公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意
田河(愛川欽也)夫妻も、一平(益田喜頓)たちも、ヨウ子(早川里美)の二人目の子・彩子の誕生を喜ぶ。赤ん坊に会いにきたウメ(鈴木光枝)やウラマド姉妹が同窓会のように賑わう中、マリ子(熊谷真実)とマチ子(田中裕子)は、はる(藤田弓子)の相変わらずの献金宣言に圧倒されつつ、母の偉大な精神に負けじと頑張ることを誓う。そんな中、三郷(山口崇)に送る磯野家の記念写真を撮ろうとした正史(湯沢紀保)だが…。
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あ~、また長くなってしまった…。
赤ちゃんのアップ、ヨウ子たちの部屋
水泡「あら、かわいいね~。赤ん坊の顔ってのはどうしてこんなにかわいいのかね~」
順子「そりゃあ、あなた決まってるじゃありませんの。世俗に全く汚れてないからですわ」
水泡「なるほど…そいつは名言ですよ。いや、そのとおりだ」
順子「どうしてそこでわざわざしげしげと私の顔をご覧になりますの?」
水泡「いや、なになに奥さんもね、昔々はこの赤ちゃんみたいにむくでかわいかったんだろうなって。ねっ?」
順子「そりゃ、そうですよ。先生だってそうだったんですよ」
水泡「あれ、見てきたのようなことをおっしゃいますね」
順子「だって、一緒に世俗に汚れてきた連れ合い同士ですもの。それくらい想像つかなくちゃ」
水泡「なるほど、これはまた名言ですよ。ね~、ほらほらほら…」
マリ子「先生、どうぞあちらでお茶を」
水泡「ありがとう、ありがとう。あらら、泣いちゃって。何ていう名前なの?」
ヨウ子「彩子(あやこ)です。色彩の『彩』という字です」
水泡「ああ、『彩る』という字ね。なかなかすてきじゃない。誰が付けたの?」
ヨウ子「パパですわ」
水泡「ほう~、理論家かと思ったけども、彼、なかなかロマンチストだね」
マチ子「そのかわり、凝り性ですから大変でしたわ。ウロウロあたふたこちらで見てる方が気の毒になるくらい」
赤ちゃんが本当に泣いていてもお芝居を続けている。
順子「それはしかたないわよ。こんなにかわいいお嬢ちゃんですもんね」
はるが正子を連れて部屋に入ってきた。「さあ、正子ちゃん。水泡先生に申し上げるんでしょう。『お茶をどうぞ』って」
正子「お茶をどうぞ」
水泡「ああ~…。あら、よく言えたね~。どうもありがとう。そいじゃあ、頂きましょう。ウフフフ、ハハハハッ」
福岡
手紙を読んでいる一平。「うんうんうん…何、何…? えっ!? これ、おい、軍平、加津子! またえらいこっちゃ! またまた!」
軍平「またお父さん、どげんしたとですか? そげんふとか声ば出して」
加津子「お義父さん、卵やったら今日は5個も産んだとですよ」
磯野一家から譲られたニワトリの子孫がまだいるってことだよね。細かい。
一平「何ば言うとるね。わしのひこがまた産まれたとよ」
軍平「ええっ!?」
一平「軍平、耳、遠なったな。ひこが産まれたとよ!」
軍平「ひこ!?」
一平「おうおう。ヨウ子ちゃんがまたよか子供ば産んだとよ」
加津子「まあ、ほんなこつ!」
軍平「今度はどっちゃだったとですか?」
一平「どっちゃって、あのな…おなごの子ば! うむ! わしの願いどおりにおなごの子ば産んだとよ!」
加津子「お義父さんの願いどおりやったとですか?」
一平「わしの願いどおりやった。ほれ、見んしゃい」
軍平、加津子が手紙を読む。
牛尾のおじいちゃま、最終回まで生きててよかった。初回が昭和9年3月で今は昭和32年だから昭和9年に60歳くらいとしても、83歳くらい? 軍平さんたちも結構年とってる感じがするから、もっと上か? このドラマ、やっぱり男じゃないとみたいなリアクションする人が1人もいないのが当時としてはリアリティないかもしれないけどいいよね。
磯野家の門扉の前
植辰「おやおや、これは皆さん、おそろいで。花がパ~ッと咲いたみたいだよ。うば桜の」
ウメ「あ~、あ~。私たちはね、桜の先輩としてね、今出てきたばっかりのつぼみちゃんに会いに来たんだよ」
ウララ「参りましたのよ、私たちも」
マドカ「参りましたのよ、私たちも」
植辰「おあいにくさま、私なんかね、とっくのとうにもう毎日、顔を拝ませてもらってますよ」
ウメ「へんだ。うちだってね、この暮れには三吉の嫁がお産するんだよ。憎ったらしいことばっかり言ってっと会わせてやらないよ」
植辰「お前さんに似てんだったらね、銭もらっても見たかぁねえよ」
ウメ「この!」
植辰「冗談だよ、冗談だよ。ご隠居さんにそう憎たらしい顔されると…ねっ?」
三吉君もいつの間にか結婚したかあ。
マドカ「まあ、いいえ、たとえ冗談にしろ、今のひと言は許せませんわ」
ウララ「そうですとも。三吉さんは男前だし、その上、ご隠居さんとは血のつながりございませんですよ」
マドカ「あら~、お姉様。今のひと言、ひょっとしたら大変ひどいひと言かもしれませんことよ」
ウララ「えっ? まあ、どうしましょう。ごめんなさいね、酒田さん」
マドカ「ごめんなさいね、酒田さん」
ウメ「いいんです、いいんですよ。どうせいいんですから」
ウララさんもマドカさんも白髪度が上がってる。ウメさんは最初から白髪だったから植辰さんより上なんだろう。植辰さんは、はるさんより少し上くらいか?
磯野家廊下
はる「さあ、どうぞどうぞ。こちらへどうぞ」応接室へ
ウメ「まあ、恐れ入りますでござんす。おや、大宗さん」
均「いかがでしたか? ご対面のご感激は」
ウララ「ええ、そりゃあもう、エンジェルのようでしたわよ」
均「エンジェル?」
マドカ「ええ。その上ね、お産をなされたヨウ子さんのお美しいこと」
はる「まあ、恐れ入ります」
ウメ「ところでお宅さんは?」
均「私?」
ウメ「はい」
均「私のところはやっとつかまり立ちを始めたところでございまして」
マドカ「まあ、それはそれはおかわいらしい最中でございましょうね」
均「おかげさまで、もう参りますな」笑い
はる「見てやってくださいましよ、このお顔。40過ぎのお子さんは甘やかせ過ぎていけないといいますから、ご注意あそばせ」
均「いやいや、奥様にはかないません」
はる「あら」笑い
お茶を運んできた道子。「いらっしゃいませ。どうもご無沙汰いたしております」
マドカ「まあ、道子さんもご一緒でしたの」
道子「はい」
マドカ「それでは坊やちゃんは?」
マリ子「水泡先生が連れていっておしまいになったんです」
ウメ「あら、水泡先生が」
道子「はい。もう、僕らは会ってきたんだから君たちが2人そろって行くんだったら預かってやるっておっしゃってくださいまして」
ウメ「まあまあ、そりゃ…ハハハッ」
最後まで子供のいない夫婦として描かれていた田河水泡先生でしたが、長谷川町子さんが弟子入り後、戦時中に均ちゃんのように40過ぎになって男の子が1人生まれたみたいです。
ベビーベッドで彩子を見ているヨウ子とマチ子は応接室から漏れ聞こえる笑い声を聞いていた。
マチ子「お元気だわ。おばあちゃまたち、彩子の顔を見にいらしたのか同窓会なのかどっちなのかしらね?」
ヨウ子「その両方でいいじゃありませんか」
マチ子「そうよね。あんまりべったり彩子のそばについてられると彩子だって疲れるしね」
ヨウ子「そのとおりよ、マッちゃん姉ちゃま」
マチ子「そ…そんなのってないわ! 私は別でしょ!」
ヨウ子「し~! 彩子が起きるでしょう」
マチ子「だって…」
マリ子「あ~、よしよし。寝たみたいね」
ヨウ子「正子は?」
マリ子「うん、いいあんばいに寝たみたい。鬼のいぬ間に…はい、三郷さんから」
封筒を見せる。
ヨウ子「まあ、三郷さんから!」
マリ子「駄目よ、これは私に来たんですもん」
マチ子「何よ、そんな見せびらかすことないじゃないの」
ヨウ子「そうよ、意地悪しないで私たちにも読んでよ」
マリ子「し~! それじゃあ公開放送とまいりましょう」
三郷さんからの手紙をマリ子が朗読する。
「拝復 ヨウ子さんがまたまた女児出産のお知らせ、うれしく拝見いたしました。皆様のお喜びと私の喜びを合わせて遠い北海道でかみしめている毎日です」
合成丸出しの北海道の風景
智正「こちらは収穫の秋です。はやばやとやって来る冬に備え、今が北海道では一番忙しい季節でしょう。彩子ちゃんのお顔と皆様のお元気なお姿を見に一日も早く上京したいのですが、ままなりません。しかし、そちらのカエデが色づく頃、私の作ったばれいしょをどっさりと担いで必ずお伺いいたします。待っていてください」
三郷さん、当時も人気あったんだろうねえ~。
夜、磯野家ダイニング
はる「それでは写真を撮ってお送りしましょうよ」
マリ子「写真?」
はる「ええ。正子と彩子を入れて三郷さんだけではなくて、牛尾のおじいちゃま、それから村田さんたちにお送りしましょう」
マチ子「そうね。日暮里のおばあちゃまたちやウラマドのおば様たちもきっと欲しいとおっしゃると思うの」
正史「いいですね~。そういう方にはジャンジャン差し上げましょう」
マチ子「となると、写真屋さんに来ていただかないとね」
マリ子「懐かしいわ。写真屋さんって聞くと反射的に三郷さんのことを思い出すわね」
ヨウ子「本当に」
正史「だったら僕が写しましょう」
はる「あら、駄目ですよ。あなたもちゃんと一緒に写らなくちゃ」
正史「大丈夫です。もちろん僕もちゃんと写りますから」
マリ子「だって…」
マチ子「あなたが撮るんでしょう。どうしてあなたが一緒に写るの?」
正史「ご説明申し上げましょう」
はる「あの…私にもちゃんと分かるように教えてくださいよ」
正史「大丈夫です。秘密兵器を使うんです」
マリ子「秘密兵器?」
マチ子「あのね、うちはみんなそろって機械には弱いんだから、あまり変な兵器は使わないでね」
正史「大丈夫です。これを称してセルフタイマー。セルフはマイセルフのセルフ。つまり自動シャッターです」
マチ子「何だ」
マリ子「『何だ』って、よく分かってるの? マチ子は」
マチ子「よく分かるはずないでしょう」
正史「そうでしょう。そう簡単に分かられては心外です。つまりこの場合、撮影者自身がシャッターをかけておき、素早く戻るところの位置が実に重要なポイントでありまするからして…」
マチ子「分かった! それでいつ撮るの?」
正史「今度の日曜日はいかがです?」
マリ子「賛成!」
マチ子「賛成、賛成!」
正子の泣き声
マリ子「賛成、賛成! そうしましょうよ!」
お琴「皆さんのせいですよ! 正子お嬢様が起きてしまわれたじゃありませんの」
一同「(小さくなって)は~い…」
廊下で正子を抱いているマリ子。
マチ子「どう?」
マリ子「うん、いいあんばいに寝たみたいよ」
マチ子「あ~、助かった。この子にお話しせがまれたら切りがないんだもん」
マリ子「つまり、マッちゃんの想像力がテストされるってわけね」
マチ子「えっ? 嫌だ、変なこと言わないでよ」
はる「まあまあ、寝たの? かわいい顔して。あっ、そうそう、マリ子」
マリ子「はい」
はる「正子と彩子のお誕生を感謝してオネスト神父様を通じて恵まれない子供たちのために100万円の寄付を申し出ておきましたからね」
マリ子「ええっ!?」
はる「ほ~ら、行きましょうね」正子を抱いて行ってしまう。
はるの分かち合い精神、いまだ健在なり。高度成長期にはまだ遠い昭和32年。100万円とはやっぱり大金だったのです。
階段に座り込むマリ子。
マチ子「頑張れ、頑張れ、マー姉ちゃん」
マリ子「そんなこと言ったって…」
マチ子「いや、多分、これも神の御心でしょう。だって、お母様のあのご病気が再発しないと、我が家の連中は明日を思い煩わなさ過ぎるんですもんね。なかなか仕事にもかかんないし」
マリ子「あ~あ、するとまた走るのか」
マチ子「おっくうそうね…お肉がついたのかな?」
マリ子「ん~、なんのなんの!」笑い
マチ子「もうそのひと言でたちまちファイト燃やしちゃうんだから、やっぱり単純」
マリ子「それぞ磯野家の生命線」
マチ子「それにしたって考えてみたらよくぞ守ってくれたわよね、その生命線を」
マリ子「だって一歩後退したら、たちまち真っ逆さまに落っこっちゃうんですもの」
マチ子「まさにスリルとサスペンス…」
マリ子「あら、マチ子は楽しんでたの? それを」
マチ子「とんでもないわよ。そんな余裕はあらばこそよ」
マリ子「ねえ~。次から次へとワンマンが献金宣言を連発されるんですもの」
マチ子「本当に苦労したわよね、マー姉ちゃん」
マリ子「この前ね、いきなり道でお礼言われちゃったの」
マチ子「誰に?」
マリ子「知らない人に」
マチ子「どうして?」
マリ子「10年前のことだって言ってたから、多分、終戦後、間もなくのことじゃないの、引き揚げてきて困ってたところ、お母様がドサッとお金を貸してさしあげたらしいのよ。『おかげさまで』って言われても私じゃチンプンカンプンでしょう」
マチ子「私もそういうことがあった。毎朝の対談でね、いきなり言われて、私、慌てちゃったわよ」
マリ子「お母様のせいなのよ。…というより、お母様のおかげなのよね。お母様のなさったことがあんまりすばらしかったから」
マチ子「私たちまで感謝されて。忙しくなるぞ、また、マー姉ちゃん」
マリ子「そういうマチ子もよ」
マチ子「大丈夫よ! マー姉ちゃんがいる限り、どこへだって走っていけるもの!」
マリ子「よ~し! 二人三脚でゴールまで頑張りましょう!」
マチ子「頑張るぞ!」
そうです。その意気です。そして、ともあれ写真です。
磯野家玄関前
正史「はい、では皆さんがご覧になる所はここですからね」
マリ子「あの、早くしてちょうだいね。時間がないんだから、時間が」
マチ子「断ればよかったのよ、今日は日曜日だからって」
マリ子「しかたがないでしょう、お仕事なんですもの」
お琴さんが玄関から出てくる。「マリ子奥様、放送局からお電話でございます」
マリ子「ちょっと…ちょっと待っててね」
正史「お義姉さん!」
朝男「じゃあな、場所決めなら、あっしがここ座っててやる」
マリ子「お願いします。すいません」
朝男「はいはい、正子ちゃんはね、あっしに…慣れてますから、はい」
正史「それでは私がタイマーをかけてそこへ戻りますから、戻ったところで全員ニッコリいたしましょう」
朝男「そんな、しちめんどくせえことよりよ、そのポッチ押しゃあいいんだろ? あっしがやってやる、やってやる」
千代「駄目なんですよ。カメラってのはデレケートな機械だから、あんたみたいにばか力で押したらフィルムが動いちゃうんですってよ」
朝男「デリケートか」
千代「そうなんですよ」
植辰「押しゃあいいってもんじゃないんだよ」
千代「そうですよ、ねっ?」
マリ子が家から出てくる。
千代「あ~、交代交代」
朝男「はい、じゃあ、正子ちゃんおんり」
正史「よろしいですか?」
マリ子「あら、あらら…」
正子がマリ子の膝に乗るのを嫌がった?
はる「どうするの? どうするの? 正子ちゃん」
マリ子「そう。じゃあね、立っちしてなさいね。カメラに向かっていいお顔するのよ」
正史「はい、ではまいります!」
朝男「はいはい」
門扉の前で見物していた植辰、千代、朝男が直立不動で見守る。
正史「では、タイマーをかけます。はい、かけました! あっ、お義母さん、顔をちょっとこちらに」
はる「はいはい、こうですか?」
マリ子「お母様、もうそのまま動かないで」
正史「はい、そうです」
ヨウ子「あなた、早くなさらないと」
正史「大丈夫。では戻りますからね。皆さん、笑う準備をして」
マリ子「はい、笑う準備完了!」
正史「はい! あっ、あっ!」
玄関前
マチ子、ヨウ子が後ろで立ち、マリ子、はるが椅子に座っている。正子はマリ子とはるの間に立ち、彩子ははるが抱いている。そこに向かった正史はド定番のコケて足だけが入った状態で、みんなは驚いた顔。
全くお別れの時まで本当にハラハラさせる一家で大変失礼いたしました。では皆さん、ごきげんよう。
ブルーバックに大きな文字で「おわり」。ええー! キャストに名前はなかったけど、最後の最後に栄一さんが帰ってくると思っていたのに…。
最終回で回想が一切なかったな~。日常の続きのような感じがして、それはそれで寂しい。最後が数十秒余っていたのは当時の次の作品の予告だったのかな。
↑最終収録の日に子役のヨウ子ちゃんも駆けつけたそう。最初、藤田弓子さんが80過ぎまで演じるというのをどこかで見た気がしたから、ラストシーンだけ現代のシーンになるとか思ってたけど、違った。
昨年、再放送が始まってからの藤田弓子さんのインタビュー。”まだまだ私、はるさんが80代になるまで演じますから。”というのは藤田弓子さんの勘違いかな? 今日の回が昭和32年だとすると、マリ子が38歳くらいだし、さすがに80代はないんじゃない?
おまけ
1993年前期の「ええにょぼ」くらいからチラチラ見ていた朝ドラ。「あぐり」にハマり、「天うらら」、「すずらん」、「ちゅらさん」など完走する作品もありましたが、「さくら」で朝ドラを見るのを完全にやめました(「ゲゲゲの女房」で復活)。なのである意味、思い出深い作品。そうか、このドラマには熊谷真実さんが出てたんだ。
今度は、またぐっと新しい2006年の作品になるけど、次は80年代に戻って欲しいなあ。「はね駒」の寺内小春さんが脚本を書かれた「なっちゃんの写真館」や、「マー姉ちゃん」の小山内美江子さんの「本日も晴天なり」が見たい。
↑これを見てると、「マー姉ちゃん」の次の「鮎のうた」も興味湧くなあ。吉永小百合さんが母役とか語りがフランキー堺さんとか。宝塚が舞台の「虹を織る」も面白そう。とにかくなるべく古い作品が見たいです。同じ時代を描いても価値観が違うところが面白い。
「マー姉ちゃん」は昭和9年に始まり、昭和32年で終わり。だけど、初回から出ていた牛尾のおじいちゃまも酒田のおばあちゃまも最後まで出演していた。割とお年寄りの視聴者を意識した作りになっていると思いました。はるさんのいうお年寄りは国の宝みたいなセリフとか。
それと戦争描写は真に迫ってたというか、どの朝ドラより長く流した玉音放送とか日常の暮らしとか、悲惨さだけじゃなく伝わるものがありました。この時代、国防婦人会は決して悪者として描かれてない。三吉みたいに貧乏が理由で兵隊に志願するとか。今までの戦争を扱った作品では見たことないようなことも多かった。昭和54年の福岡をもんぺ姿で歩くというのも斬新だった。
ナレーションはあえて、古めかしい言い方をしたんじゃないかな。だって、この後に始まる「金八先生」とは全然作風違うもん。金八はナレーションないけど。
今回の再放送をきっかけに以前録画していた金八を見返したりして、それも面白かった。共通するキャストも多かったしね。
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長谷川町子さんの書籍は電子化したものがなかったので(今からでもしてほしい)、長谷川洋子さんの本も読みました。結婚して同居したのは本には「母から頼みで」とありました。
その後、洋子さんの夫はがんで昭和36年に亡くなり、そのせいで町子さんががんを恐れるようになり…先週あたり、マチ子の手術に対して、正史さんが一生懸命、マチ子を励ましていたのは、現実では正史さんはもういなかったんだなあと思うと、ちょっと切ないシーンでした。
姉妹の仲たがい…というか、洋子さんの本を読むと、新しい家を建てると盛り上がっている姉2人に対し、古くても気に入ってるからこのまま今の家に住んで、時々交流しましょう(徒歩10分程度の距離)と考えた洋子さんの考えは変じゃないと思うんだけど、当然ついてくると思っていた姉たちには青天の霹靂だったらしい。
まあ、分からないよ。三姉妹の真ん中の私としては、もしかしたら姉ほど怒ってなかったんだけど、かと言って姉とも離れられないから、姉側についたのかなとか思ったりもするけど…余計な詮索をするな。
長谷川家の物語とするなら、ヨウ子の夫が亡くなって、電話の間違いとかマチ子の手術とか昭和40年代くらいまで描いたって不自然ではなかったんだろうけど、あまり登場人物を減らしたくないというのもあったのかな。朝から若い人がなくなるシーンも辛いしね。
ツイッターを見てると、今日も話が進まないというのが目についたけど、会話劇が面白かった。多分、朝ドラでも屈指のセリフ量ではなかったのかな。今ではなかなか聞くことのできない江戸っ子口調も聞いてて気持ちがよかった。とにかく面白い朝ドラでした。