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【連続テレビ小説】マー姉ちゃん (141)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

毎晩、遅くまで講義をしにくる正史(湯沢紀保)に付き合いきれなくなったマリ子(熊谷真実)たちは、一刻も早くヨウ子(早川里美)と結婚させようと、挙式の日取りを早める。純白のドレスを見て喜ぶヨウ子の姿に、マリ子とマチ子(田中裕子)は思わず感極まる。結婚式の当日、ウメ(鈴木光枝)たちが集まり、教会で厳かに式が始まる。外で三郷の到着を待つ道子(光丘真理)に、均(渡辺篤史)は代わりに自分が外で待つと言い…。

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お土産を持って磯野家にやって来た島村。

 

さあ、今夜の講義は一体どんな予定なのでしょうか?

 

正史「こんばんは、島村です! こんばんは! 僕です、島村です!」

 

「変だな…みんなそろって留守なんだろうか? おかしいな…。ゆうべは旅行に行くとも何とも言っていなかったけれど…」とでっかい独り言を言いウロウロ。

 

正史「こんばんは! 島村です! ヨウ子さ~ん、島村正史です! (戸をたたき)こんばんは~! こんばんは~!」

 

暗い部屋ではるが応えようとするのをマチ子が止めた。

マチ子「駄目よ、今、同情したら元のもくあみでしょう?」

はる「だって、あの方だって悪気があってのことじゃないんだし」

マリ子「たとえなくてもこう毎晩じゃ、道子ちゃんだってお琴ねえやだって、もう睡眠不足でフラフラなんですからね」

ヨウ子「ごめんなさい、本当に」

道子「いえ、別にヨウ子お嬢様がそんなふうにおっしゃられることはございませんですよ」

 

正史は玄関先にお土産とメモを残して帰って行った。

正史「お留守でしたので帰ります。何かとても心配です。ご帰宅になりましたら、ご無事の様子ご一報ください。 島村」

 

明かりのついたダイニング

マリ子「何だかすごく悪いことをしてしまったみたい…」

はる「みんなで暗闇で息を潜めて何だか私たちの方が泥棒に入ったみたいな気がしましたよ」

マリ子「ねえどうするつもり?」

マチ子「どうするって?」

マリ子「今日のところは何となく衆議一決でこういうことになってしまったけど明日はもちろん心配して様子を見にいらっしゃるだろうし無事だと分かったら、あさってからだってやって見えるわよ、今までどおり」

道子「ええ、私もそう思います」

 

マリ子「だからってそのつどこんなまねをするわけにはいかないでしょうし」

はる「そんなこと当たり前ですよ」

マリ子「だったら早く結婚させてしまいましょうよ。ヨウ子と島村さんを」

ヨウ子「マー姉ちゃん!」

マリ子「だって、あの人、私たちがこんなかくれんぼをしてるなんて夢、疑ってないのよ。何か後味が悪いじゃない」

マチ子「それは私も賛同よ」

ヨウ子「私だってそうですけど、でも…」

 

はる「もうたくさんよ。こんなことが秋まで続いたら、それこそみんな神経衰弱ですよ。ええ、もう、明日、式を挙げるとしても私は賛成です」

ヨウ子「お母様~!」

マリ子「ヨウ子はそんな声出すことないじゃないの。みんなと一緒に暮らせるんですもの」

マチ子「そうよ、結婚してしまえば今までみたいに、毎晩、引き揚げるまでおつきあいすることないんだもん」

ヨウ子「むちゃだわ、そんなの!」

 

マリ子「じゃあ、この婚約、水に流す?」

道子「それこそむちゃです」

お琴「そうですとも。眠いのは困りますけれども、あんなお優しい方いらっしゃいませんわ。ねえ~」

 

マリ子「そうでしょう? だったら残る道はただ一つ。こんな状態が秋まで続いたら私たちの命の問題に関わってくるに決まってるもの。お式を早くしてもらうのよ」

マチ子「賛成!」

道子「私も賛成です!」

はる「こんな罪深いことをするよりよっぽどいいわ」

お琴「はい! おめでとうございます、ヨウ子お嬢様」

 

ヨウ子「こま…困るわ、私!」と席を立ってしまった。

マチ子「ヨウ子」

マリ子「いいのよ、放っておきなさい。あの子も賛成だから逃げ出したに決まってるわ」

マチ子「へえ~、そうか」笑い

もっとほかにやりようがあるだろ!って思ってしまうけど、言っても分からないタイプかもしれないしな…。

 

といういきさつがあって秋のはずの結婚式は風薫る5月に変更されることになりました。

 

招待状はぼやけて見えないな~。

5月11日(日)…昭和27(1952)年5月11日(日)か。ん? 違う。

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島村さんのお見合い写真を見せられたのが昭和27年の秋なんだから、結婚式は昭和28年の5月で本当は、昭和28(1953)年5月10日(日)にすれば大安だったのに、惜しい。ま、今みたいに録画して見返したりしないもんね。

 

島村潤一郎

磯野はる

 

ヨウ子は大正14(1925)年10月生まれだそうなので、まだ誕生日が来てなくて27歳かな。当時としてはまあまあ晩婚ということになるのかな。

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ヨウ子が箱を抱えて客間へ。

マリ子「ほら、ヨウ子。開けてごらんなさいよ」

ヨウ子「ええ…」

マチ子「ねえ、早く! 早くってば!」

ヨウ子「でも…」

千代「あら、何が『でも』ですか?」

 

ヨウ子「何だか怖いみたいで」

マチ子「変な子。それでお嫁さんに行けるのかしら?」

ヨウ子「だって…」

マリ子「だっても何もヨウ子がいけないんじゃないの。なかなか見せたがらないから」

ヨウ子「そんな…」

 

千代「いいんですよ。うちもね初めて花嫁衣装ばたとうから出して奥様が見せてくださった時、何だか体が震えましたものね。よろしゅうございます。お千代が開けてさしあげましょう」

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ヨウ子「いえ、自分で開けます」

箱から真っ白なウェディングドレスを取り出し、自分にあてる。

マリ子「すてきよ」

マチ子「似合うわ、ヨウ子」

千代「きれいですよ、ヨウ子お嬢様」

ヨウ子「ありがとう」

 

マリ子「あっ…。あ…私、お母様、呼んでくる」

マチ子「私も呼んでくる」

千代「お嬢様!」

 

マリ子とマチ子は応接室へ駆け込む。

マリ子「ねえ、どうしよう…どうしよう、マッちゃん」

マチ子「お姉ちゃん…」

マリ子「言っときますけどね、私、とても自信ないわよ。結婚式の時、泣き出してしまうに決まってるもの!」

マチ子「私だってそうよ! 私だって自信なんかあるもんですか!」

 

マリ子「ううん、私なんか普通の泣き方じゃないと思うの、きっと!」

マチ子「私だってそうよ! きっとすごい声でおいおい泣いてしまうと思うの」

マリ子「ねえ、どうしよう…ねえ、どうしよう、どうする?」

マチ子「どうしよう、マー姉ちゃん

 

マリ子「私、お式に出るの、やめる」

マチ子「うん、私も出るの、やめる」

マリ子「だって、しかたないわよね」

マチ子「そうよ、しかたないわよ」

 

マリ子「だっていくら同じ屋敷内に住むっていったって、ヨウ子は正史さんのお嫁さんになってしまうのは間違いないんですもの」

マチ子「そうよ…。白いドレス着て、お式挙げた途端にヨウ子は島村ヨウ子さんになってしまうんだもの」

マリ子「マッちゃん…」

マチ子「お姉ちゃん…」

抱き合って泣くマリ子とマチ子。ものすごーく仲の良い姉妹というより友達みたいな感覚なのかなー。10歳も違わないけど、少し年が離れてるから娘感覚!? まあ、とにかくとてつもなく仲がいい。

 

鐘の音

 

とはいえ、2人の姉が同時欠席というわけにもいかず、とうとうその日がやって来ました。司式はおなじみのオネストさんでした。

 

オルガンの音が鳴り、列席者が立つ。

朝男「おじいちゃん、おばあちゃん」

ぼんやりしていた牛尾のおじいちゃまとウメを立たせた。加津子さんとウメさんがやっとやっと再会できた。さらっと並んでたけど。

 

ヨウ子は花江とともに入場。きれい~。

千代「ヨウ子お嬢様、美しいよ! ねえ、見てんしゃい! ねえねえ!」

朝男「きれいなのは分かってるから、おめえがごちゃごちゃ言うことはないんだよ。こういう時は静かにしとくもんだ」

朝男さん、不自然な坊主ズラが昨日から取れて素敵。お千代ねえやとお似合い。

ウララ「し~!」

 

待っていた透一郎、正史と合流。仲人が横に並び立つんだ?

オネスト「では、ただいまから島村正史さんと磯野ヨウ子さんの結婚式を行います」

 

道子は会場に入らずにいた。紋付き袴の均が中から出てきて声をかける。

均「何をしてるんだ? 道子ちゃん。もう式は始まってるんだよ」

道子「でも、三郷さんが…!」

均「三郷さん?」

道子「はい。出席するってご返事頂いたもんですから、マリ子奥様が速達で記者の切符を送ってくださったんです。それなのに、まだいらしてないんです。まさか汽車がひっくり返ったとか…」

 

均「バカな…そんなことあるわけない…」

道子「だったらどうして?」

均「大丈夫だよ。もしそんなことがあったらね、ちゃんとニュースで言うから」

道子「でも…」

均「大丈夫。僕が代わりにいてあげるからね。さあさあ、君は中へ入って」

 

オネスト「その命の限り、ほかの者に寄らず、この男のみに添うと願うか?」

ヨウ子「我、これを願う」

オネスト「この男にめあわすためにこの女を渡す者は誰か?」

はるが前に進み、ヨウ子の手を取り、オネストがヨウ子の手を正史のもとへ。

 

オネスト「我、神の定めに従いて、なんじをめとる」

正史「(繰り返し)」

オネスト「今より後、幸いにも災いにも」

正史「(繰り返し)」

オネスト「富にも貧しきにも」

正史「(繰り返し)」

 

ウメは涙を拭く。「いいですね。こういう祝言ってのもなかなかに」

一平「さよう。なかなかよかもんですばい」

ウメ「私は今度はね、こういうのでやりたいですよね」

一平「え~?」

ウメ「今度生まれた時って言ったんですよ」

一平「ああ~」

 

正史「我、今これを約す」

オネスト「我、神の定めに従いてなんじにとつぐ」

ヨウ子「(繰り返し)」

オネスト「今より後、幸いにも災いにも」

ヨウ子「(繰り返し)」

オネスト「富にも貧しきにも」

ヨウ子「(繰り返し)」

オネスト「健やかなる時も病める時も」

ヨウ子「(繰り返し)」

オネスト「なんじを愛し、なんじを守り、なんじに従い」

ヨウ子「(繰り返し)」

オネスト「生涯なんじを保つべし」

ヨウ子「(繰り返し)」

 

磯野家

はる、牛尾家、ウメさん、植辰さん、ウラマド姉妹たちが談笑している。

 

マリ子は洋室へ。大きなベッドとテーブルセットと台所と、お人形と。

 

ここがヨウ子たちの新居…というかともかく新婚生活から帰ると新しい生活が始まるところです。

 

マリ子が人形の頭をなでているとマチ子が入ってきた。

マチ子「マー姉ちゃん

マリ子「ヨウ子、よく置いていったわね、このメリーさん」

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マチ子「当たり前でしょう。お人形さん抱いて新婚旅行じゃ漫画にだって描けないわ」

マリ子「うそつき」

マチ子「えっ?」

マリ子「泣く泣くってあんな脅かしときながら、マッちゃん式の最中、全く泣かなかったじゃない」

 

マチ子「でも、ハンカチ2人分持っていったのよ。何よ、自分だってうそついたくせに」

マリ子「気が張ってたのよ。お式から披露宴までは落ち度があっちゃいけないと思ってそればっかり。考えたら泣く暇なんてなかったのね」

マチ子「お互いさま」

マリ子「本当本当」

 

マチ子「本当にご苦労さまでございました」

マリ子「いやいや、お疲れさまでした」笑い

マチ子「ちゃんとやっていけるのかしら、ヨウ子ちゃん」

マリ子「『明日を思い煩うことなかれ』」

マチ子「えっ?」

 

マリ子「たとえやっていけなかったとしても、もうスタートしてしまったんですもの。そして次はマッちゃんの番か」

マチ子「いえいえ、当分、その意志はなし!」

マリ子「よかった」

マチ子「ひっど~い!」笑い

マリ子「うそうそ」

マチ子「もう~!」

 

はる「あらまあ、2人で抱き合って泣いてるのかと思ったら」

マリ子「とんでもございません」

マチ子「ええ、ちゃんとヨウ子ちゃんのことを考えていたんです」

はる「それはそれは。でも、私はもうたっぷりとお話ししてきましたよ」

マリ子「たっぷりって誰と?」

はる「ヨウ子とよ」

マチ子「えっ?」

 

はる「箱根のお宿から電話が入って、酒田のおばあちゃまから牛尾のおじいちゃまって順番にお話ししてるんだけどどうするの? あなたたちは」

マリ子「そんな…」

マチ子「ヨウ子~、ヨウ子ちゃ~ん!」

マリ子「ヨウ子ちゃ~ん!」

ドアが閉まり、はるが1人、ヨウ子たちの部屋に残った。

 

それぞれの家族にそれぞれの距離感があるので、あまりにその家族の在り方を否定するようなツイートが並ぶのは見てる方も悲しくなる。その後、決別したかもしれないけど、それぞれの悪口を外野に向けて言わなかったのは賢かったと思うな。