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ドラマの感想など

【ネタバレ】それぞれの秋▼第13話

TBS 1973年11月29日

 

あらすじ

清一(小林桂樹)の手術は8時間以上かかるので、稔(小倉一郎)ら子供たちはそれぞれ学校や仕事に出かけた。だが、みんな手術の事が気になって仕方がない。 ※脳腫瘍による様々な症状が表現されていますが作品上の演出です。ご了承ください。

2025.1.8 BS-TBS録画

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稔のナレーション「今朝7時過ぎに父は脳腫瘍のために手術室へ入った。このほかに説明することもありません。僕はその成功を祈っているし、母も兄も妹も同じだ。こんなふうに家族が一つの願いを抱いて、その結果を待っているという1日は何となく力強いような久しぶりのような気持ちです。そう、とにかく今は手術の成功を祈っているのです」

 

企画:木下恵介

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脚本:山田太一

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音楽:木下忠司

 主題歌作詞:山田太一

 歌:中新井節子

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清一:小林桂樹

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稔:小倉一郎

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茂:林隆三

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陽子:高沢順子

唐木:火野正平

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生沢貴子:夏桂子

守江:三戸部スエ

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教授:稲川善一

看護婦:宝生芙美子

看護婦:菅原ゆう子

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母親:飯田悦子

エースプロ

あらくれ

劇団いろは

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江川医師:伊藤孝雄

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繁谷:加藤嘉

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麗子:久我美子

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プロデューサー:飯島敏宏

        酒巻武彦

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演出:阿部祐三

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制作:木下恵介プロダクション

   TBS

 

うわっ! 加藤嘉さん!

 

秋もすっかり深くなり、肌寒い朝。茂は仕事、陽子は学校、麗子は手術室前のベンチにいた。稔は1時間目が休講で何かしたくてらせん階段を上り下り。コートや服も脱いで上半身裸で唐木とうさぎ跳びしたり。

 

手術室前で待っている麗子の前に来た守江。午前7時過ぎから手術が始まり、8時間かかるので子供たちを学校や仕事に行かせたと麗子が言うと、父親の手術なのに学校や仕事に行かしたの? うちの子でさえ心配してるってのにと文句タラタラ。下町と郊外は違うのかしら?と嫌みを言う。

 

娘のミツエが作ったおいなりさん食べてと何度も勧め、麗子はようやく手術室前で物を食べるのもしゃべるのもよくないと思いますけどと言い返した。それに対して、あらあら、すぐあんなふうにヒステリー起こしちゃって、あんなのといたら脳腫瘍くらいなっちゃうとおいなりさんをパクつく…ヒステリーじゃねえ!

 

しっかし、三戸部スエさん出てくると印象に残る人だよね~。

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「あしたからの恋」も「岸壁の母」もほんの数回しか出てないのにね。

 

講義を受ける気にならず、唐木と病院へ行った稔。泣いてる患者家族を見かけて不安になる。ベンチに座っていた麗子は泣いていて、一緒についてた祖父・繁谷はお父さんは大丈夫だよと言う。手術は順調だと言うが、終わるのが6時ごろ…長いね。稔は麗子が子供っぽく見え、自分の父親より僕に甘えてくれたらいいのにと思っていた。

 

2時間経ち、唐木は稔を笑わせようとし始めた。思わず笑ってしまった稔に麗子は今日は家庭教師じゃないの?と怒り、陽子にまでそんなにムシャムシャ食べるんじゃないのと逆切れ。手術は7時までかかりそう。

 

黒画面にテロップ

 

脳腫瘍による様々な症状が表現されていますが

作品上の演出です。ご了承ください。

 

稔は麗子の言うとおりに病院を出て、唐木には家庭教師に行くよと伝えたが、なぜかついてきて、稔はだんだんイライラしてきたものの、ようやく別れた。

 

生沢家

休むと言っていた家庭教師先へ。篤子は出かけていたが、貴子は家に迎え入れた。篤子の遊びに行った先が近所じゃなければ帰りますと言うが、貴子は主人に女がいるんですと抱きついてきた。これまで奥さんに妄想を抱いていた稔だったが、今日という日に何かしたら父の手術が失敗するのではと思い、跳ね飛ばすようにして出てきた。

 

病院の廊下

茂もベンチに座っていた。終了予定は8時。麗子は医者から聞いた話では一番長かった手術は金曜の朝から日曜の朝までだと言う。茂は麗子と陽子に喫茶店へ行くように言うが、麗子は遠慮した。陽子は売店に行って牛乳を買ってこようと麗子を誘った。売店に良子みたいな女の子がいたらいいのにね。

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茂にお母さんに優しいんだねという稔。家族がくっついているのは不自然だと言う茂にうなずく稔だったが、稔はこういう状態が終わってしまうのが寂しい気もしている。

 

麗子、陽子、茂は瓶牛乳にストローをさして飲んでいる。稔はオレンジジュース。麗子は病気の時に言われたことは言わないことにしよう、何もなかったことにしようと子供たちに語りかけ、茂たちも了承した。

 

夜中1時過ぎ、手術時間は13時間を超えた。また戻ってきた繁谷は茂に手取りはいくらか聞いた。基本給は安いという話をしていたのに、今度はつまらない女とつきあってるそうだねと話を振る。

 

手術室のドアが開き、教授は「うまくいったようです」と言う。喜ぶ麗子たち。あとから出てきた江川医師も悪いところは全部取りましたと報告した。

 

10時過ぎに家に帰った稔たち。清一はこれから一週間ICUに入る。喜ぶ茂は稔は、あまり喜ばないほうがいいよとつまらなそうな顔をしている。お茶でも飲もうと麗子が言うと、茂は稔にウイスキーでも飲もうと誘った。茂が先にリビングに入るとガラス窓が割られ、空き巣に入られていた。

 

1階はお皿やマグカップ、2階へ行くとカフスボタンが盗られているのが分かったが、現金は置いておらず、荒らされた割に盗られたものは少ないと麗子は言う。陽子が110番し、茂は稔に門の扉を開けっぱなしにしてただろ!と怒鳴る。結局、稔のせいにされ、もし空き巣がこのテレビを見ていたら心から反省してほしいと思うとナレーション。

 

3日後、個室に移された清一に江川が優しく語りかける。清一は頭に包帯を巻き、ぼんやり。江川に「私が誰か分かりますか?」と聞かれ、「江川先生」と答えた。江川ショウタロウというらしい。もう頭痛もめまいも吐き気もありません…うわー、頭痛持ちとしては羨ましい言葉。

 

病室を出ようとした麗子に「ありがとう」、江川に「ありがとうございました」と言う清一に麗子は目を潤ませた。

 

父がどこまで覚えているのか分からない稔。隠すなんてできないと唐木に拷問されても隠すと稔は言うが、回復しつつある清一に会うのが怖くもある。(つづく)

 

おお! 手術は成功したのに空き巣とは! でもよかった。病気が治った清一がどんなふうになるだろう。