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【連続テレビ小説】純ちゃんの応援歌 (133)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

純子(山口智子)が秀平(髙嶋政宏)に、菊江を雇うと決めた一因は、美人だからと推した秀平にもある、と責めても秀平は3人で決めたんじゃないか、とあまり気にしていない様子。陽子(村上沙織)を連れて、純子が金を盗まれた高辻さんのところへ謝りに行った帰り、正太夫笑福亭鶴瓶)の店でのんびりすると、自分に足りなかったのはこうやって1人になる時間だと気づく。家に帰って純子は秀平に、家は借りなくてもいいと…。

帳場

落ち込む純子とお絵描きしている陽子とそれを見ている秀平。

秀平「しかたないじゃないか。元気出せよ」

純子、チラッと笑顔を見せる。

秀平「初めから計画的に入り込んだんだ。出来心なんかじゃないよ」

純子「旦那さんが入院してる言うさかい、すっかり信じ込んでしもたんや」

秀平「だからさ、それも同情を引くためのうそだよ」 

 

純子「はあ~、7万円か…。弁償さしてもろたけど痛かったわ」

秀平「しかしねえ…。人は見かけによらないって言うけどほんとだね」

純子「なあ、秀平さんにもちょっと責任があると思わへん?」

秀平「僕が?」

純子「そうや。あの人に決めようと言うたのは秀平さんなんやから」

 

秀平「冗談じゃないよ。あれは僕と君とおかあさん、3人で決めたんじゃないか」

純子「そらそうやけど、一番すすめてたんは秀平さんなんやで。美人や美人や言うて」

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秀平「そりゃ、言ったけどさ…」

純子「はあ…ほんま一遍こんな目に遭うと、うかつに人も雇えんわ」

秀平「おまけに陽子を利用してさ。それが一番腹立つな」

あっさりと辞めた垣本やキクが戻ってくる展開はもうないか。

 

純子「こんなんやったら甲東園に家借りるの諦めた方がええのかもしれんな」

秀平「諦めるって?」

純子「家借りるとなると旅館の方も、また、人、雇わんならんし、陽子の面倒見てくれる人も頼まんならんし。それ考えたら気が重うなってきたわ」

秀平「…」

 

純子「さ、今日は枚方まで行ってこんならんのや」

秀平「枚方へ?」

純子「お金盗まれた高辻さんとこや。やっぱりこっちの落ち度やし、嫌な思いしはったんやから、お金返しただけでは済まへんやろ。菓子折り持って頭下げてこんと」

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秀平「ご苦労さん」

 

「こんにちは」

 

純子「はい!」

 

浜風荘玄関

清原「いらっしゃい」

久助「先生、ご無沙汰いたしております」

純子「校長先生、いらっしゃい。今日はどないしはったんですか?」

秀平「おはようございます」

久助「どうも。部屋、空いてるかいな」

校長先生、あごひげがある。

 

純子「はい、空いてますけど」

久助「そうか」

純子「どうぞ。今日はお泊りですか?」

久助「いやいや、そやないねん。原稿書くのにちょっと部屋使わせてもらおうと思てな。いや、うちのアパートはもう昼間やかましいてしかたがないのや。ラジオのラジオ童話ちゅうやつと、それからテレビの人形劇の脚本と、こいだけ書かないかんのや」

 

純子「大変ですねえ。ほんなら竹の間でどうですやろ」

久助「そうか、そうさしてもらお。局の人にもここで仕事するよって言うたんやった」

純子「はい、ほんならどうぞ」

久助「はいはい、頼んます」

 

清原「久助さん忙しいんだね」

秀平「ええ、童話作家から放送作家になって何だか急に忙しくなったみたいです」

清原「放送作家か。ははあ」

校長先生は商売は下手だけど、文才はあったということだね。マー姉ちゃんみたいに交渉に長けたマネージャーがいたら出版社もうまくいったかもしれない。わらべ出版の社長はどうなったんだろう。

 

板場

石田「えらいよう働く人やと思てたけどなあ」

もも「菊江さんか。あいはかわいそうな女や。人間、一遍楽して、金、手に入れるとな、やめられんようになるんやらよ。人間楽したらあかんな」

あき「ほんまやな」

 

純子「お母ちゃん。ちょっと枚方まで行ってくるわ」

あき「そうか。ちゃんとおわびしてな。陽子も連れていくんか?」

純子「そうや。帰りに枚方の遊園地に連れていってやろうと思てな」

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あき「そうか」

もも「遊園地か。陽子ちゃん、ええな」

陽子ちゃんは、ももさんには割と笑顔を見せたり手を振ったりするね。あ、でも意外と菊江さんにもなついてた気がする。

 

純子「ほな、ちょっと行ってきます」

もも「バイバイ。バイバイ。かわいいなあ」

あき「ももさんとこでもじきにあないなるな」

もも「ほんまやな。いつの間にかうちもおばあちゃんやら」

あき「アハハ、若いおばあちゃんやな」

藤山直美さんは当時30歳。でも、ももさんは今、40歳になったくらい? 確か、金太郎を生んだのが10代だったと思います。金太郎が23歳。

 

竹の間

原稿を書いている久助

 

あき「失礼します」

久助「はい」

あき「あの放送局の方がお見えになられました」

久助「えっ? もう来はりましたか」

 

渡辺「すみませんなあ。まだちょっと早いんですけど、来さしてもらいました」

久助「いや、ちょっとどころやないよ。だいぶ早いよ」

渡辺「ハハハハハ」

あき「どうぞ」座布団をすすめる。

渡辺「あ、どうも。いや~、局で待ってても、ここで待ってても同じですさかいな」

 

久助「まだ半分もいってないからな」

渡辺「どうぞどうぞごゆっくり。私は別に催促に現れたわけやおまへんから」

久助「ハハハハハ」

 

あき「校長先生、甘いもんでもお持ちしましょか」

久助「ああ…そうですな」

渡辺「どうもすみませんな」

久助「いや、この人ね、ラジオ局の渡辺さん」

 

渡辺「(あきに向かって)あの、渡辺です。雑賀先生にはいつもお世話になってます」

久助「いやいやいや、お世話になってるのはこっちの方。私にね、ラジオの仕事しませんかとすすめてくれた恩人です」

渡辺「ハハハハ、何をおっしゃいますやら」

 

あき「どうぞごゆっくり」

渡辺「どうも」

久助「あきさん、すみませんな」

あきさんは話題を切り上げるのが上手。

 

さっそく原稿をチェックする渡辺。「半分…ですか?」

久助「いや…まあ、正確なところ3分の1ですか。へへ…」

渡辺「はあ~、すると…夜になりますかな?」

久助「へへ…。夜になりますかな」

 

太夫倶楽部

純子と陽子はカウンター席に座っている。

太夫「はい、入った。は~い、陽子ちゃん、どうぞ」

純子「ありがとうは?」

陽子「ありがと」

太夫「遊園地行ってきたんか。よかったな」

 

木村「はい、どうぞ」

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木村は以前は客としてカウンター席に座り、芸大落ちたと落ち込んでた人ね。

 

純子「おおきに」

太夫「しかし、それは大ごとやったな」

純子「そやねん。お客さんが気持ちよう許してくれはったから、ほっとしたけど」

太夫「昔からあるんやで。お目見得詐欺いうてな」

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純子「ええ人やと思て、頭から信用してた、こっちがアホやったんやわ」

自分でもコーヒー飲んじゃう正太夫。「陽子ちゃん、これ見てみいな。陽子ちゃん写ってるでしょう」

壁に飾っている写真を見せる。

純子「いや、あんなとこに写真飾ってあったん? 何や恥ずかしいわ」

太夫「ええやないか。純子ちゃん、よう写ってるやろ。せやけどな、こっち、ちょっと見てやって。節子と美佳子。これもよう写ってると思わんか?」

純子「ほんまやな」

太夫「秀平君、さすがプロやな。自然な雰囲気がよう出とるやないか」

 

純子はコーヒーを一口飲み、柱時計を見る。時刻は午後3時過ぎ。

太夫「何や、時計なんか見て。たまにはゆっくりしいな」

純子「そやな。今日は秀平さん、暗室には来んのやろか」

木村「昼前にね、大津まで行かはりましたよ」

純子「ほんまに? すんません」

 

太夫「どや、コーヒーおいしいやろ」

純子「うん、おいしい。久しぶりやな。こんなにのんびりした気分になったんは」

太夫「そらええこっちゃ。この正太夫倶楽部はな、みんなにのんびりしてもらうために作った場所なんや」

 

柱時計は午後4時37分。純子と陽子はテーブル席に移動して、陽子はお絵かき。純子はコーヒーを飲みながら見守っている。

 

カウンター席に座り、他の客と話していた正太夫がふと振り向く。「純ちゃん、どないしたん? ボーッとして」

純子「ううん。こんなにボーッとして時間過ごすの何年ぶりやろなて思て。ええな。何もせんと時間だけが過ぎていくなんて、ほんまにええもんやわ」

太夫「そんなによかったら、たまには息抜きにおいでな」

 

純子「そやな。あくせく働くだけが能やないな。私、こういう時間が欲しかったんやわ」

太夫「何や、どないしたんや」

純子「陽子のために家一軒借りようかて思てたんや。節子さんみたいにはいかんやろと思うけど、この子と一緒におれる時間が欲しいなて思て。そやけどほんまは、私自身が仕事から離れる時間が欲しかったのかもしれんて、今、ふと思たんや。旅館やってると24時間、自分の時間がないやろ。そやから陽子を口実にして実は、自分が一人になってみたかったんやなって」

 

太夫「少し疲れてるのちゃうか? 純ちゃんらしないで」

純子「そやな。さ、陽子、おうちに帰ろか。なっ、はい、おしまい」

太夫「陽子ちゃん、またおいでや。しもうてあげよう。これ(陽子のお絵かきセット)持って帰りや。ちゃんと持って帰らな」

純子「おおきに」

 

太夫「よっしゃよっしゃ。バイバイ…(純子が財布を取り出したので)いいて」

純子「そやけど…」

太夫「かまへんて。今日は僕のおごりや」

純子「すんません、おおきに」

 

太夫「またおいでや。バイバイ」

純子「ほな、おっちゃんにバイバイ」

太夫「バイバイ。秀平君によろしゅうな」

純子「おおきに。ほな、さいなら」

 

太夫は手を振りながら、投げキッス。

男「誰ですか?」←ベレー帽にルパシカ。

太夫「ええ人やろ。僕の初恋の人や」

 

夜、浜風荘、竹の間

原稿を書く久助と書き上がった原稿を読む渡辺がふと腕時計を見る。

久助「あ…もうちょっとというところやからな」

渡辺「どうぞどうぞ。ほんならその間に、私は一風呂浴びさしてもらいますわ」

久助「あっ、そうかな」

渡辺「ええ」

 

純子たちの部屋。

陽子は寝ている。

秀平「そう、捕まったのか」

純子「鳥羽の旅館の女将さんがな、見抜かはったんやて。やっぱり私は修業が足らんわ。ええ勉強になった」

秀平「純子。陽子のことなんだけどさ。武庫川の保育園で1人ぐらいだったら預かってくれる所があるらしいんだよ。そこへどうかな?」

 

純子「保育園?」

秀平「そうすりゃ夕方までは手が離れるし」

純子「そやなあ。けどな、私、このままでもええような気がしてるのや」

秀平「今までどおりで?」

 

純子「うん。どうせ来年には幼稚園に入るのやし。それにこの子は旅館で生まれた旅館の子や。ここで育てるのが一番ええやないかって。今日もな、この子、お客さんにお風呂入れてもろて、それもええなと思たんや」

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よくない、よくない! 脚本的には、男性客と風呂に入る陽子という微笑ましいエピソードのつもりかもしれないけど、2度とその話しないで!! おぞましい。

 

秀平「あれ~、どうしたの?」

純子「ううん、どうということやないのやけど、私、まだまだほんまの旅館の女将になってなかったんやなって。3年たってやっとそれに気が付いたっていうことや」

秀平「そういうことかな。ね、女将さん」

純子「いや、何やの秀平さん。フフフ」

秀平と純子のイチャイチャタイム。ナレーションなかった。

 

ここ数日、謎だった純子の一軒家理論は、純子が仕事から離れて一人になる時間が欲しいということだったのね。いつもうまくまとまるよね~。でも、保育園に入れるか子守の人を雇うかはしてもよかったんじゃないかなとは思う。

 

せっかく、秀平もいろいろ探したんだろうしさ。仲よさそうなシーンもあるのに、結局、とことんかみ合わない夫婦だなと思ってしまう。