NHK 1982年2月14日
あらすじ
原爆症の症状が重くなって寝込んだ夢千代(吉永小百合)は、上村(石坂浩二)に会いたいと呼び出した。しかし、夢千代は、訪ねてきた上村と会うことができない。「春まで待つ」と告げて鳥取に帰った上村からは毎日手紙が届いたが、夢千代は返事を書かなかった。その後、決心してようやく手紙を書くが、その翌日、上村が釣り船で遭難したことを知る。夢千代が上村の自宅を訪ねると、一日遅れで届いた自分の手紙が残されていた。
2025.2.5 NHK BS録画
ドラマ人間模様
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作:早坂暁
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音楽:武満徹
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演奏:東京コンサーツ
方言指導:高橋ひろ子
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三味線指導:豊藤美
踊り指導:松浦姉妹
協力:兵庫県美方郡温泉町
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夢千代(永井左千子):吉永小百合…字幕黄色
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金魚:秋吉久美子
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藤森:中条静夫
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菊奴:樹木希林
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寄子:水原英子
田村:丹波義隆
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小夢:中村久美
アコちゃん:大熊なぎさ
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佐和子:いしだあゆみ
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松崎:檀ふみ
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アサ子:緑魔子
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矢口:岸部一徳
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クーちゃん:内藤路代
奈美絵:市丸和代
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房子:高橋ひろ子
鳳プロ
早川プロ
八星プロ
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おスミさん:夏川静枝
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灰谷:谷村昌彦
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上村洋一:石坂浩二…字幕水色
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制作:勅使河原平八
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演出:深町幸男
夢千代のナレーションから
<もう一度、私を好きと言ってほしいのです>
布団で寝ていた夢千代は、おスミさんを呼び、会えないと言う。自分で呼び出しておきながら断ってとおスミさんにお願いした。
おスミさんは、はる家に来た上村に絵に描いてもらうのを楽しみにしていたと夢千代の気持ちを伝え、今は会えないと語る。上村は夢千代があと2~3年の命と確かめ、出来ることはないか聞いた。おスミさんは待ってほしいと頭を下げた。
上村は部屋の外から「春まで待ちます。暖かくなるまで待ちます」と声をかけた。上村が住んでいるのは砂丘の外れの小さな漁港で、春になると小さな花が咲く。そこであなたを描いてみたい。それまでに大きなカンバスと絵の具をそろえるのに春までかかりそうだから待ちます、浜タンポポの花が咲くまで待ちます、待ってますとさよならを言わずに帰った。
布団をかぶって泣く夢千代。
<会えばよかったと悔やまれます。でも、今会えば、私は…>
出て行こうとする上村におスミさんは手紙を出してほしいと頼み、上村も承諾し、おスミさんと指きりで約束した。
上村は絵だけでは食べられないので船に乗っている。今はカニやカサゴで春イカが取れるようになれば春。
石坂浩二さんは「ありがとうシリーズ」のころより、80年代に入って40前後くらいが一番カッコいいかも!?
<でも、もし、今会えば…今の私は、あの人にすがりついてしまいそうです。すがりついて、きっとあの人を私の杖にしてしまうでしょう。あと、1度か2度の春しか待てない私です。人を杖代わりにはできません。夜更けて…粉雪>
金魚帰宅。アコに近づき、お酒臭いと言われる。
菊奴は灰谷を布団に寝かせていた。小夢を想い泣く灰谷。おえーっ!
湯里小学校
矢口が松崎先生に会っていた。奈美絵が学校に来てるか、どこに住んでいるか聞く。
はる家
奈美絵がひとりでアコちゃんを訪ねてきた。
布団から起き上がり、ご飯を食べている夢千代は私がおらんようになったら、このうちは、おスミさんがやってちょうだいと頼んだ。春になったら、あの方のところへ行かなければなりませんからねと夢千代を励ますおスミさん。
松崎が矢口を連れて訪れた。アコは奈美絵の父が訪ねてきたので、煙草屋旅館に走り、佐和子に伝えた。佐和子が出て行き、アコが旅館の扉を閉めようとすると、菊奴が出てきた。
はる家
矢口が奈美絵を連れて行こうとしていたが、夢千代が無理に連れて行かないでくださいと止めた。矢口に「帰ろう」と言われて手を差し出した奈美絵。矢口は佐和子を勝手な女で母親の資格はないと断じて出て行った。
スナック白兎
菊奴に「金、持ってんだ、俺」と言う灰谷。店にいる寄子、藤森、アサ子が何となく聞き耳を立てる。菊奴は年齢や容姿のことを自虐するが、灰谷は「あんた、温けえ」と言うと、小さいころから平熱が高いと答える菊奴。
「今朝の秋」もそういや、谷村昌彦さんと樹木希林さん出てたね。
はる家
佐和子は夢千代に「奈美絵は嫌がらずについていきましたか?」と聞いた。夢千代は「喜んでついていったようには見えなかった」と答え、今なら駅にいると思うと言ったが、佐和子は家に上がりたがった。
スナック白兎
灰谷が本気だと言うと、菊奴は急いではる家に戻っていき、残った灰谷は封筒に入っていた札束を数え始めた。こっそりどこかへ電話をかける藤森。
はる家
こたつにあたる夢千代とおスミさん。じっと正座している佐和子。
<この人は…何を耐えているのでしょうか>
もう列車に間に合わない時刻になり、顔を上げた佐和子は奈美絵を追いかけて、また引っ張り回すことになると思い、我慢していた。あの人と一緒に行ったほうが幸せになれる。おスミさんは二親が揃っている方が幸せだと言うが、佐和子は「私も幸せになりたい」と語る。夫がいて、子供がいるのに好きな人をつくった。浮気ではなく本気。別れてほしいと頼んだが、勝手だと殴られた。人を好きになることはどうしようもない。好きな人とは1年会わないと決め、1年たってまだ好きだったら会いに行く。今は8か月で春になったら1年になる。
矢口と奈美絵は列車内でみかんを食べていた。
はる家
菊奴がそわそわしながら帰ってきた。おスミさんが「気持ち悪!」って! 菊奴は結婚しようと思ってる、連れてくるとまた出かけた。
スナック白兎
灰谷はいなくなっていた。
<夜になっても菊奴さんは姿を見せず、藤森さんが来る>
はる家
灰谷は手配中の男だった。東北の農民で組合の金を持ち逃げしていた。東京や表日本に出稼ぎに行くうちに競輪を覚えた。借金を払うために組合の金に手をつけ、一度、きれいな芸者を買いたい、思いっきり遊んで死んでやろうと思い、湯里に来た。あんなに喜んでたのに…っておスミさんは言うけど、気持ち悪!って言ったのに。
灰谷は青森、秋田、山形の人ってことかなあ? 岩手、宮城、福島も表日本に入るらしい。太平洋側=表日本てことらしい。
夢千代は菊奴が恥ずかしくてお座敷に出られなくなるから黙っていてほしいと頼んだ。
<私には菊奴さんが結婚という言葉にふらついてしまったって気持ちが分かるような気がします。結婚を諦めていた人だけにふらつくのです…。生きられないと思うほど生きたいのです>
はる家に戻っていた菊奴。金魚は夢を見ていたと話すが、信じない。二日酔いで悪い夢を見ていたと話し、アコのもとへ。おスミさんも出て行き、小夢もおねえさんは昼間でも時々うたた寝してるから夢だといって出て行った。おスミさんが戻ってきて、ご飯をよそい、お茶漬けでも食べたら?と勧めた。菊奴もお茶漬けを食べながら、みんながそう言うなら…と夢と思うことにした。
<12月4日、手紙来る>
おスミさんが夢千代に手紙を渡した。
上村からの手紙
「一日中、あなたの事を考えています。自分でもあきれるほど…歩いていても船に乗っていても、あなたの事ばかり考えております。なぜもっと早くあなたに巡り会えなかったのか、どうしてあなたがそんな病気を背負わねばならないのか…。つらくてなりません。いえ、本当につらいのは、あなたの方でした。もう二度と病気の事には触れません。許して下さい。
この土地に来て、本当によかったと思っています。すぐそこに砂丘が広がっております。ここは自分のふるさとでもなく、また知った土地でもありません。ああいう事件に巻き込まれ、弁明も通ぜず、学校を追われた私は人のいない場所にひかれてここに来たのです。もう人間は嫌だ。本当にそう思い、砂丘ばかりを絵に描いていました。
毎日船に乗っています。最初はヘドを吐き、船べりにつかまっているだけの情けないありさまでした。今は足手まといにはならずに船に乗っています。船の上でもあなたの事を考えています。早く春イカが海に姿を見せるといい。春が待たれます。まだ冬は始まったばかりです。また手紙を書きます」…いい声だ~!
<12月16日、晴れ。本当に毎日、日記のようにあの人から手紙が来る>
上村からの手紙
「今日も船に乗りました。珍しく風もなく、夜、部屋にいると、すぐ近くの砂丘の砂の音が聞こえるようです。去年の冬は、とてもつらい冬でした。暗い海辺で自分の一生は終わってしまうのかとたまらない毎日でした。しかし、今年は違います。春になれば、あなたに会える。あなたの絵が描けます。どうにか長い冬が耐えていけそうです。それにしても…それにしても長い冬です。明日も船に乗ります」
ちょっと調子が良くなった夢千代だが、手紙の返事は書いていない。書くと、あの方にすがってしまいそう。すがっても、あの人に何にもあげられん。あげる時間もない。
しかし、おスミさんは、あの人も女将さんにすがっているのだから、返事を書いてあげてほしいと頼んだ。「私、すがってもいいんですか?」と聞く夢千代にうなずくおスミさん。
夢千代は書いた手紙を自ら歩いてポストに投函した。あの釣鐘の60円切手懐かしい。
<18日、夜になって粉雪>
警察署
藤森に鳥取西署から照会があった。
はる家
ゆうべ、第六昭栄丸という漁船が砂丘沖で遭難し、乗組員の中に上村洋一、35歳がいた。身内がいないか捜していたところ、夢千代の手紙が出てきた。
上村が死んだと信じられない夢千代。すぐに出かけようとしたが、おスミさんや藤森に止められた。夢千代は身寄りの人だと言う。
<12月19日、今日は本当に悲しい日です。本当につらい日です。春になればこの姿で描いてもらおうと決めていた格好で…汽車に乗る>
夢千代は芸者姿で上村の住んでいた家に行った。家の中はカンバスがいっぱいで。大小さまざまな紙に夢千代のデッサンがあった。
田村という男が「夢千代さんですか?」と訪ねてきた。いつも一緒の船に乗っていたが、おとといは手をケガしていて乗らなかった。船は見つかったが、遺体は誰も見つかっていない。上村は船に乗るような人じゃなかったと言う田村。夢千代が出した手紙がテーブルに置かれていて封は開けられていなかった。上村は夢千代の話ばかりしていた。
<もう春になっても私の絵はありません。アサ子さんが踊る舞台にそれに似た絵があるだけです>
ヌード劇場
アサ子がマイクを手に「ス・ト・リ・ッ・パ・ー」を歌い、踊る。
夢千代の絵にスポットライトが当たる。
<読んでもらえなかった手紙を…読みます>
「春になれば…春になれば…春になれば…そればかり思っております…」
手紙を胸に抱き、浜辺にたたずむ夢千代。
<12月19日、北風ばかり海から吹く>(終)
なんていう悲しい終わり! こっからまた「新・夢千代日記」も見たかったな。それと映画版もあったらしいし。
最終回まで見て、奈美絵役の市丸和代さんが「花嫁」に出演してたと気づく。
途中で見るのをやめたし、あまり思い入れのなかったドラマだったせいもあり忘れてました。末娘役ね。このドラマ、母が奈良岡朋子さん、長女が上村香子さん、次女が沢田雅美さんと「ありがとう」第2シリーズの医師と看護師だった! 大鹿次代さんもいるし。それにしても、BS11は石井ふく子プロデュースの愛の劇場を続けると思ってたら、次は東海テレビの昼ドラと「家政婦は見た」か…。東海テレビの昼ドラってドロドロすぎて好きじゃない(-_-;) ほのぼのした昭和のホームドラマ求む!
NHKBSでは来週から「櫂」と「ハルとナツ」が始まります。
「櫂」は前も見たし、映画版も見たので今回はスルー。
映画版はドラマ版とは別物と言っていいでしょう。
「ハルとナツ」は橋田脚本ということで、平成の作品だけど見ることにしました。1話あたり映画1本分くらいのボリュームがあるので心してかからねば。

