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【ネタバレ】サラリーマン目白三平 亭主のためいきの巻

1960年 日本

 

あらすじ

国鉄に勤務する傍ら作家としても活躍した中村武志の、人気シリーズに基づく1作。笠智衆が騒がしい周囲に振り回される実直なサラリーマンを味わい豊かに演じ、映画版もシリーズ化された。国鉄で25年間働く三平(笠智衆)は、信州から上京して実家に帰りたがらない姪っ子のみさ子(水野久美)のために、小遣いをはたいて働き口を世話してやるが、二人の息子の子育てに追われる妻・文子(望月優子)に誤解され、倦怠気味の夫婦の溝がさらに深まってしまう。

2024.5.8 日本映画専門チャンネル録画。

 

古い順に…と思ったけど小津映画じゃない笠智衆さんが見たいから見よう。白黒か。東映版、東宝版があって、こちらは東宝版。

 

オープニングの音楽の感じが初期の三谷映画っぽい(イメージ)。「ラヂオの時間」とか「みんなのいえ」みたいな。

 

目白三平笠智衆…字幕黄色

 

妻・文子:望月優子…字幕水色

 

三平の息子の小学生の冬木、高校生の春木が雨の中、登校していった。文子は春木も高校生になったのだからレインコートを買いたいと言う。三平は雨漏りがするので、それより新しい靴を欲しいと思っている。文子は会社帰りにカツ用の肉を12枚買ってくるように頼んだ。近所の佐々木さんと海野さんもみんなでカツ丼を作ろうと相談していた。

 

満員電車に揺られて出勤。靴は濡れて、会社では靴下を脱いでいた。相馬課長に宴会に誘われたが、機関誌の広報を書いていると断ろうとした。しかし、ジュースでも飲んでればいいと結局、強制参加させられそう。三平は下戸なので宴会は損だと考えている。相馬課長は松村達雄さんではないか!

 

三平の腕時計が止まっていて肉を買い損ねた。家で待っていた佐々木夫人も海野夫人もがっかり。おお、海野夫人は賀原夏子さん。

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「3人家族」の敬子たちのお母さん。

 

シューマイを買ってきた三平に文句タラタラの文子だが、息子たちは人に頼んだのが悪いとフォローした。

 

会社に夕風荘の女将から三平に電話があった。柏木みさ子という三平の姪が腹痛で寝込んでいて、お金を持っていないのだと言う。三平はお金を持って行くので医者を呼んで欲しいと頼んだ。女将に2150円かかったと言われ、お釣りはいらないと渡した。遠縁でよく顔も知らないので会わずに帰ろうとしたが、みさ子が顔を出した。

 

柏木みさ子:水野久美

 

みさ子にもお金を渡して、3200円も使ってしまった。しかし、みさ子が案外可愛かったのでにんまり。笠智衆さんとはいえ、少々気持ち悪い。

 

家に帰った三平は文子に5月の第2日曜日について聞かれる。カーネーションでも買うよという三平にそんなものより旅行とかがいいと言われる。この奥さん、「次郎物語」のお浜だ。賀原夏子さんもこの映画に出てたな。

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それなら6月の第3日曜日を忘れないで欲しいなと言う三平。おお、父の日あったんだ。パチンコやマージャンは男の仕事後のレクリエーションだと言う三平に女だって1日中働いている、女のレクリエーションはなんですか?ときっちり反論する文子が頼もしい。

 

仲人をした女性にも結婚というのは一人の大きな男の子を持つことだと言う文子。

 

また、みさ子から電話。三平は課長に3000円を借りて、会いに行こうとしたが、課長から懇親会に参加するように言われた。

 

行きつけの喫茶店でみさ子と待ち合わせをすると、みさ子は友達のところに泊まっていて、働き口を探していると言う。三平は店のママに住み込みで働かせてもらえないか頼んだ。この喫茶店の娘・敦子が浜美枝さんか。ショートカットじゃないから分からなかったな。ママも敦子もみさ子が美人なのでOKした。

 

その後、懇親会に参加した三平。下戸の三平がご飯を食べていると、宴会でご飯を食うな、酒が不味くなると同僚に絡まれた。何その絡み方! お茶碗が畳に落ちた。三平は下戸だからご飯を食べて何が悪い!と言い返し、場の雰囲気が悪くなった。あとで言い過ぎだと反省する三平。反省することないのに。私はお酒好きだけど、酒好きがお酒を飲めない人に強要するのはすごく嫌。

 

酔っ払った課長をタクシーで送り届けた三平は課長の妻に冷たい目で見られ、終電も過ぎてしまったため、自身もタクシーで帰ることになった。案の定、文子は怒っていた。

 

翌朝の母の日、三平は10時に目覚めた。冬木は母の日だからと表を掃いていた。週に一度の日曜日くらいゆっくりご飯を食べたいと言う三平に今日は年に一度の母の日だと言う文子。ご飯の用意してるの文子だからね! 本当は午前中から家の修繕をして欲しかった。

 

三平はみさ子に会いに出かけた。もー、こういうとこだよ! みさ子は松本から飛び出してきたがわけを言わない。信州出身の三平は信州の良さを語る。

 

文子は冬木に留守番をさせて出かけた。街へ出ると、仲人をした男性と偶然会い、男性から結婚した妻が男性の母親と仲が良すぎてつまはじきにされていると愚痴をこぼした。

 

目黒家にはおじいさんが来ていた。左卜全さんがこの時代にヨボヨボのおじいさんを演じている。少し前に綴方の授業で見知らぬおばあさんに手紙を書いた冬木は、おじいさんを気の毒に思い、一尺10円のゴムひもを買った。おじいさんが家を出たところで帰ってきた文子だが、冬木はゴムひもを買ったことは言わなかった。

 

夜、テレビが見たいという冬木たち。先生が出るという民謡コンクールが見たいという。渋いな! 貧乏だと言ってるけど、普通にテレビあるよ。

 

養老院から冬木あてに手紙の返事が来た。冬木は文子に話そうとしたが、海野夫人との井戸端会議に夢中になって聞いてもらえなかった。

 

冬木は自室に入り、貯金箱を割って、お金を取り出して出かけた。せんべい、もなかなどを買って、養老院へ。山の中にあるんだね。

 

養老院・緑の家

受付で杉山俊江っておばあさんいる?と訪ね、名乗らずにこれあげて!とお菓子を渡して帰った。

 

文子はテレビ料理の時間で見た酢豚を作っていて、冬木が出かけたことに気づいていない。

 

三平は会社で同僚から妻に浮気がバレて、女房としっくりいかないと話した。スリルと危険をおかしてもやめられない、あんたもしたほうがいいと全然懲りてないのね。あきれるよ。

 

会社帰り、三平は、みさ子の働く喫茶店に行ったが、声をかけずに帰った。

 

冬木が270円を使ったことがバレた。文子は悪いことに使ったと思っているが、冬木はお菓子を買ったとだけ言い、それ以上言わない。

 

文子は旅行にも行かないで単調な毎日を送っているからだと三平を責め、言い合いになった。すれ違う夫婦。

 

茶店に顔を見せない三平を心配する敦子たち。敦子は三平がみさ子を好きなのだろうと言う。おえっ!

 

担任の先生が冬木の行いを三平と文子に話した。戦争で家族を亡くして10年以上、養老院に入っている73歳の杉山からお礼の手紙と養老院で作った南京豆が渡された。冬木のしたことに嬉しくなる三平と文子。

 

みさ子の父が三平に連絡してきた。男やもめの父に好きな人ができて気を利かせて出てきたと父は考えていたが、その女性とは別れた。三平は、みさ子にどこでても幸せを見つけられる人だと信州に帰ることを提案。みさ子も帰ることに決めた。

 

三平は、みさ子の父からもらった信州土産と返してもらったお金をそのまま文子に渡した。文子はお札を数えて嬉しそうに割烹着のポケットにしまった。

 

翌朝、出勤しようとした三平は真新しい靴に驚く。文子が三平のために買ってくれていた。三平はそっと玄関を歩いてみせ、文子にペコッと頭を下げて外へ出た。真新しい靴で堂々歩く三平だった。(終)

 

いい話だな〜って素直に思ったのに、でも、男って、つくづく子供<夫と思ってんだなあとも思ってしまった。話としてはきれいにまとまってるけど、冬木がいいことしたよね!?とも思ってしまった。我ながらひねくれてるな。