徒然好きなもの

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【ネタバレ】チョッちゃん(61)―連続テレビ小説―

NHK 1987年6月15日(月)

 

あらすじ

結婚の申し込みを断りにいった蝶子(古村比呂)だったが、岩崎要(世良公則)に声楽の道を進んでも成功の見込みはないと言われ、蝶子はプロポーズを受け入れてしまう。要は、蝶子の叔父・野々村泰輔(前田吟)、妻・富子(佐藤オリエ)、そして蝶子の兄・道郎(石田登星)の前で蝶子を必ず幸せにすると誓う。その心意気に、岩崎を毛嫌いしていた富子も一転、ふたりの結婚を受け入れる。祝いの席で、蝶子は初めて酒を口にする。

2025.6.2 NHKBS録画

peachredrum.hateblo.jp

脚本:金子成人

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黒柳朝チョッちゃんが行くわよ」より

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音楽:坂田晃一

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語り:西田敏行

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演奏:新室内楽協会

テーマ演奏:東京フィルハーモニー交響楽団

指揮:円光寺雅彦

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考証:小野一成

タイトル画:安野光雅

方言指導:曽川留三子

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北山蝶子:古村比呂…字幕黄色

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岩崎要:世良公則

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国松連平:春風亭小朝

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北山道郎:石田登星

鳳プロ

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野々村富子:佐藤オリエ

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野々村泰輔:前田吟

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制作:小林猛

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演出:富沢正幸

 

バイオリン指導の名前がないってことは今週はバイオリンのシーンがない!? 月曜日にしちゃ少ない出演者。

 

♬~(「Ich liebe dich(イッヒ リーベ ディッヒ)」)

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蝶子が要の伴奏で歌う。

 

<チョッちゃんは岩崎要さんに結婚の申し込みをされていました。その後は、ちゃんとした返事もしないまま要さんを避けていたのです。そして、この日、とうとうチョッちゃんは決意して申し込みを断るべく、こうして要さんに会いに来たのでした>

 

蝶子が歌い続ける。

 

<しかし…>

 

夜、野々村家

道郎「こんばんは! 今日、お金入ったから、お土産奮発したよ」

 

テンションの低い富子。「あ、そう」

道郎「梨だよ、梨!」

連平「ごちそうさま」

 

道郎「どうしたの?」

泰輔「チョッちゃん、要さんに会いに行ったんだよ」

連平「要さんの居所、聞かれたもんだから…」

富子「聞かれたからってねえ」

道郎「それが?」

富子「だって、断りに行ったんだよ」

泰輔「ほら、例の結婚の申し込み」

道郎「へえ~。それで、どうしてそんな深刻な顔してるのさ?」

富子「だって、まだ帰ってこないんだよ」

泰輔「出かけてったのは夕方だろ?」

うなずく連平。

泰輔「ひょっとしてもめてんじゃねえかなあ」

富子「ひどい目に遭わされてるとかさ」

道郎「そりゃ、ちょっと考え過ぎじゃ…?」

 

連平「いや、要さんて人はね、女の人から断られたことがない人なんだ。ということは…」

泰輔「うん」

富子「初めて?」

連平「恐らく。傷つくよなあ」

富子「カッとして何やらかすか!」

泰輔「連平君! 何で居場所教えたんだよ!」

連平「だって…」

泰輔「何で一人で行かせたんだよ!」

富子「知ってりゃ私だって…」

泰輔「もしもの時、滝川の姉ちゃんに何て言やいいんだ!」ため息をつく。

 

戸が開く音

⚟蝶子「ただいま!」

 

富子「チョッちゃんだ!」泰輔、連平とともに玄関へ。

 

玄関には蝶子と要が並んで立っていた。

連平「あ…」

泰輔「あれ?」

 

要「こんばんは」

泰輔「こんばんは」

蝶子「送ってもらったの」

泰輔「あ、そう!」

連平「へえ…」

富子「あの…」

 

要「お話があります」

うなずく泰輔。

 

茶の間

要「蝶子さんと結婚したいと思います。蝶子さんも承知してくれました。はい」

 

富子は、むいていた梨を落としてしまう。

泰輔「ああ…」

連平「あ~、あ~、あ~」

泰輔「ちょっとちょっと、何やってんだ、何を」

富子「だって…」

泰輔「しかし…」

道郎「断りに行ったって聞いたぞ」

蝶子「そのつもりだったけど…」

泰輔「けど?」

富子「承知した?」

うなずく蝶子。

要「してくれました」

 

連平「どうして?」

富子「脅かされたんじゃないだろうね」

富子が持っていた半分皮をむいた梨を長火鉢の上に置く泰輔。さりげな~い。

 

蝶子「なんも」

富子「言いくるめられたとか? そうなの?」

要「言いくるめました」

 

顔を見合わせる泰輔たち。

 

要「蝶子さんは、まだ若いということを気にしてました」

富子「19だもの」

泰輔「19じゃ、まだ…」

要「私の母も19で結婚しました」

蝶子「母さんは18だったのよ」

泰輔「ああ」

 

富子「私は26だった」

連平「いや、だって、それは…」

富子「何だい?」

連平「いや」

富子「お言いよ。何が言いたいんだい、連平!」

泰輔「お前のことは、この際いいんだよ」

富子「だって!」

 

軽く流されてるけど、このドラマ放送時の1987年でも、こうやって連平みたいにニヤニヤからかうような嫌な感じがあったんだろうな~。クリスマスケーキとかいってたのもバブルの時代だもんね。

 

要「蝶子さんには声楽の道があるということでした」

泰輔「そうそう」

要「途中でやめたくないということでした」

道郎「そりゃあね、音楽学校出てからが声楽家としては正念場だし」

要「はい。ですから、今日改めて彼女の歌をじっくり聴いてみました。彼女に将来の見込みはありませんね。ま、変な望みを持って時間を無駄にするより、今のうちにやめた方がいいんです。諦めるように言いました」

道郎「納得したのか?」

うなずく蝶子。

 

まー、残酷な言葉だけど…でも、声って他の楽器とかと違って、生まれつきの要素って大きいのかも…と思えてきたり…私の好きな歌手を思い浮かべると、努力がどうのというよりやっぱり声そのものが魅力的(そういう人たちが努力してないとは言わないけど)。

 

富子「けど…チョッちゃん、だけど…いいの?」

要「蝶子さんの一番の気がかりは、その…つまり、私の過去の女性問題でした。奥さんもそうだと思います」

連平だけはニヤニヤしている。

要「そりゃまあ、確かに随分とバカをやりました。連平だって知ってます。今更、取り繕う気はありません。確か、一度、このうちでも、その…だらしないところを見られてます。印象よく思われてないのは分かってます。でも、変わったんです。変わりました。女と見れば、気軽に声かけて遊んでた私がです…彼女に本気になりました」

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富子「口では何とでも言えまさぁね」

泰輔「おい」

富子「そりゃあ、最初は女癖も治まるかもしれないでしょ。けどね、所帯持ったあと、その遊び癖出ないとは限りませんからね。そうなって泣きを見るのはチョッちゃんですよ!」

要「そんなことはしません!」

富子「口では何とでも言えんだから!」

要「じゃ、今後を見ていてください」

富子「ハラハラして見てらんないね!」

要「じゃあ、どうすればいいんですか!」

富子「さあね」

 

蝶子「叔母さん! ちゃんと話をして」

ため息をつく要。

泰輔「要さん」

要「はい」

泰輔「その…現在、その…つきあってるような女の人は?」

要「いません」

連平「あたしもそう思いますよ」

富子「フンッ」←鼻で笑ってる。

連平「いや、ここんところ要さんに女の影がちらつかないから、おかしいなと思ってたんですよ。そしたら、この間、突然ね、『チョッちゃんをお嫁さんにしたい』って。それで、あたしはなるほどと合点がいきましたね」

 

要「奥さんが私のことを気に入ってないのは、よく分かってます。そうですね?」

富子「…」

要「奥さんに私のことを気に入ってもらうには一体どうしたらいいんでしょうね? 気に入られなくても、その…見直してもらうためには、僕は一体どうしたらいいんでしょう?」

富子「なにも私が相手ってわけじゃないんだから」

 

蝶子「叔母さん! 要さんはね、これから親戚づきあいする叔母さんに嫌われたままじゃ嫌なのよ。叔母さんだけじゃなく、叔父さんにも兄ちゃんにも嫌がられてるなら嫌がられなくしたいって、要さん、そう言うの」

要「僕はどうしたらいいでしょう?」

泰輔「おい…」

富子「どうって…」

要「言ってください。何でもやります!」

 

富子「チョッちゃん、泣かせるようなことしないね?」

要「はい」

富子「大事にするかい?」

要「はい」

富子「幸せにするかい?」

要「はい!」

富子「ウソついたら針千本飲むかい?」

要「飲みます!」

 

富子「よし、気に入った!」

要「はい!」

富子「ちょっと、これ、ね! おうおう…洗わなくっちゃね」むきかけの梨を手に台所へ。

泰輔「ハハハハ」

 

要「野々村さん、結婚許していただけますか?」

泰輔「そんな…私はチョッちゃんさえよければ、そりゃ」

道郎「僕も同じです。(蝶子に)音楽の道、諦めるんだな?」

うなずく蝶子。

 

ちょいと情けないところもあるけど、道郎って、今まで見てきた朝ドラの中の兄さんでは優しいから結構好きだな。

 

蝶子「バイオリンていう声楽とは違う、あれだけど、その天才っていう要さんがダメだって言うんだもの。いろんな一流の声楽家の人たちと仕事してきた人に見込みないって言われたんだもの。納得するしかないわよ」

うなずく道郎。「要さん、よろしく」

要「はい」

 

連平が手を打つ。「決まった!」

泰輔「うん」

連平「これで決まりましたね」

泰輔「おい」

富子「うん」

 

泰輔「よ~し、酒だ酒だ」

富子「冷やでいいね」

連平「おかみさん、こんな時に『冷や』は禁句ですよ」

泰輔「仲、冷やしちゃいけないよ」

富子「じゃ、お燗(かん)にするかい?」

泰輔「バカ。そんなこと言ってんじゃないんだよ」

富子「う~ん、どうすりゃ、いいのさ」

連平「冷やでなく、お燗でなく、そのままってのは、どうです?」

泰輔「あ~、それがいいね!」

富子「何、ゴチャゴチャ言ってんだい。チョッちゃん、湯のみ頼むよ」

蝶子「はい!」

 

富子が台所の戸棚から一升瓶を取り出し、蝶子が湯飲みを並べる。

 

要「ああ、俺はいいよ」

連平「どうして?」

要「いや、酒は、やめることにします」

泰輔「どうして?」

要「今、奥さんに約束した証しとして、みんなの前で酒はやめます」

富子「偉い!」

 

要「ハハッ」

富子「気に入った! 飲んで」

泰輔「いやいや、だからさ」

富子「あ~、最後、最後。最後の酒だ」←あるなあ、昭和のノリ。

泰輔「最後のな…」

 

富子「はい、チョッちゃん

蝶子「あ、私は…」

富子「なに、私だって飲むから。真似だけだよ」

泰輔「よし、じゃ、『ひとつよろしく』ということで。いくか! な! じゃ、ひとつよろしく!」

一同「おめでとう!」

要「よろしくお願いします」

 

湯のみを掲げて乾杯。

 

蝶子も一気飲み。「あ! 全部飲んじゃった」

 

野々村家前の路地

連平「バンザ~イ! 岩崎要、バンザ~イ!」

要「おい、ちょっと静かにしろよ、お前!」

連平「あたしゃ、また取り残された! バイオリンでも取り残されて、結婚でも取り残された」

要「ああ、もうしょうがないやつだな」倒れかかった連平を担いで帰る。

 

野々村家

道郎「そう…決めたか」

うなずく蝶子。

泰輔「どうだ? 気分は」

蝶子「フワフワしてる」

富子「お酒、湯のみ半分キュッといったから」

泰輔「酒の気分じゃなくてさ、結婚のことだよ」

 

蝶子「う~ん、まだよく分からないな。何かつい流されてるような」

富子「しっかり、おしよ! 考え直すなら、今だよ」

泰輔「バカ! チョッちゃん、よ~く分かる。うん、そんなもんだよ。叔父さんもね、思い焦がれていた、この富子と所帯持とうって決めた途端、フッとさ、これでよかったのかなと思ったりなんかしてね」

富子「何だって?」

泰輔「事が決まるってのは、そういうもんなんだよ。流れに巻き込まれてしまった心持ちっていうかさ」

富子「そういや、そうだ。あ~、あれよあれよという間だった」

泰輔「そんなもんだよ」

蝶子「うん!」

 

泰輔「富子、俺らは幸せだぞ」

富子「ん?」

泰輔「子供がいない、俺ら夫婦がさ、娘を嫁にやるような親の真似事ができるんだ。ん?」

富子「そうだよね」

蝶子「心配かけました」頭を下げる。

富子「いいんだよ」

 

道郎「親っていや、滝川にも知らせないと」

蝶子「手紙書くから」

泰輔「うん、俺らはどうでも、とにかく親の許しがないと決まるもんも決まらないからな」

うなずく蝶子。

 

蝶子の部屋

蝶子「父さん、母さん、先日、私は、ある人に結婚を申し込まれました。岩崎要というバイオリニストです。随分、悩みました。迷いもしました。考えました。そして、今日、それを承知しました。私は結婚することにします」手紙を書きながらも、しゃっくりが出る。

 

よく、お酒を飲んで、しゃっくりする描写ってあるけど、私はないなあ。温度差、胃の拡張、笑い声や大声、アルコール…原因が様々あるらしい。へ~。

 

窓の外を見ながら麦湯を飲んで、ポワンとして赤い頬のまま外を見る蝶子。(つづく)

 

今の時代と違うから、別の就職先が決まったと思うことにしよう。