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【ネタバレ】チョッちゃん(80)―連続テレビ小説―

NHK 1987年7月7日(火)

 

あらすじ

蝶子(古村比呂)の新しい家に、知人たちが次々に訪ねてくる。一人目は田所邦子(宮崎萬純)。邦子はついに女優として活動することを決めたという。二人目は国松連平(春風亭小朝)。無声映画の楽士だった連平は、今は失業中。これからの身の振り方を要(世良公則)に相談するつもりで来たのだが、邦子に会えてなにやら嬉しそうだ。そして三人目は、要の母・岩崎まつ(初井言榮)だった。孫の顔を見に来たというのだが…

2025.6.24 NHKBS録画

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脚本:金子成人

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黒柳朝チョッちゃんが行くわよ」より

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音楽:坂田晃一

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語り:西田敏行

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岩崎蝶子:古村比呂…字幕黄色

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国松連平:春風亭小朝

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中山音吉:片岡鶴太郎

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田所邦子:宮崎萬純

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中山はる:曽川留三子

鳳プロ

劇団いろは

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岩崎まつ:初井言榮

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岩崎要:世良公則

 

岩崎家の玄関を出る要。

蝶子「行ってらっしゃい」

要「うん」

 

中山夫妻も玄関先に出ていた。

はる「お出かけで?」

要「あ、はい」

音吉「どうも」

要「あ、こりゃ、どうも」

 

蝶子「おはよう!」

はる「おはよう!」

音吉「あ、どうぞ」

要「いや、お先にどうぞ」

音吉「いや、あっしは後から行きますから」

要「いや、どうぞどうぞ」

 

はる「狭い道じゃないんだから並んで歩きゃいいじゃないの」

音吉「うるせえな。え? 七五三のお宮参りじゃねえんだよ! どうぞどうぞ…」

要「では、お先に。では、行ってきますよ」蝶子がかぶっていた帽子を取る。

蝶子「はい、行ってらっしゃい」

要「加津(かっ)ちゃんバイバイ!」

蝶子「行ってらっしゃい」

音吉「じゃ、行ってくる」

はる「行ってらっしゃい」

蝶子「行ってらっしゃい!」

 

庭が向かい合わせ?と思ったら、路地を挟んで向かい合った家だった。

 

邦子「は~、庭のある家はいいな!」

蝶子「乃木坂のアパートは嫌?」

邦子「あ、そういう意味じゃないの」

蝶子「分かってる」

邦子「大家さんに紹介してくれたおかげでチョッちゃんたちのいた部屋に入れた」

 

蝶子「はい、麦茶」

邦子「2部屋あるし、快適」

蝶子「そう」

邦子「うん、いただきます」

蝶子「はい」

 

家賃12円が払えるってすごいねえ。

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同じ時代を生きていた「岸壁の母」のいせさんは…とかつい思っちゃう。

 

邦子「それにあそこだと動くにも便利なのよ。撮影所とか行くのに」

蝶子「そうだ。邦ちゃん、大東キネマに入ったんだね」

邦子「あ、話してなかったね」

蝶子「叔父さんから聞いた」

うなずく邦子。「決めた」

蝶子「そう」

 

邦子「だけどね、大東キネマに入ったのは私一人じゃないの。女優10人に男優6人一緒」

蝶子「そんなに?」

邦子「そうなの。最初は脇役だと思うのよ。そこで認められて力がある者が主役になるのよ」

蝶子「厳しいね」

邦子「…でも頑張る。映画に出ると、滝川や岩見沢でも見れるんだよ。そしたら、家族や親戚や高女時代の友達も見てくれる。私を見てくれる。元気でいると思ってくれる。うれしいなあ!」

愛想笑いを浮かべて麦茶を飲む蝶子。まだモヤモヤしてる!?

 

庭を連平が歩いてきた。

蝶子「連平さん!」

連平「あ、こんちは!」珍しく浴衣姿。

邦子「こんにちは!」

連平「アハハハッ!」

 

蝶子「どうしたの、庭から?」

連平「いや~、仕事がないとねえ、全てにいじけてましてね」

蝶子「ふ~ん」

連平「玄関から入るのもはばかられますよ」

蝶子「…あ、麦茶でいい?」

 

連平「あ、ありがとう…ねえ、要さん、今日、仕事?」

蝶子「あ、そうなの」

連平「ふ~ん、いいなあ、仕事のある人もいれば、あたしみたいにないもんもいるんだから」

蝶子「用事あったの?」

連平「う~ん…っていうかね、あたしの今後のことを要さんに相談しようかと思って」麦茶を飲む。「あ、邦子さんは大東キネマだそうで」

邦子「ええ」

連平「頑張って!」

邦子「はい」

連平「あたしね、邦子さんの映画は漏れなく見るつもりですから」

邦子「あ…ありがとう」

連平「いや…」身を乗り出すように邦子を見ている。

 

邦子「あ、チョッちゃん、私、そろそろ」

蝶子「もう?」

邦子「うん。銀座に2時なの」

連平が立ち上がる。「あたしも2時なの」

蝶子「あれ、要さんの帰り、待つんじゃないの?」

連平「あ、あれはまた今度。邦子さん行きましょう!」

邦子「あ、はい!」ちょっと戸惑いながらも玄関へ歩いていく。

連平「ハハハハ、クククッ」

団扇で口を隠して笑う連平を冷ややかに見ている蝶子。

連平「何よ。違うよ? 勘違いしてんじゃない? ちょっと」縁側に置いた下駄を手にし、「邦子さ~ん!」と追いかけた。

 

路地にいるのは氷屋。

 

まつ「ごめんくださいまし」

蝶子「お…お義母(かあ)さん!」

まつ「その節は、どうも」

蝶子「こちらこそ」手をついて頭を下げる。

まつも深く頭を下げる。

 

<要さんの実の母親、まつさんなんです>

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1回しか出ないのかと勝手に思ってました。

 

加津子のベビーベッド前

はる「あっかんべえ!」舌を鳴らす「あ、お客さん?」

蝶子「…要さんのお母さん。お向かいの中山さんです」

はる「こちらにはいつもお世話になってまして」頭を下げる。「じゃ、私は」

まつ「どうぞご遠慮なく。蝶子さん」

蝶子「はい」

まつ「孫の顔を見せてもらいに伺いました」

ベビーベッド前にいたはるが正座したまま後ろ向きに下がる。

蝶子「あ…!」

 

まつが蝶子に手土産を預け、ベビーベッドの前へ。

蝶子「加津子です」

はる「じゃ、私、お湯、沸かそうか?」

蝶子「ああ…私が」台所へ

 

はる「ねえ、本当!」

まつ「は?」

はる「息子さん、なかなかねえ!」

まつ「え?」

はる「いろいろねえ!」

まつ「要が何か?」

はる「いえ、その、本当…加津子ちゃん!」ベビーベッドに乗り出してあやす。

 

蝶子「麦茶でも」

まつ「ありがとう」

蝶子「どうぞ」

はる「奥さん、私、やっぱり」

蝶子「じゃ、お願いしちゃおうかな?」

はる「何?」

蝶子「お義母さん、夕飯、ご一緒でしょ?」

まつ「そうですね」

蝶子「お買い物お願いできます?」

はる「いいわよ」

 

まつ「蝶子さん」

蝶子「はい」

まつ「自分のうちの台所方を人様にお願いするのは感心しませんね」

蝶子「はい、ですけど、お義母さん、お一人にするのは…」

まつ「留守番ぐらい私にもできます」

 

⚟加津子の激しい泣き声

 

路地を走って帰ってくる蝶子。

 

まつが加津子を抱っこしてあやすが泣き止まない。

蝶子「すいません」加津子を抱く。「よしよしよし、よしよし…」

 

赤ちゃん、背を向けてるけど、泣いてないな、こりゃ。こういうドラマって普段からあまり泣かない赤ちゃんを採用してるみたいだから、そう都合よく泣かないわな。

 

ホッとしてうちわで自身をあおぐまつ。

 

ここでニュース速報

イスラエルとイランが停戦で合意”

トランプ大統領SNSに投稿

 

夜、夕飯を食べている蝶子、まつ、要。まつの取ったたくあんがつながっていて要が笑う。

 

まつ「いつ生まれたの?」

蝶子「5月18日です」

まつ「…私に知らせがあったのは7月に入ってからでした」

蝶子「引っ越しや何かでバタバタしていて」

まつ「赤坂のあとは洗足。どんどん本所から遠く離れていきますね。避けてるの?」

要「何言ってんだよ」

 

蝶子「お義母さん、私、東京はよく分かりません。本所とはどういうところですか?」

まつ「何と言えば、いいのか…」

本所といや、私のイメージは、↑これなんだよな。時代劇。

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これから先のことを思うと不安になる土地ではある。

 

要「嫌な兄貴がいるところだよ」

蝶子「私は真面目に聞いてるの」

まつ「…口では何ともね」

蝶子「一度、行ってみたいな」

要「俺は嫌だよ」

蝶子「歩くぐらい、いいじゃない」

まつ「うちには寄りたくない?」

要「兄貴がいない時ならね」

まつ「そう。ごちそうさまでした」

蝶子「お粗末でした」

 

柱時計の鐘は7回鳴った。

 

要「ねえ、今夜はどうするんだ?」

蝶子「泊まってらっしゃるんでしょ?」

まつ「…いいえ」

蝶子「どうして?」

要「なにも本所まで帰ることはないじゃないか。な!」

まつ「こっちに泊まると博の嫁がいろいろ気をもむから。『自分と一緒に住みたくないんじゃないか』とか。何とかいろいろ…考える人だから」

要「うちで何かあるのか?」

まつ「ありません! 博も嫁の静(しず)さんも孫たちも私を大事にしてくれてます」

要「ああ」

まつ「今日は孫の顔を見に来ただけだし、これで帰ります」

 

まつの様子が気になる蝶子。

 

バイオリンの練習をしている要。

ノック

要「いいよ」

ドアを開け、蝶子が入って来た。

要「どうだ、音?」

蝶子「あ? すごくいい」

要「うん」

 

元気のない蝶子。

要「何だ?」

蝶子「うん」

要「また苦情来たか?」

首を横に振る蝶子。「ねぇ」

要「うん?」

蝶子「お義母さん見てて、どう? 何だか寂しいんじゃないかと思ったんだけど」

要「どうして?」

蝶子「…何だか」

要「そうかな?」

蝶子「うん」

 

要「どうしてお前にそんなことが分かるんだ?」

蝶子「分かるのよ」

要「うん」

ぼんやりソファに座る蝶子。

要「何だ?」

蝶子「ま、いいか」

要「おい、何だ?」

 

蝶子「あ、今日、連平さん来た」

要「ああ、そうかい。で、何だって?」

蝶子「今後のことを相談したいって。またにするって」

要「うん」

蝶子「邦ちゃんも来た」

要「うん」

蝶子「大東キネマに入って張り切ってた」

要「うん、そうだろうね」

 

蝶子「輝いてるの。そりゃあね、未来は開いてるし、夢はいっぱいよね」

要「おいおい」

蝶子「好きなことできるんだもの!」

要「お蝶! どうしたんだ?」

蝶子「何が?」

 

<チョッちゃん、ちょっと変だよ>

 

要「羨ましいのか、邦子さんが。うん?」

蝶子「別に。だって、私は家庭の主婦だもの。母親だもの。独身の邦ちゃんとは違うもの」

 

<本当はどうなの?>

 

蝶子「もういい。忘れて」

要「何か気になるな」

蝶子「私も」

要「お前がだよ!」

蝶子「どうして?」

要「ちょっと変だろう」

蝶子「私?」

要「うん」

蝶子「ハハハッ、そんなことないわよ」

要「だって、さっきからさ…」

蝶子「シッ!」

 

⚟加津子の泣き声

 

蝶子「泣いてる、ね! あ~、加津ちゃん、加津ちゃん!」

 

加津子を抱きあげた蝶子は「ブラームスの子守歌」をハミングする。

ブラームスの子守歌

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<8月も近いある夜。チョッちゃんは少し変でした>

 

ブラームスの子守歌」のハミングと台所の水滴が落ちる音。(つづく)

 

ちょっとホラーっぽいラストだったな。蝶子の焦り?