ子!」

 

磯野家

お茶を入れるお千代ねえや。今日はお琴さんいないね。

朝男「おい、お千代、俺が運んでいってやる」

千代「すいません。そっちのお盆からお願いします」

しかし、どこからか水の音がすることに気付いた朝男。

 

ウメが風呂場で水ごりをしていた。「なんまんだぶ、なんまんだぶ…。なんまんだぶ、なんまんだぶ、なんまんだぶ…」

朝男「あ…ご隠居さん! 何やってんだ、これは!」

ウメ「いいんだ」

千代「ご隠居様!」

ウメ「いいんだ、黙っといてくれ!」

 

千代「だって…!」

朝男「そんなことしたら風邪ひいちゃうよ! ご隠居様!」

ウメ「それでこそ本望だ! どいてくれ!」

朝男「しょうがねえな、本当に…おい、誰か! 奥さん! 奥さん! 来ておくんなさい! ご隠居が!」

 

千代「奥様!」

はる「おばあちゃま!」

ウメ「なんまんだぶ、なんまんだぶ…。奥さん…私は、私は…」

はる「分かっています。ありがとうございます、おばあちゃま…! ありがとうございます、おばあちゃま…。おばあちゃま…。おばあちゃま…」

千代やウラマド姉妹も見ていた。

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ウララも以前、ヨウ子が肋膜炎で倒れ、近所の人が家のせいだと噂しているのを聞き、水ごりをしていたね。この回、菊池寛先生のありがたい言葉もある。

 

廊下の隅に立っていたマリ子に看護婦の「磯野さん、磯野マチ子さんのご家族の方は至急、手術室までおいでください」という声が届いた。

 

手術室の前には三郷、ヨウ子、正史が立って待っていた。

マリ子「どうしたの? 一体。何事なの?」

正史「さあ? 何があったんでしょうか?」

ヨウ子「ああ…マッちゃん姉ちゃま…」

 

手術中というプレートの上の赤いランプが消灯した。

マリ子「どういうことなの? まだ始まって40分よ!」

正史「まさか…」

マリ子「まさか…!」

智正「静かになさい! マリ子さんもヨウ子さんも落ち着いて」

マリ子「だって…」

 

手術室が開き、執刀医が出てきた。

大山「やあ」

マリ子「先生!」

大山先生は北村和夫さん。「おしん」の義父・大五郎。

 

大山「無事、終わりましたよ」

マリ子「それで?」

大山「開けてみたら、思った以上に潰瘍が広がってましてね。まあ、これからまた侵される心配のある所は全部取っておきましたよ。そう、あれで5分の4くらい取ったかな。ご覧になりますか?」

マリ子「いえ、結構です…」フラ~ッとなる。

正史「あっ、お義姉さん!」

ヨウ子「マー姉ちゃん!」

智正「マリ子さん!」

 

大山「大丈夫、大丈夫、心配なし! 手術は無事、うまくいったんですから。大丈夫」

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洋子さんの本によると、町子さんの手術を執刀したのは東京女子医大の中山恒明先生だそうです。実際には赤い塊を見せられたんだそう。北村和夫さんはこれだけかな? 豪華なゲスト。

 

手術室から出てきたマチ子。

久美子「それでは病室の方にお連れしますので」

看護婦の久美子は遥くららさん。

 

荘司「いや~、かわいそうな胃袋やったね~。私らと違うて、これはものすごい頭を使うた胃袋なんよ」

荘司(鳳蘭さん)の術着の鮮血を見て、驚くマリ子。

荘司「どないしたんですか? きれいな色でしょう。こんなきれいな血の色してたら、この患者さんもすぐに元気になりますからね。大丈夫です」

マリ子「いえ、あの…私が大丈夫じゃないんです」またしても倒れる。

 

手術成功の知らせは、すぐさまはるたちに知らされたことは言うまでもありません。

 

電話を受けたはるは大喜びで電話を切った。

ウララ「まあ、よかった。これで一安心ですわ」

朝男「だから、あっしが言ったでしょう。このうちの人はね、運が強えんだって」

千代「でも思ったより早く済んで」

マドカ「それだけ大ごとではなかったということですわ。本当に本当によかったこと!」

 

はる「おかげさまで。何だか皆さん、おなかおすきになりません?」

ウララ「本当。そういえば何だか」

朝男「がっくりとね」

千代「まあ、正直なこと!」

はる「いいじゃありませんか。それでは、お寿司でもね」

朝男「それはどうもごちそうさまです」

 

そのまま電話をかけようとしたはるだったが、ウメのもとへ向かう。

はる「おばあちゃま。手術、終わったんですよ、おばあちゃま」

ウメ「終わった?」

はる「はい」

ウメ「それで?」

 

はる「ありがとうございました。おばあちゃまのおかげで無事に終わったんです」

ウメ「奥さんや!」

はる「はい!」

ウメ「よかったね~! よかったね~!」

はる「はい」

ウメ「よかったね」

ウラマド姉妹、天海夫婦もしみじみと見守る。

 

手術が終わったものの麻酔が覚めるまでは、まだ心配なものです。

 

マチ子のベッドにマリ子たちが付き添う。ノックして荘司先生が入ってきた。

荘司「まだ覚めませんか?」

マリ子「はい」

荘司「(マチ子の耳もとで)サザエさん? あっ、違うた。アハハッ、いやね、この病院にも『サザエさん』の漫画を持ち込んでる患者さんがようけいるんですよ。(再びマチ子に向かい)磯野さん。もう4時間たちますね。ちょっと遅いな…」

ヨウ子「あの…ということは?」

 

荘司「いやいや、大丈夫、心配いりません。治ったら私が仕込みますから」

マリ子「何をですか?」

荘司「お酒です」

マリ子「お酒!?」

 

荘司「この患者さん、お酒、飲めはらへんでしょう?」

マリ子「ええ」

荘司「せやから麻酔がよう効くんですわ。大丈夫です。心配いりません」

マリ子「はい」

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この話、よく聞くけど割とお酒に強い母が歯医者の麻酔で気分が悪くなった経験があったなと思ったら、歯医者の部分麻酔と手術の全身麻酔とでは違うんですね。

 

荘司「そしたら、今日は私が宿直やから、もし何かあったらすぐ知らせてください。飛んできますからね」

マリ子「はい」

荘司「はい、お大事に」

お琴「ありがとうございました」

あれー? お琴さんいた! 今の今まで気づかなかった。

 

正史「あの…」

久美子「はい?」

正史「今の先生、本当の先生なんですか?」

久美子「はい、本当の先生ですけど」

正史「はあ…」

久美子「女性に似合わずっていう評判の優秀外科医でいらっしゃるんですよ」

この当時は女性にもかかわらずすごいみたいなのが誉め言葉だったんだろうね。

 

正史「それならいいんですが、いきなり患者にお酒を仕込むなんておっしゃるもんだから…」

ヨウ子「あなた!」

正史「いや…実にユニークな方であるということですね」

久美子「ちょっと慌てん坊のところが玉にきずなんですけど、ご自分がそれを一番承知していらっしゃいます」

マリ子「あの…慌てん坊なんですか?」

 

久美子「はい。ですから反面とっても神経質で何でもインターンの時、教授に手術がいくら上手でも、おなかの中にメスを残したまま縫ったらおしまいだって、それはとっても脅かされたっておっしゃってました」

マリ子「じゃあ、あの…マチ子のおなかの中には残ってませんでしょうか!?」

久美子「はい、荘司先生の有名なチェックがおありになったはずですから」

 

正史「何ですか? それ」

久美子「『手術終了』を執刀の先生がおっしゃった途端、あのおめめで『そのまんま動かんで!』ってみんなをくぎづけにして大きな声で数えるんです」

マリ子「何をですか?」

久美子「手術に使ったメスなどの数をですわ。それは大きな声で『ちゅうちゅうたこかいな』って」

正史「ええっ!?」

 

久美子「だってそれは真剣なんですもの。誰も何にも言いません。取っても熱心で明るくって私たちも信頼してますし患者さんにもとっても人気がおありになるんですよ」

智正「そうですか。それはいい先生にお会いできて本当に幸せでした」

久美子「はい、それでは」部屋を出て行く

正史「どうもありがとうございました」

智正「ありがとうございました」

 

ともあれ優秀外科医・荘司先生の予言どおり、ゆっくりと麻酔から覚めるや、マチ子の容体は順調に回復に向かっておりました。

 

はるがお重を詰め、マリ子を呼びお弁当を持たせる。

マリ子「それじゃあ、ヨウ子と交代してきますから」

千代「こちらは私がおりますから、マチ子お嬢様のこと、よろしくお願いいたします」

マリ子「はい、ありがとう」

 

マチ子の病室

マリ子「まあ、塚田さん!」

塚田「やあ」

ヨウ子「見て。こんなにきれいなお花をお見舞いに」

赤い花束。何だろ? バラではない。いや、バラかな?(どっちだよ)

 

マリ子「まあ、それはお忙しいところありがとうございました」

塚田「いや、な~に胃袋切っちまったっていうから、食い物は駄目だしさ、柄にもなく、この花抱えてやって来たってわけだ」

マリ子「きれいね。ねえ、マチ子」

マチ子、うなずく。

 

塚田「しかし、マッちゃんもよう頑張ったな」

マチ子「はい。応援してくださる方がいっぱいいてくださったから」

塚田「そうさ。今もヨウ子ちゃんから聞いたんだけども、酒田のおばあさんの話。ああいう人たちの気持ちを無にしてはいかんよな」

マチ子「はい」

マリ子「本当よ。おばあちゃま、あれからマチ子が退院するまではって、ずっとお茶断ちしてくださってるんですってよ」

 

マチ子「それでおばあちゃまのお風邪の方は?」

マリ子「大丈夫。おばあちゃまにもしものことがあったらいけないからって専らお母様が様子を見に行ってくださってるわ」

マチ子「そう。でも、びっくりした~。私のために水をかぶるなんて…」

塚田「それだけ君が愛されてる証拠じゃないか」

マチ子「そうかしら?」

塚田「そうだとも! 君の元気になった姿を一目見たいっていう連中がわんさといるんだが、やっぱり回復が第一だからな。それで我が輩が右総代でやって来たってわけさ」

右総代…右に出る者はいない代表みたいなこと?

 

マリ子「本当にどうもありがとうございます」

塚田「ハハハッ。おい、この調子じゃあ心配ないな」

マチ子「はい、大丈夫です」

塚田「では、我が輩はこれで退散するかな。あんまり長居しても何だから」

マリ子「どうもありがとうございました」

塚田「『サザエさん』の復帰、一日も早いところ頼むよ」

マチ子「はい」

塚田「バイバイ」と手を振って病室を後にした。

 

マリ子「それじゃあ、ヨウ子ちゃん、選手交代といきましょうか」

ヨウ子「でも…」

マチ子「ううん、大丈夫よ。また明日顔を見せてちょうだい」

ヨウ子「それじゃあ、また明日来ます」

マチ子「うん」

マリ子「それじゃあね」

ヨウ子「じゃあ、お大事にね」

マチ子「ありがとう」

ヨウ子が病室から出て行った。

 

マチ子「ねえ、私、本当に胃潰瘍よね?」

マリ子「えっ?」

マチ子「がんなんかじゃないわよね?」

マリ子「いいかげんにしなさいよ。もしもマチ子がそうだったら、私の胃袋と取り替えてあげるって言ったでしょう?」

マチ子「マー姉ちゃん…」

マリ子「信じるの。絶対に治るんだって」

マチ子「うん」

 

そうです。信じることです。それよりほかに治る道はないのです。

 

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オープニングで時々「鳳プロ」というのを見かけたから、鳳蘭さんの事務所だったんでしょうか。宝塚は詳しくないけど、遥くららさんは鳳蘭さんの相手役だったんですね。宝塚好きな人からは、当時は歓声が出たんじゃないのかな!? 北村和夫さんといい、今日は何だか豪華な日。