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【連続テレビ小説】純ちゃんの応援歌 (144)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

純子(山口智子)の姿が見えず、あき(伊藤榮子)は恭子(松本友里)に、純子に会った時の様子を聞く。純子が「一度だけの人生だから羽をのばす」と言っていたと聞いて雜賀(桂枝雀)は、秀平(髙嶋政宏)が怒らせたから純子は家出した、と決めつける。浜風荘には、甲子園出場校の先発隊が到着して、旅館の応対も忙しくなってくる。誰も相手をしてくれなくて、手持ち無沙汰な陽子(尾後あすか)が階段下の物入れをのぞくと…。

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振り返り

恭子「いや、私、気になって来てみたんやけど、まだ帰ってないみたいやし…」

あき「どないしたんやろ」

久助「これはね、家出ですよ。うん。みんなにつれなくされてね、もう何もかも嫌になって家出したんですよ。僕は純子ちゃんの気持ちが痛いほど分かるな」

雄太「秀平さんに言うてくるわ」

恭子「おかしいやないの」

ここまで。

 

帳場

浜風荘の法被を着た秀平「そうですか。分かりました。(電話を切り、あきたちに)ぬひさん所には立ち寄ってないそうです」

あき「恭子。あんたが会うた時はお姉ちゃん、どんな様子やった?」

恭子「『私かて働くばっかりが能やない。たまには羽を伸ばさな息が詰まる。一度だけの人生や』って」

秀平「一度だけの人生? 本当にそんなこと純子が言ってたの?」

恭子「言うてた」

 

久助「秀平君、君がね『誰も苦労をしてくれなんて頼んだ覚えはない』なんてこと言うからね、こういうことになったんですよ。純子ちゃんちゅう子はね、辛抱強い子ですよ。辛抱に辛抱を重ねた上、ついにこういうことになったんですよ」

雄太「ヤケを起こしてしもたんやろか」

恭子「そうやわ。うちに帰らんとよそへ行ってしもたんやわ」

秀平「僕が言い過ぎました」

あき「ううん、そんなことないて」

 

「ごめんください」

あき「はい! あ、お客さんや」

 

杉本「すみません、日本海高校の先発隊の者ですけど」

あき「はい。あっ、お待ちしてました」

北見「私、監督の北見といいます。こちら部長の杉本先生」

杉本「よろしくお願いします。本隊はあさってに着きますから」

あき「そうですか。どうぞ。ももさん! ももさん!」

 

北見「じゃあ、上がらしてもらおうか」

 

もも「どうぞ、いらっしゃいませ」

あき「松の間な、用意できてるな」

もも「はい。あの、もうちゃんと掃除できてあります」

あき「ほな、ご案内して」

もも「はいはい。どうぞ、どうぞ」

 

北見「お世話になります」

2人の生徒「お世話になります」

あき「どうも」

 

帳場に戻ったあき。

恭子「なあ、お母ちゃん、どないしよ」

あき「どないもこないも帰ってくるの待つよりしょうがないやろ」

久助「これはね、やはり家出ですね」

清原「純子さんが?」

久助「はい。私のとこに来ました時ね、かなり悩んでましたからな」

 

秀平「いや、純子はそんなことは…」

 

陽子が階段を下りてきた。

あき「陽子、お母ちゃん、見なんだか?」

陽子「知らん。お母ちゃん、帰ってるの?」

あき「そやないんやけどな」

 

もも「すんません、あの、日本海高校の皆さんは晩ごはんを6時半にしてくれて言われてました」

あき「はい。ほな、石田君にそない言うといて」

もも「はい」

 

帳場を出たももは、階段下の物置の扉が開いてることに気付く。「開けっ放しにして」と閉める。

 

秀平「おかあさん、すいません」

あき「何を言うてるのや。まだ明るいやないの。心配せんでええて」

秀平「でも…」

 

久助「あきさん。これはね、7時まで待ってね、帰ってこない場合は、やはり捜した方がいいですよ」

あき「そんな、そのうち帰ってきますて」

秀平「僕、ちょっと見てきます」

あき「秀平さん、見に行く言うたかて」

秀平「ちょっと心配なんですよ」

 

あき「大丈夫やて。恭子、あんたちょうどええとこ来たな。手伝うて」

恭子「ほら、そう言うやろと思てたわ」

あき「都合悪いのか? そんなことないやろ? あんた、純子と温泉行く言うてたんやから、どうせ暇はあるんやろ」

恭子「へいへい」帳場を出ていく。

 

雄太「僕らが言うたことで、お姉ちゃん傷ついてしもたんやで」秀平に言うと、帳場を出ていった。

 

久助「まあ、とにかくね、純子ちゃんが帰ってきたら謝っといた方がいいと思うよ」

清原「しかし、家出とすると純子さんらしくないな」

 

陽子「お父ちゃん遊ぼう」

秀平「あとあと。お父ちゃん、忙しいんだ」

陽子「つまらんなあ」

秀平の肩から顔を出した陽子に変顔を見せる久助。陽子ちゃん笑ってる。

 

陽子「おばあちゃん、じょうろ、どこにしまったん?」

あき「じょうろか? あの階段の下にバケツやなんか入ってるとこあるやろ。あそこや」

陽子「は~い」

階段下にはじょうろが置いてあった。

 

陽子「おばあちゃん、バケツは?」

あき「バケツも同じとこやで!」

 

階段下にバケツ。バケツにじょうろをいれて移動したようにみせかけた陽子は階段下の物置が怪しいことに気付く。「おばあちゃん、ふるいは?」

あき「ふるいも同じとこや!」

 

陽子が階段下の物置を見ると、ふるいを出す手が見えた。扉を開ける陽子。

純子「し~っ!」

陽子「あっ、お母ちゃんや」

純子「黙ってな、あかんよ」

陽子「お母ちゃん、何してるの?」

 

純子「かくれんぼや」

陽子「かくれんぼ?」

純子「そうや。そやから誰にも言うたらあかんで」

陽子「おばあちゃんにも?」

純子「うん。おばあちゃんにもお父ちゃんにも誰にもや。分かった?」

陽子、うなずく。

純子「ほな、閉めるで」

陽子ちゃん、笑顔がかわいい。

 

秀平「陽子、何してるんだ?」

陽子「何にもしてへん。ここ誰もいてへんよ」←大ヒント

秀平「当たり前だろ。こんなとこ誰もいるわけないじゃないか」

階段を上っていく秀平を追いかける陽子。

 

階段下のスペースにいる純子に帳場にいる久助たちの会話が聞こえている。

久助「だからね、どうしてそんなことを言ったのだというんだ」

雄太「僕はお姉ちゃんが家族のために犠牲になってるやなんてそんなこと思いたないさかい」

久助「しかしそれは事実でしょう。しかし、秀平君もよう言うたもんやね。『誰も苦労してくれと頼んだ覚えはない』やなんて、そんなこと聞いてね、おかしくならない方がおかしいよ」

 

あき「校長先生。心配してはるお気持ちはありがたいんですけれども、いつ帰るか分からんもん待ってもろてもしょうがおませんさかい」

久助「はい、それじゃ、まあ失礼します。純子ちゃんが帰ってきたら正太夫倶楽部の方へ電話下さいね。私も心配ですから」

あき「はい」

久助「はい、それじゃあ」

 

もも「えらいこっちゃ、えらいこっちゃ。あっ、奥さん、バケツバケツバケツ」

あき「どないしたん?」

もも「梅の間のお客さんな、インク、畳にこぼしてしもたんよ。えらいこっちゃ」

慌ててバケツを階段下に置く純子。

もも「あっ、これこれこれ。ほんまに何してくれるこっちゃ、もう…」

 

階段下に来た陽子はニコニコ。

あき「何?」

陽子「何でもないよ」

あき「じょうろな、遊んだあと、ちゃんと元に戻しとかなあかんで」

陽子「うん」

 

生徒達が階段を下りてきた。

生徒1「ねえ、洗面所どこ?」

陽子「あっちや」

生徒2「あ、金魚のじょうろだ」

 

陽子「ここ開けたらあかんし」

生徒1「どうして?」

陽子「何ででも」

生徒2「何が入ってるの?」

陽子「何にも入ってえへん」

 

生徒1「ちょっと開けてみせてよ」

陽子「あかん」

生徒2「変な女の子だなあ」

生徒達が去っていくと、陽子が物置の扉をなでる。

 

板場

もも「はい、恭子ちゃん」揚げ物を揚げる。

恭子「はい」

あき「はい、松の間出来たで」

秀平「はい。これ、松の間ですね」

あき「すんません」

 

秀平「いえ、純子がいないんですから、僕、代わりに手伝いますよ」

あき「おおきに」

 

雄太「お風呂、出来たで」

あき「ほんなら桐の間のお客さんにどうぞ言うて」

 

恭子「石田君、おすましの味見て」

石田「はい。オッケーです」

恭子「おすまし、出来たで」

一同「は~い」

 

雄太「これ、梅の間持ってくで」

 

あき「これ、持ってってや」

 

物置の中で泣きだす純子。

 

客「あっ、あの、バケツ、どうもありがとうございました」

秀平「どういたしまして」

物置を開けてバケツをしまおうとして、扉を開けた。「あっ!」

 

あき「どないしたんですか?」

秀平「誰かそん中に」

雄太「えっ?」

もも「何な? 何な?」

 

恭子「お姉ちゃん!」

秀平「えっ?」←なんですぐ気づかない?

 

あき「何をしてるのや」

雄太「いつからそんなとこにおるんや」

秀平「純子…」

陽子「あっ、かくれんぼ、見つかってしもたん?」

 

あき「かくれんぼ?」

秀平「陽子、知ってたのか?」

陽子「うん」

秀平「それで…。どうもおかしいと思ってたんだ。じゃあ、ずっとここにいたのか?」

陽子がうなずく。

 

あき「はよう出ておいで」

陽子「出よう」純子の腕を引っ張る。

 

雄太「汗びっしょりやんか」

純子「おどかそ思て隠れてたんやけど、だんだん出られんようになってしもて、そのうち何や悲しくなってきて…」

 

秀平「よかった。家出かもしれないって心配してたんだよ」とハグ。

純子、泣きだす。

秀平「ごめん。僕も言い過ぎたのかもしれない。謝る」

雄太「僕も謝る」

陽子はニコニコ見守る。

 

玄関ロビーのソファ

秀平「あの時は君の物言いについカッとして『苦労してくれと頼んだ覚えはない』なんて言ってしまったんだよ。君にいつも感謝してることに変わりはない」

純子「ううん、おおきに。物置の中で考えたんやけどな、ほんまにそのとおりやわ。私は誰に頼まれたわけでもないねん。みんなのお世話をするのが楽しいしうれしいし、そやから毎日バタバタしてるのや。そうせんと気が済まんだけなんや。ほんまに誰に頼まれたわけでもないねんけど、人のお世話をするのが性に合うてるねん。私…何で私が苦労してんのに、みんな勝手なことしてなんて言うてしもたんやろな」

あき「誰も同じやで、純子。子供に頼まれて子供の世話すんのやない。子供の世話することで自分がうれしいんや。それだけのことや」

 

清原「純子さん。いや、僕は美山村にいた頃から、ずっとあなたを見てきたが、あなたは月のような人だと思うよ。太陽のように自分で輝くものもあれば、ほかからの光で輝くものもある。あなたは本当に月のような人だ。旅館の女将さんが本当に似合ってると僕は思うがね」

純子「おじいちゃん…」

清原先生はロマンチストだな。

 

長きにわたる夫婦げんかもこれにて一件落着!? 結局忙しさとかお金のこととか何も解決されてないけど、純子は思ったことを話せたし、校長先生みたいに怒ってくれる人もいたし、秀平も一応?反省したっぽいからいいのかな?? 結局、純子は世話好きと自己暗示をかけてしまった気もする。peachredrum.hateblo.jp

昭和37年7月の終わり、陽子の幼稚園の夏休みに今津春男が来てから、ずっと険悪ムードだったね。2週間近くこのネタで引っ張ったか~。でも、高校野球の先発隊が来るぐらいだから1か月も経ってないのかな。明日の土曜日回でまとめ、そして次の回から最終週。純子と雄太のシーンが多いといいな。それだけが楽しみ。