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【連続テレビ小説】あぐり (123)「母と子の暑い夏」

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

和子(楯真由子)と理恵(碇由貴子)は、あさ子(大島蓉子)の娘たちと喧嘩が絶えない。そんな中、あぐり田中美里)あての電報が健太郎里見浩太朗)から届くが、あさ子が勝手に返してしまう。その1週間後、心配した健太郎が山梨を訪れる。そして片桐の死からいまだ立ち直れない光代(星由里子)に、健太郎は片桐が死の直前に送ってくれたショパンのレコードと手紙を見せる。光代はレコードを聞きながら、片桐を思い出し…。

岡山が空襲を受けたと知り、「みんな駄目じゃ。きっと死んどるわ…」と超ネガティブな光代。「私の大切な人はみんな死んでいくんじゃ…。エイスケだって…片桐さんだって…みんな死んでしまうんじゃ…」。

 

東京空襲が続いたあと、このころから地方都市への爆撃が激しくなり始めていたのでした。その後、岡山の健太郎たちの消息を知らせる連絡もなく数日が過ぎていきました。

 

あさ子の娘の康子とみつ子は、和子と理恵に「東京者は出てけ!」といじめる。和子は道端の石を握りしめるが、人に当てずに逃走。隠れていた理恵が「すっとこどっこいのおたんこなす!」と墨汁の入った水鉄砲で攻撃した。これ、あぐりも子供の頃使ってなかった~?

 

とめはあさ子から良恵姉さんの孫が生まれるから手伝いに言ってほしいと言われ、いない間にあぐりたちを追い出すようなことはしないでほしいと念を押す。「あさ子お姉ちゃん、昔から意地悪だったけどお義兄さん戦争行ってから一段と意地悪になったから」とか、とめも言うねえ~。

 

康子やみつ子が帰ってきて、東京の子にやられたと言っても、とめはこの子たちが意地悪したとあぐりの子たちを信用した。とめはあさ子が消防団の山口と浮気してることをネタにあぐりに嫌がらせをしたら村中にばらすと脅す。わ~なんか生々しい話。とめがいなくなった後、あぐり宛てに電報が来たが、「そんな者いないよ」とあさ子が追い返した。

 

そんなことがあったことをあぐりは知りませんでした。こうして健太郎たちの消息が分からないまま1週間が過ぎたある日。あぐりのもとに思いがけない人が訪ねてきたのでした。

 

国民服の健太郎登場。家も事務所も全部焼けてしまい、勇造は妻の実家へ、妻五郎も磯辺も親類のところに身を寄せてる。健太郎は磯部の所に頼んで置かしてもらっているが、肩身が狭い。

 

勇造が岡山に呼び戻そうと言ってくれたが、空襲で今、お前たちの住む所は岡山にないと言いに来た健太郎。もうしばらくしたら家を建て直すという健太郎に、光代は「私、岡山へは帰りません。東京へ帰ります」と答えた。健太郎は片桐からもらった手紙とレコードを持参していた。レコードはショパンの「別れの曲」。

 

健太郎「正直言って、わしはのうエイスケに死なれてからというもの…自分はどう死のうか、そんな事ばっかり考えて生きてきたんじゃ。ああ…死ぬことばっかり考えてきたんじゃ。

じゃがのう…うまくは言えんがもっと生きていたい。生き続けたいと思うようになったんじゃ。そう思うようになったんはのう、このレコードのおかげなんじゃ。片桐さんが送ってくれたレコードを聴きよるとのう、不思議に…そう思えるんじゃ。どういう訳か涙が止まらんのじゃ。

なあ光代…今のお前は死ぬことばっかり考えてるのと違うんか? うん…? わしじゃあ…お前の生きる支えになれんのか? 光代…一緒に生きよう…!」

光代は涙を流すが、レコードをさすったまま答えなかった。

 

健太郎は六助に懐中時計を渡し、あぐりたちのことをお願いして帰っていった。あぐりはレコードを大事そうに抱えている光代を見て、冨士夫に蓄音機がないか聞いた。冨士夫の息子の太郎から校長先生の家にあると言われ、蓄音機を借りて光代に「別れの曲」を聴かせた。

 

光代の回想にはバラの花束を抱えて光代に会いに来た片桐や手取り足取りバイオリンを教えてくれ片桐の姿。

peachredrum.hateblo.jp

そして、健太郎の「わしじゃあ…お前の生きる支えになれんのか? 一緒に生きよう…!」という言葉。 

 

畑仕事をしているあぐりの傍らに光代の姿があった。そして、あぐりに笑顔を見せた。

 

光代が見せた久しぶりの笑顔でした…。

 

 

そういえばこのドラマの再放送を見始めて初めてこの作品の脚本家が2年後の朝ドラ「すずらん」を書いてると知りました。最初は作風が違い過ぎて信じられなかったけど、最近のシリアス展開を見ていると納得しました。本来はシリアスめが得意な人なのかな? 「すずらん」はヒロインもおとなしめだし全体に暗かったように思います。

www.nhk.or.jp

そういえば、「あぐり」の再放送が始まったころ、「おしん」ではおしんを助けてくれたのはお師さん、加賀屋の大奥様、網元のひささんなど頼もしい年上女性たちだったのに対し、あぐりに優しくしてくれたのは、亡き父、義父、夫、女学校の先生など男性ばっかりと言うのを見て、確かにそうかも…と気付きました。今だって意地悪するのは、あさ子で何かと協力的なのは冨士夫だもんね。そこが男性的なのかもしれない。

 

早く戦争が終わって欲しいです。