1985年 日本
あらすじ
大正・昭和の高知を舞台にした、宮尾登美子の太宰治賞受賞作を映画化。宮尾原作に五社英雄監督が取り組む“高知三部作”の1本で、宮尾の実母がモデルの耐える妻の壮絶な半生を、十朱幸代が凛々しく熱演した。芸妓・娼妓を仲介する岩伍(緒形拳)に15歳で嫁いだ喜和(十朱幸代)は、稼業を嫌いつつ2人の息子を育てていた。岩伍が目をかけてきた染勇(名取裕子)が高知一の芸者に成長する頃、夫が娘義太夫の巴吉(真行寺君枝)ともうけた娘を、喜和は引き取ることに。
2022.9.17 日本映画専門チャンネル録画。
以前、NHKのドラマ版を見たことがあったので見ることにしました。
大正三年 初夏 高知
喜和(きわ)は健太郎、龍太郎という息子たちを育てていた。んん? NHKのドラマ版と全然違うな。ある日、喜和の夫の岩伍が神戸で支那へ売られそうになっていた女の子を10円で買ってきた。お菊と名付け、うちで育てるという。育てるのは喜和だけどね! お菊と喜和の息子たちは同世代。
喜和と女中の鶴(藤山直美さん!)でお菊の体を洗うが、お菊は全裸のまま逃げ出してしまう。後ろ姿とはいえ、子供のオールヌードはやめてほしい。80年代の東映映画だもんな〜。
小学生くらいの女の子が上半身裸で岩伍の周りを歩き回る。その後ろを全裸の少女が歩く。うわあ〜。お巻という母親が娘の豊美を売ったのだった。
字幕
岩伍…黄色
喜和…水色
この映画は岩伍が主人公なんだね。岩伍と喜和の濡れ場…。やっぱりNHK版とは全然違うな〜。
お巻のところへ米を届けるように言われた喜和。岩伍は金遣いが荒く、本当は持っていくような米もない。
お巻の元を訪れると防護服を着た人がお巻を大きな木の樽に入れ、釘を打っていた。ショックで倒れた喜和。岩伍に今の仕事をやめてほしいというが、食うに困らせないと岩伍は言う。岩伍がいなくなると、お菊がお粥を作って運んできた。そして、おかあちゃんと呼ぶ。
成長したお菊は石原真理子さん。魚屋の若い店員は島田紳助さん。わっかいな〜。お菊に一晩付き合ってと冗談っぽく声をかける。豊美は成長して染勇という芸妓になっていた。名取裕子さん。
お菊は体の弱い龍太郎の面倒を見ていた。しかし、飯はいらん!とお膳をひっくり返す演出、大っ嫌いだわ〜。
岩伍は、お気に入りの娘義太夫・巴吉を呼んで興行した。この辺りを取り仕切るヤクザの谷川が岩伍を気に入らないと言ってると伝えにきた染勇。
四国造船の会長・森山と話をする岩伍。森山の隣にいる大貞の女将は草笛光子さん。NHK版は加賀まりこさんだったな。「澪つくし」つながり。しかも、この映画は「澪つくし」が放送してた頃か。草笛光子さんは「澪つくし」では顔真っ黒の女親方だった。
喫茶店?で話している龍太郎とお菊。そこに染勇と一緒にきた健太郎が二人の仲をからかう。健太郎は田中隆三さん。
喜和は病院に行き、岩伍に話に行くが、巴吉から挨拶され、岩伍に病気のことは言えずにいた。
家に帰ってきた岩伍に龍太郎が肺の病で転地療養させることや健太郎の学校から呼び出しがかかっていることを報告。健太郎は染勇の妹と付き合っているらしいことを岩伍は知っていた。
巴吉と興行に出かけた岩伍。縁側で巴吉の胸を揉みながら生い立ちを語る岩伍。あ〜、こんなシーンばっかり。
喜和の姉・里江の元にいた喜和の元を訪れた大貞の女将。女の悋気はみっともない、巴吉とは別れさせるから、巴吉の子供を育てろと言う。拒絶する喜和だったが、岩伍が乗り込んできて喜和とは別れない。巴吉とはきっぱり別れるといい、子供は乳母を雇って育てさせるという。
賭場にいる健太郎を連れ戻しにきた龍太郎。ヤクザにボコボコにされた龍太郎を見て、小刀でヤクザを刺す健太郎。龍太郎は亡くなった。そして健太郎が刺したヤクザも亡くなる。殴り込みに行こうとする岩伍を止める喜和。
お菊は魚屋の武市(島田紳助さん)との縁談話を断った。おかあちゃんのそばに置いてほしいという。しかし、喜和は話を進めた。
大貞の女将が巴吉の赤ちゃんを連れてきた。乳母の安江が授乳シーンを奉公人数人で見守る。里江の夫・小笠原(ハナ肇さん)から乳母任せじゃなくて喜和が面倒見るように言う。みんな勝手だねえ。
健太郎の面会に行った喜和。巴吉の子供を綾子と名付けたと報告。
ある夜、安江が授乳したまま眠ってしまい、喜和が綾子を助け、これからは一緒に2階で寝るという。安江の胸出すシーンいります??
成長した綾子は小学生になり、利発な子供に成長していた。
染勇は妹の小夜子を連れてきた。健太郎と結婚したいという小夜子にいい顔をしない喜和のことを相談に来たのだが、岩伍は喜和の言うことは聞かなくていいと結婚を承諾した。
岩伍が大阪で銃撃された。喜和も駆けつけようとしたが体調を崩して倒れた。喜和は子宮筋腫の手術を受けることになった。駆けつけた岩伍は手術室の前で読経を始めた。手術が終わり、病室のベッドで寝かされている喜和に声をかける岩伍。
岩伍が襲撃された時の人力車の車夫が亡くなり、線香を上げに行った。妻の照は乱れた格好で寝ていた。ありえんだろ〜。
岩伍の事務所を訪ねた谷川は今は杖をつき一人では歩けない状態。大阪襲撃は、知らないことだったと弁明に来て見舞金を持ってきた。岩伍は照のために5万円用意するようにいう。
入院中の喜和の身の回りの世話をするお菊。綾子はベッドの上にいてお菊の顔を書いていた。そこに健太郎が出所。これからは健太郎と小夜子が綾子の面倒を見ると言い、暗に岩伍の事務所に新しい女がいることを匂わせる。
かまわんのうと階段で照の着物をはだけさせる岩伍。こいつは性欲しかないのか。
綾子の様子を見に行った喜和。綾子は女中のように働かせされていて、喜和は怒る。健太郎は岩伍の擁護ばかりするので、喜和は綾子を連れて家を出て小笠原に紹介された一軒家で暮らすことになった。
飲み屋で岩伍と会った染勇は、喜和と別れるのかと聞いた。喜和は健太郎からお金をもらわずに封筒貼りをして稼いでいると染勇は話した。岩伍に借金している小笠原は、岩伍に喜和と別れないでほしいと頼み込む。
喜和は詫びを入れるつもりもないし、綾子と別れる気もないというと小笠原は怒った。里江は姉、小笠原は里江の夫と思ったけど、兄なの??
高知市立城北診療所の起工式。森山の隣に岩伍が並ぶ。建設資金の半分は岩伍が寄付した。次の市会議員に立候補するつもりらしい。
喜和の家を訪ねた岩伍は綾子を引き取りに来たという。岩伍が喜和の髪をつかんでいたのを外で見ていた綾子が岩伍の手を切りつけた。
大貞の女将に相談しに行った喜和。お前たちはもう同じ舟には乗れないと言われた。喜和と綾子はタクシーに乗り、喜和は四つ橋の上で降ろしてほしいと頼んだ。綾子を見送る喜和。綾子は岩伍の事務所に入って行った。
お菊は、おかあちゃんを連れ戻すというが、綾子にオルガンを見せてやれと岩伍は言う。
岩伍は壁に飾られた自分の写真を割りまくった。(終)
五社英雄監督に東映だもんね…女性の自立というNHK版と真逆のテーマになってるような。喜和の息子、あんなに大きかったっけ?と思ったら、NHK版は龍太郎が幼い頃に結核で死んだし、健太郎というのはNHK版の喜和の弟かな? フランス映画と同じように邦画もラブシーンが多くて苦手。アメリカ映画みたいに全年齢が楽しめるような作品もあんまりないしね。