徒然好きなもの

ドラマの感想など

【連続テレビ小説】マー姉ちゃん (138)

公式あらすじ※初見の方、ネタバレ注意 

岩村(小泉博)からの縁談を皮切りに、ヨウ子(早川里美)には続々と見合いの話が持ち込まれる。だが、結婚せず、一生マリ子(熊谷真実)たちと暮らしたいと言うヨウ子。ある日、岩村が語った正史(湯沢紀保)の失敗談に興味を持ったヨウ子は、見合いをすることに。だが、粗こつ者の正史は時間を間違えてやってきて、まだヨウ子の支度も出来ていないうちに、思いがけない出会い方をした二人は、見合いを機に交際が始まり…。

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岩村の伯父が縁談を持ち込んだのを皮切りにおとなしくて美人と評判のヨウ子に続々と見合いの話が持ち込まれたのですが…

 

マリ子「はあ…どうして?」

ヨウ子「どうしてって、別に…」

マリ子「駄目よ。それじゃあ、お断りする理由にもならないじゃありませんか。ねえ、お母様?」

はる「そうですね」

ヨウ子「でも、お見合いをしてからお断りするのではもっと失礼でしょう?」

 

これ、どっちが失礼なんだろうなとふと思う。「ゲゲゲの女房」でも布美枝さんが長身(165cm)で釣書きを見ただけで会ってももらえないと嘆いていたっけ。

 

マリ子「だから、そのお見合いをお断りする理由をまずおっしゃいって言ってるの」

はる「いいんですよ、気が進まなかったら進まないでも」

マリ子「駄目よ! それでこの前、岩村の伯父様に叱られたんでしょう?」

ヨウ子「まあ、お母様が伯父様に?」

マリ子「そうよ。ヨウ子、知らないの?」

 

はる「年頃の娘がいたら普通は結婚話に夢中になって当然なのに畑と分かち合いに血道を上げる母親がどこにいるって、こう言われたの。でもまあ本当に伯父様のおっしゃるとおりかもしれないわね」

マリ子「お母様ったら…」

 

マチ子が足で障子をあけて部屋に入ってきた。

マリ子「まあ! なんていうお行儀でしょう!」

はる「しかたがないわ。お行儀は決してよくはないけれども両手に物を持っているんだから」

マリ子「入ったら後ろを閉めなさい」

マチ子「う…うん」障子を閉めて「どうも相すいませんでした」

マリ子「またなの?」

 

漫画の道具を持ち込んでみんなのいる所で作業しようとするマチ子「仕上げだけなものでね」。

マリ子「お二階でやってちょうだい。お机があるでしょう?」

マチ子「いいのよ、いいの」

マリ子「マチ子はよくても私たちがよくないの。やれ、お茶はこぼすなとか揺らすなとか決まってこう言うんですもの」

マチ子「ケチ! 私だけ仲間外れにすることないでしょう!」

マチ子は眼鏡に耳に鉛筆をかけている。30歳くらいだから老眼てことはないよねえ?

 

ヨウ子「そうよ! 私だけ仲間外れにしないでください! だって順から行ったら、マッちゃん姉ちゃまの方が先じゃありませんか。それなのにお母様ったら私のことばっかりおっしゃるわ!」

マチ子「ちょっと待ってよ、順って一体何の順?」

ヨウ子「お嫁さんに行く順番です」

マチ子「ええ~っ!? あ…何言うのかと思ったら。いいのよ。そういうものは売れるものから売れることになってるんだから。私のことは気にしないでちょうだい」

 

ヨウ子「じゃあ、私をお売りになるんですか!?」

マリ子「ヨウ子ちゃん…」

マチ子「どうしたの? どういうことになってるの? マー姉ちゃん。お母様」

はる「それがね…」

 

ヨウ子「私、一生お嫁さんになんか行きたくありません!」

マリ子「そんな子供みたいなこと言わないでちょうだい」

マチ子「そうよ、一生なんて大それたことを」

ヨウ子「だったらマッちゃん姉ちゃまはどうして結婚なさらないの?」

 

はる「ヨウ子、結婚にはね、お相手がいなくてはできるもんじゃないんですよ」

マチ子「そんな…そんなはっきりおっしゃることないと思うわ…」

マリ子「そうよ。マッちゃんは目下、漫画と結婚してるようなものだし」

マチ子「うん、まあ、それはありうる」

ヨウ子「じゃあ、私はこのうちにとって邪魔なんですか?」

 

はる「何を言うの、ヨウ子ちゃん」

ヨウ子「だってこんな嫌だって言ってるのに!」

マリ子「ヨウ子ちゃん…」

ヨウ子「私、一生、お母様やお姉様たちと一緒にいたいの! 一人だけどこかへ行かなくちゃいけないなんて…そんなこと!」

マチ子「ヨウ子!」

部屋を飛び出しっていったヨウ子。マチ子とスカートお揃い!?

 

はる「しかたないわ。今はそっとしておきましょう」

マチ子「そんな無責任な言い方ってないわ!」

マリ子「そうね…私たちを人に頼らずに済む育て方をしてくださったのは本当にお母様を尊敬するんですけど、どこかで娘の育て方を間違えられたんじゃないかしら」

マチ子「そうよ。だからヨウ子だってあんな乳離れきょうだい離れのできない子になってしまったんだわ」

 

マリ子「そういうマチ子はどうなの?」

マチ子「えっ?」

マリ子「一生、漫画と結婚するつもり? それとも私たちとずっと一緒にいたいなんて言うんじゃないでしょうね?」

マチ子「お母様~…」

はる「そうね~…。一体どこで間違ってしまったのかしら?」

 

ドラマ放映時、モデルになった長谷川家が存命だというのに結構突っ込んだ会話だなと思った。別に結婚しないのも自由だし、それぞれの家だしねえ。犯罪を繰り返すとかじゃないし、間違いとかじゃないと思うけどなあ。そういう時代といえばそうだけど。

 

そんな時、お千代ねえやが磯野家に駆けこんできた。

千代「奥様、大変ですよ!」

マリ子「どうしたの? お千代ねえや!」

マチ子「天海さんのマラリアがまた!?」

千代「いえ、戦争です!」

はる「戦争!?」

 

千代「ニュースをお聞きにならなかったですか? アメリカと朝鮮が始まったとですよ!」

マリ子「まあ…」

千代「またうちの人が召集されるとではなかでしょうね!?」

はる「そんなことあるはずがありまっしぇん!」

千代「ばってん…」

 

はる「いいえ、この間の戦争で日本は永久に軍隊を持たないと憲法に決めたんですからね」

マチ子「ほらね」

マリ子「何が?」

マチ子「こういう時にはこういうふうに毅然厳然ピクリとも動じないのよ、お母様って。さっきの自信のなさとどうつながるのかしら?」

マリ子「うん…」

 

いわゆる朝鮮戦争が始まったのは、この25年6月25日のことでした。そして、皮肉なことにお隣のこの戦争が戦後日本の産業界に息を吹き返させたのです。

 

新聞紙面のアップ

北鮮、韓國に宣戰布告

 京城に危機迫る

   38度線総攻撃侵入軍、臨津江突破

…かなあ? 字幕で隠れて見えにくい。

 

それに勢いを得たわけでもないでしょうが、ヨウ子へのお見合い説得は続けられて、ようやくその一つが実りそうな気配を見せてきたのが27年秋のことでした。

 

机の上にいっぱいの見合い写真。しかし、朝ドラで朝鮮戦争が出てくるのは珍しい。昭和25年はスルーされがち。「おしん」は老年期のスタートが昭和25年の春だったけど、触れてなかったと思う。

 

磯野家の応接室に岩村夫妻が来ている。メガネをかけた真面目そうな青年の写真が広げられた。

花江「ねえ、この方でしたらどうかしら?」

ヨウ子「ええ…」

マリ子「はっきりと言っていいのよ、はっきりと」

マチ子「そうよ。たとえお写真でも第一印象が大事ですからね」

ヨウ子「はい」

マリ子「あっ、これは駄目ですわ」

 

透一郎「おいおい、これはヨウ子の縁談なんだよ?」

マリ子「だから駄目だと思います。この方、二枚目すぎます」

マチ子「う~ん…貴公子然としてるわね」

花江「き…貴公子と言われても14代続いたちゃきちゃきの江戸っ子でいらっしゃるのよ」

 

マリ子「いいえ、ヨウ子はどちらかというとハンサムな顔の方より面白い顔の方の方がいいそうですの」

花江「面白いお顔?」

マリ子「ええ。例えば見ていて飽きが来ないような。ねっ?」

ヨウ子「ええ」

 

透一郎「それはえり好みというものだよ。ぶ男よりは、やはり好男子の方がいいだろうし。真面目ないい男だよ、その島村君というのは」

マチ子「あら、真面目なんですか?」

透一郎「うむ」

マチ子「それじゃあ駄目です」

透一郎「はあ?」

はる「ええ、ヨウ子は楽しい方の方がいいと常々そう申しておりますもんですから」

 

花江「それじゃあやっぱり無理かもしれませんわね、あなた」

透一郎「う~ん…とにかく変な話題の多い男でね」

ヨウ子「変なと申しますと?」

透一郎「うん? いや、この間も彼の上役が笑って言っておったが何しろ宴会に行って芸者の足だけ見てきたという男だから」

 

マリ子「まあ、芸者さんの足をですか?」

透一郎「ああ」

花江「どういうふうにですの?」

透一郎「変な想像はよしなさい!」

マチ子「いや、でも…」

 

透一郎「つまりだ、その上役が芸者の踊りは足さばきを見れば、その上手下手がいっぺんで分かる、そう言ったらしいんだな」

はる「まあ、それで」

透一郎「そうなんだ。彼も島村君のご両親から良縁をと頼まれていたもんだから宴会などでどんな顔だちの女性が好みだったと聞いたところが顔には目もくれずに足だけ見てきたと言われてね、これには食われたと言っておったよ。ハハハハッ!」

はる「結構ですわ、お兄様、私はそういうお方ならば」

 

透一郎「だから言ってるだろう、これはヨウ子の縁談なんだよ」

ヨウ子「いえ、お会いするだけしてみようかしら。ねっ、お姉様!」

マリ子・マチ子「ヨウ子ちゃん!」

ヨウ子「でもこの家でお会いしてはいけませんか? 伯母様」

花江「あ…それは…」

マリ子「でも、先様がよろしいとおっしゃったら、それでいいのでしょう?」

マチ子「嫌だとおっしゃれば、それはそれまでですわよね」

 

玄関先を掃く道子と水まきをする植辰さん。

 

となれば時機を逸するなと事が運び、吉日を選んでごく略式なお見合い決行ということになりました。

 

正史「こんにちは」

植辰・道子「こんにちは」

正史「静かないい所ですね~。これだけ緑が多ければオゾンも多いはずですね。はあ~…」手を広げて深呼吸をする。

植辰「ねえ、ちょっと、あんたあんた。ラジオ体操やるのはいいけどね、ご覧のとおり、俺たちは掃除してんだから水がかかっても知らねえよ」

正史「あら、そうですね。いや~、今日だけはちょっと困ります」

 

道子「うちでも今日は困るんです。今日はどなた様もご遠慮願っているんです」

正史「そうですか。やっぱりね」

植辰「何がやっぱりだい?」

正史「いや、多分、僕の記憶違いでしょう。いや、お気になさらないでください。見かけによらない慌て者というのが僕のあだ名なんですから」

植辰「何をごちゃごちゃ言ってんだ、あんた」

 

正史「申し遅れました。僕、タイムズのですね…」

道子「ですから、今日はたとえ毎朝さんといえどもお断りしているんです。まして、タイムズさんなんて、私、そんな電話承っておりませんよ」

正史「はあ」

 

ヨウ子「どうかしたの? 植辰さん」

植辰「どうもこうもねえんですよ。この野郎が何かごちゃごちゃ言ってるんですがね」

ヨウ子「!」

正史「ヨウ子さんですね!」

ヨウ子「は…はい!」

正史「いや~、写真のとおりでした! いや、写真よりヨウ子さんらしいです。よかった~」

 

ヨウ子「はい、あの…。(家の中に呼びかける)お姉様、お姉様!」

マリ子「何騒いでるの、早く美容院に行ってらっしゃいよ。もう早くしないと…」

ヨウ子「お姉様、島村正史さんでいらっしゃいます」

マリ子「あ…あの…私、姉のマリ子でございます」

正史「初めまして、島村です。いや~、ヨウ子さんに一目で分かっていただいて感激です」

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↑これが今の正史さん。いや、この写真も結構若い頃っぽい。別の写真はもっと白髪交じりでファンキーな感じだったな。今日テレビで見た感じとイメージが違うな。

 

マリ子「あ…でも、あの…この子、まだ美容院に行ってないものですから」

正史「美容院?」

マリ子「はい。あの、午後3時ごろ軽くお茶でも差し上げながらということで岩村の伯父から連絡がございましたものですから」

正史「そうですか。じゃあやっぱり今日は今日だったのですね。いや~、また間違えたと思い、どうしようかと思いました」

 

マリ子「でもお時間が…」

正史「いえ、構いません。3時ですね。それまで散歩していますから」

マリ子「あの…」

正史「はあ? あっ、そうだ。すいません、これだけお預かり願えませんか? またどこかに忘れるといけません。ケーキです」

ヨウ子「あの、でも…」

 

マリ子「何でしたらお上がりになりません? まだ支度も何もできておりませんけど。ねっ?」

正史「そうですか? じゃあ、そうさせてください。助かりました」

ヨウ子「さあ、どうぞ!」

 

何やらこれでもうお見合いは済んだようなものですが…

 

道子「驚いた…あの方がヨウ子お嬢さんのお見合いのお相手だったんですね」

植辰「俺だって驚いたよ。新聞記者のパリパリだって聞いてたからよ。あれ以上もたもたしてやがったら寸前のとこに水ぶっかけるとこだったよ」

道子「まあ!」笑い

 

そして、知らせを受けた岩村夫妻が駆けつけてきたことは言うまでもありません。

 

笑いあふれる応接室

正史「いや~、芸者の足ですか。あれは大した理由はありません。踊りは何より足さばきだと言われればそんなものかなと思いましてね」

マリ子「それにしたって…」

正史「それにあまり塗りたくった顔というのは興味ありませんし」

マチ子「それで美容院に行く前の素顔のヨウ子を襲われたわけですか?」←語弊のある言い方(^▽^;)

 

正史「いや、これは全く僕の粗こつです。しかし、結果的にはよかったのではありませんか?」

花江「あらどうして?」

正史「だってこんなに楽しくお目にかかれたし」

透一郎「しかし、こっちはおかげで冷や汗だよ。ハハハハッ!」

正史「それは大変申し訳ありませんでした」

 

はる「いいえ、このうちには、あなたに輪をかけたような慌て者がそろっておりますのでこれくらいのことでは驚きませんわよ」

正史「それは大変ありがたいです」

マチ子「いえいえ、それは上の姉の方でしてヨウ子はおとなしそうに見えますけれども意外としんの強いところがあるんですよ」

正史「そうですか。じゃあ僕は尻に敷かれますね。アハハハハハハッ!」

マリ子とマチ子はあきれ顔だったが、ヨウ子は好印象!?

 

初対面でまだどちらに転ぶか分からないというのに、もう尻に敷かれると決めてかかっているとは、いささか不用意な人物ではありますが「縁は異なもの味なもの」。この略式見合いを機にヨウ子と島村青年の交際が始まることになりました。

 

今日は少々時間が余ってブルーバックでつづく。

 

また面白そうな人が出てきた。実際の毬子さんの夫は朝日新聞記者、洋子さんの夫は読売新聞記者と偶然、どちらもマスコミ関係なのね。