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【連続テレビ小説】マー姉ちゃん (139)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

お洒落したヨウ子(早川里美)は、正史(湯沢紀保)とデートに出かける。そんな矢先、磯野家に一件のクレーム電話が入る。今朝の新聞のサザエさんの漫画に、そば屋の連絡先として描かれた電話番号の持ち主だ。ひっきりなしに迷惑電話がかかってくると怒る持ち主に、慌てたマチ子(田中裕子)は、マリ子(熊谷真実)に泣きついてお詫びに行ってもらう。一方、ヨウ子は正史が磯野家で暮らすならお嫁に行ってもいいと言い出し…。

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さて、今週の話題は何と言ってもヨウ子と花婿候補・島村青年の交際から始めるべきでしょう。

 

ヨウ子「マー姉ちゃん、よろしいでしょうか?」

マリ子「は~い、どうぞどうぞ」

マリ子がそろばんをはじいているところにワンピースで現れたヨウ子。

 

マリ子「あら、似合うわよ。やっぱり似合うわよ、その色」

ヨウ子「ごめんなさい、お仕事中でしたのに」

マリ子「いいのいいの。こんなズラッと並んだ数字を見ただけで頭が痛くなっちゃうんですもの。どれ、後ろむいてごらんなさい」 

ヨウ子「はい」

 

マリ子「まあ~、すてきよ! こんなきれいなお嬢さんとランデブーできて島村さんのお鼻が2~3センチ高くならなかったらどうかしてるわ」

ヨウ子「そんな」

マリ子「いいえ、あの方、ヨウ子を送っていらした時、必ずそんな感じになってるもの」

ヨウ子「嫌だわ、マー姉ちゃんったら」

 

マリ子「いいから、行ってらっしゃい。あの方もお忙しい体の方ですもの。休暇の時ぐらいゆっくり有効に使わしてさしあげないと」

ヨウ子「はい、行かせていただきます」

マリ子「はい、それじゃあ」

 

玄関

ヨウ子が出かけていくと電話が鳴った。道子が来たが、マリ子が電話の前にいたのでマリ子が電話に出た。

マリ子「はい、姉妹出版でございます。はあ? 『サザエさん』。あっ、おかげさまで4巻目はどちら様からもご好評で、あの間に合わないという苦情を頂いておりますので、ただいま更に増刷しておりますけど。いろいろと迷惑をおかけいたしまして大変申し訳ございま…。えっ? 4巻目ではない? あっ、すると5巻目? あ…あの、一体? いえ、あの、今朝の新聞4~5巻目の広告は出しておりませ…。えっ、そば屋!? あの、うちはそば屋ではございま…。ええ、『サザエさん』の姉妹出版ですけど。ええ。はあ。ええっ!? あ…」

 

マリ子の様子に道子が駆けつけると、マリ子は道子に今朝の毎朝新聞を持ってくるように言った。

マリ子「あっ、あの失礼いたしました。あの、ただいますぐに読み直してみますけど恐れ入ります、お宅様の電話番号を教えていただけませんでしょうか? えっ、『サザエさん』に書いてあ…あ~、あの…あ…」

 

マチ子がスモックを着ながら階段を下りてきた。「お昼まで起こさないでって言ったでしょう。もう少し静かにしてもらえないかしら」

マリ子「冗談じゃありません。それどころじゃないのよ! もう~!」

マチ子はボタンをはめながらあくび。

 

好評「サザエさん」は1年前から「ブロンディ」の後を受けて、毎朝新聞の朝刊へと進出しておりました。

マリ子「どれ、どれ? ここ?」

道子「はい」

 

1コマ目

サザエ「わすれものやカギのかけわすれないわネ」

フネやワカメも出かける準備をしている。フネさん着物じゃない。

 

2コマ目

サザエ「なにソレ?」

カツオ「かえったときのじゅんびサ」

枕を床に置いている。

 

3コマ目

ア~~

くたくた

フネは玄関にへたり込み、タラちゃんをおんぶした波平もため息。ワカメは床に仰向けになっている。

 

4コマ目

「さらしな」デンワばんごう 12-2164

カツオはサザエが「こんやテンヤものとろうョ~」と言いだすのを見越して、電話の下に置いていたメモを取り出した。

 

マリ子「あった! 12...。ちょっと…読めるわよ、読めるわよ、この電話番号、本当に! もう~!」

マチ子「もう、いい年して、頼むからそんな大きな声出さないでって言ってるでしょう! また胃が痛くなっちゃったらどうするのよ~!」

マリ子「今、胃が痛いのは、この私の方です!」

マチ子「マー姉ちゃん

 

マリ子「ご覧なさいよ、この漫画! 覚えがないとは言わせないから!」

マチ子「そりゃあ、私が描いたものだけど…なにもそんな怒られることないと思うわ」

マリ子「いいから、よく目をぱっちり開けて。ほら、ここよ、ここ!」

マチ子「うん?」

マリ子「マチ子にもし勇気があったら、この電話番号に電話してごらんなさい」

 

マチ子「何て言って?」

マリ子「天ぷらそば4つ」

マチ子「ひゃ~! 今日、お母様、お留守なの?」

マリ子「ええ、そうよ」

 

マチ子「でもやめとくわ。寝起きから天ぷらじゃ胃がもたれて…」

マリ子「じゃあね、おそば屋さんでもないのに朝からガンガンと、おそばの注文をかけれらたお宅の方はどうなるの!?」

マチ子「えっ!?」

マリ子「もう、知らないから! すっごい勢いで怒ってたのよ!」

 

マチ子「誰が?」

マリ子「だからこの電話の持ち主よ!」

マチ子「何言ってるのよ、この電話はそば屋の電話番号…。あら? まさか…」

マリ子「ええ、そのまさかです! 一体どういうことになってるの!?」

 

マリ子「どうもこうもないわよ! 『磯野さんですか?』って言うからてっきり4巻目のことかと思って言い訳してたら『うちは今朝の『サザエさん』のおかげでえらい迷惑しました』ってそりゃあもう相手は完全に頭に来て声まで震えてらっしゃったんですからね!」

マチ子「だけどまさか…!」

 

マリ子「だけどもまさかもあるもんですか! 新聞配達された途端から58本も『おそば屋さんですか?』っていう電話がかかってきたんですってよ!」

道子「58本もですか!?」

お琴「で、あのそのお宅はおそば屋さんではないんですか?」

マリ子「いいえ、そんなことマチ子に聞いてごらんなさい」

 

マチ子「いや、そんなこと私知らないわよ」

マリ子「知らないわよって言ってほっといていいの? 58本よ! 朝からず~っと58本!」

マチ子「そんな…」

マリ子「もうとにかく怒り心頭に発してるって感じだったわね」

お琴「それはそうでございましょうね。たとえ本当のおそば屋さんでも、そんな朝から注文の電話が殺到したんでは…」

 

マリ子「だからね『当方はおそば屋さんじゃありません』って言ったら『アハハッ、違うんだってさ』ガチャン」

お琴「まあ」

マリ子「そうかと思ったら本当かどうかかけてみたのよっていうのもあればよ『お前は宣伝料出して描いてもらったんだろ! 汚えぞ!』ガチャン!」

マチ子「そんなむちゃくちゃよ。だって何となく数字を並べただけなんだもの」

マリ子「だったらそのとおり言い訳してよ!」

 

マチ子「私が!?」

マリ子「そうよ、マチ子が描いたんですもの」

マチ子「いや、描いたっていったって悪気はなかったのよ。縮写するからそんな小さな数字がはっきり出るとは思わないもの」

マリ子「だったらそのとおり言ってよ。悪いのは全て現代の優秀な製版技術ですとか何とか」

マチ子「いや、製版技術ったって…ねえ、助けて、マー姉ちゃん

 

道子「そうです、助けてあげてください、マチ子お嬢様を」

マリ子「えっ!?」

道子「お願いします。だってマチ子お嬢様はそういうご訪問には一番お弱いんですもの。そこへ行くとこのお宅では押しの強さは何と言ってもマリ子お嬢様の右に出る方はいらっしゃいませんし」

マリ子「ちょ…ちょっと待ってよ」

マチ子「ううん、道子ちゃんの言うとおりよ。こんな大ミステークお姉様じゃなくちゃ解決できるわけないじゃないの!」

 

マリ子「まあそう言われりゃそうだけど…」

お琴「お願いします。是非そうさしあげてくださいまし。お琴からもお願いいたします」

マリ子「なんか変なのよね~」

マチ子「そんなことないわよ。全然変なことなんかありません」

道子「ええ!」

マリ子「ふう…まあ、いいわ。電話で済まされることじゃないし私がおわびに伺います」

 

さすが、マー姉ちゃん。やっぱり戸主で長女で社長です。

 

菓子折りを持って出かけていくマリ子。マチ子はお願いしますと手を合わせて見送った。しかしこの場合、謝るのは新聞社じゃないのかー?

 

マリ子が出ていった玄関の門扉がそのまま暗くなり、ヨウ子と島村が帰ってきた。島村さん、「ゲゲゲの女房」の茂の弟に似てるとツイッターで書いてた人がいて、あー!と思った。ジョビジョバの人も似てると思ったけど、より納得がいった。

 

ヨウ子を送ってきた島村はそのまま家に上がる。応接間

正史「アッハハハハハッ! アハハハハハッ!」

マリ子「どうぞ」

正史「アハハハハハッ!」

マリ子「そんなに笑わないでくださいな。とにかくカンカンなんですもの。こっちはもう平謝りに謝るだけ。脇の下から冷や汗が1升もしたたり落ちたって感じでしたわ」

 

正史「はは~、それで今夜はマチ子お姉さんの看視の目がないってわけなんですね」

ヨウ子「あら、看視だなんて…あの姉は決して…」

正史「いや、気に障ったら失礼。かわいいかわいいヨウ子さんを連れていくかもしれない相手だからそうあっても当然でしょう。しかし僕の方は全然気にしていませんから」

マリ子「本当に?」

 

正史「だってどんなに気取ってみせてもいずれどうせボロが出てしまうし、それなら縦からでも横からでも自由に見ていただいた方が結婚を前提とする交際におけるですね、真の目的に…」

マリ子ふきだす。

正史「はあ?」

マリ子「アッハッ、ごめんなさい。だって島村さんったら時々、学校のお講義を思わせるようなしゃべり方をなさるんですもの」

 

ヨウ子「しかたないのよ、マー姉ちゃん。島村さんはね、本当は先生におなりになりたかったんですって」

マリ子「まあ。それであのランデブーの度にヨウ子にご本を買ってくださいましたの?」

正史「いや、あれは別にそういうわけではないのですが…」

マリ子「いえ、結構ですわ。ヨウ子も本当は文学者を志したくらいなんですもの。私どもから比べると読書量なんか段違いですわ」

正史「ほう、文学者を」

 

ヨウ子「いえ、そんなことありませんのよ。嫌だわ、マー姉ちゃんったら」

正史「いや、それならますます僕とは似合いの組み合わせです」

マリ子「あ…いえ、あの…まだ私どもでは結婚とも婚約とも…」

正史「いや、大丈夫です、ご心配なく。僕がついていますから」

マリ子「はあ」

マリ子はあきれ顔だけどヨウ子はニコニコ。

 

マチ子は様子を伺いながら階段を下りてきて電話をかける。

マチ子「もしもし、和田さんでいらっしゃいますか? 夜分遅く申し訳ございません。私、磯野マチ子と申しますが。はい。先ほどは姉がおわびに上がりましたが、今朝の漫画では大変ご迷惑をおかけいたしました。はあ? 旅行中…。ああ…そうなんです。それであの…つい今し方、帰ってまいりましてお騒がせいたしましたことを聞きましたもので。はい。はい、まことにもって申し訳ございません。以後重々このようなことがないように注意いたしますが…。あれからまだ…150本!?」

 

はる「どうかしたの?」

マチ子「えっ? はあ?」

はる「何だかさっきからえらくボソボソ話してるようだけど」

マチ子「いえ、そんなことはありま…。あっ! いえ、あの、こちらのことでございます。はい。大変失礼いたしました。申し訳ございません。お休みなさいませ」

はる「変な子」

 

笑いながらマチ子とはるのいるダイニングに入ってくるマリ子とヨウ子。

はる「島村さん、ご機嫌はいかがだったの?」

マリ子「ええ、またお電話くださるそうです」

はる「そう。それでどうなの? ヨウ子は」

ヨウ子「どうって私は…」

 

はる「これでもう3度もお誘いいただいているんですからね。あなたの気持ちはどんなふうなの?」

ヨウ子「私は別に…」

マチ子「駄目よ、そんな曖昧なことじゃ。彼はね、ああ見てても相当なせっかちで慌てん坊だから、まあ、婚約がどうのって迫ってくるに決まってるもん」

マリ子「まあ、慌てん坊だなんて。マチ子にそんなこと言えた義理かしら」

マチ子「いや…今の話はですね、私は姉の一人としてヨウ子の問題を真剣に考えているところでありまして…」

 

マリ子「やっぱり島村さんとそっくり」

マチ子「マー姉ちゃん…」

マリ子「ううん、その言い方よ。あの方も熱中していらっしゃると、そんなふうな講義中の先生みたいになるし。ねっ、ヨウ子ちゃん?」

ヨウ子「ええ」

 

はる「ねえねえねえ、それでどうなの?」

ヨウ子「私は…」

はる「はっきり言っていいのよ。お互いに理解し合うためのご交際なんですからね。どうしても性に合わないなと思ったら、なるべく時間を置かずにお断りした方が」

マリ子「まあ、お母様。それじゃあまるでお断りの催促をなさってるみたいじゃありませんか」

はる「いえ、私はね、ただ…」

 

ヨウ子「私も一つだけ条件を受けてくださったら本当にいい方だなって思うんですけど」

マチ子「条件って何よ?」

ヨウ子「あの方がこのうちで一緒に暮らしてくださるならば私、お嫁さんに行ってもいいと思ってるんです」

マリ子「このうちに一緒に!?」

マチ子「そういうのもお嫁さんに行くって言うの?」

マリ子「さあ…」

 

はる「結構じゃありませんか。その方がいろいろと心配事が少なくて済むし、私は賛成ですよ」

ヨウ子「本当? お母様」

はる「ええ。早速マリ子が明日打診していらっしゃい」

マリ子「ええっ!?」

はる「島村さんのご意向を伺ってくるんですよ。そしてそのお答えいかんによって私たちも考え方があるのだし」

マリ子「あ…はい」

 

…とまたまたマリ子にご使者のお鉢が回ってきました。

 

今日は戸主で長女で社長のマリ子受難編って感じ。やっぱり朝ドラ的にはマリ子が主人公で正解なんだろうな。