徒然好きなもの

ドラマの感想など

【ネタバレ】キイハンター #18 新ギャング同盟

TBS 1968年8月3日

 

あらすじ

ネズミと呼ばれたギャング一味。もう1つ、マシンガンで武装したギャング団。10億円の現ナマを巡って人を襲い、その秘密を握る金髪のジュリーとは何者か? キイハンターは両方の内部に食い込んでアタック作戦。誰が猫の首に鈴をつけるのか? 

2025.10.24 J:COM BS録画

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ナレーター<この部屋のグループは5人>

 

元 諜報部員・黒木鉄也:丹波哲郎

 

元 諜報部員・津川啓子:野際陽子

 

カー狂・島竜彦:谷隼人

 

記憶の天才・谷口ユミ:大川栄子

 

元 新聞記者・風間洋介:千葉真一

 

<彼らの愛するものは自由。求めるものは平和>

 

国際警察特別室

 UNIPOL JAPAN

 

国際警察・村岡特別室長:仲谷昇

 

<彼らの活躍がここに始まる。彼らの行くところ不可能の文字なく、彼らを遮る国境もない。彼らは、こう呼ばれる…>

 

KEY HUNTER

キイハンター 

 

制作:東映株式会社

   TBS

 

病院の廊下

特別病棟

 

加納㐂一 殿

病室の前にスーツ姿の男が立っている。

 

加納「返事を承りたい」

倉田「承知しました。お預かりした資料を基にあなたの事業内容を詳しく調べさせてもらった。いや、満足すべきものと考える」

加納「うむ」

 

ガウンを着た加納とギャングの倉田が向き合って座り、用心棒的なスーツの男が3人立って見ている。

 

倉田「いわゆる犯罪シンジケートとしては、かなりのものだ。密輸ルートもなかなかしっかりしている」

 

株式会社加納会目録

 

テーブルの上に広げた目録のページをめくる。

 

ビルの写真

 

加納地所

社長  加納㐂一

資本金 五億円

設立  昭和35年

決算期 三月、九月

 

加納第二兴業

社長  加納㐂一

資本金 三億円

設立  昭和…年

決算期 三月、九月

 

変わった字だなと思ったけど、ツ、六、漢字で調べたら出てきた。”興”の異体字らしい。”㐂”は”喜”の異体字。どちらも何がどうしてそうなった?ってくらい違う字。

 

倉田「興業会社の偽名に隠れて表面ではクラブ、貸しビル、マーケット。そして、裏面(りめん)では麻薬、密輸、売春、武器、弾薬、腕のいい殺し屋、用心棒…いや、まったく完璧だ。そちらの言い値どおりで買い取りましょう」

加納「私もこんな体にさえならなければ組織を人手に渡すこともないんだが…」

倉田「それでは、10億円の現ナマをお改めください。んっ」3人の用心棒がそれぞれ持っていたアタッシュケースを開けさせた。中身は現金。「念書にサインを。あなたの組織を金(かね)で買い取ったわけだ。あなたは今後一切、われわれとは無関係な人間になっていただく。もちろん、われわれもあなたの生き方には干渉はしない」

 

加納が念書にハンコを押し、倉田が確認し、立ち上がる。「それじゃ、お大事に」と男たちと出ていった。

 

ドアが閉まり、頭を抱える加納。ドアの前に立っていた男が入ってきた。

加納「北村、お前もあいつの下で使ってもらえ。きょうから俺もただの老いぼれ。遠慮や義理立ては、いらねえ。さあ、早く行け」

北村「…」

加納「どうした?」

加納に銃を向ける北村。

加納「北村!」

北村「ボス、跡目を継がせてくれると思えばこそ、俺は今まで忠誠を尽くしてきたんだ。それなのに、あんな野郎に売りやがって」加納に近づき、突き飛ばす。

加納「裏切る気か!」

北村「こいつは俺がもらったぜ」

加納「貴様!」

北村「10億の金を安全な場所へ隠すまで、しばらく眠ってもらうぜ」

加納「待ってくれ、北村、待ってくれ! ああっ!」撃ち殺したんじゃなく、銃で頭を殴った!?

 

射撃場

渡辺と沢見がライフルを撃っている。

啓子「フフッ」

沢見「ああ、あっ、これはこれは、あなたたちでしたか」

黒木も現れる。

啓子「相変わらず腕を磨いてるのね。ネズミさんたち」

沢見「ネズミ? いやになっちゃうな、もう。ネズミ小僧の足は、もう洗ったって言ったでしょ」

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やっぱり顔も声もカッコイイ沢見さん!

 

啓子「どうだか」

渡辺「もうこりごりだ。あんた方を仲間だと思えばこそ、手を組んで密輸団の金を襲った。ところが4億円の現ナマを手にしたとたんに…」

沢見「あんた方は牙をむいた猫に早変わりして、俺たちを捕まえた」

渡辺「マスターだってよ、刑務所で恨んでますよ」

黒木「そのマスターだがね、シャバへ出てくるのは確か10日後だったな」

啓子「そして、そのとき心を入れ替えて出てこないと…」黒木と共にライフルを撃つ。

 

刑務所

和久井「沢見、来てくれたのか」

沢見「ハハハハッ、マスター、元気ですか?」

和久井「ヘヘッ、胃拡張から扁平足まで至極順調だよ」

沢見「ああ、それはよかったですね」

和久井「いや、ただな、うまいコーヒーが飲みたくてな」

沢見「もうしばらくの辛抱さ、マスター」

 

和久井「うん。シャバの様子はどうだい?」

沢見「黒木たちが相変わらず俺たちにガンつけてやがる。きょうも射撃場へ様子を見に来やがった」

和久井「そうか。思い出してもいまいましいやつらだ」

沢見「今度こそ、やつらにひと泡吹かしてやる。マスターのお出ましが待ちどおしくってね」

 

金網越しに顔を近づける和久井。「それについちゃ、おもしろいネタがあるんだよ。きのう、突然、俺は雑居房から出されて別の房へ移された。ところがその房にな…先客が1人、おいでなすった」

沢見「ほう、それで?」

和久井「北村とかって男だよ。婦女暴行でパクられたケチな野郎と踏んでたんだが、話してみると、どっこい、そいつはな…」

 

回想

北村<<婦女暴行? ハハハハッ、笑わせんじゃないよ、おっさん>>

和久井<<ん? おっさん?>>

 

”おっさん”が”おっさん”と呼ばれて、なぜムッとする?

 

北村<<俺は、そんなケチなことでこんなとこへ来やしねえよ。おい、考えてみろよ。ムショほど安全な逃げ場所は、ねえからな。わざとパクられるようなことをしたまでよ>>

和久井<<へえ、わざとね>>

北村<<3年辛抱してシャバへ出るころには、フッ、俺の裏切ったボスは骨になってらあ。俺は線香の1本もあげて、フフフフッ…10億の金が…>>

回想終わり

 

ん? わざと婦女暴行して刑務所に入ったってこと!? 許せんやつだ。

 

和久井「ギャング仲間から奪った10億の現ナマをどこかへ隠して、ここへ逃げ込んできやがったんだよ」

沢見「隠し場所は?」

和久井「なかなか口を割らねえんだよ。それでやっと分かったことはな…」

沢見「それで、分かったことは? 危ない」目で合図。

和久井「ヘヘヘヘッ」刑務官に愛想笑いし、沢見のほうを向く。「俺はな、今度シャバへ出たら本当に一生懸命、真面目に働こうと思ってるんだよ、うん」

 

刑務官「おい、もう時間だ」

和久井「はい」沢見に顔を近づける。「あれこれ話してる時間がねえ。結論を言うぞ。結論はな、鍵を金髪の女に預けたとかって言うんだよ」

沢見「金髪の女…」

 

クラブ

金髪ヅラの日本人女性が歌っている。

 

♪ベッドで煙草を吸わないで

私を好きなら火を消して

瞳を閉じてやさしい夢を

甘いシャネルのためいきが

今夜も貴方をまっているのよ

ベッドで煙草を吸わないでね

そのまんまなタイトル!

 

歌っている女性歌手と目が合う加納。

 

事務所

倉田「加納さん、どうしたんです? 約束が違いやしませんか。あんたは、もうこことは関係のない人間だ」

加納「北村のやつが金を全部取って…」

倉田「何? 北村が?」

加納「頼む。力を貸してくれ。ううっ! 倉田さん、頼む。力を貸してください…」倉田に抱きつきながらも倒れる。

 

倉田「加納さん、加納さん! 加納…おい、誰か! おい!」

 

刑務所

和久井と北村がタバコを吸っている。刑務官が雑居房に入ってきて、北村に差し入れを渡した。

北村「俺に? 誰が?」

刑務官「刑余者更生会だ。新入りの囚人には、ささやかながら差し入れをしてくれてるんだ」

北村「へえ、そいつは、かたじけねえや。なんだ? これ」小さな箱の包み紙を開ける。

和久井「なんだい? こりゃ」

 

箱にはメッセージカードが入っていた。

 

貧しき者は幸いなれ 

    刑余者更生会

 

北村「ヘッ、笑わせやがらあ」中身はシュークリーム2個。「こいつは、うめえや。おい、食うかい? んっ?」

和久井「ううん。あいにくとシュークリームは嫌いでね」

北村「ヘッ、そいつはありがてえや」

 

箱の中身を見たときは、ドーナツみたいに見えた。

 

しかし、突然、北村は苦しみ出し、シュークリームを噴き出した。

和久井「どうした?」

北村「クソ、謀りやがった」口の端から血が流れている。

和久井「しっかりしろ、おい、おい! よし、敵(かたき)は、きっと取ってやる。そのかわりな、現ナマの在りかを、おい! んっ?」

 

北村は苦しみながらも「金髪のジュリー」「カポネ」という言葉を残して息絶えた。

 

新聞の輪転機

 

囚人、毒殺さる!

原因、目下調査中

 

黒木の部屋

黒木が読んでいた新聞をたたんだ。

風間「ボス、どうしたの? すごい顔しちゃって。ほう、囚人を毒殺ね。『犯人は刑余者更生会員に化けて毒入りのシュークリームを差し入れ』」

 

風間、島、ユミもシュークリームを食べており、島がむせる。そういや、風間さんのヒゲがなくなってる! やっぱりヒゲなしがいいよ。

 

黒木「殺したやつの見当はついてるんだよ。ある秘密組織、これまでもマークしといたんだが、なかなか尻尾がつかめなかった」

風間「『殺された北村は元・赤坂のクラブ、カポネの支配人』か。このカポネっていうのが組織のアジト?」

黒木「そのとおりだ。それにだ、つい最近、店の名前が変わったんだよ。ニューカポネとね」

島「ということは、ボスが替わった」

風間「勢力争いが始まると固い組織にもヒビが入る」

ユミ「今こそやつらをたたきつぶす絶好のチャンスってわけね」

 

黒木「そう、最初の手は打っておいた」

島「分かった。啓子さんだ」

風間「どうりで静かだと思った」

黒木「ニューカポネへ潜り込ませておいた。そのうちにきっといいお土産を持って帰るさ」

 

刑務所の扉が開く。

刑務官「もう二度とこんなところへ舞い戻ってくるんじゃないぞ」

和久井「ええ、今度こそパクられないようにうまくやりますよ」

刑務官「何?」

和久井「いいえ、あんまりうれしかったんで冗談ですよ。ハハッ。お世話になりました」

 

♪シャバのそよ風

たもとに入れて…

天保水滸伝

天保水滸伝

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こんな歌ないだろ、と一応検索をかけたら「利根の川風袂に入れて月に棹さす高瀬舟」という歌詞のある「天保水滸伝」の替え歌かもしれない??

 

和久井が歌いながら歩いていると、角刈りサングラススーツの男が車で横づけし、「長いおつとめ、ご苦労さんでした」と話しかけてきた。「お迎えに参りました。お車へ、どうぞ」

和久井「な…なんかのお間違いでしょ。えたいの知れない車に乗るのは御免被ります」

 

立ち去ろうとした和久井だったが、角刈り男に銃を背中に突きつけられた。

 

和久井は倉田のもとへ連れていかれた。

倉田「ようこそお待ち申し上げておりました」

和久井「ふんっ、おとなしくついてくりゃ、いい気になりやがって。見損なうんじゃねえ。はばかりながら、こう見えても…」

倉田「存じ上げておりますよ。昭和のネズミ小僧とやら、新聞でね。別荘では北村とご一緒だったそうですな。やつとどんな話をしました?」

和久井「別に」

 

倉田「死ぬ間際に何か言い残しはしませんでしたか? ひと言ぐらい、なんか言ったでしょ」

和久井「さあね」

 

角刈り男がにこやかに和久井の前に箱を差し出した。中身はシュークリーム! 初見、ドーナツみたいだと感じたのは、形がフレンチクルーラーだったからだ。

でも、やっぱりドーナツだよな、これは。

 

男「正直におっしゃっていただかないと、あなたにもこれを召し上がっていただくことになる」

倉田が和久井の口にシュークリームを近づけた。

和久井「ううっ。そういや、ものすごい形相でね、『クソ、謀りやがった』なんて言ってました」

 

角刈り男がナイフを向け、和久井の頬にあてる。「思い出していただこうか。まだ、思い出さねえかい!」

和久井「あっ、思い出した。女だ」

 

和久井は女に鍵を預けたと言っていたと話した。倉田に女の名前を尋ねられたが、名前は答えなかった。角刈り男が和久井を殴り飛ばす。「名なしの権兵衛ってわけでもねえだろうが」

 

和久井「ただ、女はカポネにいるとかって」

倉田「カポネ? ハハハハッ…灯台もと暗しとは、このことだ」

男「そういや、やつは、ここの支配人だったな。関係していた女は何人かいますぜ」

倉田「徹底的に洗え」

和久井「へえ、じゃあ、カポネっていうのは、この店のことで」

倉田と角刈り男が目配せする。

 

帰ろうとした和久井の顔をかすめてナイフを投げる角刈り男。今度は銃を向ける。「生かして帰すわけにはいかねえんだよ」

 

追い詰められた和久井は角刈り男に向かってシュークリームを投げて逃げた。ギャングの男たちが和久井を捜す。

 

廊下を逃げた和久井はベッドのある部屋に入った。男がおでこに手拭いを当てられ寝ていたので、この部屋からも逃げようとしたが、足音が近づいてきたので、ベッドの下へ。ベッドで寝かされているのは加納かな?

 

看護師が入ってきて、ベッドサイドに座り、思わず女性の足に手を伸ばす…。

 

う~ん、キモッ!

 

看護師が気付いてベッドの下を覗いた。看護師は啓子!「マスター、いやだわ。ネズミ小僧のマスターがどうしてこんなとこにいるのよ」

和久井「そういう啓子さんこそ」

啓子「あたしは例によって例のごとくよ」

和久井「敵なんだか味方なんだか…」

啓子「えっ?」

 

角刈り男が部屋に入ってきた。「看護婦さん、ここに白い服を着た男が入ってこなかったかい?」

啓子「いいえ、別に誰も」

男「おかしいな。確かにこの部屋入ったんだがな。表に出るはずはねえや。ひと部屋、ひと部屋、徹底的に捜せ」

啓子「なんだか知りませんけど少し静かにしていただけませんか。病人がちょうど眠りに就いたところなんですから」

男「まあ、せいぜい大事にしろよな」部屋を出ていった。

 

啓子「いつまで隠れてんのよ」ベッドの下の和久井を蹴る。

和久井「いてっ! すんません」ベッドから這い出す。

啓子「あの連中を刑務所に送り込むのが今度の作戦なのよ。それで病人が出たのを幸い、ナイチンゲールに早変わりしてね」

和久井「だが、刑務所へ送り込む前に俺が殺されちまう」

啓子「出口は塞がれてるしね。ねえ、ちょっと行って見てきてよ」

首をかしげる和久井。

啓子「何をグズグズ言ってんの! 早く行って見てらっしゃいってば」

 

和久井がドアを開けると、まだ男たちが捜していた。「啓子さん、廊下には子分がいっぱい見張ってる。もうダメだよ、どうしよう」

 

啓子がいきなり、倉田と角刈り男のいる部屋のドアを開けた。啓子は病人の様子がおかしいので、救急車を呼ばせてくださいと頼んだ。大きなマスクをした救急隊員・黒木と島が担架で病人を運ぶ。病人に扮した和久井は顔をのぞかせてニヤリ。

 

ジョッキビールで乾杯する一同。「マスター、おめでとう!」

和久井「いや、ありがとう。前科者をこうやって温かく迎えてくださるなんて、俺は本当に果報者ですよ」すすり泣きながらお礼を言う。

沢見「今夜は、お礼の意味でマスターのおごりですからね。皆さん、どんどんやってください」

 

啓子や島も一緒に飲んでいる。

 

黒木「啓子ちゃんのお土産がこのマスターだとは、びっくりしたなあ」

一同笑う。

和久井「よっぽど縁が深いんですなあ。やつらをやっつける作戦、ひとつ私にもお手伝いを。いやいや、今までの罪の償いとでもいうか」

啓子「うれしいことおっしゃるわね。フフフフッ」

 

黒木「そこでマスターが刑務所を出るなり、やつらに拉致された理由っていうのは?」

和久井「それが私にも皆目…」

黒木「そうですかねえ。北村が死ぬ現場にいたからじゃありませんか?」

和久井「そ…そんなこと、どうして?」

黒木「北村は死に際になんと言いました?」

和久井「いや、な…なんとって…別になんにも。さあさあ、沢見、お酒をおつぎして」黒木たちにタバコを勧める。

 

沢見の心の声<待ってなさいよ、黒木さん。あなたのことをこれでひと泡吹かせてあげますからね>グラスに粉末を入れ、酒を注ぐ。<このヤクの効き目ってえのは、ものすげえんだ>

 

沢見「さあ、黒木さん、まあ、私からも1杯」

黒木「ああ、こりゃどうも」

 

沢見はグラスを渡しながら、和久井にウィンク。

 

黒木はグラスに口をつけたが、すぐ話はじめる。「あっ、そうだ、白状しましょうか。あなたを北村の房に入れたのはね、実は私なんですよ」

 

北村がどこかへ隠した10億の金を巡って、やつらが動き出し、組織摘発の糸口になる。和久井が北村から何か嗅ぎだして出てくると思い、手を回した。善良な市民として、我々に力を貸してくれると思っていたと黒木が言う。

 

啓子は、スキを見て黒木のグラスを和久井のものと取り換える。

 

和久井の心の声<こしゃくなことをしやがる。金髪のジュリーのことなんかこれっぽっちもしゃべってやるもんか>グラスを手に持つ。

 

黒木の心の声<何か隠してる顔だな。今に尻尾をつかんでやる>

 

和久井は笑いながらまたグラスを取り換える。

 

啓子「ねえ、ボス、今夜、あたし酔っ払ってもいいでしょ?」

黒木「ああ、いいともさ。ハハハッ」グラスを持つ。

啓子「じゃあ、介抱してね」

和久井「どうぞ」

 

黒木が飲もうとすると、啓子がグラスを倒した。「あっ! ごめんなさい。もう困ったわ、どうしよう。ごめんなさい」またグラスがゴチャゴチャに。

 

和久井「ハハハハッ。今夜は離しませんよ。朝までとことんつきあってもらう」

黒木「飲み比べといきましょう。酒は憂き身の忘れ草とくらあ」

また乾杯する一同。

 

和久井のグラスの酒には花びらが浮いていた。

 

黒木の心の声<この野郎、勘の悪いくせに感づきやがったかな?>黒木のグラスにも花びらが浮かんでいる。

 

首をかしげる和久井。

黒木「さあ、マスター。ぐ~っと空けましょうよ、ねっ?」

沢見と目で合図。

黒木「さあ、ぐ~っと空けましょう。それともなんですか。眠り薬でも入ってるとかおっしゃるんですか?」

和久井「とんでもねえ」

啓子「ねえ、みんなで1、2の3で空けましょうよ、ねっ?」

和久井「じゃあ…」

一同、飲む。

 

沢見「私は、ちょっと失礼してトイレへ」

和久井「あっ、私も連れションとシャレ込んできますか」と席を外した。

 

トイレ

和久井が沢見に、ひと足先に抜け出し、ニューカポネへ行って、北村が鍵を預けた女を見つけ出せと命じた。北村が金髪のジュリーと言っていたと話していると、島が入ってきた。「ああ~っ、やあ! 金髪がどうかしましたか?」

 

和久井は一度でいいから、金髪と…とごまかすが、突然、立ったまま眠り込んた。沢見は慌て、島はニヤニヤ。

 

ニューカポネ

♪教えてほしいのよ あなたの心を

みんな教えてちょうだい あたしの生きる道を

どうして そんなにステキなの

あなたのぬれた瞳 口づけ

教えてほしいのよ あなたの好きなこと

みんなに教えてちょうだい

あたしに望むことを

教えて頂だい (2022 Remastering)

教えて頂だい (2022 Remastering)

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この歌詞を検索してもそれらしい歌が出てこなかった…けど、某掲示板でタイトルを書いてくださってる方がいて「教えて頂だい」という曲と分かりました。

 

金髪女性が歌い、用心棒たちが店の各所から見張っている。

 

沢見がエレベーターを降り、サングラスをした風見も別のエレベーターから降りた。店に入った沢見はカウンターでブランデーを注文した。風間は水割り。

 

沢見「ねえ、君、ジュリーって子を呼んでくれないかな?」

バーテンダー「ジュリーですか?」

沢見「金髪のさ、ほら。金髪のジュリー」

 

風間の心の声<ほら、おいでなすった>

 

バーテンダー「いませんよ、そんな名のホステス」

沢見「そう、じゃあ、もう辞めたのかな?」

バーテンダー「私は、もう、ここ2年になりますがね、知りませんねえ」

沢見「ふ~ん」

 

風間の心の声<こいつの言うことが本当だったら、こりゃいったいどうなってるんだ?>

 

金髪の女性歌手が風間に近づいてサングラスを外そうとした。

 

風間の心の声<金髪の女!>

 

サングラスをずらして、女性にウインクする風間。

 

沢見「あれ? 君の名前、ジュリー? 金髪のジュリー?」

女性は沢見のグラスのブランデーを飲んで、その場を去った。

 

バーテンダー「うちの専属歌手でね、名前は美樹っていうんですよ」

沢見「ふ~ん、美樹」

バーテンダー「さっきから捜してらっしゃる、その金髪の女、いったい何者なんですか?」

沢見「おたくの前の支配人、北村のさ、コレらしいんだよ」小指を立てる。

バーテンダー「ほう。ちょっと失礼」後ろを向き、店にいる用心棒たちに目で合図を送る。

 

用心棒が近づいてくるのを察知した風間は灰皿を肘でつついて沢見のほうへ押した。沢見は男たちを振り切って店の外の廊下へ。

 

美樹が沢見を控え室に引き入れ、通風口を開けるように言う。2人は通風口の格子を外してくぐり、店の外へ出て、車で逃げた。

 

美樹の部屋に招かれた沢見。部屋に招いたのはなぜか聞くと「いい男だから」と答える美樹。

沢見「そうじゃない。君が金髪のジュリーだからだ。そうだね?」

美樹「さあ? どうかしら。ウフフッ」ワンピースを脱いで下着姿に。「ウフフフッ…ちょっと待ってくださるわね?」

ウインクする沢見。

美樹「シャワー浴びてくるわ」

 

ドアが閉まり、沢見は部屋に北村の遺影と線香立てがあるの気付いた。美樹のハンドバッグから身分証明書を見つけた。多分、運転免許証?

 

栗山美樹

昭和18年10月…

本籍又は国籍 富山県富山県東砺波郡…

 

沢見「栗山美樹…ヘヘッ、金髪じゃねえのか」証明写真は黒髪。

 

シャワー室の窓から風間が顔をのぞかせた。驚いた美樹がシャワーを浴びせ、風間は窓から落ちそうになる。周りに雨どいもないのにどうやってそこまで行った!?

 

美樹「エッチ!」

風間「ち…違いますよ」

 

金髪のジュリーと言いかけた風間に「なぜ目の色変えて、ジュリーを捜してるの?」と聞く美樹。風間は部屋にいる男は名うてのギャングだから危険だといい、自身を殺された北村のムショ中で君の味方だと言った。

 

部屋を漁る沢見。鏡台に立てかけられていた金髪の人形が倒れた。

 

人形が「ねえ、過去のことは聞かないで」「黙って抱いて」「あなたってステキ。しびれちゃうわ」などとしゃべり出した。

 

人形を裏返すと、背中に電池が入っていた。

 

人形「いやん、そんなに見つめたりしちゃ」「今夜は帰さない。ずっとここにいて」

 

美樹がシャワーから出てきて、人形を取り上げた。

沢見「ヘヘヘッ、恐れ入ったよ。人形に口説かれた」

美樹「大人のおもちゃ。彼がくれたの」

沢見「彼って?」遺影を親指でさす。

 

美樹「ねえ、金髪のジュリーが金の在りかを知ってるっていうの?」

沢見「鍵を預けたらしいんだ。10億って金の隠し場所の鍵をね」

美樹「そうだったの。ジュリーを知ってるわ。北村は、あたしのほかにもう1人、女がいたの。それがジュリーよ」

 

倉田「いまいましいネズミどもだ」

 

黒木、啓子、和久井、島の似顔絵?にナイフを刺している。

 

男「分かっているだけでも6匹だ。マスターの和久井、啓子という偽看護婦。救急車の2人、その運転手。それにさっきの男だ」

 

和久井「倉田! そいつは、ちょいと見当違いだぜ」と銃を向け、部屋に突入してきた。渡辺と共に倉田たちに銃を向ける。手を上げるように命じ、座るように言う。

 

和久井「ヘヘヘヘッ、ジェントルマン。お礼参りに来たわけじゃねえ。むしろ逆だ。あんた方とギャングの紳士同盟を結びたいと思ってね」

倉田「何?」

 

黒木、啓子、風間、島の顔写真を見せる渡辺。

 

和久井「俺がムショにたたき込まれたのも、この写真の汚(きったね)え罠に引っかかったからだ。恨み骨髄ってやつだよ。今度は、あんた方が同じ罠にかかろうとしてる」

倉田「わざわざご親切な話だがな」

和久井「あんた方にこの4人を始末してもらいたい。どうだね?」

倉田「ああ、交換条件は?」

和久井「俺たちは金髪のジュリーにつながる糸を握ってる。10億の金は折半といこうじゃねえか」

 

美樹はベッドサイドの引き出しから鍵とメモを取り出した。ベッドの隣で沢見が寝ている。外は明るくなり、美樹は窓を開け、投げキスをする風間に鍵とメモを投げ落とした。

 

私の車

エンジンをかけて

待っててネ

 

ウインクで合図する風間と美樹。

 

黒木、啓子、島の乗った車も到着した。

 

目を覚ました沢見とイチャイチャする美樹。沢見はジュリーのことを聞くが、はぐらかす。電話が鳴り、美樹が出ると、沢見あてに和久井からだった。「バカ野郎! 黒木たちに尾行されたことも知らねえのか」

 

沢見「こっちはこっちで美樹と紳士淑女協定ってやつを」と電話を切った。美樹にギャングをある場所へおびき出すから、その役を引き受けてもらいたいと頼んだ。

 

黒木たちの車に和久井が近寄ってきた。「ご苦労さんです」

 

部屋から銃声が聞こえ、美樹が銃を持って、風間の車に乗ってきた。風間は黒木たちの車に向けてウインクをし、車を出した。

 

沢見は、うめき声をあげて美樹を追いかけたが、和久井や黒木たちの前で倒れた。「あいつが金髪のジュリーだ…」

 

和久井たちは沢見の介抱をし、黒木たちは車で出ていった。しかし、沢見は撃たれたふりだった。

 

黒木は美樹が沢見を撃ったと思ってドン引き。

 

和久井たちは黒木たちを河原へおびき出し、殺し屋に殺してもらう計画を立てていた。気がとがめるという沢見。しかし、沢見は美樹の部屋に人形の電池が落ち、布団に人形が寝かされていたことに気付いた。

 

人形に電池を入れ、胸辺りを押す。「あたし、ジュリーよ。かわいがってね」

沢見「こいつだ、マスター。これが金髪のジュリーなんだ! 北村は、この腹の中へ鍵を隠して美樹に預けた。美樹は俺の言葉から、そいつに気が付いて…」

 

悔しがる沢見だが、部屋に黒木が引き返してきて、3人を一斉に殴り倒す。

 

風間と美樹は工場?へ。美樹は、この中を通って、鉄橋の下に行くのだと説明した。風間がトランクを用意すると、美樹が銃を向け、奥へ歩くよう命じた。

 

啓子、島があとをつけた。

 

風間にトランクを置くように言い、銃を向けたままあとずさりした美樹。風間を一斉に銃撃する倉田たちだったが、風間が華麗に避けた。ギャングたちが風間を捜す。

 

角刈り男と風間が鉄橋の上で格闘しているうちに貨物列車が近づき、通り過ぎた。線路の下に降りた風間はギャングたちと殴り合っているうちに黒木や和久井たちが到着した。

 

美樹がトランク2つ持って車で逃げ、地下駐車場を通って、金庫喫茶へ。

 

金庫喫茶

TEA ROOM

  SAFE

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9話にも出てきた店と同じかな?

 

美樹はトランクを持って貸金庫へ行き、トランクを開けると、和久井、沢見、渡辺が近付いて来た。

 

和久井「ハハハハッ…コーヒーなどいかがですか? われわれのおごりですから、ご遠慮なく、どうぞ」

美樹「どうやら、あたしの負けのようね」

 

沢見は俺の女になるっていうなら分け前のことだって考えないわけじゃねえんだぜと言うと、美樹はウインクし、沢見もウインクで返した。

 

和久井たちがトランクを持って店を出ようとすると、ウエイトレスが「お会計はこちらでどうぞ」と話しかけてきて、4人さまで10億円だという。ウエイトレスは黒ぶちメガネをかけた啓子だった。

黒木「毎度どうもありがとうございました」

風間「コーヒーはいかがでした? ベビーギャングさん」

島「ヘヘヘッ。高いコーヒーでしたね。アイアムソーリーさ」

黒木「え~、お支払いのないときには、そのトランクを頂戴することになっておりますのですが、ええ。それじゃ、ご異議はございませんでしょうな?」

啓子・風間・島「異議なし」

ため息をつく和久井。

 

黒木の部屋

ユミが贈り物だと大きな箱を持ってきた。差出人は書いてない。黒木が箱を開けると、時限爆弾!? 箱を地面に置くと、軽い爆発が起きた。中身は招き猫。

 

暑中お見舞い申し上げ候(そうろう)

われわれは、これからムショに入ります

晴れて出所の暁には3人そろってお礼に伺います

ただただ、その日を楽しみに

ネズミ小僧一同

 

黒木「どうだい? おい、ネズミが猫に鈴を贈るっていうのは。シャレたまねをしやがるじゃねえか」

風間「今ごろ、ベビーギャングたち、涼しい顔してるんじゃない?」

島「ヘッ、下手なシャレ」

ユミ「でも、いい線いってるわよ、ねっ?」

啓子「うん、顔のわりにはイカしたネズミよね。ねっ?」

黒木「こりゃいいや」

久し振りにわいわい笑いで終わった。

 

プロデューサー:近藤照男

        坪井久智

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脚本:池田雄一

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擬斗:日尾孝司

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音楽 :菊池俊輔

主題歌:キイハンター

    非情のライセンス

作詩 :佐藤純弥

作曲 :菊池俊輔

 唄 :野際陽子

    テイチクレコード

非情のライセンス

非情のライセンス

  • provided courtesy of iTunes

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黒木鉄也:丹波哲郎…字幕黄色

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津川啓子:野際陽子…字幕緑

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島竜彦:谷隼人

谷口ユミ:大川栄子

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風間洋介:千葉真一…字幕水色

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和久井:玉川良一

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沢見:金内吉男

栗山美樹:八代万智子

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倉田:藤岡重慶

北村:丹羽又三郎

加納㐂一:高橋正夫

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潮健児

渡辺:林田博

山田甲一

久保一

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山内修

土山登士幸

桐島好夫

比良元高

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監督:小西通雄

 

<プロフェッショナル・キイハンター。次の赤いシグナルは…結婚式場で突然、発狂した花婿>

 

磯部玉枝

松本朝夫

 

<続いて花嫁の父親が殺された>

 

夏川大二郎

 

<昼も夜もなく乱舞する幻覚の世界。LSD、麻薬が死の影を呼んでいる。ミニスカートの足にホクロのある謎の女>

 

斉藤チヤ子

 

<この恐ろしい殺人事件の真相は金か? 恋か? 恨みか?>

 

白木マリ

玉川伊佐男

 

<キイハンターの若いスタッフがヒッピー族の中に飛び込んで活躍する…>

 

キイハンター

死者からの電話

に御期待下さい

 

久々に5人そろって(ユミの出番は少ないけど)ワイワイ楽しい回だった。

 

金髪ヅラの美樹は5話でもジーナというハーフ女性を演じてたけど、美人だけど、別にハーフ顔じゃないよねえ。でも、名前が出てなきゃ、同じ人だと思えない。

peachredrum.hateblo.jp

角刈り男は潮健児さんだろうか? 前回、渡辺役は名前が分からなかったけど、7話と共通して名前のある林田博さんと判明した。バーテンダーが久保一さん、と。あとはギャングの強面たちと思われます。

 

ネズミ小僧はまた出てくるかな? それにしても美樹が沢見を誘ったのは単にいい男だったから? 一夜を共にしたのも別に作戦とかじゃなく!?