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【連続テレビ小説】純ちゃんの応援歌 (143)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

純子(山口智子)とあき(伊藤榮子)が清原(浜村純)を心配して、荷物をまとめて病院へ行こうとすると、清原たちが帰ってくる。清原が無事でホッとする純子だが、清原まで巻き込んだことを秀平(髙嶋政宏)と反省する。純子の話を立ち聞きしてしまった雄太(唐沢寿明)は、純子のおかげで秀平が写真を続けられる、と言っているように聞こえると言うが純子は、私が間違ってるかと聞き返す。純子は恭子(松本友里)を温泉に誘い…。

あき「下着と寝巻きとあと何を持っていったらええんやろ」

純子「あとは歯ブラシとタオル。そやけどまた何であんなアホなこと考えたんやろな。おじいちゃんに仮病を使わせるやなんて」

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清原先生への「おじいちゃん」呼びを最初にしたのは意外や意外とスティーブ西川。最高に幸せだった、あの頃…。

 

純子「知らんがな。そないしたら私と秀平さんが心配して仲直りすると思たんやろ」

あき「あんたらがいつまでもけんかしてるからや」

純子「そやけどびっくりしたわ。ほんまに病気にならはるんやもん」

あき「さあ、ほんならこれでええな。あと歯ブラシは下にあったな。さあ、ほな、純子行くで」

 

あきが風呂敷に必要なものを詰めているとき、純子が写真立ても渡していた。あれは息子さんの遺影かな。

 

もも「あ~、あの、病院からはな、まだ何の連絡もないで」

あき「おかしいな。なんぼなんでももう着く頃やけど」

純子「ほんまに痛かったんやろか」

あき「そうかて仮病やったら救急車呼ぶわけないやろ」

もも「そらそうや。あっ!」

 

玄関に清原先生、秀平、雄太。

純子「あっ!」

あき「どないやったんですか?」

清原「それがその…」

秀平「救急車に乗って2~3分走ったと思ったら、おじいちゃん急に治っちゃったんだ」

 

もも「えっ?」

純子「ほな、おじいちゃん、やっぱり仮病やったんですか?」

清原「バカ言っちゃいかんよ。いや、あの時は本当、死ぬほどに痛かったんだから」

秀平「だけど、痛み治まっても救急車は一応病院まで行かなきゃいけないらしいね」

あき「それはええけど、結局、何やったんですか?」

 

雄太「腎臓結石やったんや」

あき「腎臓結石?」

清原「この腎臓からぼうこうへつながってる管に石が詰まるらしいんだ。で、その石がストンと出てしまえば、あとはもううそみたいに楽になるんだ」

もも「石が?」

清原「いや、いろいろご心配をかけました」

もも「なんのなんの」

 

清原「せっかく本当の病気になったんだから、2~3日治らなければよかったんだよ」

雄太「何言うてるのや、おじいちゃん」

清原「雄太。もう仮病は二度と駄目だね」

雄太と肩を組んで行ってしまう清原先生。仲よさそう。親戚のわりに秀平の方がそれほどでもないんだよな。

 

純子と秀平もやや雪解けムード!?

 

部屋に陽子を寝かせる。

純子「私らがぎくしゃくしてるさかい、雄太やおじいちゃんにまで心配かけてしもて。陽子かて子供心に何か感づいてるのやろと思うわ」

秀平「陽子は仕事場に泊まってとても喜んでた。ゆうべも今朝もお父ちゃんと春男にいちゃんの食事はうちが作るんやって言って小さい手でお握り作ったり、今朝もトマトサラダ作ったり、すごくうれしそうだった。ゆうべは僕と一緒に寝てね。おかげで次から次へと話ねだられたけど。やっぱりふだん構ってもらえないから、一日べったり父親といたのはうれしかったんだと思うよ」

 

純子「それ、どういう意味?」

秀平「いやいや、別に」

純子「私が陽子を構てやらへんということ?」

秀平「君がどうだとは言ってない。けど、陽子が家の中でいつも一人で遊んでるのは事実だろ」

 

純子「それはしかたないやないの。旅館やってるのやから。陽子の相手をしてやる暇はほんまにないねん。そらしてやりたいとは思てるけどできへんのやもん。陽子かて辛抱してるのやろけど、母親の私かて我慢してるのや」

秀平「だからさ、たまには僕が連れ出して遊んでやろうと思ったんじゃないか」

純子「そういうのずるいと思うわ」

秀平「ずるい?」

 

純子「そやないの。ふだんは何もせんといて、おいしいとこだけさろっていくねんもん」

秀平「そういう言い方はないと思うけどね」

純子「そやないの。陽子がはしかで40度近い熱出してる時は、自分はさっさと北海道に行って1週間も帰ってこんと」

秀平「話蒸し返すのはよせよ」

純子「とにかく秀平さんは身勝手やわ」

秀平「純子」

 

純子「私、お客さんに暑中見舞いの葉書、書かなあかんのや。旅館の方をしっかりしとかんと、秀平さんに好きな写真に打ち込んでもらわれへんさかいな」

秀平「君…」

 

帳場

純子が葉書を書いている。バタバタと足音。

秀平「忙しいのに悪いけど5分でいいから話、しないか」

純子「どうぞそこで言うて」

秀平「今さ、僕に写真を続けさせるために旅館しっかりやっていかなきゃいけないって言ったね」

純子「そうや」

 

秀平「少なくとも僕は写真のことで君に迷惑をかけたつもりはないよ。生活費だって僅かかもしれないけど、きちんと家に入れてる。旅館がなくたって食っていけるくらいの収入はあると思ってるんだ」

純子「そやろか。それは今までたまたまそうやったっていうんと違う? 私見てたら秀平さんのしてることハラハラするわ。言いとうないけど、例えば混血児の取材にしてもそうや。もし私が旅館せんと秀平さんの収入だけでやってるのやったら、とてもやない今までやってこられへんかったんと違う? 私はそれが嫌で言うてるのやないんやで」

 

雄太「お姉ちゃん」

雄太が帳場に入ってきて、秀平の隣に座る。「聞こえてしもたから言わしてもらうけど、それはちょっと言い過ぎと違うやろか。それではまるでお姉ちゃんがおるから秀平さんが写真を続けられるというように聞こえるで」

 

純子「こういう話になってしもたから言わしてもらうけど、みんなみんな勝手やわ。みんな好きなことばっかりして。私はみんなのために一生懸命やってきたつもりや。旅館かて何べんもつらい目に遭うて投げ出そうと思たことかてある。そやけど、ここで旅館放り出したら買い取った時の借金はどうなるのやろとか秀平さんが生活のために嫌な仕事を引き受けんならんようになったらつらいやろとか、そういうことをいろいろ…そういうことをいろいろ考えて辛抱してきたんやないの。そやろ?」

秀平「そのとおりだね。しかし、僕は君にそんなに頑張ってくれとも辛抱してくれとも頼んだ覚えはないよ。僕のために頑張ったというのならやめてくれ」

 

純子「そんなんあんまりやと思わへん?」

秀平「どうして? きみがあんまり言うから僕の考え言っただけだよ。恩着せがましく言うなら君は旅館やめたっていいんだ」

 

純子「雄太、あんたどない思う? お姉ちゃんのしてること間違うてるか? 私は今日までそのつもりで生きてきたんや。そら頼まれたことはないけど、私はそない思て、つらい時でも辛抱してきたんやないの。雄太は、よう分かってくれてると思うけど。なあ、雄太」

雄太「…」

純子「何で黙ってるんや? お姉ちゃん、間違うてるか? なあ?」

雄太「僕にはどっちとも言えんわ」

純子「雄太…」

雄太「100%お姉ちゃんに賛成やとは言われへん」

ショックを受ける純子。ここにな~、昭がいればな~、また違った言葉が聞けたように思うなあ。雄太は達観してるというか冷静過ぎるのよ。その割に清原先生に病気のふりをさせるという子供っぽい所もあるけど。

 

秀平「言い過ぎたかもしれないけど、僕はそう思ってる」席を立つ。

雄太「ごめんな、お姉ちゃん。おやすみ」

 

繕い物をしているあき。

雄太「僕はどう言うてええか分からんようになってしもたんや。秀平さんがお姉ちゃんにえらい目するように頼んだ覚えはないて言うた時、ドキンとしたんや。お姉ちゃんは僕のためにも随分苦労してる。それはよう分かってんねん。そやけどそれは僕が頼んだからやない。お姉ちゃんが自分からしてくれたことや。そない思うよって、僕は手ぇ合わせたいほど、ありがたいと思てんのや。もっと別の言い方があったのかもしれんけど…」

あき「そんなことない。雄太の考え方でええのと違うか?」

 

ふと外を見るあき。「雄太。お月さん、きれいやで。それにしても純子もかわいそうな子やなあ」

 

暗い浜風荘の玄関ロビーのソファに座り、涙を流す純子。

 

珍しい屋外ロケ。

恭子「お姉ちゃん。どないしたん?」

純子「どないもせえへん」

恭子「そやけど、急に温泉に連れてってあげるやなんて電話くれるんやもん、うち、慌ててしもたわ」

純子「さあ、どこ行こ。思い切って足のばして芦原温泉でも行ってみよか」

福井県か。

 

恭子「ええねえ。そやけど旅館ええの?」

純子「かまへん。働くばっかりが能やないやろ。たまにぜいたくしたかて罰は当たらへん」

恭子「それはそやな」

純子「行こ行こ」

恭子「どないしたんやろ」

 

浜風荘客室

久助「しゅ…秀平君! 言うたのか言わないのかはっきりしてくれ! 僕はどうにもならんようになってるんだ。どうなんだ!?」

秀平「言いました」

久助「言うた!?」

秀平「確かに言いました」

久助「確かにって…どういうことだ?」

秀平「思ってることをそのまま言いました」

久助「そのまま言った…君ねえ!」

 

あき「秀平さん、もうええから、お部屋に入っといで」

秀平「しかし…」

あき「ええから」

秀平退室。

 

久助「あきさん、あなた、いきさつご存じなんですか?」

あき「知ってます。雄太から聞きましたよって」

久助「それじゃなぜ秀平君を叱らんのですか」

あき「私は秀平さんのおっしゃることがもっともやと思てるんです」

 

久助「いや、それでは純子ちゃんがかわいそうやないですか。私はこの話を聞いてね、正直腹が立ちましたよ」

あき「校長先生、お気持ちはうれしいんですけど、このままそっとしておいていただけませんでしょうか」

久助「あきさん、あなたは秀平君に甘すぎますよ。そうですか。あなたがそうして秀平君の肩をお持ちになるんでしたら、私は徹底的に純子ちゃんの肩を持ちますよ。あきさん、あなたは私にとってはね、中学生の頃から憧れの人でした。あなたに横を向いていろと言われりゃ、私は生涯でも横を向いておりますよ。あなたは小野君から預かった大事な大切な人なんです。ですから逆らいたくはないですけどね、この件に関してはですね、そうはいかんのですよ! いかんですよ、そうは!」

校長先生、どさくさ紛れに告白してる。

 

雄太「お母ちゃん」

久助「雄太君。君もけしからんやないか」

雄太「お姉ちゃん帰ってきてるか?」

あき「帰ってないけど何?」

雄太「恭子姉ちゃんが来てるのや」

 

恭子「何があったん?」

あき「恭子。純子と一緒やったんか?」

恭子「うん。さっきなうちとこに電話があってクサクサして面白うないさかい、私らも一緒に温泉に行かへんかて言うてきたんや。そやけど、梅田まで来たら、お姉ちゃん、やっぱりうちに帰る言うて…。どないなってんの?」

久助「ほら。ほら…」

 

恭子「いや、私、気になって来てみたんやけど、まだ帰ってないみたいやし…」

あき「どないしたんやろ」

久助「これはね、家出ですよ。うん。みんなにつれなくされてね、もう何もかも嫌になって家出したんですよ。僕は純子ちゃんの気持ちが痛いほど分かるな」

雄太「秀平さんに言うてくるわ」

恭子「おかしいやないの」

 

純子が夢も持たずに大人になったのは、陽一郎不在の小野家をあきといっしょに妹や弟を育てるのに一生懸命だったからだと思う。世話好きだという性格も元々持っていたものだったのか?と今になると思ってしまう。

 

雄太は男だから秀平のプライドが傷つけられているようで秀平の味方になったのかな。わずかだけど生活費入れてるって、やっぱり純子が大黒柱じゃないの? お金ないよとしれっと言って純子にお金もらってたよね。

 

昭が「小野家は冷たい」と言っていたのが響いてくるな~。あきさんが意外とドライな性格なんだよね。

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