徒然好きなもの

ドラマの感想など

【ネタバレ】それぞれの秋▼第14話

TBS 1973年12月6日

 

あらすじ

手術が成功して日増しに元気になってゆく清一(小林桂樹)は、かつて脳腫瘍患者の症状を見知っているだけに、自分が何をしたのか気にかけていた。 ※脳腫瘍による様々な症状が表現されていますが作品上の演出です。ご了承ください。

2025.1.9 BS-TBS録画

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前回の上半身裸の稔。痩せてるけど腹筋がすごい割れてることに今気づいた。

 

人間は脳腫瘍になると、おできの場所にもよるけど、ちょっと気が違ったみたいになって、ずいぶんハレンチなことを言ったりします。父もそうでした。看護婦さんに抱きついたり、お母さんにはとっくに飽き飽きしていると言ったり、いろんなことを言いました。でも、それは全部病気のせいで一旦手術をしておできを取ってしまうとケロリとしてしまうのです。病気の間何をしたか何をしゃべったか、全然覚えていないのです。それなら何もしなかった、何もしゃべらなかったことにしておこうではないかと僕たち家族は約束しました。お父さんはずっと昏睡状態でいたのだということにして病気中のことは一切隠しておこうということにしたのでした。

 

企画:木下恵介

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脚本:山田太一

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音楽:木下忠司

 主題歌作詞:山田太一

 歌:中新井節子

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清一:小林桂樹

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稔:小倉一郎

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茂:林隆三

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陽子:高沢順子

唐木:火野正平

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生沢貴子:夏桂子

津田:桃井かおり

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石光:桜井センリ

貴子の夫:伊藤豪

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生沢篤子:伊東ひでみ

エースプロ

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麗子:久我美子

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プロデューサー:飯島敏宏

        酒巻武彦

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演出:井下靖央

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制作:木下恵介プロダクション

   TBS

 

病院の廊下を歩く稔。病室の前まで来たのに入ることができない。麗子が病室から出てきて、清一に手術前は昏睡状態だったことを伝えた。稔は面と向かってウソをつくことができるか不安になる。麗子は学校のこととかいろんなことをしゃべればいい、お父さんものすごく元気よとアドバイス

 

「こんにちは」と明るく声をかけて病室に入る稔。「おう」と返事した清一は廊下で何を話していたか気にするので、稔は病気はよくなってると伝えた。看病したんだろ?と聞かれ、大半は母さんだったけど、寝ているだけだったからトイレが大変だったと答えた。

 

学校のことを聞かれた稔は勉強したことをしゃべった。清一は商業学校であまり勉強しなかった、嫌いだった、今はむしろ勉強してみたい、お前の経済学の本でも読んでみたいと言うので、かばんに入っていた会計理論の本を貸した。清一は「お父さんどんなこと言った? お前らに何言った?」と聞くので、稔はずっと昏睡状態だった、いびきをかいて眠り続けていたと語る。うーん、そうかと納得したような返事をし、それ以上、何も聞かなかった。

 

新島家リビング

麗子は革細工を再開し、陽子はイヤホンしないでテレビを見ていた。インターホンを何回も鳴らして茂が帰ってきた。元の生活に戻りつつあるが、何も問題が解決していない。

 

茶店

バナナジュースを飲む稔を見て嬉しそうな津田は、お父さんがよくなってきてよかったねと言う。番長とは思えないかわいさ。稔は向かい合った席で編み物をしている津田のことに好意を持ちつつある!?

 

病室

茂の女性問題を話す清一。茂はあさって抜糸じゃそうじゃないかと話を逸らすが、清一は自分たち夫婦は特別に仲がいいと話しだす。離婚だ浮気だという話に一度もなったことがないよな?と麗子に確認する。

 

夜、陽子が来て、清一にショートケーキを食べさせていた。180円になった、お父さんが寝ている間に、このごろなんでも値上がりしていると陽子が言う。清一は戦時中、衛生兵で脳腫瘍の患者を見たことがあると話し始めた。死ぬ前に人が変わったようになって、暴れて、体力がなくなると上官の悪口を言い、歌を歌っていてきちがいのようだった。入院して何もしてないと思えないというが、陽子は病院では注射を打って眠っていた、眠ってばかりで脳溢血じゃないかと心配したと言って切り抜けた。

 

黒画面にテロップ

 

脳腫瘍による様々な症状が表現されていますが

作品上の演出です。ご了承ください。

 

生沢家

篤子の勉強を見ている稔。家庭教師の口を1つなくしたと思っていたが、行かないでいるとどうして来ないんですか?と電話が来るようになり、行ってみると今までと変わらない態度を取られた。貴子の夫が突然、稔に挨拶に来た。みんなケロリとしている。

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貴子の夫は「岸辺のアルバム」初回で田島家の繁の部屋のガラスを割った河原でラジコン飛行機を飛ばしていた男の一人。あの無礼な奴等ね。

 

新島家

麗子が革細工しているのをじっと見ている稔。お父さんに言われたことは水に流したのだろうかと母を見て思う。

 

病室

石光が電動車椅子で話に来ていた。清一にあんたも大変だったもんね、部長補佐ともなればこんな部屋に移れるんだねと話し、私のしたことのベストワンは何ですか?と清一が聞くと、吉村さんの頬にキスをしたことだと言い、言ったことのベストワンは?と聞くと、男ってのはいろんなことを我慢してるんだね、感動したと話すが、清一は妻を殴ったのか、何を言ったのか全部聞かせてほしいとベッドを降りて迫った。

 

桜井センリさんがあれだけと思わなかったけど、まあ、しゃべるね~。そして、やっぱり好きな声、というか語り口?

 

そこに麗子が入ってきたので石光は病室を出て行き、清一はその後何もしゃべらず、麗子もしゃべらなかった。清一は手術から36日で退院することになった。

 

新島家

陽子は奥で洗濯をしていた。茂は車を待たせていて、家に立ち寄り、これから祖師谷に行くから、退院祝いに渡してくれと陽子に紙包みを渡した。…越谷?

 

夜、唐木もそろって退院祝い。何で今日の唐木はおでこ全開なんだ!?

 

CM明け、もう唐木が帰っていくんかい! 

 

清一を連れて部屋に行った稔に茂の退院祝いをどう思う?と聞く清一。茂が贈ったのはブルーのGパン! なぜ茂は買ったんだ? お父さんは何をしゃべったんだ?と問い詰める。銀座でGパンの似合う男女を見てGパンが目につくようになったがそのことを誰にも話したことはない。稔はGパンが履きたいと言ってたよ、と言うと、お父さんが言ったことを全部話してくれ、麗子も陽子も呼んでくれと言うが、稔が全部しゃべるよと麗子たちを呼ばなかった。しかし、廊下で麗子が聞いていた。脚、細いなー。

 

若くなりたい、足が長くなって、女の子と歩きたい、中年になってそこから遠くに来てしまったと話していたと稔が言う。お母さんにはありがとうと言ってたというが、清一は稔を解放しない。稔は嫌いで飽き飽きしていると言ったことは、お母さんに否定してと言って部屋から出ると、麗子と陽子が立っていた。

 

みんな病気のせい、子供がいなかったら離婚したいと思ってたの? 本心とはなんの関係もないでしょ?と稔が言い、陽子と出て行った。麗子は部屋に残り、清一はじっと黙っていた。

 

稔はGパンを買ってきた茂に腹を立てた。

 

清一は仕事復帰を目指して訓練した。まだリハビリテーションとは言わないんだね。借金もそのまま、差額ベッドなどの入院費は麗子の実家からかなり出ていた。日暮里のおばさんなんてまさしく口だけだったんだろうねえ。くよくよする暇もない毎日。

 

秋の終わりかけていた。わが家の物語は一つの結末を迎えようとしている。僕にはその結末が思いがけなかった。来週お話しすることにしよう。(つづく)

 

山田太一さんだからそんな変な結末にならないと思うけど、どうなるんだろう? 毎回、小林桂樹さんの演技に圧倒される。