1966年5月8日 TBS
あらすじ
おかよ(山田五十鈴)が営む居酒屋に、越後から消息不明の父親を捜しに来た彦太郎(石山律)という若者が現れる。辰床という髪床の親方で、おかよの亭主の辰三(松本幸四郎[初代・松本白鸚])は、彦太郎の話を聞き、顔を曇らせる……。
2026.1.18 時代劇専門チャンネル録画。懐かしの『日曜劇場』時代劇。白黒。
脚本:小松君郎
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音楽:平井哲三郎
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プロデューサー:石井ふく子
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おかよ:山田五十鈴…字幕黄色
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彦太郎:石山律
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留吉:柴田秀勝
竜太:稲吉靖
三平:石田健史
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しげ:行友勝江
中床:近江俊輔
定吉:宮川洋一
同心:湊俊一
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根本嘉也
川村朱門
松本錦二郎
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佐野哲也
實恒美
松本錦一
土屋靖雄
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玄六:田崎潤
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辰三:松本幸四郎…字幕水色
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演出:橋本信也
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製作著作:TBS
石井ふく子プロデュースドラマって、大体、役名が付いてるのが本当にありがたい。
居酒屋にチンピラ3人組が来店。
竜太役の稲吉靖さんは「キイハンター」でも見かける顔。ほかの客にも絡むが、外から帰ってきたおかよが上手にあしらって奥へ。
酒の飲めない越後出身の彦太郎という青年が飯を食わせてほしいと来店した。
石山律さんも「キイハンター」で見たねえ。
酒が飲めなきゃ飯屋に行けと追い払おうとするチンピラたち。しかし、おかよが席につかせ、チンピラたちに帰れという。店で暴れるチンピラたちだが、彦太郎も結構強かった。去年の暮れから柳原(やなぎわら)の米屋に来ているという彦太郎。なにかわけありっぽい!?
辰床
髪床をやっている辰三。チョンマゲ専門店だね。おかよとは夫婦。
風呂屋に行っていた辰三。チンピラたちが辰三の服にいたずらをするが、辰三が風呂から上がり、着たのは別の服。別の男の客に馬糞を仕込んでいて、チンピラたちは怒られ、辰三は笑っていた。
今の松本幸四郎さんのおじいさんなのね? 今の松本白鸚さんにちょっと似てる。
どっちも店をやってるのに、食事の支度をするのは当たり前におかよ。辰三が風呂屋から帰ってきて、おかよが留吉に派手な啖呵を切り、辰三に八つ当たりのつもりで棟梁の着物の中へ馬の糞を入れ、棟梁が大暴れだと笑い、おかよも笑った。
おかよは彦太郎という青年の話をした。年は19。越後は冬になると雪が多くなって野良仕事ができず、江戸に出稼ぎに出てくる。おかみさんや子供も残したまま春になっても帰らず、行き方知れずになってしまう者もいる。彦太郎の父も江戸へ出稼ぎに出たまま帰らない。同じ在の男が近辺でお父っつぁんらしい人を見かけたという話を聞いて捜していると聞き、黙ってしまう辰三。
腕のいい髪床の辰三。彦太郎がおかよに手土産を持って会いに来た。おかよは河岸に仕入れに行って不在。彦太郎に上がってもらい、辰三がそれとなく話を聞く。十日町の在。彦太郎の父親は、彦太郎がおなかの中にいるときに江戸に出稼ぎに出たまま帰って来なかった。おふくろは彦太郎が7つのときに亡くなった。
おかよが帰ってきた。辰三は客の仕上げに店に戻り、おかよは定吉親分のところへ連れていくといって一緒に出ていった。
風呂屋の脱衣場ですごい彫り物をした男がいた。留吉たちが「まむしの玄六」という15~16年前に島送りになった男だとウワサし合う。
おかよが戻ってきた。定吉親分が戻らず、待たされた。浅草橋の裏で忍足をやってる作造が尋ね人じゃないかと思ったが、くたびれもうけだった。辰三とおかよに子供がいれば、あのくらいの子供がいてもおかしくない。養子に欲しいというおかよ。
越後では10俵米が取れても6俵は地主に取られるという話を聞き、おかよは養子にもらったら、自分の店を閉めるという。あの店は父親に譲られた店だが未練はない。辰三の商売を継いで3人で暮らそうという。
辰三が叔父さんとこへ弟子入りしたのは25過ぎてから。なんとなく渋っている辰三に「なんでお前さんの子どもを産ましてくれなかったんだよ!」と責めるおかよ。黙り込んでしまう辰三。
おかよが店に戻ると、おしげからお客からの手紙を渡された。
旅館に呼び出されたおかよ。いたのは玄六だった。
辰三は彦太郎に会っていた。彦太郎は十日町の水原(すいばら)という村出身だと話を聞く。三国峠の雪が消えたら村から来てる者が集まって一緒に故郷(くに)に帰る。田植えが終わったら嫁をもらう。祝言するには金がかかるので初めて出稼ぎに来た。それに、父に会えるかもしれないと思っていたが…しかし、おじさんとおばさんに会えたからいいという。
15年ぶりに八丈島から戻ってきた玄六。私の知ったこっちゃないと拒絶するおかよ。れっきとした辰三という亭主がいるという。お前の本当の亭主は俺だと言い張る玄六。今更元に戻れるとは思っていないが思い出すのは、お前の真っ白な肌ばかり…と覆いかぶさってきたが、おかよは逃げ帰った。きっぱりしてていい!
帰ってきた辰三は彦太郎を養子にもらってくれと頭を下げた。辰三が江戸の生まれだといっていたのはウソ。出稼ぎに来てそのまま帰らなかった。辰三は彦太郎の実の子! 話しているうちに無性にあの子が欲しくなった。初めておかよに会ったときには越後に女房子供がいた。
今度は彦太郎を養子にもらわないと言い出すおかよ。「考えてもごらんな! ほかの女に産ました子に『おっ母さん』なんて呼ばれてたまるもんかい! 嫌だ!」
おかよは泣きながら出ていき、玄六が寝ていた旅館へ。しかし、起きる前に自分の居酒屋に戻り、酒を飲みほした。
辰三の店を彦太郎が訪ね、奥へ上げた。あした、故郷へ帰るという。おかよは自分の店ばっかりで帰って来ないと話す辰三。
おかよの居酒屋に玄六が来ていた。彦太郎があした故郷に帰ると挨拶に来た。手当をもらったから客になると席につき、玄六も彦太郎の話を聞いていて、一緒の席についた。彦太郎がひと冬で2貫文稼いだというと、大の男がひと冬働いてそれっぽっちってのは少ないとおかよにも同意を求めた。
彦太郎も手当てをもらって驚き、祝言をする費用には足らないと話し、主人に掛け合ったものの「毎年そうだ」と言われたという。玄六は倍にも3倍にも増やしてやろうというが、彦太郎は庄屋さんから江戸の人間は生き馬の目を抜く。手当を増やしてやるなんて誘われても気をつけなきゃいけないと言われていたと断った。
生き馬の目を抜くって慣用句、想像しちゃって嫌な言葉。
無理強いはよそうという引き下がったかに見えたが、おかよを店の外に呼び出し、あとから玄六の元へよこすよう命じて帰って行った。
店に戻ったおかよに酒を勧める彦太郎。わたしがおごってあげるからと彦太郎にお酒を勧め、おしげを帰らせてさしで飲み始めた。おかよは玄六を自分の兄だと偽り、彦太郎を玄六のもとへ行かせた。
玄六がいたのは賭場。ダメだよ~(^-^;
彦太郎は玄六の指示通りに「半」と言い、最初は当たった。
店に戻ったおかよは考え直し、店を出て、辰三のもとへ走った。「留吉の土場(どば)で、お手当みんな巻き上げられちまうよ!」
辰三は慌てて店を飛び出した。
土場
玄六にだまされてすべての金をスッてしまった彦太郎。辰三が乗り込み、金は、あした俺が持ってってやるからと彦太郎を家に帰した。
辰三「彦太郎の金は全部もらいますぜ!」
玄六「誰だ? てめえは」
留吉「おかよの亭主ですぜ」
賽の目勝負を持ちかける玄六に受けて立つ辰三。差しの勝負は玄六の勝ち。いかさまだという辰三に、おかよの亭主だったと話す玄六。「てめえがちょうど邪魔だったんだ。いかさまがばれたついでにてめえの命をもらってやる!」と斬りかかった。
家で待っているおかよ。傷だらけで帰ってきた辰三に水を飲ませた。
辰三「おい、おかよ。俺はな、今…玄六と留吉の野郎をばらしてきたんだ! 俺はな、番屋へ自首しようと思うんだが、その前にお前にひと目…」
おかよ「勘弁しとくれね! 私がくだらないやきもち焼いたばっかりに…お前…お前をこんな目に遭わして勘弁しとくれ…私…私は、お前さん1人で死なせやしない。ねえ、私も一緒に逝くから! ねえ、勘弁しとくれよ。ねえ、お前さん、勘弁しとくれよ」
この十何年、お前と一緒に暮らして、俺は幸せだったよとお礼を言う辰三に、おかよは玄六のことをひた隠してたのは、お前さんに嫌われたくなかったのだと泣く。辰三も故郷に女房っ子があることを隠してたのはお前に嫌われたくなかったからだといい、彦太郎と同じ二十歳の年に江戸に出稼ぎに出たと語り出した。
そのときには彦太郎が腹の中にいて、一生懸命に働き、もらった金は、お産の費用にも足りないくらいで、店の小僧にそそのかされ、いかさま賭博に引っかかって有り金残らずすってしまった。故郷へ帰ることもできず、それから5年間、人に言えないような暮らしをし、おかよの店にやってきて、商売は、おかよの叔父に仕込まれた。
もったいないような月日を送ってきたが、1日だって故郷を忘れたことはなかった。おかよは帰ってきた玄六とは何もなかったという。辰三は番屋に行くから達者で暮らせといい出ていこうとし、あした、金を彦太郎に渡してくれと頼むが、おかよは嫌がった。
翌朝、米屋の前におかよが待っていて、彦太郎に何も言わずに家に来るように誘った。五つ半にいつか辰三にごちそうしてもらった「藪」へ集まることになってるから友達に断ってくるといったん店に戻った。
五つ半…午前8時半ころってとこかな。
土場
玄六、留吉など4人の死体を見つけた同心。4人もやってたのか! 定吉は玄六たちが殺されて、みんな喜んでるんじゃないかといい、畳にかんざし?が刺さっているのを見つけた。
辰床
辰三は彦太郎の髪をきれいに整えた。来月になったら田植え、田植えが終わったら祝言。夏になったら彦太郎の子どもが生まれる。男の子だったら「辰三」、女の子だったら「おかよ」と名付けると言われ、涙ぐむ辰三とおかよ。
彦太郎「秋になったら、また来ます。遊びに来てもいいですか?」
辰三「ああ…」
彦太郎が遅れて友達の待つ「藪」へ。親父に髪を結ってもらったと嬉しそうに話した。
辰床を訪ねた定吉。戸が閉まっており、蹴破ると、中で2人が折り重なって死んでいた。(おわり)
何も知らずに帰れた彦太郎だけど、秋には真実を知ってしまうんだろうか…!?
昔の話って、こういうバッドエンドが多いね。そこが切なくていいところでもあるんだけど…