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ドラマの感想など

【ネタバレ】キイハンター #33 殺人行進曲

TBS 1968年11月16日

 

あらすじ

マカオからキイハンターに届いた1000万円は賭博王の命を守れ。殺し屋に送られた1000万円は賭博王を暗殺せよ。日本に来た大物ブルーストーン・リーを守る者、狙う者。雄大な観光地帯にその戦いは繰り広げられる。ここまでの勝負は、まさに五分と五分。互いの手に隠された最後の切り札。それを使うチャンスを狙って戦いはますますエキサイトする。

2025.11.14 J:COM BS録画

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ナレーター<この部屋のグループは5人>

 

元 諜報部員・黒木鉄也:丹波哲郎

 

元 諜報部員・津川啓子:野際陽子

 

カー狂・島竜彦:谷隼人

 

記憶の天才・谷口ユミ:大川栄子

 

元 新聞記者・風間洋介:千葉真一

 

<彼らの愛するものは自由。求めるものは平和>

 

国際警察特別室

 UNIPOL JAPAN

 

国際警察・村岡特別室長:仲谷昇

 

<彼らの活躍がここに始まる。彼らの行くところ不可能の文字なく、彼らを遮る国境もない。彼らは、こう呼ばれる…>

 

KEY HUNTER

キイハンター 

 

制作:東映株式会社

   TBS

 

MACAO

 

夜、外では爆竹が鳴っている。部屋でタイプライターで英文を打つ手元だけが映る。

 

エアメールの封筒の宛先

 

Mr. Tetsuya Kuroki

Room No.3571

Kasumigaseki Building

 

Minato-ku, Tokyo

JAPAN

 

飛行機から降り立ち、東京空港郵便局から車が出る。随分丁寧な描写だね。

 

黒木のもとに届いた封筒は手紙のほかに1000万円の小切手が入っていた。

 

風間「1000万というと1万円札が何枚だ?」

ユミ「国際銀行マカオ支店の振り出しだわ」

啓子「いったい誰からのプレゼント?」

黒木「差出人の名前がないな」

島「奇特な人もいるもんですねえ。僕たちにポンッと1000万」

 

きょうは5人いる!

 

マカオの賭博王といわれるブルーストーン・リーという人物の護衛の依頼。観光旅行の途中、日本に立ち寄る。滞在期間中は殺し屋から守ってほしい。この手紙によると中近東の某国の革命軍に資金上の援助をしていて敵側から命を狙われている。

 

手紙の中に”kill”の文字。

 

シャワー室からバスタオルを巻いて出てきたマキ。

紺野という男が手紙を見ていた。

マキ「どこから?」

紺野「殺しを依頼してきている。ブルーストーン・リーというマカオの賭博王が日本へやってくる。滞在予定は1週間。その期間内に殺す」銃を構える。

マキ「依頼人は? 素性の知れない殺しは危険だわ。罠かもしれないし」

紺野「マキ。小切手を送ってきてるんだよ。1000万」小切手にキス。

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紺野役の高宮敬二さんは10話、26話に出演。田宮二郎さんみたいな長身イケメン。

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マキ役の八代万智子さんも5話、18話に続いて3回目。

 

同じく小切手にキスする啓子。「この1000万に懸けてもブルーストーン・リー氏を必ず守ってみせるわ」

 

また場面が切り替わる。

マキ「日本にいつ来るの? そのマカオの賭博王」

紺野「あすの朝、早くに」

 

鏡を見ている啓子。「どう、似合って?」

リー「おお、とてもよく似合います。ミス啓子」

啓子「でもほんとによろしいのかしら。お近づき早々おねだりして」

男「いいですとも。リー大人(たいじん)はお金持ちです。それにあなたはお美しい」

啓子「ああ…いやなおじいちゃん」ベタベタくっついてくる白髪メガネの男を避けて帽子にサングラスのリーに近づく。

男「あなたのようなね、美しい護衛がついて、リー大人もことのほか、ご満足ですよ」

 

近くで買い物するふりをして啓子たちを見ている紺野。

 

男「いやいや、お美しい。あいたっ! ああ…」啓子がかぶっていた帽子を触って痛がる。

啓子「あら、ごめんなさい」

男「きれいなバラにはトゲがある」

 

道路の向かい側には変装した風間とユミが公衆電話をかけながら見ている。

風間「マカオの賭博王だなんていうから、どんなやつかと思えば、なんの変哲もない外人ですよ。羽田で迎えて、今、銀座へ繰り出したところです。秘書兼通訳のおじいちゃんが一緒です。護衛の啓子ちゃんをすっかり気に入ってますよ」

黒木「そんなことはどうだっていいんだよ! 殺し屋がいつどこで狙撃してくるか分からんぞ。リー氏のスケジュールはどうなってんだ?」

風間「はい、分かってます」

ユミ「それはですね、ボス、え~っと…ただいまから11時まで銀座にてショッピング」

 

指輪をはめる啓子。「あっ、どうしましょう。こんな立派なもの」

秘書「いや、リー大人はお金持ちですよ。それにあなたはお美しい。アハハッ」

抱きついてくる秘書をかわして立ち上がる啓子。「どうもありがとう」

 

ユミ「このあと直ちに箱根へ直行。ロープウエー、芦ノ湖遊覧のあと、箱根ホテル1泊。あっ、東京タワー展望へ行って出てきました」東京タワー近くの公衆電話からボスに報告。

 

東京タワーから出て車に乗り込むリー氏や啓子をカメラで撮影する風間。運転手は島!

 

風間「フフッ、坊や。なかなかやってるじゃないか」しかし、すぐあとを紺野がついていくのを目撃し、ユミから受話器を奪う。「ボス、殺し屋らしい男があとをつけてる。僕が追ってみます」受話器を置き、ユミに「はい、これ、現像頼むよ」とカメラを渡し、すぐ車で追いかけた。

 

啓子「お心当たりありません?」黒木宛の手紙を見せる。

リー「ノー」

秘書「いや、差出人が誰なのかねえ。私にも心当たりはありません。ですが、この書かれていることは、すべて事実ですね。リー大人はお金持ちですよ。そのお金を世界平和につぎ込んでおられる。独裁政治と戦うグループに…ヘヘッ。温かい手を差し伸べて。ヘヘッ」啓子の手を握って、ナデナデ。きもいっ!

啓子「ご立派な方ですのね」手を返す。

秘書「いやあ、反対勢力から命を狙われたことも何度かありましたよ」

 

島「どうやらその反対勢力が冷たい手を差し伸べてきたようですよ」

啓子も後ろの車を見る。紺野、風間の車がついてきている。

 

啓子「まだついてくるわよ」

島「ええ、様子見ましょうか」路肩に車を止めると、紺野の車はそのまま行ってしまい、風間の車が横付けした。「殺し屋と見たのは思い過ごしかな」

啓子「とにかくつけてみてよ」

風間「オッケー、頼むよ!」紺野の車を追いかける。

 

非情のライセンス」マーチ調と箱根ロープウエー。これがカラーで見れたなら。

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「おやじ太鼓」でも箱根に行った回があったけど、カラー化の前の回だった。

 

ロープウエーの山頂駅でポスターを見ている紺野を見ている風間。<リーさんのスケジュールによると山麓のレストランで30分間休憩ののち、このロープウエーを利用してここへ登ってくる。なるほど。待ち伏せしてズドン>

 

下のオープンカフェにいた啓子たち。

秘書「ああ、そろそろ出発の時間ですよ」立ち上がり、「じゃあ、まあ、参りましょう」と隣に座っていたリー氏を無視して啓子にベタベタ触る。

 

ロープウエーの乗車口まで見送りに来た島に、「あんたは別じゃ。さあさあ…」と啓子をエスコートする秘書。

島「ほんとに気をつけてよ!」

 

腕時計をチラ見した紺野が歩き出し、風間も追いつつ、電話。「坊や、彼氏が下りのゴンドラに乗るぞ」

島「よし、分かった。すぐ知らせる」←今日の島ちゃん、ため口だね。

 

風間は駅員が止めるのも聞かず、動きだしたゴンドラの下に掴まった。怖すぎ。

 

島「啓子さん、啓子さん、大変だよ! 乗ったんだよ!」ゴンドラの下で騒ぐ。

啓子「えっ? 何?」

島「殺し屋が下りのゴンドラに乗ったんだよ。気をつけてね!」

啓子「オッケー、分かった」秘書に「さっきの殺し屋が山頂駅から下りのゴンドラに乗り込んだらしいんです」と説明。

 

風間はゴンドラの下から上に移動した。もう、怖い。

 

啓子「ちょうど真ん中で下りと上りがすれ違います。その瞬間を狙って撃ってくるつもりですわ」

秘書「ええっ?」

 

風間はゴンドラの中を覗き、紺野が銃を準備しているのを目撃。

 

啓子「向こうのゴンドラに乗ってる、あたしの仲間が狙撃寸前に殺し屋を倒すはずです。どうしてもご心配でしたら、すれ違う瞬間だけ、うずくまって身を伏せてください」

秘書「こうしてるとね、怖さを忘れます」啓子の手を両手で包み込む。キモッ!

啓子「おじいちゃんったら…」

 

紺野がライフルでリー氏を狙う。反対側の窓のロックを開けた風間はそっとドアを開けた。

 

啓子「伏せて!」

秘書「よいしょっと」

 

風間がゴンドラ内に潜入し、紺野を殴った。

 

ゴンドラは何事もなくすれ違った。

 

紺野「何するんだよ。そいつはな、デパートで売ってるおもちゃなんだ!」

風間「何? よ~し」上に向けて撃つと、本当におもちゃだった。ライフルから出てきたのは小さな落下傘。

 

啓子「もう大丈夫ですわ、リーさん」うずくまったままのリーの背中をたたく。しかし、リーが仰向けになると、胸に針?が刺さっていた。針を抜き、「あたしのハットピンだわ。いつの間にか誰かが引き抜いて…この中の誰かが?」

 

ゴンドラの中には啓子たち以外にも客が乗っていて、サングラスの女がニヤリと笑った。

 

夜、帽子、スーツの黒木がタクシーで到着した。

風間「ボス、申し訳ございません。われわれがついていながらリーさんを…」

黒木「亡くなったのか?」

島「ええ、手当のかいもなく」

風間「胸に突き刺さったハットピンの先に猛毒が、え~っと…テト…テ…」

黒木「テトロドトキシンっていうんだよ、そいつは。そいつはフグの毒と同種類でな。ごく少量で全身まひを起こして死に至らしめるんだ。で、犯人の目星は?」

島「えっ…それが全然」

 

秘書「日本の警察は、けしからんよ。やぶにらみの集まりだよ」

啓子「ええ、ほんとに」

 

やぶにらみ=斜視のことらしく、今では放送禁止用語だそうです。確かに聞いたことのない言葉です。これ、丸ごと消されると全く何の意味か分からなかっただろうな。

 

秘書が啓子の手を握りながら、階段を下りてきた。

 

啓子「あっ、ボス。警察からね、第1に疑われてるのは、このあたしなのよ。何しろフグの毒の水溶液が入った目薬がね、いつの間にか、あたしのショルダーバッグの中に入ってたの」

黒木「じゃあ、なんだな。敵はスリの手も使うんだな」

啓子「うん、あたしのお株奪っちゃって、頭きちゃうわ!」

秘書「うん、私もね、刑事たちに言ってやりましたよ。こんな美しい人を疑うなんてね、お前たちの目は節穴かって。ゴンドラの中で事件が起きたときですよ。私たち2人はね、こうして、この手と手をしっかり握り合っていたんだから」

啓子「ほんと」

 

風間も島も目の前のセクハラにドン引きの様子。

 

秘書「それでもまだこの人を疑うというんならね、私は日本中の新聞記者を集めてね、警察の無能ぶりを…」

啓子「ほんとに助かったわ。おじいちゃん」体を離そうとする。

秘書「いやいや、わしはね、美しき者の味方なんじゃから」

風間「おじいちゃん、いつまで握ってるの」啓子の手から秘書の手をどける。

秘書「あら? これは失敬したね、どうも。いや、あの、この辺が…」啓子の腰からお尻を触る。てめぇ!

啓子は悲鳴を上げて、黒木の隣に避ける。

 

ま、黒木さんもセクハラ王だけどね!

 

黒木「賭博王といわれるだけの男なら、よほど運も強いはずだ。ひょっとすると…まだ生きておいでになるかもしれませんな」

秘書「ええっ?」

黒木「自由を愛し、世界平和の陰の力になっている、あなたに心から敬意を表します。ミスター・ブルーストーン・リー」

驚く啓子たち。「じゃあ、あの、この…おじいちゃんがあの…マカオの賭博王?」

 

リー「慧眼、恐れ入りました。おっしゃるとおり二つ名をマカオの賭博王・李青石(り・せいせき)です」トランプのスペードのキングを黒木に渡した。

 

裏返すと

 

李 青石

 

とだけ書かれている。

 

黒木「『李青石』。英語読みでブルーストーン・リー」

啓子「でも、ボス。どうしてこの方が賭博王って分かったの?」

黒木「英雄色を好むっていうからね」

笑い出す啓子や李。

黒木「まあ、半分は山勘、俺のバクチだ」

李「いや、あなたのバクチは、お強そうだ。いや、それにひきかえ殺された私の影武者、有能な人だったがツイてなかったんだ、人生という勝負に」

 

まあ、殺されたブルーストーン・リーは、ほとんどしゃべらないし、モブっぽいっちゃ、モブっぽかったもんね。

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セクハラおやじ・李青石役の上田吉次郎さんは強面のクセ強。

 

黒木「殺し屋のほうでも、われわれの手の内を読み違えた。まあ、当分、あなたは死んだことにしておきましょう」

李「えっ?」

黒木「あなたが生きているということになると殺し屋のほうじゃ、またバクチを挑んでくるに相違ありません。まあ、当分、この男(風間)を護衛として残しておきましょう」

李「いや、そ…それは困る。いや、私の護衛は、やはり気心の知れた…」啓子を見る。

黒木「条件付きで承諾しましょう」

李「えっ?」

黒木「別々に部屋を取ること」

李「やむをえんでしょうな」

笑い出す啓子。

 

飛行機からゴージャスな女性が降りてきた。

 

女性は箱根ホテルに到着し、フロントに聞き、ブルーストーン・リーの泊まる312号室へ。ロビーへ降りてきた風間が女性を目撃した。<中国服…>

 

風間「ねえ、今、着いた彼女の部屋は?」

フロント「312号ですが?」

 

シャワー中の啓子の部屋に電話した風間。

啓子「えっ? 李さんの部屋に怪しい女? だって困っちゃうわ。こんな格好してんのに」

風間「殺し屋かもよ。一刻を争う」

啓子「う~ん、しょうがないな。じゃあ、なんとかする」受話器を置き、バスタオルを体に巻いたまま、312号室を訪ねた。バスタオルにしちゃ大きいからシーツかも。

 

李「おお、いや…こりゃまるでミロのビーナスを見るようだよ」

啓子「そんなこと言ってる場合じゃないんです。怪しい女がこの部屋にやってくるんです。殺し屋かもしれません」

李「えっ? また殺し屋?」

啓子は部屋の入口の花瓶を手にドアの近くに潜んだ。

 

サングラス、毛皮のコートを着た女がドアをノックした。部屋に入ってきた女はサングラスを外しており、李の顔を見て「まあ、あなた! 無事だったのね!」と笑顔を見せ、抱きついた。

李「いや、ハハッ…」

李夫人「日本の警察からの電話であなたは殺されたって。それで、私、もうびっくりして飛んできたのよ。ああ、でも、よかったわ。ああ、うれしい」

李はドアの後ろの隠れている啓子に出ていくよう目と指でジェスチャー。うなずく啓子。

李夫人「あなた、ねえ、あなた。どういうことだったの? 電話が来たとき、もう、本当に私、死んだような気持ちだったのよ」

 

花瓶を置いて出ていこうとした啓子だったが、花瓶の下にシーツが挟まっていて、啓子が動いて、花瓶が床に落ちた。

 

李夫人「なんですか? この人は」

啓子「あっ、それは、あの誤解です。あの、なんでもないんです、あたくし」

李夫人「なんでもない方がどうしてそんな格好で主人の部屋に? あなた、どういうことなんですの?」

李「いやいや、ほんとになんでもないんだよ。この方はね、私を殺し屋から守るためにだな、国際警察から派遣されてきたんだから」

李夫人「国際警察?」

李「うん!」

啓子「はい、そのとおりです。奥さま」

 

李夫人「あなた方にお手紙を差し上げたのは、わたくしです」

啓子「えっ? あっ…」

李夫人「わたくしにとってかけがえのない主人ですから」

啓子「じゃあ、あの1000万円の小切手も?」

うなずく李夫人。「必ず主人を守ってください」

啓子「はい。名誉に懸けましても」

出ていくよう手でうながす李夫人。

啓子「はい、失礼しました」

 

部屋を出ると風間が立っていた。「どうした?」

啓子「慌て者(もん)! 殺し屋だなんて言うから赤っ恥かいちゃったじゃないかよ」

風間「それじゃ…ねえ、啓子ちゃん。それじゃ、なんだったんだよ?」

しかし、啓子は隣の部屋に入り、ドアを閉じてしまった。

 

きょうのCMは、うまいものお取り寄せだった。こういうのでいいんだよ。

 

紺野「マキ、一杯食ったようだよ。賭博王の奥さんが遺体を引き取りに飛んできた。だが、死体は別人だったよ。本物の李は箱根のホテルでピンピンしている。もう一度、行ってくれるね?」

そっぽを向くマキ。「気が進まないのよ。虫が知らせるというのかしら」

紺野「マキ、君は今までに一度だって…」マキの髪の毛を触る。

マキ「しくじったのも今度が初めてだわ。あたしの身に万一のことがあったら…」

紺野「えっ?」

マキ「あたしに尽くしてくれたように、ほかの女にもこうやって髪の毛を触りながら」抱きつこうとした紺野を拒絶し立ち上がる。「もう一度だけ行ってあげるわ。でも…あたしを裏切ったりしたら殺すわよ」

 

ファッション誌をめくる啓子。部屋に李が訪ねてきた。「先ほどは、どうもとんだ失礼を。あいつは気の利かんやつでしてね」

啓子「びっくりしましたわ」

李「いや、おわびのしるしにね、下のバーでもって一献やりましょうよ」

啓子「いけませんわ。また奥さまに誤解されます」

李「大丈夫ですよ。いやね、あいつはもうね、寝てますから」

啓子「フフフッ」

李「さあ、バーへ参りましょう。あなたは私のボディーガードですからね。ついてくる義務があります」啓子の腰を抱き部屋のドアを開ける。

啓子「せっかくですけど下には風間くんが詰めてますから、どうぞ1人でいらして。さあ、いってらっしゃい」と部屋から追い出した。

 

バーへ行った李はスコッチを注文。店を見渡し、「ここには相手をしてくれるようなこんなのはいないのかね?」金髪女性の雑誌?をバーテンに見せた。

バーテン「はあ? はあ、申し訳ありません」

 

しかたなく雑誌の女性と乾杯する李。

風間「私が相手では、どう?」

李「あいにくそういう趣味は、なくってね」しかし、ミニスカの女性が足を組んだのを見て近づいた。「あの、もしもし」

マキ「えっ?」

李「あっ、あの…背中のチャックが」

マキ「あら、いやだわ」ワンピースの背中が開いていて、立ち上がる。

李「いや、こりゃ、お直ししましょう」

マキ「ありがとう」

 

李「あの、ダンスをお願いできますか?」

マキ「ええ、喜んで」

李「喜んで? うハハハッ、こりゃありがたや」顔をぴったり押しつけて、タンゴを踊る。

 

マキ「情熱的。楽しい方、好き」

李はデレデレ。「どっかでお会いしたことがあるような気がしますがね。それもあの、きのう、きょう」

マキ「そうかしら? あたしは、この先の別荘に遊びに来たの。1人で」李に遊びに来るよう誘う。「二人っきりで、別荘で」

李「いやいや、ただ、やっかいな番犬が1匹」

 

カウンターで飲んでいた風間がギョッとする。「番犬? ヘッ、ブルみたいな顔しちゃって、まあ」

 

マキ「若い男はダメ。気負いたつばかりで女に尽くしてくれないからダメ」

勝ち誇ったように笑う李。

 

部屋でトランプしている啓子。スペードのキングの顔が李に変わる。「フッ、エッチなおじいちゃん」

 

李「いや、どうも楽しかったですね」

マキ「ホントに楽しかったわ」

風間「なかなかすばらしいタンゴでしたよ」

マキ「お連れの方、紹介していただけないかしら?」

李「いや、もう、あの…」

風間「番犬の風間と申します」

マキ「マキですわ。よろしく」

風間「こちらこそ」

 

テーブルの下で何か液体を入れたマキ。「ひと目ぼれ。浮気っぽいタチなの」

風間「結構」乾杯し、飲もうとしたが、マキが自分が飲んでいるグラスを風間のほうにやり、お互いがお互いのグラスで飲んだ。

 

李「マキさん」

マキ「やいてらっしゃるの?」

しゃっくりがでる風間。「ハハッ、こりゃ失礼」しゃっくりが止まらなくなる。

マキ「どうなすったのかしら? ボーイさん、塩水差し上げて」

塩水を飲んでもしゃっくりが止まらない風間。

 

マキ「今のうちに早く」李に耳打ちすると、李は大喜び。

 

しかし、テーブルにダーツの矢が刺さった。

 

啓子「お仲間に入れていただけるかしら? (風間に小声で)胃の中のもの、みんな吐き出してらして」風間はバーを出ていった。「あっ、それともお邪魔だったかしら?」

李「いやいや、まあまあ、さあ、どうぞどうぞ」

 

とりあえずまた席に着く。

啓子「ああ、よかったわねえ。もうちょっとで悪い女に引っかかるところ」

マキ「なんておっしゃって?」

啓子「それとも怖い女かしら?」

へらへらなだめる李。

 

マキが太ももから小さな液体の入った容器を取り出したのを見逃さなかった啓子。

 

男子トイレでうがいしまくる風間。

 

啓子「ああ、風間くんが危ないとこ。あとひと口飲んでたら、しゃっくりどころじゃ済まなかったわ」

マキ「なんのことかしら?」

啓子は小さな容器のふたにダーツの矢を刺した。「この針であなたの腕をチクリと刺したらどういうことになるかしらね、殺し屋さん

李「じゃあ、この人が殺し屋? いや、信じられん。こんな美しい人が」

 

啓子「ゴンドラで確かご一緒でしたわね」

李「えっ? ゴンドラ?」

ボーイが飲み物を運んできた。「あちらのお客さまから」

 

カウンターにいた紺野がグラスを傾け、マキの目の前の紙ナプキンには「引きとめておけ」と書かれている。マキがその紙ナプキンを取り出して口を拭いて丸める。「どうやら、あたしの負け。なんでも質問にお答えしてよ」

 

紺野は席を立った。

 

まだしゃっくりが止まらない風間は、トイレから出ようとして、エレベーターに乗ろうとする紺野を目撃。

 

啓子「殺しの命令は、どこから来るの?」

さあ、ととぼけるマキ。

啓子「どっかの組織に属してるんでしょ?」

マキ「いいえ。あたしは1人。1人が好きなの」

啓子「ウソおっしゃい。男と組んでるはずだわ。何者?」

 

風間は紺野が李夫人のいる部屋に入って行ったところを見た。部屋の前に行くと、ドアが開き、紺野が銃を風間に向けた。「きょうのは、おもちゃじゃないぜ」

風間「びっくりした。おかげでしゃっくりも止まったようよ」

 

啓子「あたしたちが調べたところによると、この3年間に世界中で3人の要人がフグの毒にあたって死んでるわ。裏には秘密組織の陰謀がはたらいているわね」

腕時計を見たマキ。「そろそろ。あなたの奥様を」

李「えっ? 私のワイフを?」

マキは立ち上がり、啓子に銃を向ける。「さあ、お部屋にお帰りあそばせ」

 

啓子は李を連れて部屋に戻った。ベッドにいたのは風間。「ああ、姉御、面目ない。やられた」

啓子「ああ、ダメな人ね。じゃあ、奥さんは?」

 

部屋の電話が鳴り、李が出ると紺野だった。「奥さまをお預かりしてます。あなたの命と引き換えにお渡ししますよ。早川橋の近くの別荘で」

 

李「なんてことだ、まったく。ワイフと引き換えに私の命か。どう考えたって、損な取り引きだ」

 

風間「ああ、痛(いて)え…」後頭部をタオルで押さえている。

啓子「寝ぼけてる場合じゃないのよ、いつまでも」風間の背中をたたく。

風間「違うんだよ。どうもくさいんだよ」

啓子「何が?」

風間が啓子に耳打ち。うなずく啓子。

 

風間「はっきり突き止める前に後ろからガ~ンさ」

啓子「そういえば李さんが生きてるってことを殺し屋たちは誰から聞いたのかしら?」

風間「それよ」

 

別荘でガウンを着て外を眺めていた紺野がベッドで寝ている李夫人を起こす。「奥さん、何もかもうまくいきそうですよ。もうしばらくの間、お芝居を続けていてください」

李夫人「もちろんだわ」

紺野「女の殺し屋の前でも」

 

殺し屋が女と聞き、驚いて起き上がる李夫人。「紺野、お前、ひょっとして、その女と」

 

別荘の前に車が止まった。来たのはマキ。

 

李夫人「あの女ね」

紺野「奥さんと一緒になるためには賭博王を殺さしたうえで、あの女も国際警察の手で、そう思って、私は…奥さん」

李夫人「紺野。お前の気持ち、いじらしいわ」紺野を抱きしめる。「お前は、私のものよ」

 

このドラマで女性の一人称が”私”の人ってレアだな! これまでどんな人でも”あたし”なのに。

 

車に乗っている李。「いまいましい話だよ。あんなワイフの身代わりになるなんてねえ。60年の不作というが、もう、私も女運にだけは恵まれなかった」

啓子「かといって奥さまを見殺しにはできませんわ。大丈夫ですわ。李大人は。ことのほか運がお強いから」

車を運転してるのは風間。「んっ? あのうちらしいな」

 

李が啓子と車を降り、別荘へ。風間は別荘の外に潜む。

 

別荘に入ると、李夫人が助けを求めた。李夫人は縛られており、啓子がロープを解いていると、マキが銃を向けて現れた。「お待ちしてたわ。この世の名残に、あたしの得意な料理でおもてなしするわ」テーブルの上には煮立った鍋。「スイス風のフグ鍋いかが? 座って落ち着いて召し上がれ。さあ!」

李、啓子が席に着く。

 

風間は草の束を持って身を隠しつつ別荘に近づく。

 

マキ「きょうは特別おいしくできたのに…それとも鉛の弾のほうがお好き?」

 

窓から覗いていた風間が別の場所に移ろうとすると、紺野が銃を持って立っていた。

風間「またお前さんかい!」

 

紺野が風間を連れて部屋に入ってきた。

 

マキ「さあ、あなたも召し上がれ。フグのおいしい季節」

風間「しゃっくりは、もう結構よ」

紺野「せっかくのおもてなしを受けてくれないというならしかたがないな。マキ、やるんだ」

マキ「あなたから?」風間や啓子に銃を向ける。

 

啓子「約束が違うんじゃない?」

紺野「そう。約束どおり奥さんの命だけは助けてあげましょう」テーブルの上のナイフで李夫人のロープを切った。

 

マキ「じゃ、あなたから!」

啓子「ちょっと待って。大切なこと忘れてた。奥さま、せっかくお依頼を受けながらボディーガードの任務を果たすことができませんでした。なんとおわびを申してよろしいやら」

李夫人「主人も最後の運がなかったんですわ」涙を拭く。

李「このとおり、薄情なやつだ」

啓子「小切手お返しします」

 

マキが啓子の手紙を奪って読んだ。「そっくりだわ」

啓子「文面の一部が違うだけよ。あたしのほうはボディーガード。あなたのほうは殺しの依頼書。どちらも李夫人がこの男と組んでたくらんだことよ」

マキから銃を奪ってニヤッと笑う李夫人。

李「お前ってやつは!」

 

李夫人「賭博王がバクチに負けたのね。アハハハッ」

紺野「きょうからは奥さんがマカオの賭博王だ。その莫大な財産が私の属する組織の重大な軍資金となって新しい世界地図を作り上げるはずだ」

 

マキ「紺野!」

紺野「許してくれな。国際警察のやつらと相打ちってことにすりゃ、なんの後腐れもなくなるんでね」

目を潤ませるマキ。風間は啓子の肩を触る。

紺野「お前のことは忘れない」

 

啓子と風間が紺野たちに向かって何か投げた。紺野は発砲し、李夫人と出ていった。紺野が運転し、李夫人が銃を撃つ。

 

車に乗って追いかけるマキ。風間も乗り込む。

 

涙を流して運転するマキ。

風間「なんでこんな商売してるんだい?」

マキ「あなたはなぜ?」

 

紺野たちの乗る車を追いかけ加速するマキ。しかし、急ブレーキをかけ、風間に降りるように言う。

 

風間「車ごと突っ込む気だな? 降りるわけには、いかねえな。運転、代わろうか…」と立ち上がったとき、車は急発進した。

マキ「やむをえないわ。あなたまで死なせたくなかったのに」

 

マキの車は何度も紺野の車に追突した。李夫人が銃で応戦するものの、紺野たちの車は蛇行運転を始め、マキが車を止めて、タイヤに銃を撃つと、崖から落ちて炎上した。

 

前も高宮敬二さん、こんな役じゃなかった?と思ったら、社長の若い妻と不倫はしてたけど、最後は死んでなかったね。最後2人で崖から落ちたのは、24話だ。

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26話は冒頭に社長と運転手が乗った車が崖から落ちて炎上したんだね。

 

崖の上から燃える車を見ているマキと風間。

マキ「あたしは1人が好きなの。死刑台にも1人で行くわ」

風間はマキから手渡された拳銃を地面に投げつけた。

 

空港

お礼を言う李。「いや、これで私も悪いワイフがいなくなったことだし、しばらくは羽を伸ばして」

啓子「今度こそ、いい奥さん見つけなさいね。おじいちゃん」

李「いや、しばらくは啓子さんの面影が忘れられないでしょう。そうだ! あの、皆さん、一度、マカオへいらっしゃいませんか? いや、私の賭博場へ」

ユミ「グッド、アイデア! ねっ? ボス」

黒木「まあ、金と暇がありさえすりゃね」

島「暇のほうは、なんとかなりそうだよ。ねっ?」

風間「ボス、こっちのほうはどうなの?」手でお金マークを作る。

黒木「まあ、とにかくなんだな。マカオの賭博場に落ちた金が、あんたの手で世界平和のために役立てられる。実に結構なお話ですな」

李「なあ、啓子さん」手を引っ張る。

啓子「なんだかうまくごまかされちゃったみたいよ」

風間「そのようね」

黒木の笑顔で終わり。

 

プロデューサー:近藤照男

        坪井久智

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脚本:池田雄一

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擬斗:日尾孝司

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音楽 :菊池俊輔

主題歌:キイハンター

    非情のライセンス

作詩 :佐藤純弥

作曲 :菊池俊輔

 唄 :野際陽子

    テイチクレコード

非情のライセンス

非情のライセンス

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黒木鉄也:丹波哲郎…字幕黄色

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津川啓子:野際陽子…字幕緑

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島竜彦:谷隼人

谷口ユミ:大川栄子

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風間洋介:千葉真一…字幕水色

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李夫人:万里昌代

マキ:八代万智子

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ブルーストーン・リー/李青石:上田吉二郎

紺野:高宮敬二

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岡野耕作

高須準之介

木村修

高月忠

アーサー・タンズレー

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監督:山内柏

 

<プロフェッショナル・キイハンター。次の赤いシグナルは…深夜、黙々として墓を暴く者。そこに2億円がうずめられていた。中国で戦争に敗れた日本の遺産を血の負債として追及する組織。その渦中で国際スパイの女が殺された。敵(かたき)を狙う妹の復讐は皆殺しだ。莫大な金と執念をいだいて、彼らはついに日本にやってきた。指令を受けたキイハンターは祖国を失った殺し屋たちと血の解決に迫られていく>

 

キイハンター

墓を掘る殺し屋たち

に御期待下さい

 

前回からゲストの名前が出ないね。正直、知った顔はいなかった…と思う。

 

ここまで来るとメインゲストの2回目3回目の人も増えてきたね。それと、奥さまと若い男という組み合わせも意外と多い。今回はセクハラジジイに辟易したな。トータルで見れば世界平和のために役立ってるいい人!? ふざけんな!