明後日放送🌸
— 日本映画専門チャンネル (@nihoneiga) June 9, 2024
「#母の初恋」未ソフト化📀
◆6/12(水)午後5時30分~ほか
今月に生誕125年を迎える
文豪 #川端康成 が
戦前に発表した小説を映画化🎬
実体験をもとに着想を得たとされる話🖋️
母の初恋相手である養父への秘めた思慕を#岸惠子 が切なく演じる💭#上原謙 https://t.co/miLdys0DGl pic.twitter.com/QGkeXt5kqO
1954年 日本
あらすじ
ある男性に惹かれる母娘の悲運を描く、川端康成の小説を映画化したメロドラマ。情感豊かな群像劇の名匠・久松静児監督の元、松竹スターの岸惠子が東宝映画に初出演し、母の初恋相手を思慕する娘の葛藤を細やかに好演。母・民子(丹阿弥谷津子)亡き後、その元恋人の佐山(上原謙)の養女として愛情一杯に育てられた雪子(岸惠子)は、彼への父親以上の情愛を胸に秘め、周囲の期待に応えて若杉(小泉博)との結婚に踏み切るが、程なく家を飛び出してしまう。
2024.6.12 日本映画専門チャンネル録画。白黒。
松竹のスター・岸恵子が東宝映画初出演。へー、松竹だったんだ!
昭和二十九年度芸術祭参加
製作:瀧村和男
三輪禮二
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原作:川端康成
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脚本:八田尚之
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佐山:上原謙…字幕水色
雪子:岸惠子-松竹-…字幕黄色
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高浜:志村喬
若杉:小泉博
緑川阿佐子:香川京子-特別出演-
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佐山の妻・時枝:三宅邦子-松竹-
義父・根岸:加東大介
沢田:千秋實
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監督:久松静児
時枝に先生の様子を見てきてと言われた雪子は書斎にいる佐山の様子を見に行った。佐山が寝ていたので毛布をかけると「眠ってんじゃないよ、考えてんだ」と目をつぶって話し出した。時枝は小津映画でおなじみの三宅邦子さん。
先生に読んで欲しいと原稿を持ってきた若い男性。雪子は主人は留守だと居留守を使って原稿だけ受け取った。
小学生の女の子・冨美子(ふみこ)が帰ってきた。佐山をパパと呼んでるから、佐山と時枝の娘なんだよね?
雪子は自転車で出かけ、魚屋に行き、ナマズの調理法を聞き、通りかかった高浜に声をかけた。
佐山に会いにきた高浜。黒髪を抜いてグレーヘアにしてると話してる(グレーヘアとは言ってない)。志村喬さんは、もうこの時代から白髪なんだよね。おじいさん時代が長い。高浜はしきりに雪子をキレイになったと褒める。志村喬さんと岸惠子さんは赤いシリーズでは別の作品だったから共演はないか。
台所でナマズの洗いを作ろうとしていた雪子だが、以前、たまたま来た魚屋で働いていたという店員に任せた。
佐山の元恋人の娘の雪子を引き取って育てたことをからかう高浜。奥さんよく平気だな〜みたいな余計なこと言うなよ。
佐山、高浜、雪子で浜辺でビールを飲む。佐山が「恋はやさし野辺の花よ」を歌い出し、高浜も雪子も歌い出す。
歌声が雪子の亡き母・民子の歌声に変わり、回想シーンへ。民子さんの歌声、とってもキレイ。この辺り字幕が出てるから民子の歌声と分かった。
結婚の約束をしていた佐山と民子だったが、なぜか民子は別の男と結婚した。雪子を雪べえと呼ぶ高浜。
回想
冨美子を膝に乗せてくつろいでいた佐山の元を民子が訪れた。民子は雪子の父・吉田とは別れ、鉱山技師と再婚したものの家には寄り付かず、娘とも合わないと話す。
民子に家に呼ばれて行くと、美しい雪子がいて、しかも佐山が載った雑誌の切り抜きを机の前に貼っていてドギマギする佐山。民子から私に何かあったらよろしくと頼まれた。回想はここまで。
佐山と雪子の帰り道。酔っ払ったふりをしたり、肩を抱いて歩いたり…うーん、すでにちょっとキモくなってきた。おじさまと若い娘の組み合わせ嫌いなんだよね。かといって、おばさんと若い男の組み合わせが好きなわけじゃありません。
雪子が引き取られたのは、割と最近のことなのか。時枝も最初に民子がお金を借りにきた時は嫌がるそぶりを見せたけど、民子が別の人と結婚したから佐山と結婚できたんだとポジティブ。
近所の絵描きの沢田がまたナマズを持ってきた。いらないと言っても、今度は蒲焼きにしてあげるとニコニコ。
ちょうど雪子の友人の阿佐子が遊びに来て、ナマズみたいなヒゲだと沢田が帰ってから笑い、その後は誰が結婚したとかそんな話をする。
高浜が遊びにきて、佐山と時枝と飲み、いい相手がいると雪子に結婚を勧める。
それからすぐ若杉という青年が高浜の使いだと来た。佐山あての手紙には雪子の見合い相手で若杉も知らずに来ている、雪子にも知らせずに会わせたらどうかと書かれていた。若杉を家にあげ、ビールを勧める佐山。若杉は銀行員で酒を飲むと赤くなると遠慮した。
「あしたからの恋」でも書類を届けにきたという口実で見合い相手が自宅に来たことがあったもんね。
小泉博さんは若いころからサッパリした美形だね。児玉清さんみたいな。どちらも歳を重ねても素敵なおじ様だった。どちらも滑舌よくクイズ番組の司会者の経験あり。
時枝は若杉から次男坊でサラリーは18000円、お酒が嫌いでタバコは2日に新生1つと聞き出していた。2日に1箱? 2日で1本ってことはないか。
若杉を駅まで送るように言われた雪子は若杉と歩く。海岸で飲んで歌ったという話から「恋はやさし野辺の花よ」を懐かしのメロディーだと若杉が言う。この時代でも昔の歌なんだ。
家に帰った雪子は佐山から若杉を結婚相手にどうかと聞かれ、戸惑う。
回想
夜、隣に寝ていた民子が泣いていた。「私が死んだらどうするつもり?」と雪子に聞く。女は一番好きな人と一緒にならないと一生不幸だと言う。
その後、民子が亡くなったことを佐山に電報で知らせた。義父の根岸が面倒臭そうに帰ってきて、葬式も出さにゃならんし、こんな厄介なものを残されてと雪子をチラ見。
けど、最初から「雪ちゃん」と呼び、泣いてる雪子の肩を抱く佐山より若い娘に全く興味のない根岸のほうがマシに思える。
雪子は佐山の前から姿を消し、レストランのウェイトレスになっていた。時枝が様子を見に行くと、根岸はどこかへ行ってしまい、雪子は学校を辞め、レストランの寮で働いていると雪子が話した。
時枝は家に帰り、かわいそうで雪子を引き取りたいと佐山に言う。あんな小さな子が…? 数年前の話?
wikiを確認すると(あくまで原作の話ですが)雪子は現在19歳。14歳で母を亡くし、女学校を辞め、百貨店の寄宿舎に住み込みで食堂の給仕をしていたが、16歳で佐山家に引き取られて、昨年、女学校を卒業した。佐山と数年会わない時期があったのね。
ちなみに佐山は41、2歳。時枝は30歳くらい。若杉は大学を出て3年くらいの歳。
時枝と佐山は雪子の結婚について語り合い、結婚話が進む。
雪子のもとに若杉が会いにきて、故郷の母が喜んでくれた、家が決まりそうだと話した。
佐山が執筆している宿に会いに行った雪子は話があると外へ散歩に出た。しかし、バスが来るとそのまま帰った。バスの中で泣き崩れる雪子。
嫁入りの日の朝も台所仕事をする雪子。夫婦と女の子供1人の家にも照という女中がいるのね。今までお世話になりましたと泣きながら挨拶する雪子。それにしたって時枝さん、器がデカいね!
結婚式
友人挨拶は阿佐子。丁寧な言葉遣いだな。
着付けの時に胸をふくらましてもらったのという時枝の発言に雪子の胸元をジロジロ見ている佐山。ボーイから面会だと声をかけられ、外へ行くと根岸がいて、佐山はお金を握らせて帰らせた。
結婚式が終わり、時枝は民子に義理は果たしたとホッとした様子。佐山に雪子が好きだったか聞く。「うん、好きだった」とあっさり答える佐山。もう2~3年うちに置いてりゃよかったと時枝は寂しがる。余裕あるねえ。
新婚旅行に行った雪子は母の「一番好きな人と一緒にならなくちゃダメ」という言葉を思い出し、机に突っ伏して泣く。母の言葉にとらわれすぎのような。すごい変な相手とくっつけられたんならともかく、あんなかっこいい&優しい&堅実な人と結婚できて、そりゃないよと思う。
若杉が雪子がいなくなったと佐山家にきた。根岸が金の無心にきたせいだと考えた若杉は保土ヶ谷の洪福寺へ向かい、佐山は阿佐子の働く丸ビルへ話を聞きに行った。
阿佐子は佐山に若杉は時枝に雪子に誰か好きな人がいるんじゃないかと話していた。若杉さん、いい人だな〜。クセのないイケメン当て馬キャラ!?
佐山は民子との思い出の地へ向かった。
それにしたって、上原謙さんと加山雄三さんが親子だと何回映画を観ても、いまだに信じられないな。どっちも美形だけどタイプが違って、上原謙さんは優男系、加山雄三さんはワイルド系。文化系と体育会系みたいな。
若杉のことを何とも思っていないと言う雪子に偉そうに若杉君となら幸せになれると言う佐山。下心ありありのくせに!
帰りのタクシーでお母さんの墓参りに行くと言う雪子におじさんも一緒に行こうと言う佐山だったが、雪子は若杉と一緒に行くと断った。
家に着く頃には雨が降っていた。若杉は家の前で雪子を待っており、同乗していた佐山に何度もお礼を言って帰った。家に入っていくのをじっと見つめる佐山。
家に帰った佐山は時枝には雪子の家出を根岸のせいにして話した。時枝は冨美子には絶対恋愛してもらうと小学3年生の娘の結婚を気にした。外はすっかり雨が上がっていた。(終)
いやー、しかしさ、日本映画専門チャンネルは本編中に一度もCMが入らないのがありがたすぎる。字幕もあるし。最近、BSといえどCMが挟まるものしか見てなかったから集中力途切れず見られた。間に入ったCMが最悪なのもあるし!
だけど、見終えてみると、いくらでも気持ち悪い展開にできそうな作品を爽やかに仕上げたな〜。上原謙さんがいやらしさのない中年男性のせいだったせいもあり、時枝も雪子に嫉妬して意地悪するような場面が1つもなかったせいかも。
この作品は映画化の他にドラマ化が7回! 1950年代に3回、60年代に2回、70年代に1回、90年代に1回。私は年の差恋愛ものが特に苦手なせいもあり、何度も映像化するほどの作品か?とつい思ってしまうけど、原作読んだらまた違うんでしょうね。