◤生誕120年
— 日本映画専門チャンネル (@nihoneiga) May 14, 2024
テレビドラマで観る笠智衆◢
本日は
「#春までの祭」
◆5/14(火)よる9時15分~ほか
脚本 #山田太一📚
新たな恋に揺れる亡き息子の嫁☘️
彼女の幸せを願いつつも
複雑な思いを寄せる義父の葛藤を#笠智衆 が好演👴✨#吉永小百合 #藤竜也https://t.co/zxqImOKo1B pic.twitter.com/JQScOUT3DL
1989年4月6日 フジテレビ
あらすじ
山田太一が未亡人と義父との移ろう関係性を見つめる、フジテレビ開局30周年作。数々の名作を生んだ山田と笠智衆が組み、新たな恋に揺れる亡き息子の嫁に複雑な思いを寄せる義父の葛藤を丹念に描く。3年前に息子を亡くした逸次(笠智衆)は、息子の嫁の香奈(吉永小百合)と男子高校生の孫と、淋しいながらも平穏に暮らしていたが、見知らぬ男(藤竜也)と密会する香奈の姿を偶然目撃し、義娘の幸せを願いつつも二人の関係が気になり、行動を開始する。
2024.5.14 日本映画専門チャンネル録画。笠智衆生誕120年ということで、他にNHKの笠智衆三部作や目白三平も合わせて放送。目白三平以外は山田太一脚本。
これらはホントに名作。「今朝の秋」は2023年末に山田太一さんの追悼としてNHKで放送していたけど、せっかくなら「シャツの店」とかもやってほしい。
脚本:山田太一
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安東香奈:吉永小百合…字幕黄色
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西崎達夫:藤竜也…字幕緑
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安東章太郎:坂詰貴之
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受付:山口美江
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典子:野際陽子
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安東逸次:笠智衆…字幕水色
ガラス工房でデザイナーをしている香奈。
鎌倉
十一月
稲村ヶ崎駅から出てきた男子校生・章太郎を駅前の喫茶店・クドウで待っていた祖父・逸次が声をかけた。笠智衆さんがドジャースのキャップとスタジャン姿!
スーパーで買い物した逸次は買い物しすぎて喫茶店まで運んでもらい、章太郎が帰るまで待っていた。なるほど。家の前には藤沢のおばさん・典子が待っていた。
若い頃からおじいさん役の笠智衆さんが杖もついて本当におじいちゃんになっている。
香奈が仕事をしているため、逸次が夕飯のお米を研いでタイマーをかけているというだけで怒っている典子。香奈は典子の兄嫁で、夫を亡くしたため、逸次と章太郎が家事をこなしている。
車で帰ろうとした香奈の前に西崎が現れ、車に乗り込み、ペラペラしゃべる。仙台から小一時間かかる田舎に住んでて仙台に憧れたとか何とか。1週間前に香奈を見かけた西崎は香奈の美しさに一目惚れして、毎日、香奈に会いにきていた。
日曜日、展示会に出かけると外に出た香奈の前に高級車が止まっていた。家には来ないでという香奈との約束を破る西崎。散歩に出ていた逸次は車に乗り込む香奈を見ていた。
夕食後、章太郎は部屋に行き、香奈は逸次にあの人とは何でもないと弁解した。逸次の「んーにゃ」というセリフが面白い。逸次は西崎をあまり感じのよくない男だから、車に乗らないよう注意した。
オシャレなレストランに香奈を呼び出した西崎。デザインの仕事の依頼だが、会社で事務的にしてほしいと香奈に、キレイって言っちゃいけませんか?としつこく言う。西崎はウェイターにもこの人は3年前に夫を亡くして、義父と高校2年の息子と暮らしていると話しかける。貞淑な妻の殻を破りたいとわざと香奈を怒らせるようなことを話し、本当に怒った香奈は仕事も断り、帰った。
女性をわざと怒らせる手法、いくら藤竜也さんでも嫌だね。「岸辺のアルバム」の北川にちょっと近いのかも。
家に車で着いた香奈に章太郎がすごいお歳暮が届いたと駐車場まで報告に来た。西崎から本が何十冊も届いており、香奈は勝手に開けた章太郎を怒り、返すと言う。
しかし、いつまでも本を返さない香奈を不審に思う章太郎。20万近くしそうな本か〜。バブルだね〜。章太郎は贈り主が母さんを好きなんじゃないかと逸次に話した。
酔っ払って帰ってきた香奈は泣き出す。
典子に香奈の相談した逸次は香奈が断れずにいて困ってると思っていたが、典子は余計なことはするなと言いつつ、西崎をゴルフの会員権の取引業者の社長だと調べていた。
夜、夕飯の支度をしていた香奈に困っていることはないかねと話しかけた逸次。困っていることはないと答えられ、何も言えなくなった。
西崎の会社・西和ゴルフに逸次は西崎に会いに行った。豪華な社長室にいた西崎は逸次を香奈の舅と知っており、部屋には香奈の作品が飾られていた。一流の商事会社で働いていた逸次にはゴルフの会員権の取引業者なんてヤクザな商売と思っているんだろうと西崎は指摘する。本社、支社が4つ、広告費年間3億円と自慢する。
大学の夜間部から小さな証券会社に入った西崎は、そこからゴルフ業界へ。昭和46,47年、カントリークラブの会員権を売って月に1000万円の売り上げがあったが、昭和48年のオイルショックで昭和51年頃まで苦しかった。いずれ自分のゴルフ場を持つのが夢。
逸次に香奈の色香に魅せられていると言い、8年前に妻と別れている西崎は香奈と一緒になりたいと言うが、逸次は香奈さんはお前のような男とは一緒にならん!と怒る。
夜、布団に入っていた逸次にしばらく枕カバーを替えてなかったからと部屋に入ってきた香奈。掃除に手が行き届いてなく、家政婦さんを雇おうかしらと漏らす。6日のうち4日は逸次が夕食作りをしているが、逸次はこのままでいいと言う。
一月
新年会にこれから出かける香奈。雪がチラつくため、歩くのは大変だと気遣う章太郎。会社の人だけじゃなく工場の人も来るので飲まないわけにはいかないと出かける準備していると、家の前にはまた高級車が止まっていた。新年会ではないね?と指摘した逸次だが、認めずに家を出た香奈。西崎に夕食に誘われていた。
レストラン
雰囲気が和らがないうちに食後のコーヒーになってしまったと香奈に言う西崎。感情を見せない香奈に不満を漏らす。しかし、香奈が「お酒くださる?」と言うと、西崎は「ありがとう、ありがとう」と感謝した。
お酒=日本酒と思っていた西崎だが、香奈はブランデーと思っていたと少し笑う。舅と息子との暮らしは味気ないと思っている西崎にささやかな幸せを話す香奈。お風呂掃除をしてくれていた、ヤカンを磨いていた、空のお弁当箱を出してくれた…。
まだ衰えていない体を誰にも見せなくていいんですか?と挑発する西崎に帰ると言う香奈。夫を愛していた、死んでしまって嫌なことは消えた、3年も経つといいことしか思い出せないと言うと、また殻に入っちまったとあきれた西崎は部屋を出ようとした香奈にキスをした。
タクシーで帰ってきた香奈。逸次が起きて待っていた。
二月
日曜日、玄関先を掃除している香奈。章太郎が出かけて行った。朝からずーっと働いてると章太郎も逸次も気遣う。気遣うより掃除してくれたほうがありがたいかも…と一瞬思ったら、逸次がつられて…と掃除してるよ〜。かわいい。
香奈は西崎と時々交際したいと逸次に話した。再婚したいわけではない。嘘を言って西崎に会いに行くと傷つけあうことになると香奈が話すと、「それがいい」と逸次は賛成。
夜になって章太郎に話すと、章太郎は部屋から出て台所で荒れた。章太郎は夕飯作りをしたり協力してたのにと泣くが、逸次が香奈は道楽しているのではない働いているんだと香奈の味方をした。
墓掃除をしている香奈の前に逸次が現れた。そういうことはせんでいいと逸次は言い、香奈からタワシを受け取り、掃除を始めた。墓石を磨く逸次を見て涙を浮かべる香奈。
本堂で逸次の肩を香奈がさする。逸次は肩を縮こまらせて、すっかり冷えたのね。小僧さんにお茶を出してもらった。
三月
典子が夫がアンカレッジで買ったステーキを持ってきた。西崎、香奈、章太郎は車のレースに3人で出かけた。西崎との仲が進展してるらしい香奈に納得していない逸次。車のレースというか室内でゴーカートしてた。
夜、西崎が家にいる! いろいろ無礼なことを…と逸次に頭を下げる西崎。再婚を考えているが、この家には実家のように立ち寄らせたいと話す。しかし、前の亭主のところに来たらいかん、この家はないものと思えと逸次は言う。
まだドジャースキャップとスタジャン姿の逸次が章太郎と買い物している。章太郎は大学入るまで、2人でやっていこうと話す。誰がこの衣装を考えた!?
台所でロールキャベツを作る逸次と章太郎。
デザイン画を描く香奈。(終)
エンディングで筒井真理子さんや和久井映見さんの名前を見つけた。和久井映見さんは章太郎が見惚れてた女子高生じゃない? “和久井映美”名義だったけど。
山田太一さんの脚本、基本的には好きだけど、男女絡みの話は、う〜ん…あんな無礼な男嫌だよ。それにひかれるというのも。笠智衆さんは可愛かったし、章太郎も全編通していい息子すぎだけどさ、女性をわざと怒らせるというのがキモいんだよなあ。
それとゴルフ場の会員権の取引業者という仕事も1989年4月は、まだいいだろうが2年もしたらヤバいと思う。